山口県を代表するグルメスポットのひとつが、下関市にある「唐戸市場(からといちば)」です。目の前には日本海と瀬戸内海が交わる関門海峡が広がり、そのすぐ先には福岡県門司(もじ)の港町。そして市場には近海の名漁場で揚がる魚介類をはじめ、ごちそうが並びます。

アクセスは、北九州空港からエアポートバスで小倉駅まで行き、電車でJR下関駅へ。または山口宇部空港から連絡高速バスでJR下関駅を目指します。下関駅からは路線バスで、市場最寄りの停留所まで約10分で到着します。この記事では同市場の楽しみ方を、食事、お土産、ロケーションの3点で詳しくご紹介します。

画像1: 山口県・唐戸市場の楽しみ方。下関グルメの食べ歩きやお土産など魅力満載!

※密集した場所での“歩き食べ”はお控えください。マナーを守りながら観光やグルメを楽しみましょう。
※価格は税込み表記です。

唐戸市場とは?

山口県西端にある下関市。その市役所から数分歩いた海沿いに「唐戸市場」はあります。ここは、1909(明治42)年にはじまった唐戸地域の露天市がルーツ。その後1924(大正13)年に「唐戸魚市場」が発足し、1933(昭和8)年には現市場の基となった「魚菜市場」に。1976(昭和51)年に食料品小売センターが開業し、2001(平成13)年には隣接地だった現在の場所へ新築移転し今に至ります。

画像1: 唐戸市場とは?

年間を通した名物は、下関市が取扱量日本一を誇るフグ(地元では「フク」とも呼ばれます)。また、水揚げ量が日本一のアンコウも人気で、そのほか冬はブリやカキ、春はイサキやアサリなど、旬の地魚が並びます。

もちろん鮮魚に加え、魚介類の加工品や農産物も豊富。おすすめのレシピや調理方法などを市場の人と会話しつつ買い物を楽しめることが、「唐戸市場」最大の魅力です。

画像2: 唐戸市場とは?
画像3: 唐戸市場とは?

そして市場で見逃せないイベントといえば、週末と祝日に開催される「活きいき馬関街(ばかんがい)」。寿司をはじめ、ご当地料理のフク汁や天ぷらなど、できたての料理を提供するこの催しを目がけ、多い日には国内外から5,000人以上の観光客が訪れるとか。

画像: 提供:下関市産業振興部市場流通課

提供:下関市産業振興部市場流通課

画像4: 唐戸市場とは?

「活きいき馬関街」は、各事業者が市場を盛り上げるべく協力し合い、2008年にはじまりました。料理は海沿いに設えられたボードウォーク(ウッドデッキ)や天然芝生の屋上などで食べることができますが、レジャーシートや日傘などを持参し席を譲り合い、ゴミは持ち帰ることを心掛けましょう。また、特に雨天時は市場の床が滑りやすいのでご注意を。

活きいき馬関街

開催日金〜日曜、祝日(年間スケジュールはWebサイトで確認)
開催時間金曜・土曜 10:00~15:00
日曜、祝日 8:00~15:00
電話083-231-0001
webhttps://www.karatoichiba.com/bakangai/

楽しみ方1:食堂や馬関街でグルメを堪能

「唐戸市場」には飲食店も充実しており、週末や祝日以外でもグルメを満喫できます。どのお店も個性が際立っていておすすめですが、ここではその一軒「まぐろとかめ」と、同店を運営するマグロ問屋「仁井田商店」、そして「活きいき馬関街」における様子を紹介します。

問屋のマグロと地魚を絶景とともに「まぐろとかめ」

「活きいき馬関街」を開催していない平日でも行列のできる人気店が「まぐろとかめ」。1950(昭和25)年に海産物商として創業し、現在は市場きってのマグロ問屋として有名な「仁井田商店」が2020年にオープンした食堂です。

画像1: 問屋のマグロと地魚を絶景とともに「まぐろとかめ」
画像2: 問屋のマグロと地魚を絶景とともに「まぐろとかめ」

店舗は市場の2階にあり、関門海峡のオーシャンビューを楽しみながら食事ができる席配置も見逃せません。料理の名物はもちろんマグロを使ったメニューで、なかでもおすすめは「まぐろ三昧丼」(2,300円)です。

画像3: 問屋のマグロと地魚を絶景とともに「まぐろとかめ」

その名に恥じないマグロ尽くしで、大トロ、中トロ、赤身、炙りトロ、すき身が満載。マグロのプロだけあり、世界中から良質な天然マグロを吟味しているためおいしさも格別です。

画像4: 問屋のマグロと地魚を絶景とともに「まぐろとかめ」

その他にも、通常の「まぐろ丼」(1,400円)や、マグロ以外の鮮魚も味わいたい人には「海鮮丼 上」(2,300円)がおすすめです。こちらは地魚とマグロが10種前後盛り付けられ、この日はサワラ、アマダイ、アオリイカ、ウニ、地ダコなどが使われていました。

さらに、日によってはフグ尽くしの「ふく定食」(1,800円)や、希少なマグロ脳天が味わえる「フライ盛り合わせ定食」(1,350円)など、とにかくたくさんのメニューがそろっています。マグロをメインとした海鮮定食を楽しみたい人は、ぜひ同店へ。

まぐろとかめ

住所山口県県下関市唐戸町5-50 唐戸市場 2階 飲食街
電話083-242-0075
営業時間平日 6:00~13:30(L.O.13:00)
日曜・祝日 6:00~14:00(L.O.13:30)
定休日水曜
webhttps://www.instagram.com/maguro_kame/

市場屈指のマグロと地魚はワンランク上の味「仁井田商店」

そんな「まぐろとかめ」の本店にあたる「仁井田商店」は、市場1階の鮮魚コーナーに軒を連ね、大きなマグロをモチーフにした看板が目印です。

画像1: 市場屈指のマグロと地魚はワンランク上の味「仁井田商店」

平日はマグロのサクや切身を中心に取り扱い、食堂と同様、おトクなプライスが魅力的。取材時は「本まぐろ中落ち」が1,000円、「本まぐろの中骨」はサービス品でなんと200円で販売されていました。

画像2: 市場屈指のマグロと地魚はワンランク上の味「仁井田商店」

そして「活きいき馬関街」でも大盤振る舞い。食堂を手掛けているだけあり料理はお手の物で、寿司や総菜はワンランク上のおいしさです。また、寿司や丼ものに使う白米も、あらかじめ炊飯しておくのではなく炊き立てで提供するこだわりよう。

握りずしは1貫100円~500円。鮮度の良い旬の食材を厳選して出来立てのシャリと合わせて! まさにここでしか味わえないメニューが多いので、ぜひお立ち寄りを! 惣菜は「まぐろの脳天の串カツ」が200円、「ふぐのから揚げ」は500円、「特大エビフライ」は300円ときわめてリーズナブル。それぞれの商品は売り切れ次第終了なのでお買い周り際にはお早めに!

仁井田商店

住所山口県下関市唐戸町5-50 唐戸市場 1階 鮮魚コーナー
電話083-253-6695
営業時間4:00~12:00
※「活きいき馬関街」は金曜・土曜 10:00~15:00、日曜・祝日 8:00~15:00
定休日水曜
webhttp://niida-maguro.com/

楽しみ方2:山口の海の幸をお土産にする

「唐戸市場」には鮮魚だけではなく、水産加工品をメインに取り扱うお店もあまたあり、建物内の国道側(海と反対側)エリアに位置する食料品センターに店舗が集まっています。その場でクール便の手続きもしてくれますが、常温保存できる海産物も多く、お土産はこちらで探すのもおすすめ。それぞれの店舗に特色がありますが、その中から2軒をご紹介します。

明太子を筆頭にごはんのお供が盛りだくさん「林商店」

福岡・博多の名産品として知られる明太子ですが、実は下関が日本における発祥地といわれていることをご存じでしょうか。明太子は韓国のミョンテ(明太。韓国語でスケトウダラ)の卵巣塩漬けが原型で、こちらをいち早く輸入したのが下関の漁港だったとか。下関で明太子を自社製造しているのが、1940(昭和15)年創業の「林商店」です。

画像1: 明太子を筆頭にごはんのお供が盛りだくさん「林商店」

やはり一番人気は明太子で、下関のものはやさしい辛さで、甘みや旨みの豊かな味が特徴。唐辛子がきいていないタラコもあり、辛子明太子やタラコは試食できるので食べ比べるのもおすすめです。あえて味付けはこの2種のみに絞り、お買い得な切子も含めてさまざまなバリエーションが用意されています。

画像2: 明太子を筆頭にごはんのお供が盛りだくさん「林商店」

また、同店は昭和15年に北海道から昆布を仕入れて卸売りを始めた会社であるため、今でも北海道とのつながりが強く、鮭や松前漬けといった北国の海産物も豊富。明太子に次ぐ人気商品は天然紅鮭の切身で、さらに鮭やカレイなどの切身を山口の蔵元から特別に仕入れた酒粕で仕込む「魚の大吟醸漬け」も好評です。

画像: 提供:林商店

提供:林商店

鮭の切身と大吟醸漬けも、明太子同様に試食できるのもうれしいポイント。これら「林商店」の逸品は、ごはんやお酒のお供にぴったりです。

林商店

住所山口県下関市唐戸町5-50 唐戸市場 1階 食料品センター
電話083-222-2201
営業時間平日 4:00~15:00
日曜・祝日 8:00~15:00
定休日水曜、お正月、お盆(詳しくは電話にてお問い合わせください)
webhttps://www.kanmon-club.com/

プロ御用達の逸品から定番土産までそろう「かねよし」

「唐戸市場」で乾物を買うなら、次に紹介する「かねよし」がおすすめ。1919(大正8)年創業と、魚市場発足前から100年以上続く老舗で、食のプロも御用達の山口産海産物を幅広く取り扱っています。

画像1: プロ御用達の逸品から定番土産までそろう「かねよし」
画像2: プロ御用達の逸品から定番土産までそろう「かねよし」

たとえば、国内でも最上級と名高い萩産のちりめん(シラス)、周防大島産の高級いりこ(煮干し)やウルメイワシ、宇部岬産の海苔や干し海老、北浦産のウニなど。ちりめんやいりこなどは直接見たうえ、量り売りで購入できるのも市場らしい魅力です。

画像3: プロ御用達の逸品から定番土産までそろう「かねよし」

それぞれの乾物は、同じ名称でもサイズや魚種などで細かく分類されていますが、それは料理の用途によって最適なものが違うから。それらの違いやおすすめのレシピなどを店員さんに聞けば、親切に教えてくれます。ぜひそこで会話も楽しんでください。

画像4: プロ御用達の逸品から定番土産までそろう「かねよし」
画像5: プロ御用達の逸品から定番土産までそろう「かねよし」

そして同店ではフクをはじめとした下関名物も充実しており、現地の定番品もここで探せば難なく見つかるはず。プロクオリティの逸品から王道土産まで、頼りになるのが「かねよし」なのです。

かねよし

住所山口県下関市唐戸町5-50 唐戸市場 1階 食料品センター
電話083-232-5067
営業時間平日 5:00~15:00
日曜・祝日 8:00~15:00
定休日唐戸市場の休市日に準ずる(不定期水曜)
webhttps://yg-kaneyoshi.com/

楽しみ方3:ロケーションを満喫する

海産物巡りが楽しい「唐戸市場」ですが、建物内を回るだけではもったいない! 施設の内外には海沿いならではの絶景をはじめフォトスポットが数多くあり、このロケーションも魅力です。そのいくつかもご紹介しましょう。

画像1: 楽しみ方3:ロケーションを満喫する
画像2: 楽しみ方3:ロケーションを満喫する

まずは晴れた日にぜひ足を運んでいただきたいのが、ボードウォークと天然芝生が敷き詰められた屋上です。北東方面には関門海峡にかかる関門橋や、その先の門司の街へと広がるロケーションを一望でき、開放感がとにかく抜群。逆に南西側には、港湾や下関のアミューズメントパーク「はい!からっと横丁」の観覧車、そして宮本武蔵と佐々木小次郎が闘ったとされる「巌流島」(正式名称は「船島(ふなしま)」)などが見られ、こちらの景色も圧巻です。

画像3: 楽しみ方3:ロケーションを満喫する

館内きってのフォトスポットは、2階の一角に鎮座する「フクマネキン」のオブジェ。1階の入り口頭上にもフクのオブジェはありますが、並んで写真を撮ったり触ったりできるのは「フクマネキン」だけです。なお館外にもフクスポットはあるので、時間にゆとりがあればこちらもどうぞ。

画像4: 楽しみ方3:ロケーションを満喫する
画像5: 楽しみ方3:ロケーションを満喫する
画像6: 楽しみ方3:ロケーションを満喫する

「唐戸市場」は早朝から夜まで一日中楽しめる

「唐戸市場」の周辺には徒歩で行ける水族館「海響館」や、前述した「はい!からっと横丁」、153mの高さを誇る下関のシンボル塔「海峡ゆめタワー」など名所が点在。また、かつて市場があった場所には夕方以降も食事やショッピングを楽しめる「カモンワーフ」があります。

画像: 「唐戸市場」は早朝から夜まで一日中楽しめる

早朝から夜まで一日中楽しめる、「唐戸市場」をはじめとする下関の港湾スポット。北九州エリアからのアクセスも至便なので、旅程に組み込むこともおすすめ。ぜひ本記事を参考に、食べ歩きや海沿い散策を楽しんでください。

唐戸市場

住所山口県下関市唐戸町5-50
電話店舗によって異なる
営業時間Webサイトで確認
webhttps://www.karatoichiba.com/

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