2024年から発行される新一万円札の「顔」であり、2021年2月から放送されるNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公ともなる渋沢栄一。金融・経済界で日本の礎となったことで有名ですが、あまり知られていない一面もあります。しかし、彼の偉業や軌跡をたどると、近代日本の歴史や現代にも脈々と受け継がれる日本文化を体感することができます。

【東京・日本橋編】渋沢栄一の数多くの功績が生まれた場所・兜町

画像: iStock/redtea

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深谷で青年期まで過ごし、フランス・静岡を経て、渋沢栄一が30~40代の活動拠点にしていたのが、日本橋・兜町でした。

兜町は明治以来、「投資の街」「証券の街」などとして、新しい産業の起点となり、投資家が集まって日本経済の未来を語り合う場所へと発展を遂げています。そんな渦の中心に立ち、世の中に大きく関与していた人物こそが、渋沢栄一です。

そんな兜町には現在でも、渋沢栄一にゆかりのある数多くの建造物が残されています。

1. 旧渋沢邸宅跡地に作られた事務所「日証館」。会社の成功・発展を祈願できる縁起石も

画像1: 写真提供:平和不動産

写真提供:平和不動産

兜町でまず足を運びたいのが、東京証券取引所の裏側にある「日証館」です。

こちらは1888年に渋沢栄一の邸宅として、その後30~40代の頃には事務所として使われていた場所。1923年の関東大震災で当時の建物は焼失してしまいましたが、1928年に現・東京証券取引所の前身である東京株式取引所によって、日証館が建設されました。

画像: 1. 旧渋沢邸宅跡地に作られた事務所「日証館」。会社の成功・発展を祈願できる縁起石も

日証館で忘れてはいけないのが、エントランスに展示されている「赤石」です。兜町邸宅を建設した際に、渋沢栄一は日本経済の発展を祈念し、この赤石を縁起石として設置していました。渋沢栄一もこの石を触ることで、自身が関わった会社の成功と、日本の近代的経済発展を祈っていたそうです。

現在でも、来館者がこの赤石に触れることで、祈願ができるようになっています。生前、数々の会社の起業・発展に携わってきた渋沢栄一が設置・使用してきた縁起石だからこそ、きっと力をもらえることでしょう。

ちなみに赤石は、一般の方がより触れられやすいようにと、8月頃に新築ビル「KABUTO ONE」に移設予定とのことです。

日証館

住所東京都中央区日本橋兜町1-10
開館時間平日7:00~18:00
閉館日土・日・祝日
webhttps://www.heiwa-net.co.jp/business/redevelopment/history.html

2. 日本経済の中心地を確立。渋沢栄一が中心となって設立に尽力した「東京証券取引所ビル」(前身:東京株式取引所)

画像: iStock/kazuma seki

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明治時代になり、「証券・金融の街」へと発展を遂げた兜町。明治政府による公債の発行と売買がさかんになったことを受け、1873年には取引所設立の動きが出ていましたが、実際に取引所の設立を実現したのが、渋沢栄一と当時の仲間たちでした。

そうして1878年、東京株式取引所(現在の東京証券取引所の前身)が設立されました。これにより、兜町は日本経済の中心地としてより発展を遂げることになります。

東京証券取引所の見学をしたい方は、西口エントランスから「東証Arrows」へ。日本の証券市場のあゆみ・歴史を学べる「証券史料ホール」のほか、仮想の証券市場で配信されるニュース・会社情報をもとに、株式の売買を体験できる「株式投資コーナー」などがあり、貴重な品々とともに理解を深められます。

日本の証券市場の歴史を知りたい方、株式投資を体験したい方にとっては、非常に有意義な時間を過ごせる場所となることでしょう。

※現在は全面的に見学の受け入れを停止しております。

東京証券取引所

住所東京都中央区日本橋兜町2-1
電話03-3666-0141(代表)
開館時間9:00~16:30(最終入館時間16:00)
※都合により、最終入館時間を早める場合や入場制限を行う場合もあり
休館日土・日・祝日・年末年始(見学)
入館料無料
webhttps://www.jpx.co.jp/index.html

3. 渋沢栄一が見ていた世界に浸る夜。兜町の今を語る複合施設「K5」

画像2: 写真提供:平和不動産

写真提供:平和不動産

2020年に開業し、現在、兜町の街全体の再活性のきっかけを生む場所として注目されているのが、飲食・ホテルなどの機能を多角的に取り入れた「K5」です。

渋沢栄一が設立した第一国立銀行の流れをくむ、日本最初の一般銀行・第一銀行(1923年竣工)の建物をリノベーションして生まれました。

画像3: 写真提供:平和不動産

写真提供:平和不動産

「Revitalize -新しい命を吹き込む-」をコンセプトとして、目黒の人気レストラン「Kabi」プロデュースの「CAVEMAN(ケイヴマン)」、目黒と代々木八幡で注目を集めるコーヒーショップ「SWITCH COFFEE TOKYO(スイッチコーヒートーキョー)」などをテナントとして取り入れ、大規模リノベーションののちにオープンしました。

画像: 3. 渋沢栄一が見ていた世界に浸る夜。兜町の今を語る複合施設「K5」

このビル内で特に渋沢栄一を色濃く感じられるのが、バーと図書館が一体化した「青淵-Ao-」。図書館の本棚は、兜町・東京・日本といったレイヤーごとに構成され、渋沢栄一自身から見た世界に思いを馳せられる空間になっています。

生い立ちと偉業に触れた1日の最後は、バーで渋沢栄一が見ていた世界に浸りながら、大人の時間を過ごしてみるのも良いかもしれません。

K5

住所東京都中央区日本橋兜町3-5
電話03-5962-3485
webhttps://k5-tokyo.com/

受け継がれてきた渋沢栄一と日本の歴史を、深谷市・兜町で実感しよう

金融・経済界から、日本の発展に大きく貢献した渋沢栄一。その規模や功績は、現在の建築物にも色濃く残されています。当時のことは知らなくとも、その場所を訪れるだけで、貴重な歴史体験ができるはずです。

2021年の大河ドラマの主人公としても注目される渋沢栄一の軌跡をたどりながら、現在の日本へと繋がる歴史も感じてみてください。

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