「グルメ回転寿司」とも呼ばれる、高級志向の回転寿司店は、金沢に数多くあります。とはいってもほとんどの店では常にお寿司をレーンに乗せて回転させておらず、注文してからにぎりたてを提供してもらうのが金沢流。手軽に北陸の旬の魚を味わえると、地元の方や観光客から支持を集め、連日多くの人で賑わっています。そのなかから特徴ある5つのお店をご紹介します。
●金沢回転寿司「御三家」と呼ばれるお店はハズせない
金沢の絶品をちょっとずつ。丁寧な仕事と鮮度が自慢「もりもり寿し 近江町店」
金沢市民の台所として長年親しまれる近江町市場内にある、「もりもり寿し」。大きな木の看板がひときわ目を引く、昼時は行列が絶えないお店です。「もりもり寿し」は全国に店舗を展開していますが、その発祥は石川県です。
こちらではネタを1日3回仕入れ、しかもその日のうちに使い切るようにしているほか、ネタの切り置きはしないなど、特に鮮度に気を遣っているそうです。
場所柄、一人で来店するお客さんが多く、なるべく多くの種類を食べてほしいという思いから、1貫ずつを盛り合わせた3点盛りや5点盛りのメニューに力を入れています。北陸の代名詞といわれる名物を盛り合わせた「北陸5点盛り」が特に人気だとか。
お店の方いわく「北陸5点盛りは、北陸の寿司を食べたいけど、あまり食べられない方や、近江町市場で寿司以外も食べたいという方にもおすすめです」とのこと。北陸の海の幸を丁寧な仕事で楽しませてくれます。
もりもり寿し 近江町店
住所 | : | 石川県金沢市青草町88 | ||
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電話 | : | 076-262-7477 | ||
定休日 | : | 年中無休 |
一貫のためにどこへでも。手間ひまを惜しまない名店「すし食いねぇ! 県庁前店」
石川県の回転寿司では、レーンに回っている寿司ではなく、職人に直接注文するスタイルが一般的です。「すし食いねぇ!」ではだんだん使われなくなっていたレーンを思い切って封印したのだそう。
魚介は金沢港と氷見港から直接仕入れるルートがあり、さらに厨房にはアジやマダイ、ヒラメなどが泳ぐ水槽もあって、その場で〆た鮮度抜群の魚を提供。そしてこだわりは鮮度だけにとどまりません。たとえばイクラなら、仕入部長自らが毎年北海道へ行き、自身の目で見極めたイクラを、「すし食いねぇ!」用に仕込んでもらっているそうです。
「魚は鮮度がいいというのはあたり前になってきているこの時代、金沢の醤油を使ってこだわり抜いたオリジナルのイクラで勝負しています」とお店の方。おいしいものを出したいという一念で、手間ひまを惜しまない名店です。
すし食いねぇ! 県庁前店
住所 | : | 石川県金沢市西都1-51 |
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電話 | : | 076-268-3450 |
営業時間 | : | 11:00~21:30 |
定休日 | : | 元日 |
web | : | https://www.sushikuine.co.jp |
手の込んだ寿司を味わいながら、加賀百万石の文化も堪能「金沢まいもん寿司 本店」
「金沢まいもん寿司」は石川県にとどまらず、全国、さらに海外にも店舗を構え、そのおいしさをご自身の舌で体験された方も多いかもしれません。それでも、鮮度が物をいう寿司ネタだけに、ぜひ一度は本場で食してみてください。
加賀百万石をイメージさせる華やかな内外装が目を引き、醤油皿には九谷焼を使うなど、寿司を食べながら加賀の文化を感じられるのも魅力です。
「海鮮宝箱」と名付けられた寿司は、刺身の切れ端を卵黄で和え、カニのほぐし身とイクラで飾った、魚を余さず楽しんでもらうためのアイデアメニュー。また、ガス海老の頭は唐揚げにして添えたり、森林を育成するために間引いた木が材料の割り箸を使ったりと、環境意識の高さもうかがえます。
お店の方からは「家族に食べさせたいものしか出さないというのがモットーです」との言葉。ひと振りで1滴ずつ出てくる醤油さしも使いやすく、きめ細かい気配りもこの店の魅力です。
金沢まいもん寿司 本店
住所 | : | 石川県金沢市駅西新町3-20-7 |
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電話 | : | 076-234-1144 |
営業時間 | : | 11:00~21:30(L.O. 21:00) ※状況により変更になる場合があります |
定休日 | : | 不定休 |
web | : | https://www.maimon-susi.com |
●地元民も通う回転寿司店はさすがのおいしさ!
一期一会のネタとの出合いと、心づくしの職人の粋「回転寿司 左衛門」
お店は金沢の中心部からは離れた閑静な住宅街にあり、地元のお客さんが多い店です。特徴のひとつは、チェーン展開せず、地域密着型の営業をしていること。
「自分がこの店で売りたい魚を、毎日、金沢中央卸売市場に出向き、自分の目で確かめて仕入れてきます。これはチェーン店ではないからできることだと思います。常連さんが多いので、ついついお客さんの顔を思い浮かべながら品定めをしています」と店長は語ります。
この店で人気があるのがえび。地物の甘えびを楽しみにやって来る人も多いので、仕入れられなかったときのために、昆布〆にして冷凍しておくなど、満足してもらうための仕込みも抜かりがありません。
地物の魚を食べたいという人向きの「地物5点盛り」や、今日のおすすめが一通り食べられる「日替わり5点盛り」など、旬のおいしいものがセットになったメニューも用意され、観光客でも入りやすいアットホームな雰囲気の店です。
回転寿司 左衛門
住所 | : | 石川県金沢市泉が丘2-12-35 |
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電話 | : | 076-218-4077 |
営業時間 | : | 平日 11:00~15:00(L.O.14:30)/17:00~21:00(L.O.20:30) 土日祝 11:00~15:00(L.O.14:30)/17:00~21:30(L.O.21:00) |
定休日 | : | 不定休 |
web | : | http://saemon-kanazawa.com |
レトロな雰囲気の店でいただく、金沢ならではの旬の手仕事「廻る近江町市場寿し 本店」
近江町市場に20年ほど前から店を構えているのが、「廻る近江町市場寿し 本店」。コンベアのレーンに沿ってカウンター席が並ぶ、ちょっとレトロなおなじみの回転寿司らしい店内です。ネタは九割九分を近江町市場で仕入れているそうで、毎日市場を回ってどんな魚が出ているかチェックを欠かさないとか。
「うちは石川県ではごく普通の回転寿司店です」という店長さんによれば、お客さんにはにぎりたてを食べてほしいため、少なくとも10年以上前から、この店ではベルトコンベアで寿司を流していないのだとか。店名に「廻る」が付くのに、最近では、回らない回転寿司店としてすっかり有名になりました。
この時期にしか食べられない珍しいネタも積極的に扱い、訪問した日には、底引き網漁で獲れたハタハタのにぎりがありました。煮付けなどでいただくのが一般的なイメージですが、ここではハタハタを生で食べられます。秋から旬を迎える地魚の、粋な食べ方に出合えました。
廻る近江町市場寿し 本店
住所 | : | 石川県金沢市下近江町28-1 |
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電話 | : | 076-261-9330 |
営業時間 | : | 8:30~20:00 |
定休日 | : | 年中無休 |
web | : | https://www.ichibazushi.co.jp |
かつて前田利家公が居城を構え、江戸時代には加賀百万石の栄華を誇った北陸の文化は、いまだに色濃く根付いています。その“雅”の文脈は、回転寿司にも華やかな味覚を与えているといえるかもしれません。寒さが増し、木々が紅く色づくなか、おいしさを蓄えた新鮮な海産物が観光客の訪れを待っています。次に金沢を訪れる際には、回転寿司の名店で舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。
初回投稿日:2020年11月11日(2022年11月1日に一部内容を更新いたしました)
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