こうした安全への取り組みとして、2026年4月24日には航空機内の持ち込み・使用に関するルールが変更されました。JALではそのルールにあわせて、お手荷物のご確認をお願いしております。そこでこの記事では、安心して旅を楽しむためにチェックしておきたい新ルールのポイントや、旅におすすめのモバイルバッテリーの選び方を詳しく解説します。

この記事の監修
池谷知彦さん
電力中央研究所・東京科学大学・工学博士。
(一財)電力中央研究所で二次電池ならびに電気自動車や電力貯蔵への利用技術の研究開発に従事。二次電池に関連した規制や基準作りや、消防庁でのリチウムイオン電池による火災防止に関わる委員会等に参加。
機内へのモバイルバッテリー持ち込みと使用のリスク
モバイルバッテリーの発火事故が相次ぐ背景には、何があるのでしょうか。電力中央研究所・東京科学大学の工学博士・池谷知彦さんによると、数年前に販売され、長年利用してきた製品の劣化が原因のひとつと考えられるとのこと。モバイルバッテリーに内蔵されたリチウムイオン電池は、充電を繰り返すたびに劣化し、発熱・発火のリスクが高まっていくのだそう。
さらに、現在と比較して数年前は安全対策が不十分な製品も多く、より大きなリスクにつながると、池谷さんは指摘しています。
【リチウムイオン電池が発火するメカニズム】

池谷さん「電池の劣化が進むと、充電時に内部で可燃性ガスが発生します。その状態で落下などの衝撃が加わったり高温環境に置かれたりすることで、発火につながります。時には、一気に200℃以上まで上昇することもあります。
万が一、発煙、発火した際は、できるだけ早く水をかけて消火してください。しかし密室で狭い空間の飛行機では簡単に消火できるわけではありません。また、機内には、手荷物など可燃物も多く、あっという間に燃え広がる可能性もあるでしょう。それゆえ、航空機内ではまず発火を未然に防ぐため、万全を期す必要があるのです」
発火のリスクを考慮し、機内持ち込みルールを徹底するのはもちろん、劣化サインが出始めたモバイルバッテリーは、すぐに買い替えましょう。
【見逃さないで! モバイルバッテリーの劣化サイン】
・以前よりも充電に時間がかかるようになった
・充電中に本体が熱をもつ
・本体が膨らんでいる
また、信頼できるメーカーで、安全基準を満たした製品を選ぶことも大切です。電気用品安全法の基準を満たした製品に表示される「PSEマーク」の有無は、購入前に必ずチェック。極端に安価な製品や、問い合わせ先の不明瞭な怪しいメーカーは避けるのがよいでしょう。

電気用品安全法にのっとり、安全検査が実施された製品に付与される「PSEマーク」
なお、スマートフォンやPCもモバイルバッテリーと同様、リチウムイオン電池を内蔵しています。ですがこれらについてはそこまで厳しい機内持ち込みルールは課されていません。それはなぜなのでしょうか。
池谷さん「スマートフォンやPCにはCPUが内蔵されており、内部で熱暴走が起きないよう自動制御が働きます。筐体も強く、バッテリーが守られた構造になっています。一方、モバイルバッテリーの構造は非常にシンプルで、電池が洋服を着たようなもので、落下や衝撃にも弱い。そのため、より丁寧に管理する必要があるのです」
リチウムイオン電池は、充電式のハンディファンやカメラ、電子タバコなどにも使用されています。これらもモバイルバッテリーと同様、注意が必要。次の段落で解説するルールを把握し、正しく機内に持ち込みましょう。
【2026年最新】リチウムイオン式モバイルバッテリーの機内持ち込みルール

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国土交通省では、国際民間航空機関(ICAO)が定める国際基準に基づき、モバイルバッテリーを航空輸送する際の安全基準を定めています。航空機内での発火事例の増加にともない、そのルールが2026年4月24日に改訂されました。従来のルールに加え、新たに3つの項目が規定され、現在は7つのルールが設けられています。
【現在の主なルール】
①預け入れ荷物には入れず、必ず機内持ち込み荷物へ
②座席上の収納棚には収納しない
③モバイルバッテリーのワット時定格量(Wh)は160Wh以下
④ショート防止のため、端子部を絶縁テープ・ケース・収納袋などで個別に保護する
⑤機内持ち込みできるモバイルバッテリーは2個まで
⑥機内でモバイルバッテリーへの充電をしない
⑦機内でモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしない
このうち、⑤〜⑦は2026年4月24日から追加されたルールです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
①預け入れ荷物には入れず、必ず機内持ち込み荷物へ
預け入れ荷物にモバイルバッテリーを入れることは禁止されています。貨物室や収納棚の中で発火が起きれば、消火が遅れて大事故につながりかねません。万が一の際も素早く対応できるよう、モバイルバッテリーは必ず「身の回り品」として機内に持ち込みましょう。
②座席上の収納棚には収納しない
機内に持ち込む際は、収納棚には入れず、座席ポケットなど手の届く範囲に保管します。
③モバイルバッテリーのワット時定格量(Wh)は160Wh以下
モバイルバッテリーにおけるワット時定格量(Wh:ワットアワー)は、電池に蓄えられる電力量を表します。これが160Whを超える製品は、機内に持ち込むことはできません。多くの場合モバイルバッテリー本体に記載があるので、必ずチェックしておきましょう。Whの表記がない製品は、輸送の可否を判断できないため、持ち込みできません。
また、製品によってはミリアンペア時定格量(mAh:ミリアンペアアワー)で記載されていることもあります。この場合、mAhをAh(アンペアアワー)に換算したうえで、下記の式でワット時定格量(Wh)を求めます。
定格容量(Ah)× 定格電圧(V)=ワット時定格量(Wh)
※mAh表記の場合は、mAhを1000で割るとAhに換算できます。定格電圧は製品によって異なるため、本体表示や取扱説明書をご確認ください。
④ショート防止のため、端子部を絶縁テープまたはケース・収納袋を使用して個々に保護する
モバイルバッテリーの端子部分が他の金属や電池と触れると、ショートを起こして発熱・発火につながるおそれがあります。これを防ぐため、必ず「絶縁処理」を行います。
絶縁テープを端子部に貼る方法もありますが、より手軽なのはプラスチックや不織布製のケース・収納袋にひとつずつ入れておくこと。一般的なジッパー付き袋でもOKですが、ひとつのケース・収納袋に複数の製品を入れないことが重要です。製品の数だけ、ケースや袋を用意しましょう。
⑤機内持ち込みできるモバイルバッテリーは2個まで
2026年4月より、機内に持ち込めるモバイルバッテリーは2個までに制限されています。
⑥機内でモバイルバッテリーへの充電をしない
⑦機内でモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしない
これらも2026年からの新ルール。機内に備え付けられた充電用USBポートなどから、モバイルバッテリーへの充電はできません。また、モバイルバッテリーを電化製品につないで充電を行うのもNG。スマートフォンやPCへの充電は、機内備え付けのUSBポートから直接行いましょう。
【コラム】モバイルバッテリー以外の製品も要注意!
ここで紹介したルールが適用されるのは、必ずしもモバイルバッテリーだけではありません。前述のとおり、リチウムイオン電池を内蔵する充電式の電子タバコ・ヘアアイロン・ハンディファン、またデジタルカメラの予備バッテリーにも注意が必要です。
電子タバコはすべて預け入れ不可、機内持ち込みのみ可能です。ヘアアイロンやハンディファンなどは、製品の種類やバッテリーの取り外しができるかによって持ち込み・預け入れの可否が異なります。モバイルバッテリーと同じく、リチウムイオン電池を使用している製品は制限の対象になる場合があるため、出発前にJAL公式Webサイトでご確認ください。
web:JAL「制限のあるお手荷物」
【熱を発する製品の特例】

なお、リチウムイオン電池を内蔵した電子機器や予備電池は、ワット時定格量によって個数制限が異なります。ただし、モバイルバッテリーについては、100Wh以下であっても1名あたり2個までです。ほかの製品とは扱いが異なるため混同しないよう注意しましょう。
持ち込み個数の早見表

ルールを違反した時に罰則規定はある?
危険物に該当するものを航空機内に持ち込んだり、預け入れたりすることは航空法で禁止されています。違反した場合、罰則の対象となる可能性もあります。安全な運航のために、モバイルバッテリーを含むリチウムイオン電池使用製品は、必ず事前に持ち込みルールを確認しておきましょう。
国内線・国際線ともにルールは同様。ただし最新ルールをこまめにチェック!
2026年7月現在、日本発着便のモバイルバッテリーの機内持ち込みルールは、国内線・国際線を問わず、同様に適用されます。ですが、いくつか留意しておきたいことも。
バッテリー類の機内持ち込みルールは、国際航空運送協会(IATA)の「航空危険物規則」にも定められています。この規則は毎年1月に更新されるため、来年以降さらに厳しいルールが設定される可能性も大いに考えられます。
また、国や地域、航空会社によっては、日本より厳しい独自のルールを設けている場合があります。搭乗前に必ず公式情報の確認をしておきましょう。
なおコードシェア便を利用する場合は、原則として実際に運航する航空会社のルールが優先されるので注意が必要です。
保安検査場で焦らない! 旅にぴったりのモバイルバッテリーの選び方

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これからモバイルバッテリーを新調する際は、下記の2つのポイントを押さえておきましょう。
・安全基準を満たした証である「PSEマーク」の有無をチェック!
前述のとおり、まずは信頼できる製品を選ぶことが大切です。「PSEマーク」は安全基準を確認する目安のひとつとしてチェックしましょう。
・容量は「10,000mAh〜20,000mAh」のものがおすすめ
3.7VのモバイルバッテリーでWhに換算すると、37Wh〜74Whに該当。ワット時定格量100Whを大きく下回り、安心して機内に持ち込むことが可能です。目安として、スマートフォンを2〜4回程度充電できるクラスになります。
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JAL Mall
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旅を心から楽しむために。安心できるモバイルバッテリーをお供に!

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楽しい旅行のはじまりは、保安検査場で慌てることなく迎えたいもの。モバイルバッテリーは安全な製品を選び、持ち込みルールもしっかりと把握しておきましょう。正しい知識を身につけて、安心で上質な飛行機旅へ出かけてください。
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