ハワイを代表するウクレレアーティスト、ジェイク・シマブクロ氏。その卓越したウクレレテクニックで、ハワイはもちろん、アメリカ本土、日本をはじめとするアジア、ヨーロッパ、オーストラリアなど世界中で演奏活動を行う多忙な日々を送っている。
現在、仕事の関係で一年の半分はハワイ以外で過ごしているというジェイク。世界を旅しながら圧巻のパフォーマンスを繰り広げる彼のライフスタイルとは?そして、大切なふるさとであるハワイへの熱い思いや自身が感じるハワイの魅力、ローカルならではの楽しみ方などを、現地ハワイでたっぷり語ってもらった。
文:松本律子 写真:内田恒
撮影協力:ヒルトン・グランド・バケーションズ

曲作りとハワイの関係。「音楽」と「思い出」は強く結びついているということ。

JAL:先程「曲作り」のお話がありましたが、オリジナルの楽曲はやはりハワイで生まれることが多いんですか?

ジェイク:そうですね…。以前はハワイの自宅で作曲することが多かったです。あとは、カイムキに『Coffee Talk』っていうカフェがあって、そこでもよく曲作りをしてましたね。ここは僕や弟が若かった頃に、ライブ演奏もさせてくれていたカフェで。オーナーのリズには本当にずっといろいろお世話になっていて、今でも時々顔を出している大好きなお店です。

画像: ジェイクお気に入りのカフェ、Coffee Talkはカイムキのワイアラエ通り沿いにある。

ジェイクお気に入りのカフェ、Coffee Talkはカイムキのワイアラエ通り沿いにある。

ただ最近は、アメリカ本土などハワイ以外の場所で作曲することも多いですね。ハワイとは別の場所で、ハワイを思いながら曲を作る…ということも増えた気がします。また、ナッシュビルには才能に満ち溢れたすごいミュージシャンがたくさんいるので、彼らに触発されることで新しい曲が生まれることもある。音作りの幅が自然に広がっている感じです。
「今ここにいるんだから、こういうテイストの曲を作らなくちゃ」という気持ちはないんですが、それぞれの曲が生まれたときの場所や背景、感触はいつまでも鮮明に覚えているもの。演奏する度にふっと昔の光景がよぎったり。「音楽」と「思い出」って、とても強く結びついているなあと強く感じます。

画像: 曲作りとハワイの関係。「音楽」と「思い出」は強く結びついているということ。

日本ツアー中に作った曲もありますよ。『Go For Broke』や『Ichigo Ichie(一期一会)』などの曲は、日本で作ったオリジナルナンバーです。もちろん、それらの曲にも特別な思いが込められています。

自分のもうひとつのルーツは日本。行き来して感じるそれぞれの魅力とは。

JAL:日本にはツアーで毎年来られているんですよね。

ジェイク:はい。僕は日本が本当に好きなんです。僕にとって、日本は自分のルーツの一部がある場所。毎回来日する度に、いろんな人が温かく迎え入れてくれることに感謝しています。日本の文化や雰囲気って、ハワイのそれと共通する部分も多くて僕にとって非常に居心地がいい。それでいて、独自の文化もしっかりあって、奥深さを感じています。日本各地のお料理も最高においしいですしね。だからこそ、そんな日本の皆さんが「ハワイを好きだ」って言ってくれることが嬉しいんです。僕自身が感じているハワイのさらなる魅力を、一人でも多くの日本の方に体感してもらえたらいいなと。

文化や歴史を一歩踏み込んで学ぶことで、ハワイと深く強くコネクトできるはず。

JAL:なるほど…。では、ハワイでの滞在を通して日本の人たちに感じてほしい事といったら、どのようなことですか?

画像1: 文化や歴史を一歩踏み込んで学ぶことで、ハワイと深く強くコネクトできるはず。

ジェイク:最近ね、自分自身「旅行」というものに対する考え方が変わってきたんです。たとえば、以前はツアーに行っても常にスケジュールに追われながら、とにかくホテルと会場を行き来していました。自分が今どんな場所にいるのか、そのエリアがどのような歴史や文化を持っているのか、正直ほとんどわかっていなかった。でも近頃は、自分がその瞬間にいる場所のことを少しでも感じたり学んだりしたいと思うようになって。ツアーから家へ戻った時、家族に「こんな場所に行ってきたんだよ。こんなことに気づいたよ」とシェアするようになり、これって大切なことだなと気づいたんです。

だからハワイに来てくれた人たちにも、できればハワイのことを知って学んで感じて帰ってほしいと思います。ハワイの歴史探索でもいいし、フラやウクレレのレッスンを1度受けるだけでもいい。ハワイアンミュージックの生演奏をふらりと聴きに行くのもオススメです。ハワイ文化の一部を体験しながら、地元の人との交流もできますしね。そこでハワイの本質とかスピリットみたいなものを体感できたら、ハワイと自分がより強くコネクトできると思うんです。

JAL:ハワイとの強いコネクション…。素敵です。大好きな場所と繋がるというのは、人と人とが繋がるということでもあるんでしょうね。

画像2: 文化や歴史を一歩踏み込んで学ぶことで、ハワイと深く強くコネクトできるはず。

ジェイク:僕が4歳の時に初めて触ったウクレレも、最初の先生は母でした。うれしくてうれしくて、一日中ウクレレを弾いていました。こうやって大切なことが人から人へ伝わっていく。ハワイに初めて来る人も、何度も訪れたことがある人も、ハワイでの時間の中で、自分の人生の転機となるような出会いをちょっとでも感じられたら素晴らしいと思います。
あと、文化や音楽だけでなく、伝統的な食べ物にもぜひトライしてもらいたいですね。

JAL:ハワイの伝統的な食べ物というと、どんなものがあるのでしょうか?

ジェイク:いろいろあるんですよ。蒸したタロイモをペースト状にしたポイ、アヒ(マグロ)などをごま油であえるポケ(ポキ)、肉や魚をタロイモとティの葉で包んで蒸し焼きにするラウラウ、ココナッツ風味ケーキのハウピア…。ハワイの人たちが昔から育んできた食文化から、何か感じることがあるかもしれません。僕自身が、日本各地の素晴らしい食文化からいろいろな刺激を受けているのと同じように、ね。

JAL:ジェイクさんのお話を聞いていると、ハワイへの思いがひしひしと伝わってきて、もっともっとハワイに行きたくなります。
ジェイク:繰り返しになりますが、僕は、ハワイって本当に特別な場所だと思っているんです。ハワイならではの温かい文化、お互いが自然にリスペクトしあう風土、この美しい環境、そして人種差別的なこともほとんど感じません。自分がここで育ったことはとても幸せだし、自分の子どもたちを育てられることにも心から感謝しています。アロハスピリットたっぷりの島から、子どもたちは自然に大事なことを学びながら育ちます。それらがあって、この美しいハワイがさらに魅力的になっていくと信じています。

画像: オアフ島・カピオラニ公園から見るダイヤモンドヘッド。静かな公園はローカルの憩いの場。周辺でジョギングやウォーキングをする人の姿も多く見られる。

オアフ島・カピオラニ公園から見るダイヤモンドヘッド。静かな公園はローカルの憩いの場。周辺でジョギングやウォーキングをする人の姿も多く見られる。

こんなハワイの魅力を胸いっぱいに感じるためにも、ハワイ滞在中はあまりギチギチにスケジュールを組み込みすぎず、ゆっくり過ごす贅沢を味わってほしいですね。時間に追われていると、見過ごしてしまう何かがある気がします。

JAL:どうもありがとうございます。最後に、ハワイから日本へ持ち帰ってもらいたいものがあったら教えてください。

ジェイク:素敵な思い出をたくさん持って帰ってください。美しい風景を目に焼き付けて、写真もたくさん撮って…。ハワイの時間を思い出せるようなお気に入りの一品が見つかれば、それもぜひ。あ、もちろん「ウクレレ」をお土産にするのもオススメですよ(笑)。

画像: ワイキキビーチを一望できるザ・グランド・アイランダーのラナイ。金曜日の夜はここから、旅行客にもローカルにも人気のヒルトン花火が楽しめる。

ワイキキビーチを一望できるザ・グランド・アイランダーのラナイ。金曜日の夜はここから、旅行客にもローカルにも人気のヒルトン花火が楽しめる。

画像: 世界を駆け巡るウクレレ奏者に聞いた
ジェイク・シマブクロが語る、大切なホーム「ハワイ」の素の魅力

ジェイク・シマブクロ (Jake Shimabukuro)
1976年11月3日生まれ/ハワイ州ホノルル出身。
4歳からウクレレを始め、1998年、3人組バンド「ピュア・ハート」のメンバーとしてデビュー後、2002年ソロデビュー。ハワイのグラミー賞と称される「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」など受賞歴も多数。
ウクレレの特性を活かしながらロックやジャズ、クラシック、ブルース、ハワイアンなどのあらゆる音楽を取り込んだそのスタイルは、ハワイのみならず世界中のミュージック・シーンに大きな衝撃を与え続けている。

・ジェイク・シマブクロ 公式サイト
www.jakeshimabukuro.com(英語)
www.jakeshimabukuro.jp(日本語)

・ジェイク・シマブクロ 日本語公式SNS
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・撮影協力
ヒルトン・グランド・バケーションズ Hilton Grand Vacations

画像: vacation.jalux.com
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