いま北海道への旅を検討しているなら、何に魅力を感じるかでエリアを絞り込むのがおすすめです。この記事で紹介する北海道の南部「道南エリア」は、以下の4つのテーマで紹介することができます。

リトリート……忙しい日常から一時的に離れて心身を癒し、自分を見つめ直すための休息や過ごし方
時間差旅……混雑するピークの時間・場所・行動をずらすことで、快適な旅や新しい発見を楽しむこと
アドベンチャートラベル……「アクティビティ」「自然」「異文化体験」の要素を組み合わせた旅
ガストロノミー……美食や高級料理というだけでなく、その背景にある歴史や風土、素材へのこだわりまで含めて深く味わうこと

4つの中でもとりわけ、「リトリート」と「時間差旅」にぴったりで穏やかな印象が強いのが、道南の特徴。観光客が動き出す前の静かな湖、島から島へ橋を渡る散策路、誰にも会わずに過ごせる宿。混雑とは無縁の、心と身体をゆるめる10スポットをお届けします。

※営業時間や提供内容は変更される可能性があります。
※価格は税込み表記です。

画像1: 北海道観光の行き先はピンとくるテーマで選ぶ。知る人ぞ知る道南エリアに注目

道南エリアの魅力異なる4つのまち

道南とは、北海道の南部、渡島半島とその周辺の18市町を指します。北海道の中では比較的温暖な地域とされており、歴史文化や豊かな自然が楽しめるエリアとして人気です。

これから紹介するのは、道南の4つのまち。駒ヶ岳と湖沼群が広がる七飯(ななえ)町、間歇泉と昆布のまち鹿部(しかべ)町、ニシン漁で栄えた港町・江差(えさし)町、そして日本初の男子修道院が佇む北斗(ほくと)市です。函館空港から車を走らせれば、まったく違う表情の土地に出合えるのが、このエリアの魅力です。

〈七飯町〉
「イクサンダー大沼カヌーハウス」で、水上から駒ヶ岳を望む

画像1: 〈七飯町〉 「イクサンダー大沼カヌーハウス」で、水上から駒ヶ岳を望む

大沼国定公園に広がる大沼・小沼でカヌー体験ができる「イクサンダー大沼カヌーハウス」。

画像2: 〈七飯町〉 「イクサンダー大沼カヌーハウス」で、水上から駒ヶ岳を望む
画像3: 〈七飯町〉 「イクサンダー大沼カヌーハウス」で、水上から駒ヶ岳を望む

赤い板張りの小屋には薪が積まれ、軒先にはずらりとライフジャケットが並んでいます。
訪れたのは、多くの観光客がまだ動き出す前の早朝の時間帯。日中の賑わいを避けて静かな湖に漕ぎ出す、「時間差旅」ならではの過ごし方です。この時間だからこそ出合える澄んだ空気と静けさを独占しました。

画像4: 〈七飯町〉 「イクサンダー大沼カヌーハウス」で、水上から駒ヶ岳を望む

出艇前、ガイドさんがパドルの動かし方を丁寧にレクチャーしてくれます。

画像5: 〈七飯町〉 「イクサンダー大沼カヌーハウス」で、水上から駒ヶ岳を望む

教わったとおりにパドルを構え、いざ湖へ出発。

画像6: 〈七飯町〉 「イクサンダー大沼カヌーハウス」で、水上から駒ヶ岳を望む

風を受けながら水面を進んでいくと、視界の先には、なだらかな稜線を描く堂々とした駒ヶ岳の姿が広がります。

自分の腕でパドルを操りながら大自然のただ中に身を置くこの体験には、アドベンチャートラベルの要素も含まれます。自然のダイナミズムを感じ、その中で生きているのだということを改めて感じる時でした。

画像7: 〈七飯町〉 「イクサンダー大沼カヌーハウス」で、水上から駒ヶ岳を望む

湖面を進みながら、水生植物や野鳥の観察、無人島への上陸探検なども楽しめるプログラム。年齢や経験を問わず参加できる初心者向けの内容ながら、自然の中へ分け入っていく冒険心をくすぐられます。朝もやが立ちこめる幻想的な光景に出合えるのも、この時間帯ならではの醍醐味です。

イクサンダー大沼カヌーハウス

住所:北海道亀田郡七飯町字大沼町22-4
電話:0138-67-3419
営業時間:9:00〜17:00(完全予約制)
定休日:不定休
web:イクサンダー大沼カヌーハウス 公式サイト

橋を渡るたび景色が変わる「大沼国定公園」の散策時間

画像1: 橋を渡るたび景色が変わる「大沼国定公園」の散策時間

駒ヶ岳の麓に広がる「大沼国定公園」は、大沼・小沼・蓴菜(じゅんさい)沼の湖沼群と、大小126の島々が織りなす景観で知られています。

ここは歩きながら少しずつ景色が移り変わっていく、動きのある癒しの場所。園内には島々を橋でつなぐ複数の散策コースが整備され、所要時間の異なるルートから、その日の気分に合わせて選べます。

画像2: 橋を渡るたび景色が変わる「大沼国定公園」の散策時間

石積みにアーチを描く白い「湖月橋」は、園内でもひときわ絵になる場所。橋の下に目をやれば、一面に広がるスイレンの葉と点々と咲く花が目に入ります。大沼の夏を代表するこのスイレンの花は、ピンク・白・黄色の3色が見られるのだそう。この季節を心待ちにして訪れる方も多いのだとか。

画像3: 橋を渡るたび景色が変わる「大沼国定公園」の散策時間

続いて向かったのは“駒ヶ岳が綺麗に見える”ビュースポットの「袴腰(はかまこし)橋」です。木々の切れ間から視界がひらけると、湖の向こうに、鋭い山頂を持つ駒ヶ岳の姿が現れます。山を眺め、風を感じつつ深く息を吸い込む。そのたびに、体の力がすっと抜けていきます。

橋を渡りきると、また次の島。歩を進めるたびに視界が変わり、気づけば時間を忘れていました。

大沼国定公園

住所:北海道亀田郡七飯町大沼町
※園内の散策道は歩行者用のため、自転車等での通行はできません。

「NANAIRO FACTORY」で注目を集めるご当地アイス

画像1: 「NANAIRO FACTORY」で注目を集めるご当地アイス

続いては、西洋りんご発祥の地・七飯町にある「道の駅なないろ・ななえ」です。

画像2: 「NANAIRO FACTORY」で注目を集めるご当地アイス

お目当ては館内にある「NANAIRO FACTORY」で味わえる、「函館縄文アイスクリーム」(450円)。

画像3: 「NANAIRO FACTORY」で注目を集めるご当地アイス

目を引くのは、なんといってもその形。縄文土器をかたどったもなかのコーンに、アイスがのった一品です。渦巻き模様や顔のような造形まで丁寧に再現されていて、手にすると思わず眺めてしまいます。

コーンの底にはごまクルミあんが忍ばせてあり、最後のひと口まで楽しめる仕掛け。縄文時代に食べられていた食材をイメージしているのだそうです。

上にのせるアイスは6種類から選べ、一部は季節によって入れ替わるとのこと。訪れるたびに違う組み合わせを試せるのも楽しいところです。

NANAIRO FACTORY

住所:北海道亀田郡七飯町字峠下380-2(道の駅なないろ・ななえ内)
電話:0138-84-1295
営業時間:9:00〜18:00(L.O.17:20)※冬季時短営業あり
定休日:年末年始
Instagram:@nanairo_factory

〈鹿部町〉
100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

画像1: 〈鹿部町〉 100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

噴火湾に面し、北海道遺産の間歇泉(かんけつせん)を持つ鹿部町の「道の駅しかべ間歇泉公園」。

画像2: 〈鹿部町〉 100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

ここは、地中から自噴する熱湯を間近で見られるスポットで、発見から90年以上、いまも変わらず噴き上がり続けています。

画像3: 〈鹿部町〉 100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

見学スペースで待っていると、岩肌の奥から音が響き、次の瞬間、白い湯柱が空へ向かって噴き上がりました。

高さは15mを超え、湯の温度はおよそ100℃。10〜15分ほどの間隔で噴き上がるので、少し待てばその瞬間に立ち会えます。見上げた先で湯気が風に流れ、頬にこまかな飛沫がかかる。自然の力をこれほど近くで感じられる場所は、そう多くありません。

画像4: 〈鹿部町〉 100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

この温泉を引いた足湯も設けられています。屋根付きの湯船に腰を下ろして足を浸すと、じんわりとした熱が足先からふくらはぎへとのぼってきます。

目の前には緑、耳には湯の音。歩いてきた足をいたわりながら、旅の途中で腰を落ち着けるのにちょうどいい場所です。

画像5: 〈鹿部町〉 100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

休憩室のお手洗い前には、大きな「ゆ」の文字をあしらったパネルが。実はこれ、自分の身体で文字の一部をつくって写真が撮れる仕掛けなのです。腕を伸ばして「ゆ」の一画になってみる。旅の記念に、ぜひ挑戦してみてください。

画像6: 〈鹿部町〉 100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

併設の「鹿部・食とうまいもの館」には、鹿部町の海の恵みが並びます。

画像7: 〈鹿部町〉 100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

黒いチューブが目を引く「のりクロたらこ」(125g・980円)は、九州・福岡生まれの海苔ペースト「のりクロ」と、鹿部町「一印高田水産」の鹿部たらこが出合って生まれた一品。磯の香りとすっきりした甘みのあとを、ゆずの爽やかさとピリッとした辛さが追いかけてきます。

画像8: 〈鹿部町〉 100℃の湯柱を見上げる「道の駅しかべ間歇泉公園」

もうひとつが、この場所でしか手に入らない「根昆布だし」。鹿部町の誇りである白口浜真昆布を使い、モンドセレクション金賞やJAPAN FOOD SELECTIONグランプリなど、国内外で評価を重ねているのだそう。鰹節エキス入り(500ml・980円)と、がごめ昆布入りの「贅の極み」(1,295円)の2種類が揃います。

道の駅しかべ間歇泉公園

住所:北海道茅部郡鹿部町字鹿部18-1
電話:01372-7-5655
営業時間:3月20日〜11月30日:9:00〜17:00
12月1日〜3月19日:月〜木 10:00〜15:00、金〜日・祝 10:00〜17:00
休館日:1月1日〜3月19日のみ毎週水曜定休
web:道の駅しかべ間歇泉公園 公式サイト

鹿部のたらこが香る「喫茶moi」のひと皿

画像1: 鹿部のたらこが香る「喫茶moi」のひと皿

鹿部の町に、地元の方に愛される小さな喫茶店「喫茶moi」があります。

画像2: 鹿部のたらこが香る「喫茶moi」のひと皿

店名にある「moi」は、フィンランド語で「やぁ!」という意味で、気軽なあいさつからとったのだそう。地元の人が肩肘張らずに立ち寄れる場所にしたい…そんな思いが込められています。

画像3: 鹿部のたらこが香る「喫茶moi」のひと皿

看板メニューの「たらこパスタ」(1,100円)を注文しました。運ばれてきた一皿は、クリームソースですが想像よりずっと軽やか。

画像4: 鹿部のたらこが香る「喫茶moi」のひと皿

フォークで持ち上げると、麺にたらこの粒が絡んでいます。

画像5: 鹿部のたらこが香る「喫茶moi」のひと皿

口に運ぶと、たらこのうまみがまっすぐ届くのに、後味はいつまでも重く残らないのが不思議。使っているのは、鹿部産のたらこ、北海道産バター、つゆ、牛乳、生クリームだけだといいます。「あんまり濃くならないように」と、味付けは驚くほどシンプル。牛乳と生クリームは北海道産のものを選んでいるのだとか。

素材そのものが力強いからこそ、余計な足し算をしない。そんな一皿でした。

画像6: 鹿部のたらこが香る「喫茶moi」のひと皿

観光地の喧騒とは無縁の、静かな店内。窓の外を眺めながら食後のコーヒーを飲み終えるころには、旅の疲れも和らいでいました。

喫茶moi

住所:北海道茅部郡鹿部町鹿部118-19
電話:01372-7-7455
営業時間:10:00〜16:00
定休日:月曜、火曜、水曜、日曜
Instagram:@kissa_moi_

〈江差町〉
歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

画像1: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

江差港に浮かぶ「かもめ島」は、上空から見るとかもめが羽を広げたような形をした、周囲約2.6kmの小島です。防波堤で陸とつながっているため歩いて渡ることができ、檜山道立自然公園の特別区域にも指定されています。

画像2: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

まず目を奪われたのが、海に立つ朱塗りの鳥居。厳島神社の鳥居で、その向こうには高さ10mを超える奇岩「瓶子岩(へいしいわ)」がそびえます。見上げると、笠木の上にはカモメが一羽。

画像3: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

立つ位置を少し変えれば、鳥居のちょうど真ん中に瓶子岩が収まる場所も。

画像4: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

この瓶子岩には、江差に伝わる姥神伝説が残されています。かつてこの島で翁から小さな瓶を授かった姥が、教えられたとおりに瓶を海へ投げると、江差の海にニシンが群がるようになった、その瓶が石となったのが、この岩だと伝えられているのだそう。

画像5: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

鳥居のわきから続くのが「かもめの散歩道」。

画像6: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

海のすぐ横を進む木道は15分ほどで歩ける距離。途中から上へ続く階段を登れば、島をぐるりと一周するコースへ。

画像7: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く
画像8: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く
画像9: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

波の音と潮の香りに包まれながら、ときおり岩場や水平線を眺める。観光地の賑わいとは違う、静けさに身を置く時間でした。

画像10: 〈江差町〉 歴史と神話が息づく「かもめ島」を歩く

島の入り口には、黒い船体の大きな帆船が。この帆船は1868(明治元)年に江差沖で座礁・沈没した旧幕府軍の軍艦「開陽丸」を、原寸大で復元したものです。間近に立つと、思わず足が止まる大きさ。打ち寄せる波の向こうに沈んだ船が、こうして形を取り戻していると思うと、少し不思議な気持ちになりました。

歴史と神話に思いを巡らせながら静かに過ごす。それが、江差らしいリトリートのかたちなのかもしれません。

かもめ島

住所:北海道檜山郡江差町姥神町1
電話:0139-52-6716(江差町役場追分観光課観光係)
web:北海道江差町 観光ポータルサイト

北海道最古の神社「姥神大神宮」で厄払い

画像1: 北海道最古の神社「姥神大神宮」で厄払い

北海道で最も古いといわれる神社のひとつ「姥神大神宮」。いつ建てられたかは分かっていませんが、1644(正保元)年に、いまの場所へ移されたと伝わります。かつて松前藩の時代には、ニシンの豊漁を祈る神社として定められ、藩の役人がわざわざ江差まで例祭に派遣されていたのだそう。このまちの漁とともに歩んできた神社です。

画像: 神輿に供奉する山車の写真。提供:江差町

神輿に供奉する山車の写真。提供:江差町

毎年8月に行われる「姥神大神宮渡御祭(うばがみだいじんぐうとぎょさい)」は、北海道の無形民俗文化財にも指定されている祭りです。その年の豊漁や豊作への感謝と地域の無病息災・家内安全を祈願して姥神大神宮の神輿に13台の山車が供奉し、祇園囃子に合わせて町内を練り歩く、北海道最古の祭りといわれています。

画像2: 北海道最古の神社「姥神大神宮」で厄払い
画像3: 北海道最古の神社「姥神大神宮」で厄払い

指先を清めて拝殿の前に立ち、鈴緒を引きます。目の前の木札には「五穀豊穣」「家内安全」の文字。海の恵みとともに暮らしてきたまちの祈りが、そのまま形になっているようでした。

まちの中心にありながら、境内は驚くほど静か。耳に入るのは木々の葉が触れ合う音だけでした。

画像4: 北海道最古の神社「姥神大神宮」で厄払い

参拝のあとに挑戦したのが「厄割玉」。

画像5: 北海道最古の神社「姥神大神宮」で厄払い

玉の下にある穴へ息を吹き込んで厄を移し、専用の石に向かって投げつけて割ることで、厄を払ってくれるのだそうです。

画像6: 北海道最古の神社「姥神大神宮」で厄払い

息を吹き込むだけのシンプルな作法ながら、いざ石に投げつけるとなると自然と力が入る。狙いどおり石に当たって、パンと音を立てて割れた玉。厄も一緒に砕けていったようで、清々しい気持ちになりました。

姥神大神宮

住所:北海道檜山郡江差町姥神町99-1
電話:0139-52-1900
定休日:なし
web:北海道神社庁-姥神大神宮

江差の恵みを満喫する旅館「江差旅庭 群来」

画像1: 江差の恵みを満喫する旅館「江差旅庭 群来」

江差町にある「江差旅庭 群来(くき)」は、全7室の小さな宿。宿名の「群来」は、ニシンが産卵期に大群で浅瀬へ押し寄せ、海を乳白色に染める江差の現象に由来しています。

画像1: 提供:江差旅庭 群来

提供:江差旅庭 群来

通りに面して立つのは、打ちっぱなしのコンクリートの塀。塀に掛かる鉄板には、宿の名とロゴマークが刻まれています。

画像2: 江差の恵みを満喫する旅館「江差旅庭 群来」

「石塀の向こうは日常から離れた異空間」というコンセプトが、建物の佇まいだけで伝わってきます。

画像2: 提供:江差旅庭 群来

提供:江差旅庭 群来

画像3: 提供:江差旅庭 群来

提供:江差旅庭 群来

全7室は離れのように独立して配され、それぞれが庭に囲まれた造り。

画像4: 提供:江差旅庭 群来

提供:江差旅庭 群来

客室には敷地内で湧く源泉かけ流しの温泉が付いており、人目を気にすることなく、好きなときに好きなだけ湯に浸かれる仕様。館内着も用意されているので、到着したら何もしなくていい時間が待っています。

滞在中の飲食を含むオールインクルーシブという仕組みも、余計なことを考えずに過ごすための設計なのでしょう。

画像5: 提供:江差旅庭 群来

提供:江差旅庭 群来

食事も、この宿の大きな魅力です。夕食の献立は、箸付に江差産の桜マス、椀物に紅ズワイ蟹、御造に平目・本マグロ・生うに、焼物八寸には蝦夷鮑やにしん、数の子。強肴にはサフォーク種の羊の塩焼が並び、締めは寒干し山漬け鮭の茶漬け。
翌朝は江差産ヤリイカや焼魚、いくら、たらこ、寒のりに、ふのりの味噌汁と自然養鶏の卵が添えられます。

画像6: 提供:江差旅庭 群来

提供:江差旅庭 群来

食材は宿から25km以内での収穫・水揚げにこだわり、野菜は直営農場「拓美ファーム」で栽培。宿から車で約15分、東京ドーム2個分という広さの農場で、農薬を使わない有機野菜を40〜50種類育てているのだそう。

羊は「幻の羊肉」とも呼ばれるサフォーク種を放牧で飼育し、鶏卵は日本では0.1%しか行われていないという放し飼い。皿の上に並ぶのは、この土地の海と畑がその季節に差し出したものだけです。

画像7: 提供:江差旅庭 群来

提供:江差旅庭 群来

そして器もまた、江差の歴史そのもの。ニシン漁で栄えた江戸時代に、北前船が運んできた有田焼や肥前焼が使われているのだそうです。ここで味わうのは料理の技巧だけでなく、この土地が積み重ねてきた時間そのものなのかもしれません。

江差旅庭 群来

住所:北海道檜山郡江差町姥神町1-5
電話:0139-0139-52-2020
休業日:月曜、火曜
web:江差旅庭 群来 公式サイト

〈北斗市〉
「トラピスト大修道院」で、並木道の静けさに深呼吸を

画像1: 〈北斗市〉 「トラピスト大修道院」で、並木道の静けさに深呼吸を

北斗市にある「トラピスト大修道院」(正式名称:厳律シトー会燈台の聖母大修道院)は、1896(明治29)年にフランスなどから渡ってきた9人の修道士によって創設された、日本で最初の男子トラピスト修道院です。

画像2: 〈北斗市〉 「トラピスト大修道院」で、並木道の静けさに深呼吸を

入り口から修道院へまっすぐ続く「ローマへの道」と呼ばれる並木道へ。約200mの一本道の両側には、天を突くように木々が連なります。道の中央に立つと、視界の先には小さく赤レンガの門。

画像3: 〈北斗市〉 「トラピスト大修道院」で、並木道の静けさに深呼吸を

歩き出すと、耳に届くのは葉が擦れる音と自分の足音だけ。見上げれば、枝葉の隙間からこぼれる光。空気が澄んでいるからか、いつもより深く息が入ります。何度か繰り返すうちに、肩の力が抜けていきました。

画像4: 〈北斗市〉 「トラピスト大修道院」で、並木道の静けさに深呼吸を
画像5: 〈北斗市〉 「トラピスト大修道院」で、並木道の静けさに深呼吸を

突き当たりの門には「MONASTERIUM BEATA MARIA VIRGINIS DE PHARO(灯台の聖母 トラピスト修道院)」の文字。切妻の壁にはマリア像が。

画像6: 〈北斗市〉 「トラピスト大修道院」で、並木道の静けさに深呼吸を

屋根の上には十字架が掲げられています。

画像7: 〈北斗市〉 「トラピスト大修道院」で、並木道の静けさに深呼吸を

鉄の門扉の向こうをのぞくと、青々とした芝生の先に、赤レンガの修道院が見えました。先の尖ったアーチ形の窓が規則正しく並ぶ、静かで整った佇まい。門の外から眺めているだけでも、ここにはゆっくりとした時間が流れているのが分かります。

中に入らずとも、並木道を往復するだけで十分に満ち足りる。何かを見て回るのではなく、ただ歩いて呼吸を整える。そんなリトリートのかたちが、ここにはありました。

※観光での見学について
囲い(塀)の外は自由に観覧可能です。宗教施設であるため、聖堂などは祈祷される方のみ男女問わず入堂することができます。見学での入堂はご遠慮ください。

トラピスト大修道院

住所:北海道北斗市三ツ石392
電話:0138-75-2139
web:トラピスト大修道院 公式サイト

「アンジェリック」の素材にこだわるクレープパフェ

画像1: 「アンジェリック」の素材にこだわるクレープパフェ

北斗市にある「アンジェリック」は、素材の選び方にこだわりを持つクレープとパフェのお店です。

画像2: 「アンジェリック」の素材にこだわるクレープパフェ

系列の「アンジェリック ヴォヤージュ」は函館の人気店として行列ができることも多く、混雑を避けてこちらへ足を運ぶ常連さんも少なくないのだそう。まさに「時間差旅」にぴったりの一軒です。

画像3: 「アンジェリック」の素材にこだわるクレープパフェ

お目当ては、秋からの季節限定メニューの「ぶどうのクレープパフェ」(1,350円)。

画像4: 「アンジェリック」の素材にこだわるクレープパフェ

カップの上までクリームとアイスが積み上がる豪快な盛り付け。仕上げの手さばきに見入ってしまいます。

画像5: 「アンジェリック」の素材にこだわるクレープパフェ

シャインマスカットと巨峰をふんだんに使い、自家製の巨峰ソース、バニラアイス、スポンジケーキ、生クリームを層に重ねた一品です。合間にはサクサクのパイ生地とチョコフレークが。ひと口ごとに食感が変わり、食べ進めるのが楽しくなります。さらにクレープの中にもバニラアイスと巨峰ソースが忍ばせてあり、どこをすくっても違う味に出合えます。

クレープ生地は、発酵バターをたっぷり使ったもちもち食感で、なんと賞味期限は30分。焼き上がりの食感を楽しんでもらうための設定なのだそうです。

画像6: 「アンジェリック」の素材にこだわるクレープパフェ

同じ巨峰を使った「巨峰のクレープ」(1,100円)も、この時季だけの一品。巨峰と自家製ソース、生クリームに食感のアクセントとしてメレンゲ菓子を合わせた、果実の味をダイレクトに感じる組み合わせです。

通年で味わえる定番は「チョコバナナ」(800円)と「いちご」(850円)。チョコバナナはチョコクリーム、チョコソース、自家製チョコレートを合わせた人気メニュー。いちごは、いちごと自家製いちごソース、クリームを重ねたさっぱりとした味わいです。

画像7: 「アンジェリック」の素材にこだわるクレープパフェ

生地やカスタード、カフェオレなどに使う牛乳は、旭川の斉藤牧場のもの。放牧で育つ牛が自然の草を食べるため、季節ごとに味わいが変わるといいます。冬は枯れ草で水分が少なく濃厚に、新しい草が増える時期はみずみずしく。「牛にストレスをかけず、本当の牛乳を届けようとしている姿勢に共感している」というお話も伺えました。

デザートだけでなく、その背景まで味わえる。そんな余白も、時間差旅の楽しみのひとつです。

アンジェリック

住所:北海道北斗市開発111-5
電話:0138-77-7500
営業時間:10:00〜18:00
定休日:火曜、水曜(祝日の場合営業)
web:アンジェリック 公式サイト

混雑を離れて、心と身体をゆるめる道南の旅

画像: 混雑を離れて、心と身体をゆるめる道南の旅

早朝の湖に響くパドルの音、橋を渡るたびに姿を変える駒ヶ岳、足先から伝わる温泉の熱、そして湯と食に身をまかせる、宿での一夜。道南で出合ったのは、どれも肩の力がすっと抜けるような時間でした。

もうひとつ実感したのが、訪れる時間を少しずらすだけで、同じ場所がまったく違う表情を見せてくれること。人の少ない早朝の湖も、静まり返った境内も、ピークを外したからこそ出合えた景色です。

次の旅は、予定を詰めこまずに、時間を少しずらして。道南で、自分のための時間をゆっくり過ごしてみてください。

関連記事

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

This article is a sponsored article by
''.