via text - ここをクリックして引用元(テキスト)を入力(省略可) / site.to.link.com - ここをクリックして引用元を入力(省略可)
9月1日に新型機・AIRBUS A350が運航を開始し、現在は羽田―福岡路線と羽田―新千歳路線の一部の便に就航しています。まずは国内線から就航路線を順次拡大していくこの新たなフラッグシップ機は、JALの自信作です。その“実力”をご紹介するために、実際に乗務にあたる機長と、客室乗務員の目線からレポートします。

お客さまの安全につながる高い操縦性能

「2016年10月よりジェットスター・ジャパンへ出向し、(Airbus社の)A320にて約2年半にわたり、1100時間程の乗務経験を積むことができました。久しぶりにAirbus社の機体を導入する機会にあわせて、A320の知見を活かせる異動となりました」

画像: 運航本部 A350運航乗務部 副部長 A350機長 杉本 恒

運航本部 A350運航乗務部 副部長 A350機長 杉本 恒

こう語る杉本恒は、A350の機長としてこの日も乗務を終えたばかりです。JALではこれまでボーイング社の機体を多く採用してきましたが、今回は先進性と経済性を備えたAirbus社の機体を採用しました。A350型式資格を持った操縦士はまだ多くありません。この先の就航にあわせて増員予定ですが、メーカーが変われば設計も変わり、操縦系統を完全に体得しなければならないため容易ではありません。

「Airbus社の機体の最たる特長は、操縦の共通性と軌道一定性です。各シリーズによって細かい違いはありますが、サイドスティックによる操縦感覚や操縦席のレイアウトが統一されており、Airbus社の操縦を一度習得すれば機種移行訓練が容易なのです。またボーイング社の機体ともっとも異なる点は、機体の自動安定化システムがあること。機体姿勢の変化などを検知すると、自動的に水平尾翼を調整します。これによりサイドスティックをニュートラルで維持していれば、飛行機は現在の航跡を保った状態となります」

少し専門的な話になりましたが、A350は客室の空間だけでなく、操作も快適な環境にされているということなのです。

画像: お客さまの安全につながる高い操縦性能

「さらに、飛行機の姿勢制御は通常3系統に分かれた油圧装置により舵面を動かしているのですが、A350では2系統の油圧装置に加えて一部に電動制御機能を備えた油圧ポンプ式のアクチュエーター(機械作動部品)を備えており、信頼性がさらに向上しています。また特筆すべきはブレーキシステムです。着陸後、システムに誘導路をあらかじめ入力することで自動ブレーキが作動して最適な時間でよりスムーズに誘導路へ進入することが可能なのです」

地上に近い気圧と湿度で、快適な空間

いわば操縦の負担軽減と正確性につながるこれらの特性は、お客さまの安全に寄与します。過去のさまざまな事例の蓄積を踏まえて設計されたA350には、高い信頼性が備わっているのです。

「操縦士の声を反映し、真摯な過去事例の研究成果が表れたA350は、Airbus社の英知の結晶であり、世界中のパイロットにとって大変興味深い機体だと思います。また一方で、燃料効率にも優れています」

画像: 地上に近い気圧と湿度で、快適な空間

「操縦席ではエンジン音や振動をほとんど感じることがなく、とても静かな印象です。また従来の機体に比べて、より地上に近い機内の気圧を実現しており、また湿度調整機能も装備されていますから、身体に優しい空間を実感していただけると思います。Airbus社とJAL、そしてエンジンを手掛けたロールス・ロイス社のコラボレーションにより実現した価値のある新しい空の旅を、ぜひ多くのお客さまに体感していただきたいと思います」

客室乗務員から見ても、ハイスペックな室内空間

さて、こういった快適性については、お客さまと同じ空間でサービスを提供する客室乗務員がもっとも実感するところです。

「今回のA350導入に際して、就航前のテストフライトで3回乗務したのですが、洗練された機内の雰囲気を感じました。搭乗口で鶴丸のエンブレムが迎えてくれ、客室空間は木目調の落ち着いた印象です。天井が高めで開放感もあり、お手洗いも使いやすいですね。ほっとできる心地よい空間です。就航後にお客さまからも、『機内が本当に静か』というお声を頂戴しています。A350にお乗りいただければ、小さな声でもコミュニケーションがとりやすいと思っていただけるはずです」

画像: 客室品質企画部企画・運営グループ 中村智美

客室品質企画部企画・運営グループ 中村智美

このように語る中村智美は、A350の設備やサービスについて、実際に乗務する客室乗務員向けのマニュアルを作成しています。客室乗務員としての経験、そして過去にボーイング787の国際線でも同様の仕事に携わった経験を活かして業務に臨んでいます。

「機内サービス、安全など客室乗務員のマニュアルは各自貸与されているiPadに格納されています。ここから必要な情報を迅速、タイムリーに入手できることを目的として、コンテンツを作成しています。個人モニターからシートの使い方、設備操作のヒントにいたるまで、動画も駆使しながら、これを現場で使う乗務員の目線で作成しています。」

くつろげるシートと、多彩なコンテンツが楽しめる個人モニター

シートについても、大きな進化が感じられます。

画像: くつろげるシートと、多彩なコンテンツが楽しめる個人モニター

「普通席はコンパクトながらも、体を包み込むように支えてくれる高級感のあるものです。そして全席に今回から充電ポートのほかUSBポートが装着されましたので、機内でモバイル端末を利用されるお客さまには高い利便性を感じていただけると思います」

そしてお客さまにとっても、客室乗務員にとってもインパクトが大きいのが「個人モニター」の存在だと中村はいいます。

「A350は全席に個人モニターが装備され、全客室乗務員に操作方法の慣熟が求められることから、アメリカから来日したインストラクターから事前に指導を受けました。個人モニターからアクセスできる機内エンターテインメントのほか、無料でご利用いただけるWi-Fi機能など、本当にいろいろなことが楽しめます。国内線でも映画がご覧いただけるようになりましたが、映画の停止時にパスワードが表示され、後日当社A350機材にご搭乗いただいた際にはそのパスワードをご入力いただくことにより、続きをご覧いただけます。他の機材にはない尾翼の機外カメラが映し出す風景をご覧いただくことができます。」

きめ細かいアップデートにより進化する使い勝手

こうしたお客さま向けサービスの拡充に加え、細かな進化もあります。

「まずサービスカートがほかの飛行機とちょっと違っており、軽さと安全性を重視した設計になっています。また今までフライト中に揺れてベルトサインがついたら、私たち乗務員がアナウンスをする必要がありました。しかしA350は機内の揺れを検知すると自動でアナウンスが流れます。さらに広々とした頭上の荷物棚の扉には開閉をアシストする電動サポート機能が盛り込まれました。」

ほかにも、お客さまのお食事を温めるオーブンも、従来のマイクロウェーブ型(電子レンジ)からスチームオーブンに変わり、より多くのお食事を最適な温度でご提供できるようになっています。

画像: きめ細かいアップデートにより進化する使い勝手

「検証フライト時にはシェフにもお乗りいただき、温度計でお食事を細かくチェックしました。しかし実際のフライトを通して、『一番適温でお客さまにお食事を提供することが出来るように、もう少し設定温度を高くしてほしい』という客室乗務員の声があがったことから、すでに改良を施しています」

このように、A350はお客さまや現場で働く乗務員の声を反映しながら、日々アップデートを重ねています。お客さまによりよい空の旅を楽しんでいただくため、機体は常に最善であることが求められます。フラッグシップ機であるA350は、常に進化を続けているのです。

JALの舞台裏

A350導入の裏話や機内食のメニュー開発など、JALの仕事の舞台裏を紹介します。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

This article is a sponsored article by
''.