機内モードとは「電波を一括でオフにする機能」
スマホの機内モードは、その名の通り、飛行機に搭乗する際に推奨される通信状態の設定のこと。航空機内でスマホやタブレットなどの無線通信機器が発する電波が、操縦システムや通信機器の動作に影響を及ぼす可能性があるため、JALをはじめとする各航空会社では、お客さまに設定のご協力をお願いしています。

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機内モードをオンにすると、スマホが発信・受信する電波(モバイル通信、Wi-Fi、Bluetooth、GPSなど)が一括でオフになります。つまり、スマホが「通信しない状態」に切り替わるのです。
機内モードの歴史
機内モードはおもに2000年代に入ってから、スマホやタブレット端末などに搭載され始めました。当初は、電波の影響を考慮して完全なオフライン状態にするための機能として導入されましたが、現在では技術の進化により、機内モード設定中でも、Wi-FiやBluetoothを個別にオンにできる仕様になっています。

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近年では機内Wi-Fiサービスの提供も進んでおり、機内モードをオンにしながらも、Wi-Fiのみをアクティブな状態にして機内のアクセスポイントに接続、インターネットを利用するスタイルが一般的になりつつあります。飛行中もメールの確認やメッセージのやり取りができるのは嬉しいポイントですね。
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とっても簡単な、機内モードの設定方法と手順
機内モードの設定はとても簡単です。ここでは、代表的なスマホであるiPhoneとAndroidの手順をそれぞれご紹介します。機種によって多少異なる場合がありますので、参考までにご覧ください。
iPhoneの場合
①画面右上から下にスワイプして「コントロールセンター」を表示。
②飛行機のアイコン(機内モード)をタップ。
③アイコンがオレンジ色に変わったら、機内モードがオンになっています。
※「設定」アプリを開き、最上部にある「機内モード」スイッチをタップする方法でも同様に設定可能です。
Androidの場合
①画面上部から下にスワイプして「クイック設定パネル」を表示。
②飛行機のマークをタップ。
③アイコンが強調表示(点灯)されれば、機内モードがオンの状態です。
※「設定」アプリ内の「ネットワークとインターネット」→「機内モード」でも切り替えが可能です。
※機種により名称や操作が異なる場合があります。
機内や旅先のみならず。機内モードの活用術
機内モードは飛行機の中だけではなく、旅行中や日常生活でも活用できます。知っておくと便利な使い方をいくつかご紹介します。
活用方法1「データ利用量を抑えたいとき」

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海外旅行中やモバイルWi-Fiが使えない場所では、機内モードが頼もしい味方になります。通信会社のデータローミングを無効にするだけでは不安、というときは、機内モードをオンにし、その上でWi-Fiのみを手動でオンにしてフリーWi-Fiなどを活用すれば、不要なモバイル通信を完全にシャットアウト。思わぬ通信料金の発生を防げます。
活用方法2「バッテリーを節約したいとき」

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移動中や観光中にバッテリーの残量が心細いとき、機内モードを使えば消耗を抑えることができます。スマホは常に電波を探して通信しているため、特に圏外が多い地域ではバッテリーの減りが早くなりがちです。通信を遮断することで、バッテリーの持ちが格段に改善されます。
活用方法3「コンサート会場や映画館で通知を切りたいとき」

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静かな空間でスマホの通知音が鳴ってしまうのは避けたいもの。マナーモードでも不安なときは、機内モードにしておけば安心です。集中したい時間を快適に過ごせます。
活用方法4「通信環境が悪く、ネットの再接続をしたいとき」

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「電波はあるのにネットがつながらない」と感じたとき、機内モードのオン・オフを試してみてください。通信機能を一度リセットすることで、再接続がスムーズになる場合があります。まるでスマホの呼吸を整えるような小技です。
活用方法5「子どもにスマホを渡すとき」

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動画をオフラインで再生するときなど、誤操作でインターネットに接続されたり、通話されたりしないよう、機内モードをオンにしておくのもおすすめです。安心して子どもにスマホを渡せます。
知っておきたい、機内モードを利用するときの注意点
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便利な機内モードですが、いくつかの注意点もあります。以下のポイントを把握して、安全・快適に利用しましょう。
注意点1「インターネットが使えなくなる」
機内モードをオンにすると、Wi-Fiを個別にオンにしない限り、インターネット接続は遮断されます。必要な場合は、設定からWi-Fiを有効にするのをお忘れなく。
注意点2「通話やSMSができない」
携帯回線を通じた通話やショートメッセージは一切利用できません。大切な連絡がある場合は、機内モードを解除する必要があります。
注意点3「思わぬオンライン対応アプリもある」
たとえば地図アプリなどは常時通信を行い、マップデータにアクセスします。通信なしでは地図が読み込めない場合が大半です。事前にデータをダウンロードすることができるので、搭乗前に確認しておくといいでしょう。
注意点4「アラームや音は遮断されない」
「音が鳴らない」と思われがちですが、機内モードは通信を遮断する機能であり、アラームや音声の出力には影響を与えません。会議中や静かな場所では、音量設定も見直しておきましょう。
使いこなすと何かと便利。機内モードで安心の旅を

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このようにスマホの機内モードは、飛行機の中での安全対策としてはもちろん、旅先や日常のさまざまなシーンで便利に使える機能です。正しく理解しておけば、通信トラブルやバッテリー切れを防ぎ、より快適で安心な旅を楽しむことができるでしょう。次の旅に出かけるときは、ぜひこの機能を活用してみてください。
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