2020年に羽田空港に導入したスマートエアポートでは、従来の有人カウンターに加え、自動手荷物預け機をご利用いただけます。お荷物をベルトコンベアで優しくソーティング場まで運びますが、そこからは手作業。2019年に導入したパワードウェアを装着した作業者が、丁寧にコンテナに積み込み、飛行機の貨物室に搭載します。それは熟練の技術が光る手作業。羽田空港で日夜行われている手荷物ハンドリングに密着しました。
画像: 手荷物ハンドリングの舞台裏を公開。熟練の職人芸とパワードウェアによる究極の丁寧さ

JAL運航便におけるグランドハンドリング業務を担うJALグランドサービスは、2020年12月に成田空港と羽田空港で初となる、グランドハンドリング地上業務における国際基準「ISAGO」の認証を取得しました。飛行機を飛ばすための地上業務の安全や品質が、国際的に見ても高いレベルにあるという証明です。そこには、お客さまの手荷物などの取り扱いも含まれます。

スマートエアポートが進んでも、お手荷物は熟練の技術で丁寧に扱います

画像1: スマートエアポートが進んでも、お手荷物は熟練の技術で丁寧に扱います

「まず、お客さまがお手荷物をお預けになったあと、ベルトコンベアに乗せられます。タグに付いた情報を機械が自動で識別し、目的地のエリア別に自動で仕分けされます。ソーティング場と呼ばれる手荷物仕分け場に荷物が運ばれたら、私たちが各便のコンテナに積み付けます」

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お客さまの手荷物を扱うJALグランドサービスの木村祐介が語ります。カウンターでの手荷物預けは、羽田空港から順に自動化が進んでいます。自動手荷物預け機(SBO=Self Baggage Drop)と呼ばれるJALが誇るシステムで、お預かりしたお手荷物を横倒しなどの負荷を掛けることなく、丁寧かつスピーディーに運びます。しかし、貨物室内に搭載するコンテナへの積み付け作業はいまも変わらず人の手で行われるのです。

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「リュックサックやハンドバッグ、ベビーカーを先に積んでしまうと、後から積む上の荷物の荷重でつぶれてしまいます。そこでハードタイプのキャリーケースやトランクをまず積み、そのうえで柔らかいものや軽いものを乗せていくんです。先輩にいわれたのは、『パズルだと考えろ』ということです」

重く硬いものから、上に向かって壊れやすく柔らかいものへ。隙間なく格納することで効率よく詰め入れられ、かつ振動などで荷崩れする可能性も減り、お手荷物への負荷が減るのです。

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「ほかにも、到着地の仲間たちが降ろしやすいように取っ手を掴みやすい位置に積んでいるほか、タグを確認しやすくするために入り口に向けています。また雨天時には濡れないように、ひとつひとつの手荷物にカバーを掛けることもあります。ただ、大前提はあくまで安全を守ることと、定刻に間に合わせることです」

このように、気遣いと慎重さに加え、技術と体力が求められる仕事なのです。

パワードウェアの導入により負荷が減り、さらに効率的になりました

「もともとスポーツをやってきたので、筋肉はある方かなと思ったのですが、入社して1~2週間はずっと筋肉痛が続きました。札幌や福岡といった大都市への便となるとお手荷物も多くなり、複数のコンテナに積み付けることもあります。最初のうちはクタクタになりますが、先輩に教わりながら徐々にコツを掴んでいくんです」

画像1: パワードウェアの導入により負荷が減り、さらに効率的になりました

JALでは、2019年からこの一連の工程のために、パワードウェアを導入しました。スタッフの負荷低減を図るとともに、より迅速に積み付け・積み降ろし作業を行うための施策です。背筋から腰回りに沿わせるように着用し、着用者の動きを正確にトレースしながら、電動アシストにより腰や膝などへの負担が軽減されます。

「この業務は腰や膝にとても負担が掛かるんです。前屈みになるとぎっくり腰になってしまう危険があるので、上半身をなるべく垂直に保って屈伸運動の要領で荷物を積み降ろしするのですが、パワードウェアを着用することでかなり負担が軽減されるようになりました」

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これにより、繁忙期などの作業効率が高まり、業務環境の改善も図ることができました。またコロナウイルス感染拡大を防止するため、作業員同士もソーシャルディスタンスを保ちながら、マスクの着用や手洗いなどを徹底するなど、この一年でバゲージハンドリングのプロセスは大きく様変わりしました。

「JALに乗ってよかった」と思っていただくために、目に見えないサービスも丁寧に

画像1: 「JALに乗ってよかった」と思っていただくために、目に見えないサービスも丁寧に

さて、こうしてコンテナに積み付けられた荷物は、トーイングトラクターでけん引され、次々に駐機場の機体へと向かいます。そしてハイリフトローダーに載せられたコンテナは、飛行機の貨物室へと吸い込まれていきます。ここでも、機械と人の手を駆使した素早く丁寧な作業が進んでいきます。

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「普段はお客さまと直接接する機会がないのですが、とてもうれしい経験をしたことがあります。自分がプライベートで飛行機に乗った際に、窓側のお客さまが『手荷物の扱いが丁寧でよかった。JALに乗ってよかった』とおっしゃっていたのを耳にしたんです」

画像3: 「JALに乗ってよかった」と思っていただくために、目に見えないサービスも丁寧に

木村がハンドリングした機体は、やがてすべてのお客さまを乗せ、滑走路へと進んでいきました。しばらくのフライトののち、到着地ではお客さまの降機より前に現地のグランドハンドリングスタッフがハイリフトローダーやベルトローダーを機体に寄せ、すみやかに降載作業が始まることでしょう。お預かりした手荷物も、大切なお客さまの一部。お客さまの目が届かない場所で日夜フライトの数だけ繰り広げられる、知られざる旅のひとコマです。飛行機にご搭乗の際には、お預けのお手荷物がいまどんな旅をしているのか、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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JALの舞台裏

A350導入の裏話や機内食のメニュー開発など、JALの仕事の舞台裏を紹介します。

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