![画像: あなたの知らないディープ青森~ 生活に息づく物語を抱く里・古津軽の魅力](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/ec1fc658e779434cefbeacc4849f8d69ba2447c3.jpg)
西村 愛
2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。
鳥居の「鬼コ」はやさしい鬼。鳥居にちょこんと座るかわいい鬼に出会う
青森県弘前市、津軽の霊山とも呼ばれる岩木山のふもとにある「鬼沢地区」。
ここは私たちが怖いと信じている「鬼」を神様として祀り、愛すべき存在と捉え、大切に扱っている地域です。
鬼沢にはある日鬼がやってきて、一晩で堰(せき)を築き周囲の田んぼを水で潤したという伝説が残っており、今でもそれは「逆堰(さかさぜき)」として利用されています。米作りが盛んな地域にとって、大変ありがたい存在であったことは間違いありません。
その鬼を祀るのが「鬼神社」で、地域の人たちが大切に守ってきた氏神様です。
鬼神社の鳥居に掲げられた扁額の文字の「鬼」には、角を表す最初の1画目がありません。我々が思う”恐ろしい鬼”とは違い、心優しくてみんなの幸せのために働く鬼沢の鬼への敬意を表した形です。本殿には大きな鉄製の鎌などの農機具が納められています。堰を作ってくれたことへの感謝を鬼へ伝え、また農業の繁栄のご利益を預かる存在として、鬼神社は地域の人たちに大切にされ、多くの崇敬を集めています。
津軽地方の約40の神社では、鬼は地域を守ってくれる「いい鬼」として、鳥居の上に「鬼コ」がちょこんと座っています。
迫力があるけれど憎めない、そしてちょっと情けない表情や愛らしい表情で鳥居にちょこんと座る鬼コ。立体的で鳥居にはめ込まれているので正面からだけでなく横から見るのも楽しく、守り神として鳥居を肩で支える後ろ姿も頼もしく、色や表情もさまざまです。
鬼沢には、鬼が腰かけたとされる大木「鬼沢のカシワ」や鬼が相撲を取った場所「鬼の土俵」など、鬼にまつわるスポットが点在します。
鬼とともに生き、先祖から代々受け継いだ鬼神信仰をしっかりと守り伝える鬼沢の人々は、節分の豆まきはしないか、「福は内、鬼も内」と唱えるということです。
鬼神社(きじんじゃ・おにじんじゃ)
住所 | : | 青森県弘前市鬼沢菖蒲沢 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-32-5796(宮司宅) |
URL | : | https://kotsugaru.com/story/maine_story/maine_story01.html |
白山姫神社
住所 | : | 青森県弘前市鳥井野宮本4 |
---|
石川八幡宮
住所 | : | 青森県弘前市石川寺山62 |
---|
![画像: 神社の鳥居に祀られる「鬼コ」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/245b4a8142774e7fb58db2de54c315d52c64a1f4_xlarge.jpg)
神社の鳥居に祀られる「鬼コ」
![画像: 「津軽の鬼は良い鬼」鬼沢地区で大切に守られている鬼神社](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/6012f0eb4644c2e7d20c52b9db8bb642bf365a27_xlarge.jpg)
「津軽の鬼は良い鬼」鬼沢地区で大切に守られている鬼神社
![画像: 鬼神社の扁額には漢字の鬼の一画目(ツノ)がありません](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/66bf1f3feab111399f719b027dc093da9692d28b_xlarge.jpg)
鬼神社の扁額には漢字の鬼の一画目(ツノ)がありません
![画像: 鬼神社本殿正面](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/7e015755a9792a5e136d53c5f6d84281f9a50a88_xlarge.jpg)
鬼神社本殿正面
![画像: 本殿には鬼が堰を作るのに使ったことに由来して奉納された大きな鉄の農具](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/18/ee318ef7c7364f71e053673674e063aed165da94_xlarge.jpg)
本殿には鬼が堰を作るのに使ったことに由来して奉納された大きな鉄の農具
![画像: 本殿屋根から見守る鬼](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/4a4f6a60db8497fdf0024eee735bb38225d5c405_xlarge.jpg)
本殿屋根から見守る鬼
![画像: 弘前市鳥井野にある白山姫神社](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/48d35c2e64ccc27468c10085c9da66037107b24e_xlarge.jpg)
弘前市鳥井野にある白山姫神社
![画像: この神社にも鬼コがいます](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/b9c1123b943f0757d6b39fa81424dc88cd48942e_xlarge.jpg)
この神社にも鬼コがいます
![画像: オムツのようなパンツをはいた鬼コに自然と笑顔になる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/1502e92c7e96d74aafc9e6da62d07c9ab7a3a1b8_xlarge.jpg)
オムツのようなパンツをはいた鬼コに自然と笑顔になる
![画像: 八幡宮、住所は弘前市石川](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/fb0529d2172a4fcd6dfc97780572b50597c865f9_xlarge.jpg)
八幡宮、住所は弘前市石川
![画像: 迫力ある鬼コもいればユニークな表情の鬼コも](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/4d5d57c48037bf6be55913bdc4abe6887ff4e243_xlarge.jpg)
迫力ある鬼コもいればユニークな表情の鬼コも
![画像: 八幡宮2代目鬼コ。肩で鳥居を支えています](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/a652b669cc55ff856333e8ae851b343c3809a2fe.jpg)
八幡宮2代目鬼コ。肩で鳥居を支えています
![画像: 愛らしい後ろ姿も要チェック](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/276b8bf1381c707fa514cb67ed4e95f26f449daf.jpg)
愛らしい後ろ姿も要チェック
創意工夫から生まれた伝統の模様、雪国の手仕事"こぎん刺し"
青森・津軽に伝わる刺し子「こぎん刺し」。歴史は定かではないものの1600年代の文献に見え、1788年(天明8年)に記された「奥民図彙」に絵入りで紹介されています。
藩政が敷かれていた江戸時代、豪雪地帯の津軽であっても農民は麻しか身に着けることが許されていませんでした。か細い糸の粗悪な麻しか着ることが出来なかった農民たち。そこに木綿の糸で刺し子をすることで麻着物を丈夫に、そして保温性を持たせるために刺し子をする…、それが雪国の知恵から生まれた「こぎん刺し」でした。
こぎん刺しの模様はひと針ひと針でまず小さなパターンが生まれ、それらを組みあわせることによって大きな図柄が出来上がります。それぞれの地域性あるパターンも生まれ、どの地域の女性が刺したのかわかるまでに。
模様には魔除けや祈りや願いが込められ、加えてしょいこを背負う肩口に厚みを持たせるなど実用性もありました。
古い時代のこぎんは細い繊維の繊細な麻に刺されているため、図柄そのものも細かくなります。これら江戸時代や明治時代に刺されたものは総称して「古作こぎん」と呼ばれています。
明治期頃の古作こぎんを展示するのが「ゆめみるこぎん館」です。
故・石田昭子さんが収集した古作こぎん30数点を展示し、管理するのはお孫さんである石田舞子さん。編集者でもある舞子さんは祖母の集めた古作こぎんの本を制作し、奥深いこぎんの世界を広く紹介しています。時代とともに着られなくなっていったものの大正期から昭和にかけて見直されて復活、さらに現代は針仕事として楽しまれるものとなったこぎん刺しの文化を語り継ぐため、石田さんは編集者として“出版”という形で世の中に送り出しています。
こぎんが大好きだった昭子さんが実際に刺したこぎんや、縫った手芸作品も展示。祖母への愛が詰まったスポットであり、かつここに展示されるこぎんからは、津軽を生きた女性たちがこぎんを通して現代の私たちに語りかけてきてくれるような世界観がありました。
こぎん刺しを現代に伝え、創作だけでなく研究も行う第一人者・佐藤陽子さんの工房兼展示場「佐藤陽子こぎん展示館」にもお邪魔しました。
展示館では、民俗学者・田中忠三郎氏より受け継いだ古作こぎんコレクションの一部の展示や、津軽の暮らしの中から生まれたこぎんの文化的側面や歴史などを、こぎんと共に歩んできた佐藤さんからわかりやすい言葉で直接解説してもらえます。
佐藤さん「こぎんにはメソッドはなく、針の刺し方ひとつひとつでその人その人のこぎんがある」。
元々は藍染め麻に白い木綿糸だったこぎんの世界は昭和になり、カラフルで現代モチーフなどを取り入れた新しい楽しみ方が続々と生まれました。そんな中、太目12本取りの佐藤さんオリジナル糸が考案され、販売されています。この糸は図柄が立体的に浮き上がり、かつ、隙間なく刺せることで布地とのコントラストをはっきりと出せると好評です。
こぎんの世界を知ったらきっと誰もがやってみたくなるはず!
そんな時はこぎん専用の布や糸の種類豊富な手芸店「しまや」へゴー。
こちらできる体験は1時間程度。針と糸を使ってこぎんを指先で味わう楽しさ!加えてかわいい作品を作って持って帰ることが出来ます。こぎんの歴史やパターンについても説明してもらえ、有意義な時間になるでしょう。創作意欲に火がついたらその場でこぎん専用布や刺繍糸も購入できます。種類は色々なものがありますが、自分にあった道具や材料の相談にも乗ってもらえます。
「使ってこそこぎん」。
佐藤陽子さんの言葉にもあるとおり、作る楽しみ、つかう楽しみを与えてくれる津軽の手仕事が、私たちの生活を彩りあるものに変えてくれるかもしれません。
ゆめみるこぎん館(見学・体験は要予約)
住所 | : | 青森県弘前市高屋本宮453-1 |
---|---|---|
電話 | : | 090-5194-1278 |
営業時間 | : | 予約制 |
URL | : | https://www.instagram.com/maiko.ishita/ |
佐藤陽子こぎん展示館(見学・体験は要予約)
住所 | : | 青森県弘前市真土東川199-1 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-82-3367 |
営業時間 | : | 予約制 |
URL | : | http://youko-kogintenjikan.com/ |
しまや(体験は要予約)
住所 | : | 青森県弘前市百石町13-1 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-32-6046 |
営業時間 | : | 9:00~18:30 |
定休日 | : | 日曜日 |
URL | : | https://shimaya.info/ |
![画像: 弘前駅前に描かれたこぎん刺しの模様](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/5b453f1d7c69f93cf466937c38a5c54a2c39d00e_xlarge.jpg)
弘前駅前に描かれたこぎん刺しの模様
![画像: ゆめみるこぎん館で展示の古作こぎん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/bf8aa402cee873bd62d812e19ccb78dff805ee67_xlarge.jpg)
ゆめみるこぎん館で展示の古作こぎん
![画像: 「三縞こぎん」は3本の太い線が入り、西北地域で見られる模様](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/08/04/77fb05947d01c126b448828cefb57be56d765faa_xlarge.jpg)
「三縞こぎん」は3本の太い線が入り、西北地域で見られる模様
![画像: 肩の縞模様、背中に魔除けの"さかさこぶ"模様などの特徴を持つ「西こぎん」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/acb789291f04c847213b87105e0d032ee97ab1a6_xlarge.jpg)
肩の縞模様、背中に魔除けの"さかさこぶ"模様などの特徴を持つ「西こぎん」
![画像: 故・石田昭子さんが蒐集した古作こぎんは、こぎん研究において大切なコレクション](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/e220d2d1410010fdd1304ffa608abb8925403d6e_xlarge.jpg)
故・石田昭子さんが蒐集した古作こぎんは、こぎん研究において大切なコレクション
![画像: 昭子さんが手作りしていたこぎん刺しの服も展示](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/576fb3f863edfae516b8c29df2313983a19dd172_xlarge.jpg)
昭子さんが手作りしていたこぎん刺しの服も展示
![画像: 体験メニューもあります](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/fe3a12f8beab55a8b8055fb5d00dd25d981873af_xlarge.jpg)
体験メニューもあります
![画像: 手入れされたゆめみるこぎん館の庭も美しい](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/a42c304da1668187b4f3b14a848b8dc2545d278f_xlarge.jpg)
手入れされたゆめみるこぎん館の庭も美しい
![画像: 「佐藤陽子こぎん展示館」は、貴重な古作こぎんや新作こぎんを展示](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/614e9306b712fec62470bfe6f9b0fb3baa0c4eb0_xlarge.jpg)
「佐藤陽子こぎん展示館」は、貴重な古作こぎんや新作こぎんを展示
![画像: 佐藤陽子さんの工房も兼ねており、こぎん体験も可能](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/52d60124235675a1cefdc4fe523b02e5a49b1b66_xlarge.jpg)
佐藤陽子さんの工房も兼ねており、こぎん体験も可能
![画像: 「ひと目違えば全く違う模様になる。こぎんは無限の可能性がある」と佐藤さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/47c877ff5b1bd716a4ed0b3d4e1e12b14beba73c_xlarge.jpg)
「ひと目違えば全く違う模様になる。こぎんは無限の可能性がある」と佐藤さん
![画像: こぎんファンの中でも話題、佐藤さんオリジナルのこぎん糸](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/bc2418b6d38b660998c47bdfb46285ceac49f735_xlarge.jpg)
こぎんファンの中でも話題、佐藤さんオリジナルのこぎん糸
![画像: 大作もたくさん飾られています](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/023b5e8fd322d75f17cecb18f158816440bd99a9_xlarge.jpg)
大作もたくさん飾られています
![画像: こぎんの布や糸を専門的に扱う手芸店「しまや」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/df279a779c78e2f36835e76cd2a70d1834c52634_xlarge.jpg)
こぎんの布や糸を専門的に扱う手芸店「しまや」
![画像: こぎん用の布が複数種類販売](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/2d384ac6dd37d8148cb1e1d76f688a494e30562d_xlarge.jpg)
こぎん用の布が複数種類販売
![画像: 小分けでの販売もあり購入しやすい](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/0968360327b28fdde25080394d9cab9d920fba46_xlarge.jpg)
小分けでの販売もあり購入しやすい
![画像: こぎん糸も種類豊富](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/16155af318f0c3d5d6f8d3409406c45a4c022343_xlarge.jpg)
こぎん糸も種類豊富
![画像: 運針縫い専用針や指ぬきなど、初心者でもひと揃えそろえられます](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/1a23110b4838d35d5cf79050ab9145eff82e0872_xlarge.jpg)
運針縫い専用針や指ぬきなど、初心者でもひと揃えそろえられます
![画像: 30分程度で髪ゴムづくりの体験も可能](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/07/7bcd24551b59ade0174b288c31f3f37785615740_xlarge.jpg)
30分程度で髪ゴムづくりの体験も可能
津軽の奥座敷、名湯湧き出でる温泉地「温湯温泉」「大鰐温泉」
青森県は全国でも片手に入るほどの名湯、秘湯がひしめき合う県。
歴史をさかのぼると、農閑期に体を休めるため、また休暇を楽しむために温泉地へ出かける「湯治」が盛んに行われた過去があり、現在でも往時を思わせる個性的な町並みや宿を見ることができます。
そのひとつが、湯治が盛んだった時代の町の造りを今に見ることができる黒石市にある「温湯温泉」です。
湯治とは、農民や炭鉱民などが温泉で長期滞在しながら温泉治療を楽しむ、主に明治時代~昭和初期に盛んだった文化的な活動を指します。皆は食材を持ち寄り、自炊しながら温泉宿で滞在しました。寄り集まった人たちは、見ず知らずの間柄でも助け合い、時にはおかずを分け合ったりしながら一緒に楽しみました。
温湯温泉の中心地にある共同浴場を囲むように「客舎」が並んでいます。客舎は湯治をするための自炊宿のこと。客舎は内湯がなく、宿泊客は共同浴場を利用します。
中心にある共同浴場は昔、客舎よりも低く作られた屋根の上で出し物などが行われ、客舎の部屋から見物することができたそう。徐々に失われつつあるどこの温泉地にもあった風景。温湯温泉は、今でもこの形態が残る貴重な温泉街といえます。
「大鰐温泉郷」は、りんご畑に囲まれた青森らしい景色の中を通るローカル線の、弘南鉄道大鰐線終着駅にあります。
温泉街にはマジョリカタイルの湯ぶねとステンドグラスの光が差し込む、情緒的な浴場を持つ温泉宿「ヤマニ仙遊館」があります。明治5年創業、130年に届く趣深い建物で、源泉かけ流しの温泉に浸かり、しみじみと静かな夜を過ごすことができる宿。かつて宿の1階部分は湯治部屋として使われており、かの太宰治も家族と一緒に過ごした由緒ある旅館です。
温泉街には昔から地元で愛される黒糖を使ったお団子を販売する「八木橋餅店」や、焼型で1枚1枚丁寧に焼く落花生入りせんべいを販売する「まみや煎餅店」など、個性的でどこかなつかしいお店がいっぱい。温泉の湯気で育てる地元伝統野菜「大鰐温泉もやし」を使ったラーメンは細くシャキシャキとした食感のもやしをたっぷりと乗せたアツアツメニュー。
ノスタルジーあふれる風景やおいしい体験・癒しの体験から、当時の面影を探索するタイムトリップをしてみませんか。
[温湯温泉]
飯塚旅館
住所 | : | 青森県黒石市温湯字鶴泉60 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-54-8303 |
URL | : | http://matinami.o.oo7.jp/hatago/higasi-nippon/iiduka-nuruyu-kuroisi.html |
温湯温泉郷 温湯温泉共同浴場(鶴の名湯温湯温泉)
住所 | : | 青森県黒石市大字温湯字鶴泉79 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-54-8591 |
営業時間 | : | 5:00~22:00(入館は21:30まで) |
休館日 | : | なし |
URL | : | https://www.nuruyuonsen.com/ |
[大鰐温泉]
ヤマニ仙遊館
住所 | : | 青森県南津軽郡大鰐町蔵館村岡47-1 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-48-3171 |
URL | : | https://senyukan.com/ |
まみや煎餅店
住所 | : | 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字前田37-5 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-48-2422 |
営業時間 | : | 8:00~17:30 |
定休日 | : | なし |
URL | : | https://machi-aruki.sakura.ne.jp/spot_detail.php?m=1&s=185&sbmin=1&SSID=1 |
やぎはし餅菓子店
住所 | : | 青森県南津軽郡大鰐町大鰐99-3 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-48-4010 |
営業時間 | : | 9:00~16:00 |
定休日 | : | なし |
山崎食堂
住所 | : | 青森県南津軽郡大鰐町大鰐前田34-21 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-48-2134 |
営業時間 | : | 11:00~15:00 |
定休日 | : | なし |
![画像: 「客舎」の風景を残す温泉地「温湯温泉」へ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/cd9941d1fe95340e0a58d68d871fb4d983064ed1_xlarge.jpg)
「客舎」の風景を残す温泉地「温湯温泉」へ
![画像: 温泉中心にある共同浴場「鶴の湯」を囲むように「客舎」が立ち並びます](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/22fc686a2e3a9eda8ff77602ca470671f229c409_xlarge.jpg)
温泉中心にある共同浴場「鶴の湯」を囲むように「客舎」が立ち並びます
![画像: 木造の「客舎」は湯治客=長期滞在のための自炊宿](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/077ad6ec4798d5fc20e389b079fae0b9a9da77a4_xlarge.jpg)
木造の「客舎」は湯治客=長期滞在のための自炊宿
![画像: 大部屋の場合もあれば個室の場合も。2階からは当時、共同浴場の屋根上で行われる出し物を見学できました](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/53b6ae8648518a6ba0a23bedf5762fffe69cda86_xlarge.jpg)
大部屋の場合もあれば個室の場合も。2階からは当時、共同浴場の屋根上で行われる出し物を見学できました
![画像: 窓辺にかまどを置いて自炊を行った跡](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/9361886b607637f333845592c5d436c8a130eb10_xlarge.jpg)
窓辺にかまどを置いて自炊を行った跡
![画像: かつて客舎としてにぎわいを見せ今は温泉旅館として営業する「飯塚旅館」。大正3年造](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/3758704d5216d59c0523b9c6514b86ec9ad2f147_xlarge.jpg)
かつて客舎としてにぎわいを見せ今は温泉旅館として営業する「飯塚旅館」。大正3年造
![画像: 津軽の奥座敷「大鰐温泉」へ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/9a348feb545b4d544c3de1a9c92b24765d91614d_xlarge.jpg)
津軽の奥座敷「大鰐温泉」へ
![画像: 足湯や共同浴場も多い温泉地。ここでしか楽しめないグルメもたくさん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/f9aaa8ad2be05af2a79389f376fc08e716eefde9_xlarge.jpg)
足湯や共同浴場も多い温泉地。ここでしか楽しめないグルメもたくさん
![画像: やぎはし餅店の黒蜜たっぷりの団子。1本90円という安さ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/8b57f962d1fc0b8f5cd0f660e2ee0d264f46dfb1.jpg)
やぎはし餅店の黒蜜たっぷりの団子。1本90円という安さ
![画像: 材料はバター、はちみつ、卵など。水を一切使わない豆煎餅「まみや煎餅店」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/fa4b2b74486cfd20fbb8c0b15a6fd2ccee34702b_xlarge.jpg)
材料はバター、はちみつ、卵など。水を一切使わない豆煎餅「まみや煎餅店」
![画像: 鉄型ですべて手焼き。落花生の量日本一との呼び声も高い](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/5fc59e9c82280fc6d965838b1b268e961405ef63_xlarge.jpg)
鉄型ですべて手焼き。落花生の量日本一との呼び声も高い
![画像: 温泉熱を使った伝統野菜「大鰐温泉もやし」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/025778c167253aae1198da12ce1b863f7c43d61c_xlarge.jpg)
温泉熱を使った伝統野菜「大鰐温泉もやし」
![画像: 大鰐温泉もやしを使ったラーメンは地元の名物](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/5c4b968bfc0b96de6d62c3546f6fc1f53797af5d.jpg)
大鰐温泉もやしを使ったラーメンは地元の名物
![画像: かつては客舎としても利用されていた「ヤマニ仙遊館」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/22a554295e18935a1051b6c05f1c738a0742899e_xlarge.jpg)
かつては客舎としても利用されていた「ヤマニ仙遊館」
![画像: 館内にあるステンドグラスとマジョリカタイルの雰囲気あるお風呂](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/3caafede8a7a20d1986481496b3aebc34dac57e0_xlarge.jpg)
館内にあるステンドグラスとマジョリカタイルの雰囲気あるお風呂
![画像: 太宰治が宿泊したと言われる客間](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/0b7dfb033a46668174a7a46af6eda68e8d72e0de_xlarge.jpg)
太宰治が宿泊したと言われる客間
![画像: 大鰐温泉地では最古の旅館で、明治期に建てられた建物を今でも修復しながら利用](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/10c714c477803939ec8975caadf79cd258bbb913_xlarge.jpg)
大鰐温泉地では最古の旅館で、明治期に建てられた建物を今でも修復しながら利用
![画像: 木造2階建、大人が癒される10室のみの静かな宿です](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/605b408923e1ddc782bd4cfa6e4888211f14cfbc_xlarge.jpg)
木造2階建、大人が癒される10室のみの静かな宿です
![画像: 平川沿いに建つ老舗宿からは風情と趣が感じられます](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/4d6db720eb6693a30789602400121262c9e46c48_xlarge.jpg)
平川沿いに建つ老舗宿からは風情と趣が感じられます
津軽の人々の心も財布も潤した「大石武学流」庭園を散策
津軽地方にはこの地域だけで発展した庭園流派があります。
津軽地方の平川市尾上地区を中心とし、黒石市、弘前市などに広がる津軽地方独特の形式や技法を用いた「大石武学流庭園」です。
どこでどのように生まれた流派なのか、わかっていないことが多いこの庭園形式。切り出されたままの自然石をダイナミックに配置するのが特徴で、それらはどれも巨石と呼べる大きなものです。
大きな石をつかうためには牛馬を使い、人々の手によって運ばれてくる必要があります。このように大がかりな作庭を行った理由には、商家が小作人たちに仕事を与えるという意図がありました。長い年月をかけて作らせることで、その間の賃金を払うことにより貧しい小作人たちの生活を安定させていたのです。
石の使い方には特徴があり、座敷の縁側から庭へと向かう1方向から3方向の飛び石や、中心に置かれる礼拝石、また、自然石を使った石灯籠(野夜燈・やどう)が設置されます。一般的に礼拝石は、その上に立って遠くの社などを拝むものですが、大石武学流ではこの石に乗ることは許されずお供え物などを置く場所として使われるなど、庭の作法も決められています。
黒石市にある金平成園は、政治家・実業家である加藤宇兵衛の庭。「万民に金が行き渡り、平和な世になるように」との願いから名付けられました。10年をかけて作庭されています。主屋にもこだわりがあり、金箔張りの襖や豪華な欄間、緻密な意匠の釘隠しなど見どころがあります。
平川市の清藤氏書院庭園は、鎌倉時代に現代地に土着した清藤家の庭園です。現在清藤家は27代目、書院を持つ家は築150年で今も使い続けられています。
清藤家に伝わる文献によると1619年に作られた庭だとされており、当初は鎌倉の北条時頼の妾・唐糸御前の菩提樹であったケヤキの木を中心に作庭、大石武学流庭園の原型であり先駆けと言われています。
その清藤家の別邸にあたるのが、清藤氏書院庭園のすぐ隣にある盛美園。金平成園と同じ庭師を招いて作られ、大石武学流の傑作との呼び声も高い庭園です。盛美園築庭当時は凶作に次ぐ凶作で、困窮を極めた農民たちを集め、意識的に9年という時間をかけて庭園技術者を養成する意味で作られたとも言われています。
築山した高低差のある庭に雪国にも強い針葉樹が中心に植えられ、シンボルツリーにも見事な松が配置されています。
男性的な庭を感じさせる大石武学流庭園に優美な和洋折衷の洋館、のコントラストも楽しめます。庭は回遊式になっており、庭側から見る洋館の姿も大変美しいものです。
加藤家や清藤家といった名家と助け合う心があって、現代にも残る名庭園が数多く残されている津軽。先人たちの努力によって、現在も造園業が盛んな土地柄が築かれました。大石武学流の流れは、大規模庭園に限らず一般の家庭にも普及しており、「庶民の庭」としてもその精神が受け継がれています。
古くからの魂が今に伝わる里「古津軽」の暮らしや、伝統文化をじっくりと噛みしめる旅の締めくくりに、心休まる庭園散策。小さな農村に花開いた富の象徴は、津軽の誇りを存分に感じさせてくれました。
金平成園
住所 | : | 青森県黒石市内町2-1 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-53-2242 |
開園期間 | : | 2023年11月30日(木)まで ※予定 |
開園時間 | : | 9:30~16:00 |
休園日 | : | 月曜日(国民の祝日の場合はその翌日) |
URL | : | https://kuroishi.or.jp/sightseeing/kanehiranarien |
清藤氏書院庭園
住所 | : | 青森県平川市猿賀石林1-6 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-57-2127 |
開園時間 | : | 9:00~17:00(要予約) |
休館日 | : | 不定休 |
盛美園
住所 | : | 青森県平川市猿賀石林1 |
---|---|---|
電話 | : | 0172-57-2020 |
開園時間 | : | 9:00~17:00 |
休館日 | : | なし |
ものがたりが生きる里「古津軽」
https://kotsugaru.com/
![画像: 津軽地方に伝えられる「大石武学流庭園」の名園を散策](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/03f4a02192e2a8de1d80ce7a3e5b1b8ff0206c09_xlarge.jpg)
津軽地方に伝えられる「大石武学流庭園」の名園を散策
![画像: 加藤宇兵衛の自宅兼庭園「金平成園」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/b2ac5c784487a0cd9b986f1e2b03a70182141770_xlarge.jpg)
加藤宇兵衛の自宅兼庭園「金平成園」
![画像: 玄関からまっすぐ見える庭](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/e18307631d58e48378bc47e7a4d26682f9df7150_xlarge.jpg)
玄関からまっすぐ見える庭
![画像: 作庭後に建てられ、庭との配置も緻密に考えられた旧宅](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/919c6a6895d1edb09b884b9fb54fbc0f65bf0958_xlarge.jpg)
作庭後に建てられ、庭との配置も緻密に考えられた旧宅
![画像: 絢爛豪華な金箔張り、三つ柏紋を施した欄間、細工のある引手や釘隠し、組子など格式高い建築](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/6c8205c8ea33c409a25d0c03ae66232e015d4ee2_xlarge.jpg)
絢爛豪華な金箔張り、三つ柏紋を施した欄間、細工のある引手や釘隠し、組子など格式高い建築
![画像: 築山に巨石を配置し、四季を通して樹木の移り変わりを楽しめる大石武学流庭園](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/7c1c708a6e9ad7e32604f2498cc221e4ae943777_xlarge.jpg)
築山に巨石を配置し、四季を通して樹木の移り変わりを楽しめる大石武学流庭園
![画像: 回遊式で庭を一周しながら楽しめる庭園](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/036c1066a373e163466eab6c2b7d912f43780921_xlarge.jpg)
回遊式で庭を一周しながら楽しめる庭園
![画像: 個人宅を公開されている「清藤氏書院庭園」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/b5548b52e5e271a9676aace4a0c709a77fa07127_xlarge.jpg)
個人宅を公開されている「清藤氏書院庭園」
![画像: 書院から見る庭は大石武学流の源流とも言われる初期の形式を今に残す](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/fdad3f330bbafed186b0aff119940006ca156e10_xlarge.jpg)
書院から見る庭は大石武学流の源流とも言われる初期の形式を今に残す
![画像: 清藤家の別宅として建てられた「盛美園」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/05a92de4fd708593eb834f949e1bd1620c2e5036_xlarge.jpg)
清藤家の別宅として建てられた「盛美園」
![画像: 大石武学流の「野夜燈(やどう)」。自然石を頂上に据え、たま部分に正面を向く月型をくり抜く](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/4e3bcb8bb9c01cb3cc7f9a5911c86099ea24785d_xlarge.jpg)
大石武学流の「野夜燈(やどう)」。自然石を頂上に据え、たま部分に正面を向く月型をくり抜く
![画像: 針葉樹を植樹する庭も雪国ならではの特徴](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/0967efab994c9bf84d3b2cf847e07f47e90a02d3_xlarge.jpg)
針葉樹を植樹する庭も雪国ならではの特徴
![画像: 築山に巨石を配置、無骨な中にも美学があります](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/47110e02663bf2f730a13a292c16b2cd49c15afa_xlarge.jpg)
築山に巨石を配置、無骨な中にも美学があります
![画像: 10年の年月をかけて作庭され、現平川市の造園文化の礎となったとも言われています](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/28470c29d88367c781fdf03a6ff15c3dcb990920_xlarge.jpg)
10年の年月をかけて作庭され、現平川市の造園文化の礎となったとも言われています
![画像: 1階は和風強め、2階は洋風強めの別邸](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/393e949716756bec8b90716e4ec3490eb3c9b8df_xlarge.jpg)
1階は和風強め、2階は洋風強めの別邸
![画像: くもの糸を描いた書院窓は庭に面しています](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/da40145b3470250ac66e8f02449b15082f58a48b_xlarge.jpg)
くもの糸を描いた書院窓は庭に面しています
![画像: 各所に使われる楕円モチーフ。緑をオーバルに切り取ります](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/253b8dfe013f932e8ef772855ceb95af78e78c9a.jpg)
各所に使われる楕円モチーフ。緑をオーバルに切り取ります
![画像: 和風庭園と洋館が同居する対照的な風景を味わえます](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2023/07/10/dce15309542d97bb99791c9a6d6ff38cd809e638_xlarge.jpg)
和風庭園と洋館が同居する対照的な風景を味わえます
掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。