弘前から電車とバスを使って少し足を伸ばします。向かったのは五所川原、そしてさらに日本海に近いつがる市の稲荷神社まで。ここには東北一と言われる大きさを誇る千本鳥居があります。五所川原市では立佞武多(たちねぷた)の展示館を見て大興奮でした。五能線「リゾートしらかみ」でローカルな鉄道旅も楽しんじゃいます。
画像1: 青森空港から行く1泊2日 青森県津軽地方の旅(後編)

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

画像2: 青森空港から行く1泊2日 青森県津軽地方の旅(後編)

前編はこちら

最終日、飛行機までの時間に大急ぎでまわる黒石。重要伝統的建築物群保存地区(以下、重伝建)を早足でまわりました。黒石にはグルメもたくさん!ぎりぎりまで青森を楽しみます。

江戸時代から残る「こみせ」通りを歩く。

弘南鉄道に乗って弘前から30分。その間には「田んぼアート」で有名な田舎舘などもあり、のどかな車窓が拡がります。黒石市では、重伝建に指定されているこみせ通りを見に行きます。

こみせは雪が多い津軽地方において、軒先に屋根をつけた雪よけの道のことです。ひさし付の細いアーケードのようになっており、冬場は屋根から落ちる雪がこみせに入らないように足元に板を施し、歩きやすくした「歩道」になります。

自分の家の幅だけ屋根を付けるのですがこれを通りの家々が同時に行うことで長い屋根付きの道が出来上がるという、雪国ならではの知恵と思いやりの創作物なのです。しかもこれは私有地であって公道ではありません。雪深い地域の人々がお互いを思いやり、商店街へと買い物へ来る人たちのために作った創意工夫の形です。黒石では江戸時代からそのままこの形が残っているということで、昔の道を今になっても歩くことが出来る歴史好きにはたまらない場所です。

ぶらりと歩く観光にぴったりの街、黒石。

重伝建だけでなく黒石にはいくつも見どころがあります。通り沿いに建てられたお店の奥には、大小さまざまながらも整備されたお庭が広がっていることがあります。これらは「大石武学流」と呼ばれる様式を持つ庭。飛び石の数や配置、また荒々しく自然のままの形を生かした石灯籠を設置するなど特徴があり、この一作法が広く津軽地方に流行し、この庭づくりを各家が競うようになっていったということです。

また餅の文化も見逃せません。米どころ津軽地方らしく、餅をこんな風に!?と思うような食べ方に変え、それが今の時代にも伝わってきています。「寺山餅店」では大福の周りに砕いた米をまぶした!?ダブルもち米の「浅香餅」や、「干梅」と呼ばれる餅菓子で有名な「松葉堂まつむら」も。いかに雪が多いのか、寒く冷たい地域なのかわかるのは「Kボッコ」のボッコ靴。

黒石といえば!の黒石つゆ焼きそば。足を伸ばせば青荷温泉や黒石こけし館などもあります。夕日に包まれる汽車の中、東京への帰路に着きます。

青森は観るところが多く、こんなに色んな所へ行ったのにまだ不完全燃焼気味…、再訪したい街です。それとえーと、津軽弁は全然わかりませんでした(笑)。それがまたオンリーワンな街の雰囲気を醸し出していて、すごく良かったです。

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