金沢は回転寿司がおいしい──そんな話を耳にしたことがあるかもしれません。実は金沢は外食で寿司への出費が家計に占める割合や、人口あたりの寿司店の数が全国でもトップクラスなのです。日本海からほど近く、新鮮でおいしい魚が入手しやすいことはもちろん、舌の肥えた地元の人たちが厳しい評価を下すなか、金沢の回転寿司文化は切磋琢磨されてきました。そんな金沢の秋の旬を求めて、回転寿司巡りの旅に出かけてみました。
画像: 金沢は回転寿司がおいしい。秋の海鮮、食べ歩きの旅

「グルメ回転寿司」とも呼ばれる、高級志向の回転寿司店は、金沢に数多くあります。とはいってもほとんどの店では常にお寿司をレーンに乗せて回転させておらず、注文してからにぎりたてを提供してもらうのが金沢流。手軽に北陸の旬の魚を味わえると、地元の方や観光客から支持を集め、連日多くの人で賑わっています。そのなかから特徴ある5つのお店をご紹介します。

レトロな雰囲気の店でいただく、金沢ならではの旬の手仕事「廻る近江町市場寿し 本店」

画像1: レトロな雰囲気の店でいただく、金沢ならではの旬の手仕事「廻る近江町市場寿し 本店」

金沢市民の台所として長年親しまれる近江町市場。ここに20年ほど前から店を構えているのが、「廻る近江町市場寿し 本店」です。コンベアのレーンに沿ってカウンター席が並ぶ、ちょっとレトロなおなじみの回転寿司らしい店内です。ネタは九割九分を近江町市場で仕入れているそうで、毎日市場を回ってどんな魚が出ているかチェックを欠かさないとか。

画像: 右上から時計回りに、ガス海老(690円)、生トロサバ(420円)、香箱蟹(690円)、炙りのど黒(690円)、ハタハタ握り(350円)。各税別。

右上から時計回りに、ガス海老(690円)、生トロサバ(420円)、香箱蟹(690円)、炙りのど黒(690円)、ハタハタ握り(350円)。各税別。

「うちは石川県ではごく普通の回転寿司店です」という店長の亀田恵介さんによれば、お客さまにはにぎりたてを食べてほしいため、少なくとも10年以上前から、この店ではベルトコンベアで寿司を流していないのだとか。店名に「廻る」が付くのに、最近では、回らない回転寿司店としてすっかり有名になりました。

画像2: レトロな雰囲気の店でいただく、金沢ならではの旬の手仕事「廻る近江町市場寿し 本店」

この時期にしか食べられない珍しいネタも積極的に扱い、訪問した日には、底引き網漁で獲れたハタハタのにぎりがありました。煮付けなどでいただくのが一般的なイメージですが、ここではハタハタを生で食べられます。秋から旬を迎える地魚の、粋な食べ方に出会えました。

画像: 香箱蟹。香箱とは雌のズワイガニのこと。石川産は11月から12月までと漁期が短く、食べられる時期も限られます(写真は新潟産を使用)

香箱蟹。香箱とは雌のズワイガニのこと。石川産は11月から12月までと漁期が短く、食べられる時期も限られます(写真は新潟産を使用)

廻る近江町市場寿し 本店

住所石川県金沢市下近江町28-1
電話076-261-9330
営業8:30~20:00(L.O.19:30)
定休日年中無休
webhttps://www.ichibazushi.co.jp

金沢の絶品をちょっとずつ。丁寧な仕事と鮮度が自慢「もりもり寿し 近江町店」

こちらも近江町市場内にある、もりもり寿しです。大きな木の看板がひときわ目を引く、昼時は行列が絶えない店。金沢まいもん寿司、すし食いねぇ!と並び、金沢における回転寿司の御三家とも呼ばれているとか。もりもり寿しは全国に店舗を展開していますが、その発祥は石川県です。

画像: 時計回りに手前から、金沢甘えび(480円)、まぐろ三点盛り(480円)、北陸五点盛り(1,300円)、香箱かに汁(480円)。各税別。まぐろは生を使用、香箱がには船内冷蔵したもので一年中食べられます。

時計回りに手前から、金沢甘えび(480円)、まぐろ三点盛り(480円)、北陸五点盛り(1,300円)、香箱かに汁(480円)。各税別。まぐろは生を使用、香箱がには船内冷蔵したもので一年中食べられます。

こちらではネタを1日3回仕入れ、しかもその日のうちに使い切るようにしているほか、ネタの切り置きはしないなど、特に鮮度に気を遣っているそうです。

画像: 北陸5点盛り。右上から時計回りにのど黒、ばい貝、がす海老、ほたるいか、白えびと、北陸を代表する魚介が一皿に。

北陸5点盛り。右上から時計回りにのど黒、ばい貝、がす海老、ほたるいか、白えびと、北陸を代表する魚介が一皿に。

場所柄、一人で来店する客が多く、なるべく多くの種類を食べてほしいという思いから、1貫ずつを盛り合わせた3点盛りや5点盛りのメニューに力を入れています。北陸の代名詞といわれる名物を盛り合わせた「北陸5点盛り」が特に人気だとか。

画像: 金沢港で水揚げされた甘えびの中でも、一定の基準をクリアしたものだけが名乗ることができる金沢甘えびのにぎり。

金沢港で水揚げされた甘えびの中でも、一定の基準をクリアしたものだけが名乗ることができる金沢甘えびのにぎり。

「北陸5点盛りは、北陸の寿司を食べたいけど、あまり食べられない方や、近江町市場で寿司以外も食べたいという方にもおすすめです」と語るのは店長の杉山和也さん。北陸の海の幸を丁寧な仕事で楽しませてくれます。

画像: 金沢の絶品をちょっとずつ。丁寧な仕事と鮮度が自慢「もりもり寿し 近江町店」

もりもり寿し 近江町店

住所石川県金沢市青草町88
電話076-262-7477
営業7:00~16:30(L.O.16:20)
定休日年中無休
webなし

一貫のためにどこへでも。手間ひまを惜しまない名店「すし食いねぇ! 県庁前店」

画像: 一貫のためにどこへでも。手間ひまを惜しまない名店「すし食いねぇ! 県庁前店」

石川県の回転寿司では、レーンに回っている寿司ではなく、職人に直接注文するスタイルが一般的です。すし食いねぇ!ではだんだん使われなくなっていたレーンを思い切って封印したのだそう。

画像: 手前から時計回りに、北陸厳選盛り合わせ(1,000円)、いくら(390円)、活〆あじ(350円)、自家製煮穴子(290円)、あら汁(250円)、金沢甘えび(390円)。各税別。

手前から時計回りに、北陸厳選盛り合わせ(1,000円)、いくら(390円)、活〆あじ(350円)、自家製煮穴子(290円)、あら汁(250円)、金沢甘えび(390円)。各税別。

画像: 今日のおすすめ6貫がセットになった北陸厳選盛り合わせ。右から白えび、へしこ、きす、皮はぎ、能登いか、やなぎばちめ。内容はその日によって変わります。

今日のおすすめ6貫がセットになった北陸厳選盛り合わせ。右から白えび、へしこ、きす、皮はぎ、能登いか、やなぎばちめ。内容はその日によって変わります。

魚介は金沢港と氷見港から直接仕入れるルートがあり、さらに厨房にはアジやマダイ、ヒラメなどが泳ぐ水槽もあって、その場で〆た鮮度抜群の魚を提供。そしてこだわりは鮮度だけにとどまりません。たとえばイクラなら、仕入部長自らが毎年北海道へ行き、自身の目で見極めたイクラを、すし食いねぇ!用に仕込んでもらっているそうです。

画像: 自慢のイクラ。もちもちっとした弾力がたまりません。

自慢のイクラ。もちもちっとした弾力がたまりません。

「魚は鮮度がいいというのはあたり前になってきているこの時代、金沢の醤油を使ってこだわり抜いたオリジナルのイクラで勝負しています」と仕入部長の向邦興(むかいくにおき)さん。おいしいものを出したいという一念で、手間ひまを惜しまない名店です。

すし食いねぇ! 県庁前店

住所石川県金沢市西都1-51
電話076-268-3450
営業11:00~21:30(L.O. 21:00)
定休日元日
webhttps://www.sushikuine.co.jp

一期一会のネタとの出会いと、心づくしの職人の粋「回転寿司 左衛門」

画像1: 一期一会のネタとの出会いと、心づくしの職人の粋「回転寿司 左衛門」

お店は金沢の中心部からは離れた閑静な住宅街にあり、地元のお客さまが多い店です。特徴のひとつは、チェーン展開せず、地域密着型の営業をしていること。

画像: 手前が地物5点盛り(970円)、右奥が日替わり5点盛り(1,120円)、左が本まぐろ3点盛り(700円)。各税別、5点盛りの価格は内容よって変わります。

手前が地物5点盛り(970円)、右奥が日替わり5点盛り(1,120円)、左が本まぐろ3点盛り(700円)。各税別、5点盛りの価格は内容よって変わります。

「自分がこの店で売りたい魚を、毎日、金沢中央卸売市場に出向き、自分の目で確かめて仕入れてきます。これはチェーン店ではないからできることだと思います。常連さんが多いので、ついついお客さんの顔を思い浮かべながら品定めをしています」と店長の加藤勝彦さんは語ります。

画像: 本まぐろ3点盛りは大トロ、中トロ、赤身がセットに。まぐろにもこだわりがあり、この日はラッキーなことに天然物。この値段ではなかなか食べられない上物です。

本まぐろ3点盛りは大トロ、中トロ、赤身がセットに。まぐろにもこだわりがあり、この日はラッキーなことに天然物。この値段ではなかなか食べられない上物です。

この店で人気があるのがえび。地物の甘えびを楽しみにやって来る人も多いので、仕入れられなかったときのために、昆布〆にして冷凍しておくなど、満足してもらうための仕込みも抜かりがありません。

画像: せっかく金沢に来たので石川県の魚を食べたいと思ったら、おすすめなのが地物5点盛り。この日は、右から地物ほうぼう、地物甘えび、地物サザエ、地物皮はぎ肝付き、地物あじ。

せっかく金沢に来たので石川県の魚を食べたいと思ったら、おすすめなのが地物5点盛り。この日は、右から地物ほうぼう、地物甘えび、地物サザエ、地物皮はぎ肝付き、地物あじ。

地物の魚を食べたいという人向きの「地物5点盛り」や、今日のおすすめが一通り食べられる「日替わり5点盛り」など、旬のおいしいものがセットになったメニューも用意され、観光客でも入りやすいアットホームな雰囲気の店です。

画像2: 一期一会のネタとの出会いと、心づくしの職人の粋「回転寿司 左衛門」

回転寿司 左衛門

住所石川県金沢市泉が丘2-12-35
電話076-218-4077
営業11:00~15:00(L.O. 14:30)、
17:00~21:00(L.O. 20:30)、
土日祝は17:00~21:30(L.O. 21:00)
定休日不定休
webhttp://saemon-kanazawa.com

手の込んだ寿司を味わいながら、加賀百万石の文化も堪能「金沢まいもん寿司 本店」

画像1: 手の込んだ寿司を味わいながら、加賀百万石の文化も堪能「金沢まいもん寿司 本店」

金沢まいもん寿司は石川県にとどまらず、全国、さらに海外にも店舗を構え、そのおいしさをご自身の舌で体験された方も多いかもしれません。それでも、鮮度が物をいう寿司ネタだけに、ぜひ一度は本場で食してみてください。

画像: 手前左から時計回りに、能登かわはぎ(390円)、がす海老(470円)、白いもん三昧(780円/のど黒、季節のいか、富山の白えび軍艦)、天然ぶりとろ(590円)、中央が海鮮宝箱(350円)。各税別。

手前左から時計回りに、能登かわはぎ(390円)、がす海老(470円)、白いもん三昧(780円/のど黒、季節のいか、富山の白えび軍艦)、天然ぶりとろ(590円)、中央が海鮮宝箱(350円)。各税別。

加賀百万石をイメージさせる華やかな内外装が目を引き、醤油皿には九谷焼を使うなど、寿司を食べながら加賀の文化を感じられるのも魅力です。

画像: 目でも楽しめる華やかな海鮮宝箱は数量限定。

目でも楽しめる華やかな海鮮宝箱は数量限定。

「海鮮宝箱」と名付けられた寿司は、刺身の切れ端を卵黄で和え、カニのほぐし身とイクラで飾った、魚を余さず楽しんでもらうためのアイデアメニュー。また、ガス海老の頭は唐揚げにして添えたり、森林を育成するために間引いた木が材料の割り箸を使ったりと、環境意識の高さもうかがえます。

画像: ガス海老。添えられた頭の唐揚げが香ばしい逸品です。

ガス海老。添えられた頭の唐揚げが香ばしい逸品です。

「家族に食べさせたいものしか出さないというのがモットーです」とは店長の摂田馨(せったかおる)さんの言葉。ひと振りで1滴ずつ出てくる醤油さしも使いやすく、きめ細かい気配りもこの店の魅力です。

画像2: 手の込んだ寿司を味わいながら、加賀百万石の文化も堪能「金沢まいもん寿司 本店」

金沢まいもん寿司 本店

住所石川県金沢市駅西新町3-20-7
電話076-234-1144
営業11:00~21:30(L.O. 21:00)
定休日不定休
webhttps://www.maimon-susi.com

かつて前田利家公が居城を構え、江戸時代には加賀百万石の栄華を誇った北陸の文化は、いまだに色濃く根付いています。その“雅”の文脈は、回転寿司にも華やかな味覚を与えているといえるかもしれません。寒さが増し、木々が紅く色づくなか、おいしさを蓄えた新鮮な海産物が観光客の訪れを待っています。次に金沢を訪れる際には、回転寿司の名店で舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。

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