中華そばの外食費ランキングで、2021年に全国1位となった新潟市(総務省の家計調査/2022年2月発表)。そんなラーメンを愛する人々が数多く住む新潟県には、地域の気候や特色に根付いたさまざまなラーメンがあるのが特徴。ラーメンを通して新潟の風土を知ることができるのです。

そこで本記事では、「5大ラーメン」と呼ばれる新潟では定番の5つの味わいに加え、今、注目を集めているラーメンもあわせてご紹介。隠れたラーメン王国・新潟で、ご当地ラーメンを食べ歩く旅へ出かけましょう。

※価格はいずれも税込み表記です。

個性派揃い!新潟を代表する5大ラーメン

ショウガの効いたスープで温まる「長岡生姜醤油ラーメン」

新潟県の中でも豪雪地として知られる長岡市では、少しでも体が温まるようにと、ショウガを効かせたコクのある醤油ラーメンが昔からの定番でした。このショウガは、スープに使用するとんこつの臭みを消す効果もあり、すっきりとした味わいを生み出す秘訣となっています。

画像: 青島食堂 宮内駅前店「青島ラーメン」800円

青島食堂 宮内駅前店「青島ラーメン」800円

「青島食堂 宮内駅前店」で提供されているのは、とんこつや鶏ガラでとった出汁に、豊かなショウガの風味が広がる、少し濃いめの醤油スープ。これに合わせるのは自家製の中細麺。モチモチ食感でのど越しの良さも魅力です。赤身部位で作られるチャーシューは乾燥しないよう注文が入ってからカットするなど、丁寧な仕事が味を支えています。

青島食堂 宮内駅前店

住所新潟県長岡市宮内3-5-3
電話0258-34-1186
営業時間11:00~19:00
定休⽇第3水曜
提供期間通年

出前文化から誕生したガッツリ系「燕背脂ラーメン」

洋食器製造の盛んな燕エリア、工場ではラーメンの出前がよく取られていました。その出前時にラーメンが伸びてしまわないようにと、麺は極太にし、冷めるのを防ぐため、スープの表面には大量の背脂で蓋をしたのが始まりとされています。

画像: 杭州飯店「中華そば」950円

杭州飯店「中華そば」950円

「杭州飯店」の燕背脂ラーメンは、背脂が漂うスープと極太麺、その上にはチャーシューとみじん切りした生たまねぎ。新鮮で良質な背脂はスープに上品な甘みを加え、煮干しなどの出汁と醤油だれが相まって、極太麺にも負けない、奥深い旨みに。背脂の量はお好みで「肋入り」「普通」「少なめ」「脂抜き」を注文できます。

杭州飯店

住所新潟県燕市燕49-4
電話0256-64-3770
営業時間11:00~14:30/17:00~20:00
※土・日は通し営業 ※売り切れ次第終了
定休⽇月曜(祝日の場合は翌日)、ほか月2回火曜
提供期間通年

屋台発祥。懐かしい味わいの「新潟あっさり醤油ラーメン」

新潟にその昔あったお堀沿いには数多くの屋台が並び、夜鳴きそばとして屋台で楽しまれていたことに由来するのが、この味わい。煮干しの効いたスープに細麺を合わせたどこか懐かしい一杯です。

画像: 三吉屋 西堀本店「中華そば」650円

三吉屋 西堀本店「中華そば」650円

代表店は、「三吉屋 西堀本店」。煮干しやとんこつ、野菜などを炊いた澄み切ったスープ、のど越しと弾力を兼ね備えた極細麺に、脂身の少ない豚モモ肉のチャーシュー、メンマ、ナルト、ネギ……。シンプルを絵に描いたような一杯は、一度食べるとクセになる味わいです。

三吉屋 西堀本店

住所新潟県新潟市中央区西堀通5-829
電話025-222-8227
営業時間11:00~16:00
定休⽇火曜
提供期間通年

自分好みに別皿スープを割っていただく「新潟濃厚味噌ラーメン」

このスタイルのルーツは、出前。お酒を飲んだ後のお客さんが「もっと濃い味を」とオーダーしたことから、非常に濃い味噌ラーメンと割りスープを一緒に届けたところ好評に。以後、自分の好みの味にスープで割るこのスタイルになったそうです。

画像: こまどり「味噌ラーメン」780円

こまどり「味噌ラーメン」780円

このスタイルの発祥といわれる「こまどり」の一杯は、とんこつや鶏ガラでとるスープに、3種類の味噌をブレンドした味噌ダレがポイント。濃厚かつ旨みたっぷりのスープには太麺を合わせ、野菜も相まって、食べごたえは抜群です。

こまどり

住所新潟県新潟市西蒲区竹野町2454-1
電話0256-72-2827
営業時間11:00~14:30/16:30~21:30
日曜 11:00~15:00/16:30~19:00
定休⽇木曜
提供期間通年

飲んだ後のシメにも◎、野菜の旨みが溶け込んだ「三条カレーラーメン」

金属産業の町・三条の鍛冶職人たちが好んで食べていた、定番の出前がカレーラーメン。70年以上も愛されている三条が誇る味わいは、飲んだ後のシメの定番でもあったそうです。

画像: 大衆食堂 正広「カレーラーメンセット」1,000円

大衆食堂 正広「カレーラーメンセット」1,000円

「大衆食堂 正広」の一杯は、店内で打つ自家製の中太麺がカレースープにしっかりと絡みます。じゃがいも、にんじん、豚肉、たまねぎと、具材は大きめながらもしっかりと煮込まれているので、箸でほろりと崩れるほど。シメは丼にご飯をインして、スープも余すことなく楽しんでください。

大衆食堂 正広

住所新潟県三条市石上2-13-38
電話0256-31-4103
営業時間11:00~14:30
金・土曜11:00~14:30/17:00~21:00
日・祝日11:00~15:00/17:00~21:00
定休⽇月曜、第3月・火曜(祝日の場合は営業し、翌日休み)
提供期間通年

5大ラーメン以外にも!注目度上昇中のラーメン

辛さとしびれがクセになる「麻婆麺」

諸説ありますが、全国のお店に先駆けて、昭和40年代に創業した新潟市内のお店が初めてメニュー化したといわれているのが、麻婆麺。これをきっかけに新潟県内はもちろん、全国へと麻婆麺は広がり、新潟でも各店工夫を凝らした味わいが誕生しています。

龍馬軒「麻婆麺」1,050円(10月中旬から価格改定予定)

「龍馬軒」で提供されている麻婆麺は、化学調味料を使わず、素材の味を引き出した繊細な味わい。自家製麺との絡みもいい汁なしタイプで、一口食べた瞬間から、麻婆の辛さとしびれが口に広がり、後を追うように独特な旨みがガツンときます。

龍馬軒

住所新潟県上越市上中田2026
電話025-526-7751
営業時間11:00~14:30/17:30~20:30
定休⽇日曜
提供期間通年

雪国だから生まれた「雪むろ酒かすラーメン」

古くから雪国上越にとって欠かせない食材だった酒粕は、栄養価が高く、体も温めてくれる。そんな酒粕と、雪国ならではの「雪室食材」、豊かな海の幸、山の幸などを結集したご当地ラーメンを作ろうと、2019年から取り組みが始まったのが、「雪むろ酒かすラーメン」です。

WITHドリーム「雪室酒かすみそラーメン」800円

上越市にある一店「WITHドリーム」では、酒粕の風味が落ちないよう、注文を受けてから一つひとつ丁寧にスープを作ります。酒粕の優しく自然な濃厚さが魅力で、麺ともよく絡みます。新潟の冬の新定番となりつつある一杯を、ぜひご賞味ください。

WITHドリーム

住所新潟県上越市五智2-526-3
電話025-531-1005
営業時間11:00~15:00
定休⽇月曜
提供期間12月上旬~4月下旬

本記事でご紹介したほかにも、新潟には“◯◯系ラーメン”の人気店が多数存在。同じ系統でも異なる個性を持っているので、食べ歩くのもまた一興で、おすすめです。ラーメン好きが集い、独自に新潟へのラーメンツアーを企画するなど、人気高騰中の新潟ラーメン。定番が全国区に広がりを見せつつ、今も県内では新しい味わいが誕生。そんな話題が尽きない新潟ラーメンをめぐる旅へ出かけてみてください。

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