画像1: 菊池川流域日本遺産 “見て、食べて、むすぶ” ~川とともに育まれた米作りの歴史~

熊本県 玉名市〔観光物産課〕 井上

こんにちは!熊本県玉名市観光物産課に出向している井上です。今回は、「菊池川流域日本遺産」に認定された熊本県北部の4つの市町(菊池市、山鹿市、和水町、玉名市)から、玉名エリアの構成文化財と、菊池川流域日本遺産のテーマである「米」を使ったグルメについてご紹介します。

熊本県北部を流れる菊池川は、阿蘇外輪山を水源として有明海に注いでいます。菊池川流域は、「2000年にわたる米作りの歴史と文化の縮図を見ることができる」地であることから、平成29(2017)年に日本遺産に認定されました。
稲作の開始時期には諸説ありますが、2000年前には、ほぼ全国的に米作りが行われるようになったといわれています。菊池川流域では、水を引きやすい川沿いの平坦な土地で米作りが始まり、その後2000年という長い時間が過ぎる中で、農具や農業土木技術などの進歩で生産性が高まり、さらに米作りには不向きな土地でも水田耕作を行うことが可能になり、現在に至ります。
今回ご紹介する玉名市は、菊池川の最下流域に位置し、有明海を挟んで対岸の雲仙普賢岳(長崎県)を眺めることができます。

画像2: 菊池川流域日本遺産 “見て、食べて、むすぶ” ~川とともに育まれた米作りの歴史~

天下第一の米と評された菊池川流域の米

画像1: 天下第一の米と評された菊池川流域の米

通称「俵ころがし」として玉名市民に親しまれている「高瀬船着場跡」は、江戸時代に菊池川流域の年貢米の集積地として整備されました。ここから大坂(江戸時代まで「大阪」は「大坂」と表記していました)へ運ばれた肥後米は「天下第一の米」と呼ばれ、高値で取引されました。当時から、菊池川流域の米が「日本一美味しい米」として高い評価を得ていたことが分かります。高瀬船着場跡は、米俵を保管した「高瀬御蔵跡」と下流の「晒船着場跡」と合わせて、江戸時代の物流と水運施設がどのようなものだったかを知る上で重要なものであるとして、令和4年に「熊本藩高瀬米蔵跡」として国の史跡に指定されました。残念ながら、高瀬御蔵の建物は明治10(1877)年の西南戦争で消失してしまいましたが、河岸の石積みが、江戸時代の名残を今にとどめています。

画像2: 天下第一の米と評された菊池川流域の米

【お問い合わせ先】熊本藩高瀬米蔵跡(高瀬船着場跡)

住所熊本県玉名市永徳寺414-15地先
Tel0968-75-1136(玉名市教育委員会文化課)
URLhttps://www.city.tamana.lg.jp/q/aview/344/526.html

「海の万里の長城」とも呼ばれる石積みの堤防

画像1: 「海の万里の長城」とも呼ばれる石積みの堤防

菊池川が注ぐ有明海。日本一干満の差が大きなこの海は、沖合まで干潟が広がっています。現在、菊池川河口の広大な耕作地では、米よりもトマトやイチゴの栽培が盛んですが、実はこの地域はかつて海の底でした。熊本で、土木の神様と称えられ、戦国武将として名高い加藤清正が「干拓」という手法でこの地の陸地化に着手したのは江戸時代の初め頃のこと。その後、細川藩に引き継がれた干拓事業は、明治時代には地元地主の手へ移ります。特に明治20~30年代にかけて集中的に行われた干拓では、広大な耕地が造成されました。そして最後に、昭和42(1967)年の国営干拓で現在の海岸線となっています。

画像2: 「海の万里の長城」とも呼ばれる石積みの堤防

「干拓」は「埋め立て」ではありません。陸地化する部分を潮受堤防で囲み、潮の干満に合わせ、樋門に設置された招戸が自動開閉されることで、堤防内の海水を排水し、海底だった土地を陸地化していきます。末広開東・西三枚戸樋門(通称「六枚戸」)は、玉名地域では最大級の規模を誇る樋門です。

画像3: 「海の万里の長城」とも呼ばれる石積みの堤防

明治時代に築かれた潮受堤防と樋門は「旧玉名干拓施設」として平成22年に国の重要文化財に指定されました。総延長5.2kmに及ぶ石造りの潮受堤防が続く様子は壮観で、いつの頃からか、「海の万里の長城」と呼ぶ人も。潮受堤防沿いのルートは絶好のドライブ・サイクリングコースになっています。

【お問い合わせ先】旧玉名干拓施設

住所熊本県玉名市大浜町・玉名市横島町横島
Tel0968-75-1136(玉名市教育委員会文化課)
URLhttps://www.city.tamana.lg.jp/q/aview/330/107.html

川に育まれ、ともに歩むまち、玉名

玉名市立歴史博物館こころピアでは、高瀬船着場跡の復元模型を見ることができる他、川とともに発展した玉名の歴史を学ぶことができます。年間をとおしてさまざまな企画展や催物を開催しています。

画像: 川に育まれ、ともに歩むまち、玉名

【お問い合わせ先】玉名市立歴史博物館こころピア

住所熊本県玉名市岩崎117
Tel0968-74-3989
開館時間9:00~17:00まで(入館時間は16:30分まで)
休館日毎週月曜日(当日が祝日の場合はその翌日)
祝日の翌日(その日が日曜日のときを除く)
年末・年始(12月28日~1月4日まで)
観覧料一般 300円
大学生200円
高校生以下は無料
URLhttps://www.city.tamana.lg.jp/q/list/455.html

菊池川流域"をむすぶ"「ヲムスビプロジェクト」

菊池川流域の「おいしい食」と「歴史」「地域の人々」をむすび、魅力を伝えるため、菊池川流域で育まれた米を使ったメニューを提供しています。

画像: 菊池川流域"をむすぶ"「ヲムスビプロジェクト」

晴れの日ご褒美弁当(1,728円)
「創作和食ダイニング善」では、地産地消の自然派素材を使ったおまかせ料理を楽しめる他、県北・菊池川流域の旬の食材を活かしたお弁当やオードブルも提供しています。
「ヲムスビプロジェクト」で誕生した「晴れの日ご褒美弁当」もそのひとつ。ご家庭でもダイニング善の味を楽しむことができます(前日までにご予約ください)。

【お問い合わせ先】創作和食ダイニング善

住所熊本県玉名市中1591-8
Tel0968-74-2898
営業時間10:30~なくなり次第終了
18:00~22:00(完全予約制)
定休日木・日
URLhttps://zendining.crayonsite.net/

菊池川流域日本遺産ポータルサイト

玉名市中心部へのアクセス

  • 新幹線をご利用の場合:「九州新幹線」博多駅から新玉名駅までおよそ40分
  • 飛行機をご利用の場合:「阿蘇くまもと空港」からJR熊本駅経由でJR玉名駅までおよそ1時間40分
  • 自家用車・レンタカーをご利用の場合:「九州自動車道」菊水ICから車でおよそ15分

※文中の写真はすべて玉名市から提供いただいています。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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