日本一広い面積を持つ県、岩手県。それゆえ、魅力が点在していてどのように観光したらいいかイメージがつかみづらいという方も多いかもしれません。そんなお悩みに応えるため、好みや興味関心に合わせて選びやすい「6つのテーマ」でめぐるモデルコースを用意しました。

工芸と手仕事。ほっこり北の旅

岩手は工芸の一大産地といわれています。南部鉄瓶や染め物をはじめとし、木工や竹細工、陶磁器、郷土玩具など旅のお土産にしたい工芸品や民芸品もいっぱい。四季折々の風景を見せる岩手の工芸の産地を訪れ、丁寧な暮らしと手仕事を続ける人々にふれるほっこり旅はいかがでしょう。

〈1日目〉

素朴さが魅力の成島和紙と花巻人形

いわて花巻空港から車で17分、JR新花巻駅から12分の「成島和紙工芸館」は、やわらかな色合いや素朴な質感が魅力の和紙を作っています。緑の野山に囲まれた成島地区では、藩政時代から和紙づくりが盛んでした。

画像: 成島和紙工芸館

成島和紙工芸館

和紙の原料は植物で、「コウゾ」の皮と「ノリウツギ」の粘液です。成島和紙工芸館では、初心者でも簡単に和紙が作れる紙漉き体験も。カラフルな材料を使って自分だけの作品を作ってみてください。

成島和紙工芸館

住所岩手県花巻市東和町北成島5-202
電話0198-42-3948
営業時間10:00~16:30
定休⽇月曜・年末年始
webhttps://www.kanko-hanamaki.ne.jp/activity/article.php?p=382
画像: 花巻人形

花巻人形

花巻人形は、仙台の堤人形、米沢の相良人形とともに「東北三大土人形」に数えられる伝統のある郷土人形です。犬・猫・童子・花魁などを題材に愛嬌ある可愛らしい人形たちが蘇芳赤や群青などで鮮やかに絵付けされ、手に取りたくなる作品ばかり。

花巻ではひな人形も花巻人形で飾られることが多く、貴重な作品は博物館などで展示されています。一時は途絶えましたが、市内の「平賀工芸社」が復活させ、今も制作販売を続け、市内のお土産店でも購入できます。

平賀工芸社

住所岩手県花巻市桜町3-68-23
電話0198-23-5658
webhttps://www.kanko-hanamaki.ne.jp/goods/article.php?p=203

花巻温泉の落ち着いた客室でゆったりとしたひとときを

画像: 花巻温泉の落ち着いた客室でゆったりとしたひとときを
画像: 花巻温泉 佳松園

花巻温泉 佳松園

花巻温泉は、岩手の温泉の代名詞として全国に知られる温泉宿です。広さ5,000坪の敷地内にホテル紅葉館・ホテル千秋閣・ホテル花巻が並び、その奥座敷に「佳松園」が佇みます。佳松園の湯はしっとりと滑らかな自家源泉。ph9.0を誇る高濃度アルカリ性の「美肌の湯」でリラックスし、和の感性が息づく空間でゆったりとお過ごしください。

佳松園

住所岩手県花巻市湯本1-125
電話0198-37-2111
webhttps://www.hanamakionsen.co.jp/kashoen/
画像: 台焼

台焼

花巻温泉のエリア散策としておすすめなのが明治28年創業の台焼です。東北では珍しい磁器ですが、良質な材料が手に入りやすいことから当地で窯を開きました。飽きのこない普段使いの茶碗やカップなど使い勝手の良いシンプルなデザインが魅力です。

〈2日目〉

紫波町の小田中染工房で「民芸」にふれる

画像: 小田中染工房

小田中染工房

手仕事の旅は花巻から紫波へ。民芸の祖・芹沢銈介(せりざわけいすけ)に師事し、代々続く染物屋で工房を営む紫波町の小田中耕一氏は、手仕事やデザインに関わる全国の人々が注目する型染め作家です。

盛岡市材木町の光原社のロゴやくるみクッキーのパッケージデザインは、県内では誰もが知るところ。地元紫波町の酒蔵のラベルや毎年発売される「手仕事カレンダー」も人気で、どこかほっこりとした安らぎあるテイストが幅広い世代から愛されています。「萬染物處」の暖簾がかかる工房では、手ぬぐいなど小田中さんの作品が購入できます。

小田中染工房

住所岩手県紫波郡紫波町上平沢南馬場60-1
電話019-673-7605
営業時間9:00~18:00

まち歩きと工房めぐり、食も楽しみな盛岡へ

盛岡駅からほど近い材木町は、宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」初版を出版した光原社や、南部古代型染めの小野染彩所が見どころ。4月から11月までの毎週土曜に開催される「よ市」は県内各地から生産者が集まり、賑わいを見せます。

画像1: 盛岡まち歩き

盛岡まち歩き

画像2: 盛岡まち歩き

盛岡まち歩き

工芸と手仕事の旅は、城下町盛岡の河南地区へと続きます。中津川沿いのセレクトショップ「ひめくり」では、ホームスパン(羊毛の手織物)をはじめ県内各地の工芸品や雑貨を取り扱っています。

画像: 釜定

釜定

河南地区は、南部藩のお抱え職人たちが住んだ所で、鈴木盛久工房、鈴木主善堂、釜定といった南部鉄瓶工房がそれぞれ歩いてすぐというあたりに集まっています。伝統的な作風からモダンなデザインまで、工房ごとに異なる特色も見て取れ、鉄瓶好きの方には贅沢な一帯です。

画像: お茶とてつびん engawa

お茶とてつびん engawa

岩手銀行赤レンガ館のすぐ南に位置し、古い写場をリノベーションした「engawa」では、鉄瓶で沸かした白湯やお茶、ランチなどがあり、気軽にリフレッシュできる空間となっています。

お茶とてつびん engawa

住所岩手県盛岡市中ノ橋通1-5-2 唐たけし寫場1階
電話019-656-1089
営業時間水~金曜 11:00~21:00/土日祝 8:00~17:30
定休⽇月・火曜
webhttps://twitter.com/engawa_morioka

河南地区での食事におすすめなのが、「葺手町」や「愛染横丁」界隈のお店です。

画像: 東家本店

東家本店

「東家本店」は名物わんこそばはもちろん、蕎麦料理全般と丼ぶりも人気のお店。

画像: 九十九草

九十九草

「九十九草」ではモダンな雰囲気の中で、お酒とともに食事が楽しめます。

画像1: filo

filo

画像2: filo

filo

通りの奥には古い蔵を改装した「filo」が。こちらでは、その昔県北沿岸の久慈や野田から牛の背に乗せて塩を運んだという塩の道の物語が感じられる希少な赤身肉「いわて短角牛」がいただけます。地元作家の器で運ばれるお料理を落ち着いた空間でお召し上がりください。

filo

住所岩手県盛岡市中ノ橋通1-3-21
電話019-613-9005
営業時間火曜~土曜 11:30~13:30/18:00~22:00
日曜 11:30~13:30
定休⽇月曜
webhttps://filo-morioka.com/

〈3日目〉

クラフトの宝庫 一戸、二戸でお気に入りを見つけよう

画像1: 高松の池

高松の池

画像2: 高松の池

高松の池

翌日は高松の池散策もおすすめです。冬には白鳥が多く飛来し、春には池を囲むように桜が咲き、市民の憩いの場となっています。

鳥越もみじ交遊舎

画像2: 鳥越もみじ交遊舎

鳥越もみじ交遊舎

盛岡から北に位置する一戸町や二戸市は、もともと竹細工や木工などが盛んでした。竹細工は、生活や山仕事、農業に使う籠や笊(ざる)を、山野に自生するすず竹を丁寧に編んで作ったもので、昔の暮らしには欠かせない手技でした。現在は、鳥越観音近くの「もみじ交遊舎」で体験講座などを行っています。

鳥越もみじ交遊舎

住所岩手県二戸郡一戸町鳥越字宮古沢2-1
電話0195-32-3981
営業時間9:30~16:30/11月中旬~4月末 10:00~16:00
定休⽇月・火曜
webhttp://take-zaiku.jp/
画像: 自助工房四季の里

自助工房四季の里

岩手の県北地域は寒冷地で、昔はなかなか米が育たず、米に代わる穀物として雑穀や蕎麦の栽培が行われてきました。そうした食文化を感じることができる蕎麦のお店「自助工房四季の里」が旅行客に人気です。

敷地内には、南部せんべい「小松シキ・記念館」やチョコ南部などの商品が人気の「2door」も。また、二戸市内で町家をリノベーションした「町家の食べ処福わらし」も地元客に人気です。

画像: プラム工芸

プラム工芸

同じ二戸市内にある「プラム工芸」では、オノオレカンバを使った木工品を多く作っています。その名前が表わす通り斧が折れるほど堅い木で、加工に向いているのだそう。

こちらでは、貴重なオノオレカンバの特徴を活かした商品を製作しており、スプーンやフォーク、木べらなど使う人の手になじむデザインが人気です。また、受験合格祈願のプレゼントにも喜ばれるという五角箸は、予約制で手作り体験も可能です。旅の思い出に自分で作った五角箸をお土産にするのも良いですね。

プラム工芸

住所岩手県二戸市堀野字大川原毛74
電話0195-23-4883
営業時間10:00~18:00/冬季・土日は10:00~17:00
定休⽇不定休
webhttps://www.cplum.com/

おおのキャンパスから小久慈焼のカフェへ

画像1: おおのキャンパス グリーンヒルおおの

おおのキャンパス グリーンヒルおおの

画像2: おおのキャンパス グリーンヒルおおの

おおのキャンパス グリーンヒルおおの

旧大野村は二戸方面から久慈市街地に抜ける海成段丘の上に位置します。牛たちが草を食む牧歌的な風景の中にある「おおのキャンパス」では、産直や入浴施設、宿泊施設のグリーンヒルおおのと隣接して、裂き織りや陶芸、大野木工などの工房が集まっています。

裂き織り工房には体験用の機織り機も多く、県内各地から通う方もいるとのこと。また大野木工の製造拠点もあり、お椀やお皿の製作工程を見学したり、お箸作りを体験したりすることができます。

おおのキャンパス

住所岩手県九戸郡洋野町大野58-12-30
電話0194-77-3202(おおのキャンパス総合案内)
営業時間10:00~17:00
webhttps://ohnocampus.jp/
画像: NANAMARUNI COFFEE

NANAMARUNI COFFEE

旅の終わりは久慈の道の駅くじ やませ土風館そばにオープンした「NANAMARUNI COFFEE」へ。こちらのカフェでは、200年ほど前から地元で作られている陶器「小久慈焼」のカップでコーヒーをいただくことができます。手にとった時の重さがなんとも心地よい小久慈焼の風合い。その土地のカフェでいただく贅沢なひとときをお過ごしください。

NANAMARUNI COFFEE

住所岩手県久慈市二十八日町2-21
電話0194-66-7655
営業時間10:00~18:00
定休⽇火曜
webhttp://nanamaruni-coffee.com/

岩手を楽しむオンラインツアー実施中

「宮沢賢治」「酒と食」「工芸」という3テーマを切り口に岩手県をめぐるモデルコース。その充実した旅程を見て、旅気分が高まったのではないでしょうか。

復興庁では今、岩手観光の支援事業を行っています。その一環として復興庁がおすすめする観光コースがオンラインで紹介されていますので、ぜひ参加してみてください。

岩手を楽しむオンラインツアー
次回は、2022年5月以降に開催予定。内容・日時が決まり次第復興庁webサイトなどで告知されます。

※2022年5月12日に一部内容を更新しました

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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