ワイナリー初心者の方にもおすすめしたいのが、新潟県新潟市の「カーブドッチワイナリー」。愛らしいラベルが特徴的な「どうぶつシリーズ」をはじめとしたワインを味わえるのはもちろん、ショップやレストラン、スパや宿泊施設などを併設した、“滞在するワイナリー”です。
さまざまな過ごし方ができますが、日帰りでもカーブドッチの魅力をたっぷり堪能できるのが、「ワイナリーツアーとランチコース」。冬のある週末に訪ねたレポートをお届けします。
※価格は税込み表記です。
楽しみ方はさまざま。滞在型のワイナリー「カーブドッチワイナリー」
日本海に沿って横たわる、角田山の麓に広がるぶどう畑の中にあるカーブドッチ。創業したのは、今から約30年前の1992年のこと。当時、ワイン未開の地だった新潟で、創業者が土地の開拓から始めたという新潟ワインの先駆者的存在です。
カーブドッチ最大の魅力は、“滞在できる”ということ。広大なぶどう畑の中には、ワイン醸造所やショップのほかに、レストランやカフェ、2棟の宿泊施設、スパなどがあり、訪れた人は、ゆっくり滞在するもよし、日帰りで効率的にめぐるもよし、さまざまな過ごし方を楽しむことができます。
カーブドッチを訪れたら、まず参加したいのが「ワイナリーツアー」。ぶどう畑、醸造室、樽熟成庫、ワインセラーなどワインづくりの中心となる場所をめぐりながら、カーブドッチの歴史や、ワインづくりに込める想いなどをたっぷり学ぶことができます。ワインの知識がゼロの人でも楽しめるよう、わかりやすくガイドしていただけるので安心です。
ワイナリーツアーに参加。愛らしいラベルの「どうぶつシリーズ」、まるでジャズのようなワイン
午前11時、ワインショップのカウンターで受付を済ませ、ツアースタート。案内してくれるのは、カーブドッチ製造担当の高橋さんです。
まずは、「アルバリーニョ」の畑へ。アルバリーニョは、スペインを原産とする白ぶどうで、砂地と相性が良く、まさにこの土地にぴったりの品種。創業からこれまでに40~50種栽培し、現在は20種ほどあるぶどうの品種の中でも、今、一番力を入れているといいます。
「国内でも本格的に手がけている場所はまだ少ないのですが、非常にポテンシャルを秘めている品種として注目されています。しっかりとした酸味と華やかな香りが魅力です」
カーブドッチのぶどうは、垣根式という栽培方法でつくられ、腰の高さあたりにぶどうの実がなるそう。夏から秋にかけて収穫したぶどうは、プレス機で果汁を搾り、酵母と合わせて発酵させるタンク室へと運ばれます。
酵母がぶどうの糖分を食べ、二酸化炭素とアルコールを生み出すことで、ワインがつくられていきます。酵母がうまく働けるよう、日々、温度や酸素の管理をする必要があるといいます。
「タンクでそのまま発酵させ、瓶詰めしたワインはフルーティーな味わいになりますが、瓶詰めせずに樽で発酵させるものもあります」
次に案内してもらった樽庫には、大きな樽に入ったワインがぎっしり。フレンチオークの香りがワインに重なることで、より芳醇で、複雑な味わいのワインに仕上がるそう。
セラーにはずらりと瓶詰めされたワインが並びます。ここで熟成され、飲み頃になったワインは、ショップ内のヴィンテージセラーで販売するものも。
ここで、カーブドッチでつくられる代表的な3種のワインを紹介していただきました。
「品種という意味の『セパージュシリーズ』は、音楽でたとえるならクラシック。つくり方も味わいも正統派です。一方、醸造家の掛川史人さんが趣味でつくっている『どうぶつシリーズ』は、遊び心に溢れたジャズ。いろんな実験をしながら、ワインの新たなおいしさを探っています。『ファンピー』は、『ファン』と『ハッピー』を掛け合わせた造語で、名前の通り幸福感溢れるポップな味わい。いうならば、J-POPでしょうか」
同じワイナリーの中で、こんなにも個性豊かなワインが生まれているとは驚きです。それぞれ異なるワインの味が気になった人は、ショップ内のテイスティングコーナーで試飲もできます(1杯300円)。
ぶどう畑の広がる景色を眺めながらいただくランチコース
ワインづくりについて1時間たっぷり学んだ後は、「レストランカーブドッチ」でランチコースを。ぶどう畑の広がる景色を眺めながらいただく、ワインの味は格別! 旬の野菜や、自家製パン、ボリュームたっぷりの肉料理など本格フレンチとのマリアージュが楽しめます。
窓の外には、ヒラヒラと雪が降りはじめ、ぶどう畑をうっすらと白く包み込んでいきます。日々の喧騒を忘れ、ゆったりとランチを楽しむひとときは、まさに非日常の贅沢時間でした。
露天風呂もあるスパでゆったり。日頃の慌ただしさから解放されて
お腹を満たした後は、敷地内の「カーブドッチ ヴィネスパ」へ。予約不要で、券売機でチケットを買って入ることができます。レンタルタオルセット(350円)や、備え付けアメニティもあるので、手ぶらで来ても安心。
男女ともに内風呂のほかに、温度の異なる大小2つの露天風呂があり、庭園に囲まれた露天風呂はなんとも開放的。2本の自家源泉は、角田山麓の地下から引いているそうで、泉質はpH値が9.0と9.1という強いアルカリ性。聞けば「美人の湯」とも呼ばれているそうで、とろみがあって柔らかいお湯は、まるで美容液のよう。湯上がりの肌はしっとりすべすべです。
さらに、館内にはアメリカのスパブランド「AVEDA」のサロンが併設されているほか、アロマ岩盤浴、整体・タイ古式マッサージを受けられる設備も。時間が許すなら、ここで一日じっくり体を癒したいものです。
約4,000冊の本が収められたブックカフェも
「カーブドッチ ヴィネスパ」は、噴水のある中庭を囲む2階建てで、その全体に本棚が設置されています。収められている本はなんと約4,000冊。「食べて、飲む」「からだを整える」「私だけのこだわり」「自然のうつろい」など、10のテーマに合わせてBACHの幅允孝さんが選書をしています。どの棚も気になる本ばかりで、思わず目移りしてしまいます。
ゆったりくつろげるソファ席や、充電ができるコンセントも完備されたカウンター席、本棚の中につくられたベンチシート、どこでも好きな場所でくつろぐことができます。また、コワーキングで利用している方もちらほら見受けられました。
入浴後に、併設のカフェでノンアルコールのスパークリングワインを注文し、本を広げて優雅にのんびり過ごすのもおすすめ。居心地の良さに、何時間でもいられてしまいそうです。
体も心もスローダウンするために、何度でも訪れたくなる場所
山と海に囲まれた大自然に、おいしいワインや料理、たくさんの本に温泉……。いろんな過ごし方ができる「カーブドッチワイナリー」。ワイナリー初心者にとって、ワインが学べるのはもちろんのこと、非日常のリゾート気分までも味わえるのは嬉しいですよね。ゆっくりと流れる時間の中で、日々の忙しさを忘れ、心も体も優しくスローダウンしていくように感じました。
今回は雪の中の静かなぶどう畑を見ることができましたが、きっと夏には葉の生い茂る青々とした風景が、秋にはぶどうの実った風景が見られることでしょう。そんな四季の変化も楽しみに、日々の忙しさに疲れたら、またここへ戻ってこよう。そんなことを思いながら、どこまでも続くぶどう畑を後にしました。
カーブドッチワイナリー
住所 | : | 新潟県新潟市西蒲区角田浜1661 |
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アクセス | : | 新潟空港から空港リムジンバスで「新潟駅」で下車(約25分)→JR越後線「新潟駅」から「内野駅」で下車(約25分)→タクシーでカードブッチ ワイナリー(約15分)※無料送迎バスあり |
電話 | : | 0256-77-2288(カーブドッチ) 0256-77-2226(ヴィネスパ) 0256-77-5460(宿泊予約) |
定休日 | : | なし |
: | @cavedocci | |
web | : | https://www.docci.com/ |
ワイナリーツアーランチ(乾杯ドリンク付き)
料金 | : | 5,500円(試飲なしのワイナリーツアーを含む) |
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会場 | : | レストランカーブドッチ |
料理 | : | 前菜・スープ・肉料理・デザート・コーヒー |
予約 | : | 0256-77-2288 ※事前予約制(毎日午前11時にワインショップのカウンターからスタート) |
満12歳以上25歳以下限定!
搭乗日当日(出発4時間前)から予約可能なとってもおトクな割引運賃
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