新型コロナウイルスの影響で生活様式や働き方が変化したことによって、再び注目されている「ワーケーション」。2019年12月、休暇中に会社の公式な仕事時間を取り入れるという新しいワークスタイルについて、JALが中心となりハワイ島でユニークな実証実験が行われました。
現場のレポートともに、これからの旅行や休暇の概念を変えるかもしれない「ハワイ×ワーケーション」の可能性について考えていきます。

※掲載の内容は記事公開時点のものです。最新情報は各スポットのホームページなどでご確認ください。

画像: 旅行や休みの概念が変わる!? ハワイ島「ワーケーションプログラム」実施レポート

JALが主催したユニークな実証実験

2019年12月初旬。JALも参加する異業種連携コミュニティ「MINDS」がハワイ島でユニークな実証実験を行いました。それは、ミレニアルワーカーたちが「ワーケーション」という勤務スタイルをハワイ島で体験し、仕事のパフォーマンスや心理状態をモニタリング(調査)していくというものです。

「休みの日に、しかも旅行中に働くなんて…」と、拒否反応を起こしてしまう読者も少なからずいると思いますが、この実験結果によってはこれまでの休暇や旅行の概念を変えるような未来がやってくるかもしれません。

画像: ワーケーション参加者の様子

ワーケーション参加者の様子

今回、ハワイ島の実証実験に参加したのは、ミレニアル世代といわれる比較的若い働き手たち。総勢7社9名の、エンジニアや法人営業、企画・開発などさまざまな職種のスタッフが3泊4日の行程で参加しました。それぞれが休暇を取得した上で、いつもの仕事をハワイ島に持ち込み、休暇と仕事のバランスをとりながら滞在期間を過ごします。

HomeAwayを活用し、長期滞在向けの物件をルームシェア

画像: HomeAwayで手配したハワイ島の一棟貸しコンドミニアム

HomeAwayで手配したハワイ島の一棟貸しコンドミニアム

会場の1つとなっているコンドミニアムを訪れると、なんとも豪華な一軒家が。こちらは、バケーションレンタル「HomeAway」で申込み可能な物件。ハワイ島の静かなリゾートエリアに建つこの物件は、4つのベッドルームと30畳以上はあるLDKに、オリエンタルな雰囲気の中庭と広大なテラスがあります。テラスからは海を望む見晴らしの良い景色が楽しめ、プールも完備。なんとも贅沢な邸宅を前に宿泊料が気になるところですが、すべてのベッドルームを活用すれば、最大4組8名が宿泊可能。1泊38,688(取材時点最安値)円なので、参加者でシェアすれば非常にリーズナブルです。

※2020年3月末に「HomeAway」は「Vrbo(バーボ)」にリニューアルしました。

画像: オリエンタルな雰囲気の中庭

オリエンタルな雰囲気の中庭

参加者は、こちらの物件を含めて3カ所にわかれて滞在します。なかには、冒頭の写真のような海辺のコテージもあり、海に沈む夕日を見ながらパソコンワークをするなんてことも。いずれもハワイ島ならではの開放感のある物件でした。

画像: 広大なテラス席

広大なテラス席

リラックスムードで「休暇×仕事」のバランスを取る

滞在期間中は、各自思い思いの時間が過ごせます。ダイニングテーブルやリビングのソファ、テラスなど、それぞれがお気に入りの場所で仕事をこなしています。参加者は初対面の方々がほとんどでしたが、世代が近いこともあって和気藹々のムードで共同生活をしていました。

個人で仕事をしたあと、すこしテラスでのんびりして、その後ダイニングテーブルで簡単な会議、といった具合に作業時間も休憩時間も各自のペースで。エンジニアの人はリラックスした様子で黙々とパソコンで仕事を行い、気晴らしにテラスに出て外で作業をするなどして、とても快適な様子です。

画像: 思い思いに仕事する参加者たち

思い思いに仕事する参加者たち

画像: 開放感のあるテラスでパソコン作業をする様子

開放感のあるテラスでパソコン作業をする様子

HomeAwayの物件は、そのほとんどが屋内Wi-Fiやテレビモニターを完備しているので、パソコンひとつあれば個人での仕事だけでなく日本とのやりとりもストレス無くできそうです。

また、今回のMINDSの取り組み自体をレポート化する業務を行う参加者もいて、参加者同士で企画書の書き方などを確認していましたが、このように部署ごとにメンバーが休暇を取りルームシェアしながらそれぞれの仕事に取り組むといったことは、とてもリアリティのあるシチュエーションです。

画像: 慶應義塾大学・島津明人教授とのテレビ会議の様子

慶應義塾大学・島津明人教授とのテレビ会議の様子

ワーケーションプログラムの最終日には、特別ゲストとしてリーマントラベラーの東松寛文さんなどをお招きしたトークセッションや、実験をサポートする慶應義塾大学の島津明人教授とのテレビ会議も開催されました。参加者が一堂に会して働き方やモチベーションの持ち方、休みをとることの大切さなどを議論し、個人の環境や会社の状況を共有しながら話し合いはつづきます。

画像: リーマントラベラー東松寛文さん

リーマントラベラー東松寛文さん

仕事の後はしっかり遊ぶ

最終日のビジネスアワー終了後は、せっかくのハワイ島を満喫すべく参加者一同で観光地へ。ビーチや遺跡など、ハワイ島の自然と歴史を感じるスポットをめぐりました。

画像: 夕日が美しい海岸沿いを歩いてリフレッシュ

夕日が美しい海岸沿いを歩いてリフレッシュ

画像: 仕事終わりにふらっとビーチを歩けるのがハワイ島ならではの魅力

仕事終わりにふらっとビーチを歩けるのがハワイ島ならではの魅力

共同生活を経て、初対面だったメンバーたちにも一体感が生まれ、それぞれが達成感のある表情をしていました。最後は、夕日の美しいレストランで打ち上げ。これから日本に戻って今回の経験をどのように活かすか。ざっくばらんに意見交換をしていました。

画像: レストランでの打ち上げの様子

レストランでの打ち上げの様子

ハワイ島で仕事をすると効率が上がる?参加者の声は?

さて、取材する限りでも「ハワイ×ワーケーション」は、ハワイ島のバケーショナルな雰囲気と穏やかな気候のなかで、とてもリラックスできて快適に過ごせそうです。しかし、肝心の仕事の効率はどうなのでしょうか? 参加者の声をまとめてみました。

画像: ワーケーションの参加者たち

ワーケーションの参加者たち

「ハワイと日本では、ビジネスアワーが重なる時間が5時間程度あります。その時間を使って日本との電話会議での打ち合わせを行い、ほかは自分の仕事に集中。とてもメリハリのある時間の使い方ができました」(大手ディベロッパー・営業企画職)

「開発系のエンジニアなので、ある程度自分の裁量でコントロールできるため、今回のワーケーションでも無理なく取り組めました」(IT系企業・開発系エンジニア)

「日本のオフィスよりも断然集中できました。ただ、こちら(ハワイ時間)の夜は、日本だとまだ営業時間中なのでメールが頻繁に来るんですね。それを翌日の朝にまとめて返す感じだったので、やはり会社の協力は必要ですね」(IT系企業・運用系エンジニア)

「今回は、ひとりで参加しましたが、上司の理解があれば部署のチームを半分ずつにわけて、日本とハワイで同時進行するといったこともできるのではと思いました。ただ、こうした取り組みを会社に理解してもらうためにも、まずは上司の方々に体験してほしいですね(笑)」(大手メーカー・企画職)

このように概ね仕事も順調に進むようです。しかし、一部のコメントにもあるように、やはり上司や会社全体の理解がないと、プロジェクトや部署内で連携する業務を進めることは難しそうです。今回のプログラムの進行役を務めたJAL人財戦略部の東原は、その点についても、今回のプロジェクトの重要性があると語ります。

「実際、労働力人口はどんどん減っていきます。さらに共働き家庭の育児だったり介護だったり、個人や家族がケアしていかなければならない課題が増える中で『決まった時間に決まった場所で働く』というこれまでの定時労働のスタイルは立ちゆかなくなってきています。しかし、個人も企業もそうした実態をわかってはいながらも、現実には危機感よりも会社独自の浸透のみの視点で考えてしまうことも多く、テレワークやワーケーションなどの自由な勤務形態が公式の制度としてはまだまだ定着していないのが実情です」(東原)

画像: 参加者へワーケーションプログラムの意義を説明する JAL・東原

参加者へワーケーションプログラムの意義を説明する JAL・東原

特に弊害となっているのがマインド、つまり心理的なハードルです。そのためにも「時間と場所から解放された働き方」が“効果あり”ということを実証するために行われたのが今回の取り組みなのだそう。

「IT・通信技術の進展や、各種制度が充実していても、ワーケーション、つまり休暇中に公式な仕事をすること自体に抵抗があったり、引け目を感じたりと、“心理的なハードル”が実現の足かせになっているのです。こうした気持ちの問題に対しては、個人だけでなく、企業単位でも積極的に解決していかなければなりません。そのためにも実績というカタチを残していくことが重要ですし、エビデンスとしての効果をしっかり残す必要があります」

画像: ワーケーションを取り巻く環境の変化

ワーケーションを取り巻く環境の変化

今回の実証実験では、参加者のモチベーション、パフォーマンスなどさまざまな項目をワーケーションの「参加前」と「参加後」とで比較する調査を行いました。

画像: 調査項目と設問例

調査項目と設問例

そして、注目の調査結果ですが、特に上の表の③エンゲージメント(仕事への熱意)や④スピルオーバー(仕事の充実感)といった点で、オフィスワークに比べてプラスに働いたという結果が出たそうです。詳しい調査結果は2020年2月に公表されるとのことですが、基本的に、ワーケーションを行うことで公私ともに充実感を感じ、上司同僚とのコミュニケーションも含めてパフォーマンスが上がる効果がでたとのこと。
ひとつの調査結果ではありますが、ワーケーションの普及に向けては大きな一歩と言えるでしょう。

「ハワイ×ワーケーション」だからこそのメリット

このように休暇の中に公式な仕事時間を取り入れるワーケーションには、トータルで会社の業務効率を上げる可能性を感じる結果となりました。今回の実証実験にJAL HAWAIIの商品担当として協力した国際路線事業部の阿部は、ワーケーションを取り入れる旅行地としてのハワイに今後の可能性を感じていると語ります。

「JALは、ハワイへの渡航だけでなく、旅行先での過ごし方も幅広く提案しています。そのひとつとして『働き方を自由にする』というコンセプトを掲げています。実際の商品としても、5泊以上の滞在でホテルでお得な特典の付くダイナミックパッケージや、8泊以上で通常よりも割安になる航空券を提供したり、今回活用したHomeAwayとの共同プロモーションを行ったりと、積極的にハワイでの長期滞在をおすすめしてきました。そうした背景の中で今回の実験に協力させていただき、現場を間近で見ることで手応えを感じることができました。まだまだ、ワーケーションが今後、広く普及していくために心理面や制度面でのハードルはありますが、確実によりよい方向に向かっていく気がします」(阿部)

画像: 参加者にJAL HAWAIIの取り組みを紹介する阿部

参加者にJAL HAWAIIの取り組みを紹介する阿部

今回の実証実験を足がかりに、長期に滞在しやすい環境やワーケーションの制度が充実してくることによって、近い将来、新しい休暇の取り方や旅行のスタイルが生まれてくるかもしれません。その発信地が、日本にとっても身近でメジャーな存在であるハワイであることに期待が膨らみます。

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