今日は盛岡市の魅力をお伝えします!
ボーイング737副操縦士 横田
■観光の起点の盛岡
私はリンゴ消費量全国1位の盛岡生まれ盛岡育ち、厨川中学校出身です。通っていた小学校の学区内には冷麺の人気店、ぴょんぴょん舎の本店があります。
盛岡市は東へ向かえば、テレビドラマの舞台となった三陸海岸、北へ向かえば八幡平の雄大な自然に出会える岩手の玄関口で、新幹線や高速道路の交通の便も良く東京からは2時間10分で到着します。
■南部鉄瓶と武士道
盛岡と聞いて何を特産品として思い浮かべますでしょうか?
数ある特産品のなかでも南部鉄瓶は聞いたことがある方が多くいらっしゃると思います。
盛岡における南部鉄瓶の由来には南部のお殿様と茶道が大きく関わっているそうです。
この盛岡の地で生まれた新渡戸稲造は「Bushido: The Soul of Japan」を執筆し、“武士道”という言葉を国内外に広めました。茶の湯は武士にとって大事な教養の一つであり、茶道を深く嗜んだ南部藩主が茶の湯釜を作らせ、その歴史は江戸時代初期から現在に至ります。武士道、茶道に深い関わりがある茶釜。その茶釜から進化した鉄瓶。盛岡ではいま、若手の担い手が伝統の製法を守り続けています。
今回は田山鐵瓶工房、㈱岩鋳、盛岡手作り村にお邪魔して、南部鉄瓶の魅力をご紹介します。
■南部鉄瓶はさまざまな工程で作られます
■“岩手で採れるものから”
田山鐵瓶工房の田山さんにお話を伺いました。
15歳のときから御用鋳物師、鈴木盛久氏に弟子入りし、昨年、卓越した技能者(現代の名工)表彰をされています。田山さんは18年にはラグビーでも有名な鉄のまち、釜石の復興と地域の輝きへの願いを込めて、釜石の川から採れる磁鉄鉱石を用いた鉄瓶を制作されました。県北部で採れた砂鉄を用いた鉄瓶を見せていただきましたが、びっくりするような輝きを持っていて、蓋を鳴らすとそれはもはや楽器のような音色です。そしてそれは長い時間をかけるにつれて、いぶし銀の色合いに変化するとのこと。鋳型に使われる砂や泥は、私が子供のころ遊んでいた河原の上流で採取され、砂鉄、漆、それを塗るハケに至るまで地元で採れるもので制作されていると聞き、ふるさとの持つ豊かさを再認識しました。
■“自分がした仕事がそのまま鉄瓶にでる“
伝統工芸士である八重樫さんには鉄を流し込む「鋳込み」を見学させていただきました。
南部鉄器の大手、岩鋳では常時工房を見学できます。鋳込みを終えて型が外されるときは、自分の仕事がそのままの形で出てくる、そこに緊張とやりがいを感じるといいます。
現在、南部鉄器はその形や色を変え海外、特にフランスではティーポットとして親しまれています。
色とりどりの製品の多くが国外に輸出されています。
■“南部鉄瓶は美術品ではなく日々つかうもの”
盛岡市郊外の「盛岡手づくり村」では南部鉄器の工房の見学や竹細工や南部せんべいを自分で焼いたりすることができ、子供だけでなく大人も楽しい時間を過ごせます。その一角にある藤枝工房は現代生活の視点から、鉄瓶の手入れや注意点を教えてくれます。親しみやすくて分かりやすく鉄瓶が身近に感じられます。
■バリエーション豊か
ガスだけでなくIHクッキングヒーターなど熱源は選びません。鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかになって鉄分補給もできます。保温性が高く、南部鉄で作られたグリルパンなどはアヒージョなどの料理をアツアツの状態で楽しむことができます。僕自身、キッチン用品はつい人気のフランス製鋳物鍋に目がいっていましたが、地元にこんな素敵なものがあったことに驚いています。近場にあるものは知っているようで知らないものなのですね。
■おでってくなんせ盛岡さ
鉄瓶はまるまるとしたかわいらしいものから、男心をくすぐる黒光りするものまでたくさんありますよ。
市内には取り扱うお店が数多くあります。国の伝統工芸品の指定第1号である南部鉄瓶。日々の暮らしに活きる、自分だけの鉄瓶を探しに盛岡へお越しになりませんか。
岩手県のゆるキャラ、“そばっち”もラガーシャツを着て応援しています
盛岡市の魅力は伝わりましたでしょうか?みなさんもぜひ盛岡市に行って観光を楽しみつつ、ラグビー日本代表を応援しましょう!ファイトー。イッパーツ!
※旅コラムは、2019年5月21日時点の内容です。
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