1.クレジットカードで会計する時のチップの払い方
ハワイ旅でいつも戸惑うのが、日本の習慣にはない「チップ」の支払い。
チップとは、自分にサービスをしてくれた店員やスタッフに対しての心付けのこと。Tipという表現以外にもGratuity(謝礼)という英語で表示されていることもありますので、ぜひ覚えておいてください。決して大盤振る舞いをする必要もないのですが、マナー違反にならないように適切な額をスマートに支払いたいところです。
意外と知られていないのがクレジットカードで会計する時のチップのスマートな払い方。チップは基本、「置いていく」のがマナーとされますが、クレジットカード払いだと「二度精算」がスタンダードです。
タブレットなどを渡されて自動でチップを計算してくれる会計システムも広がりつつありますが、現地のレストランなどではまだ従来の「二度精算システム」つまり「自分でチップを計算し、レシートに記入する」ところがほとんどです。この方式がまだ慣れないという方のために、チップの支払い手順を説明しましょう。
【チップの支払い方1】会計をお願いし、勘定書がきたら、金額を確認しクレジットカードを挟みます。
勘定書には大抵、オーダーの明細が記載されていますので確認し、間違っていなかったら支払いの準備をしましょう。ほとんどの場合、勘定書はファイルに挟まってきます。このファイルには小さなポケットが付いているので、そこにカードを差し込みましょう。そうすると、クレジットカードがスタッフの目に留まり、「支払い準備完了」の合図となります。
【チップの支払い方2】従業員が勘定書とカードを一旦レジに持っていき、一度仮精算をします。
【チップの支払い方3】クレジットカードと一緒に、2枚のレシートが挟まって戻されます。
同じレシートが2枚入っているように見えますが、よく見ると記載があり、一枚は店用(Merchant Copy。もう一枚は自分用(Customer Copy)になります。
【チップの支払い方4】店用のレシートにチップと合計額を記入し、サインします。
請求された金額(Amount)と、チップ、そして合計金額を記入してサインします。
ここでチップの金額に迷ってしまう場合はレシートの下部を見てみましょう。チップの目安金額やパーセンテージが書かれている場合が多く、それを参考にすることができます。または、自分が思うパーセンテージや金額をチップとして加算したい時は、ご自身で計算しても大丈夫です。
例えばこちらの会計の場合、レストランで使用した金額は142.41ドルです。ここで「15%のチップを払う」と決めたら、チップの金額は20.40ドルになります。
請求金額とチップの金額を足したら、支払い金額となります。
金額が決まったら、自身のサインを。クレジットカードの裏にサインしてあるものと同じようにサインしましょう。漢字でサインしてあるようでしたら、ここも漢字で。あくまでカードの裏と一致することが重要です。
記入するのは店用のみで良いのですが、後でいくら払ったかの控えとして、自分用にも記入して保管するのをおすすめします。(こちらは持ち帰りましょう)
これで支払いは終了。
店用のレシートを勘定書と一緒にファイルごとテーブルに置いたまま退席しましょう。
スタッフは客が帰った後にレシートの金額(チップが加算された金額)を確認し、仮精算中だった会計を精算し直して完了します。
他にも、請求金額をクレジットカードで支払い、チップは現金で支払うこともできます。その場合は、Tipの欄に、0と書き、合計金額(Total)も、Amountのところに書かれている数字をそのまま書いて、あとはサインしましょう。退席時にチップ用現金を一緒に勘定書に挟んで置いていけば大丈夫です。帰国間際はこのスタイルを採用すると小銭を効率的に減らせるのでおすすめです。
ちなみにチップを計算するとセント単位で金額が出てきますが、必ずしもそこまできっちり支払う必要はなく、大まかにドル単位で記入しても大丈夫。難しいようですが、慣れてスムーズに会計できると安心です。
2.事前両替より安心で効率的。現地ATMで必要な分の現金を引き出す
次にご紹介するのは、意外と知られていない、「現金」についてです。
旅行中に使いそうな金額をあらかじめ日本で両替していく方も多いでしょう。
しかし、大金を日本から持っていくのも不安なもの。また、普段キャッシュレスで生活しており、できるだけ現金を持ち歩きたくないという方もいるかもしれません。そんな方におすすめの手段があります。実は、現地のATMで簡単に現金がおろせるのです。
必要なのは、日本の大手銀行が発行している「VisaまたはMastercardなどのデビットカード機能付きキャッシュカード」または「キャッシング機能付きのクレジットカード」です。
【ATM設置場所】
ワイキキの街中には至る所にATMがありますが、銀行のATMまたはホテル内、ショッピングセンター内のATMがセキュリティ上安心ですのでおすすめです。
また、一部ABCストアに設置している場合もあります。
ちなみにハワイの銀行は「ファーストハワイアンバンク」または「バンクオブハワイ」です。セキュリティや手数料の点でもおすすめします。
【利用可能なATM】
ハワイではJCBやAmerican Expressを利用できるATMもありますが、利用可能な台数が圧倒的に多いのは国際二大ブランドである「Visa」と「Mastercard」です。このブランドがライセンス取得した金融機関が発行しているクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードであれば、ATMを利用することができます。
Visa または Visa PLUS
Mastercard®、Maestro®またはCirrus®
上記のマークが付いているものでないと利用できませんので、必ずご確認ください。
【ATMの使い方】
最近は、日本語対応しているATMが増え、最初に言語を選択する場合もあります。
デビットカードでしたら「口座の種類」を、クレジットカードでしたら「クレジットカード」を選択すれば、あとは日本のATMと操作は同じですので安心です。
ただ残念ながら、日本語対応しているATMはそう多くはありません。
そこでご紹介するのは、日本語対応していないATMの使い方です。
【ATMでの現金の引き出し方1】カード挿入口にカードをいれます。
【ATMでの現金の引き出し方2】暗証番号を入力して、最後にEnterを押します。
“Enter Yur PIN”または“Enter Your Secret Code”と表示されたら、それが「暗証番号入力」の意味です。
【ATMでの現金の引き出し方3】取引内容の中から「引き出し(Withdrawal)」を選択。
“Select The Type Of Transaction(取引内容を選択してください)”と表示されます。いろいろと選択肢が表示されると思いますが、その中の現金引き出しを意味する“Withdrawal”を選びましょう。他には、Saving WithdrawalやGet Cashと表示される場合もあります。
【ATMでの現金の引き出し方4】カードもしくは口座の種類を選択します。
“Please Select Account Type(口座の種類を選択してください)”と表示され、Checking(当座預金)、Saving(普通預金)、Credit Card(クレジットカード)の3つの選択が表示されます。デビットカードでしたらその口座の種類、クレジットカードでしたらクレジットカードの項目を選択しましょう。Credit Card 以外にも、“Credit-Card Withdrawal”“Credit-Account”と表示される場合もあります。
【ATMでの現金の引き出し方5】希望金額を入力します。
ハワイにあるATMは、基本的に20ドル札で現金が出てきます。なので、引き出せるのも20ドル単位。例えば、150ドル欲しいと思った場合でも、140ドルまたは160ドルを引き出すことになります。
【ATMでの現金の引き出し方6】現金を受け取ります。
“Please Take Your Cash”と表示され、現金が出てくるので、それを受け取ってください。
【ATMでの現金の引き出し方7】レシートを受け取りましょう。
レシートが出てきたら、それを受け取りましょう。
【ATMでの現金の引き出し方8】引き続き取引するかを選択します。
ATMによっては、「Do You-Want-Another-Transaction?(取引を続けますか?)」と尋ねてくる場合があります。その時は、Noを選択しましょう。
クレジットカード以外にも、国際キャッシュカードやプリペイドタイプの専用カードも旅の前に用意すれば、同じようにATMで利用できます。
ATMの利用の仕方がわかれば、大金を持ち歩かずにすみますし、いざという時や帰国間際に現金が少し足りない時に助かりますね。
ちなみに、引き出し金額に応じて手数料がかかる場合もありますが、「1回あたり」で手数料がかかることもありますので、やみくもに利用するのではなく、計画的に利用しましょう。
なお、カード会社の規定や契約内容によって海外でキャッシングができない場合もあります。初めて海外で利用する場合は念のためカード会社や金融機関に確認しておきましょう。
3.日本にいるようにスマホを使える「SIMカード」
もはや旅先での必需品である「スマホ」。海外で使用するためにWi-Fiルーターをレンタルする人も多いでしょうか。でも、スマホだけでなくルーターも充電器も持ち歩く必要があり、荷物が増えてしまいストレスを感じることも。さらに、ルーターのそばにいないと使えないので、友人や家族でシェアする時、常に一緒に行動しなければならないのは不便ですよね。
その悩みを一気に解決できるのが「SIMカード」です。特に4日以上ハワイに滞在するスマホユーザーは、料金の面から見てもハワイの現地SIMカードを利用した方がお得な場合が多いのです。ショップやブランドによりますが、高速データ通信使い放題で5日間3000円弱の利用料金が中心。ABCストアで購入できるLycamobileは、5GBのデータ通信が付いて29ドルですが、こちらは30日間利用可能。ご自身のスマホ利用頻度や滞在期間によってプランが選択できます。
【SIMカードとは】
SIMとは、スマホに必ず装着されているICカード(SIMカード)のことです。スマホの新規契約をすると、携帯電話会社は新しいSIMカードを発行し、その中には契約者(利用者)の識別番号や電話番号、メールアドレス(大手携帯電話会社のSIMの場合)といった情報が記録されていて、スマホはSIMカードを装着した状態で使うことになります。このSIMカードを普段日本で使っているものからハワイのSIMカードに差し替えれば、スマホをそのままハワイで使用することが可能になります。
ルーターや充電器を持ち運ぶ手間がなくなりますし、各人のスマホをそのまま使用できるので、仲間みんなと別行動する時も問題ありません。また、SIMカードには電話番号が紐づいているので、ハワイの現地の市外局番808から始まる番号が手に入り、レストランやアクティビティの予約時にとても便利です。
逆に、日本で使っている電話番号が使えなくなるというデメリットもありますが、チャットやメッセンジャーの通話機能を使えば日本とのやりとりもストレスなく行えます。
【SIMカード購入前にチェックするべき事1】SIMロックが解除されていること
通信会社で購入したスマホの場合、「SIMロック」がかかっていることがほとんどです。そのため、そのままの状態ではハワイのSIMカードを使用できません。
そこで事前にSIMロック解除を申し込む必要があります。契約した通信会社の店頭や電話、WebサイトなどからSIMロック解除を申し込みましょう。
家電量販店やアマゾン、アップルストアなどでは「SIMフリー」(初めからSIMロックがかかっていない)の端末が販売されています。SIMフリー端末の場合は、ロック解除する必要なく、SIMカードを入れ替えるだけで簡単に利用できます。自分のスマホがどちらかわからない方は、スマホの設定画面から確認することもできるので、端末メーカーのWebサイトで方法をチェックすると良いでしょう。
【SIMカード購入前にチェックするべき事2】SIMカードのサイズ
主なSIMカードのサイズは、「標準SIM(miniSIM)」「microSIM」「nanoSIM」の3種類。スマホ本体が装備しているSIMスロットの大きさに合わせて、同じサイズのSIMを用意する必要があります。自分のカードのサイズを確認したい時は、そのスマホのメーカーや通信会社のWebサイトをチェック。自分と同じ端末(機種)の紹介ページにある「仕様(スペック)」欄に書かれていますので確認しましょう。
【ハワイでSIMカードが購入できる店】
ハワイの空港にはSIMカードを販売している店はありません(2019年末時点)。以下のショップで買うことができます(英語対応のみ)。
・オハナ ワイキキ イースト1階のHoku Wireless(T-Mobile/Verizon/AT&T)
・アラモアナセンター1階 携帯ショップ AT&T(AT&T)
・ABCストア(Lycamobile)
Hoku WirelessやAT&Tであれば、店員さんがSIMカードの設定をしてくれます。ABCストアで「Lycamobile」のSIMカードを購入した場合は、自分でセッティングすることになるので、初めての方は日本で事前にセッティングの方法を調べていくことをおすすめします。
また、空港から現地のお店まで行って購入するのが不安だという方は、事前に日本でネット購入もできます。英語やスマホ操作に不安のある方はそちらもおすすめです。申し込み時にアメリカの郵便番号(ZIPコード)を入力する欄がある場合は、ワイキキの郵便番号「96815」を入力してください。
4.ワイキキ内のちょっとした移動には「biki」
ワイキキを歩いていて、「思いの外、目的地まで遠いなぁ〜」と思ったことはありませんか? そんな時に便利なのがbikiというシェアサイクルシステムです。ダイヤモンドヘッドからチャイナタウンにかけて、1,300台以上の自転車と、約130ヵ所のbikiステーションがあり、このステーション間で借りて返す、セルフサービスシステムです。機械の操作も日本語での案内があるので安心。クレジットカードさえあれば利用できます。
【まずはアプリをダウンロードしよう】
まずは、bikiのアプリを事前にダウンロードしましょう。
bikiステーションの場所、ステーションごとのレンタル可能な台数、返却可能な台数がリアルタイムでチェックできます。
【料金プラン】
旅行者向けのプランをご紹介します。
・シングルライド 4ドル/30分:利用するたびに支払うプラン。「ちょっと3ブロック先まで乗りたい」というような時に便利です。
・マルチストッププラン 25ドル/300分:300分(5時間)以内なら何度自転車を乗り降りしても良いプラン。バスや車に乗らずに市内を観光したい時に最適です。また長期滞在する場合にもおすすめ! パスの有効期限は1年間。
注意
超過料金(エクストラタイム) 4.50ドル/30分:利用時間を超過した場合は、いずれのプランでも、30分ごとに4.5ドルの超過料金が発生します。
(いずれも2020年2月現在の価格)
【利用可能な年齢は?】
bikiを一人で利用できるのは、18歳以上の方になります。親または法定保護者が一緒であれば、16歳以上から利用可能です。16歳未満は付き添いがいたとしても、一切利用不可なので要注意です。
【bikiの借り方】
借りる前にチェック!
時間の無駄遣いをしないためにも、支払いをする前に自分が借りたい自転車をまず決め、パンク、タイヤの空気、ギアなど壊れていないかを確認しましょう。そして、自分の高さにサドルを調整しておきましょう。
【スクリーン操作】
実際に借りる際にはスクリーンで登録作業が必要になります。
1.スクリーンを触って画面を起動させます。
2.左上の国旗マークをタッチし、「日本語」を選択します。
3.「利用許可証の購入」をタッチ。
4.プランを選択します。
5.支払い用のクレジットカードを挿入し、すぐに引き出します。
6.電話番号と郵便番号(いずれも日本の番号でもOK)を入力します。
7.料金を確認し、右下の「費用条件に同意する」をタッチ。
「一時セキュリティ保証金=50ドル」と表示されますが、これはシングルライドのプランで30分以上利用した場合の保証金として、事前に50ドル支払う必要があることを意味します。自転車を問題なく返却すれば、この一時金は戻ってきます。
8.内容を確認し、問題なければ「確定」をタッチします。
決済が無事終わると、乗車コード5桁が表示されます。自転車をドックから外すのに必要なコードになるので、「印刷」したい場合は「印刷」をタッチします。不要な場合は「覚えておきます」をタッチしてください。
9.借りたい自転車のところに行き、乗車コードを打ち込みます。
10.コードを入力したら、黄色ランプが緑ランプへと変わります。
これが、自転車取り外しOKの合図です。
もし赤ランプになった場合は、入力コードが間違っているか、乗車コードの有効時間である5分が過ぎてしまったことを意味します(有効期限を過ぎた場合の対処法は後述)。
自転車を取り出し、いざ出発!
【bikiの返し方】
1.アプリで最寄りのbikiステーションを探します。
どこのステーションに返却しても大丈夫です。
2.空いているドックに自転車を前向きに押して入れます。
3.左ハンドル下にあるキーパッドのランプが緑色になることを必ず確認。
緑ランプにならないと「返却されていない」と認識され、延長料金が加算されてしまいますので、気をつけてください。
【こんなトラブル発生時はどうしたらいい?】
乗車コードの有効時間5分を過ぎてしまった場合
再度スクリーン操作をし、操作④まで進むと「利用許可証を持っている」という表示が出ますので、それをタッチ。続けて「新しい乗車コードを取得する」をタッチすると、新しいコードが発行されます。
返却時に、ステーションが満車で停められなかった場合
ステーションが満車の場合は、15分間の返却猶予時間がもらえます。
タッチスクリーンに行き、操作④のスクリーンで「利用許可証を持っている」をタッチ。次に「時間クレジット」をタッチします。
そして、「時間クレジットをリクエストする」をタッチ。そうすると15分の返却猶予時間がもらえます。もし返却場所を変えたい場合は、「近くのbikiストップ」をタッチすると最寄りのステーションの空き状況が表示されますので、そちらを確認して、別のステーションに返却しましょう。
借りた自転車が盗まれた場合
万が一借りた自転車が盗まれてしまったら、罰金1200ドルの支払いとなります。カスタマーサービスへ問い合わせください。
【bikiを利用する際の注意事項】
ハワイの交通ルールを理解しましょう
・自転車は基本的に車道を走らないといけません。
・バイクレーン(自転車専用レーン)がある道は、バイクレーンを走行しましょう。
・歩道は自転車走行禁止です。歩道を使う場合は、自転車から降りて押しながら歩きましょう。
・交通規制は車と同一です。車と同じ進行方向で走りましょう。一方通行の道も、車と同じです。自転車だからといって逆走することは違反になります。
・友達や家族と乗る時も、横並び走行は禁止です。必ず縦一列で走るようにしてください。
bikiの自転車には鍵はありません。
基本的にステーション間の乗り継ぎシステムですので、どこかに立ち寄りたい時も必ずステーションに一度返却してください。
動きやすい格好で。リュックかショルダーバッグがおすすめです。
自転車には、簡易的な「かご」がありますが、少し荷物どめが緩いので、そこに貴重品が入ったバックを入れることは避けましょう。
少し上級者向けのティップスもありましたが、せっかくのハワイ旅を満喫するためにも、知っておくと便利な情報ばかりです。今までストレスに感じていたり、不便に感じていたりしたことがスムーズに行けば、滞在自体をもっと楽しむことができそう。事前にしっかり準備して、ハワイ滞在時でもまるで日本にいる時のようにストレスなく過ごしたいですね。
取材・文:カバットバットみき
撮影:Kaz Tanabe
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