
ガイド役は、JALふるさとアンバサダーで北海道出身の斉藤さん。現地を訪れて肌で感じた魅力をレポートします。
※価格は税込表記です。
「季節料理と蝦夷前鮨・丸喜」で地元の恵みを贅沢に味わう

旅の始まりは、留萌の豊かな海の幸を堪能できるランチから。地元の人にも愛される評判の鮨店「季節料理と蝦夷前鮨・丸喜」です。

蝦夷前鮨(えぞまえずし)は、北海道で獲れた新鮮な魚介をそのまま(酢で締めたり、煮つけたりせず)握るのが特徴。…そんな豆知識を聞きながら食事を楽しむのも、ひとり旅の醍醐味です。職人との会話も楽しめるカウンター席に座り、おすすめの「オロロン寿司」(3,580円)を注文しました。

運ばれてきた寿司は見るからに新鮮で、大ぶりなネタがお皿からはみ出る勢い。斉藤さんも、華やかな見た目に思わず「わぁ、すごい!」と声を上げます。

その季節に最もおいしい旬のネタを厳選しているとのことで、ヒラメや中トロ、ボタンエビ、ホタテ、アワビ、ホッキ、サーモン、数の子、イクラ、ウニなど色とりどりのネタが所狭しと並びます。

「この辺りの前浜で採れた魚が中心です」と話す二代目店主の伊藤さんが握る寿司は、新鮮そのもの。特に濃厚なウニは、とろけるような舌触りと豊かな風味が口いっぱいに広がり、口の中でプチッと弾けるイクラの食感もたまりません。留萌産のふっくらとした米を使ったシャリとの相性も抜群で、思わず笑みがこぼれます。

エビの頭が入った風味豊かな味噌汁も、寿司のおいしさを引き立てます。店主との温かい会話も心地よく、贅沢なランチタイムを満喫しました。
季節料理と蝦夷前鮨・丸喜
| 住所 | : | 北海道留萌市開運町2-5-6 |
|---|---|---|
| 電話 | : | 0164-42-1476 |
| 営業時間 | : | 11:30~14:00、17:00~21:00 |
| 定休日 | : | 月曜 |
| web | : | 季節料理と蝦夷前鮨・丸喜 公式サイト |
旅の途中に立ち寄りたい!「お勝手屋萌 道の駅店」でお土産選び

ランチでお腹が満たされた後は、お土産探しへ。「道の駅るもい」内にある「お勝手屋萌 道の駅店」は、地元ならではの商品がずらりと並ぶお店です。

一歩足を踏み入れると、まず目を奪われるのが、壁一面に描かれた温かみのあるチョークアート。実はこれ、記事の後半でご紹介する留萌出身のクリエイターが描いたものだそう。この土地への愛が伝わってくるデザインに、旅の期待がさらに高まります。

この店の最大の特徴は、留萌近郊の特産品に徹底的にこだわった品揃え。北海道で有名なお土産や定番品は一切ありません。だからこそ、「留萌を訪れたからには、ここでしか買えない特別な一品を見つけたい」という方にはぴったりの場所です。

留萌ならではの新鮮な水産加工品や、特産品をモチーフにしたユニークなグッズなど、魅力的なお土産が満載。

ちなみに、留萌は日本一の数の子加工生産地なのだそう。そんな背景を知ると、お土産選びがより一層楽しく、特別なものに感じられます。

留萌の海の幸を知り尽くしたお店のおすすめは、こちらの3商品です。脂の乗ったホッケを丁寧に燻製にした「ほっけ燻製」(925円)は、噛むほどに旨みが広がり晩酌にもぴったり。鰊(ニシン)の卵である数の子を、特製の南蛮味噌に漬け込んだ「にしんかずのこ南蛮味噌」(594円)は、ご飯のお供やお酒の肴に最適です。そして、一般的なマドレーヌの5倍のサイズの「KAZUMOちゃんマドレーヌ」(750円)は、留萌のマスコットキャラクター「KAZUMOちゃん」のイラストが描かれており、インパクトのある旅の記念におすすめです。
お勝手屋萌 道の駅店
| 住所 | : | 北海道留萌市船場町2-114 |
|---|---|---|
| 電話 | : | 0164-42-6010 |
| 営業時間 | : | 9:00〜17:00(季節によって変動あり) |
| 定休日 | : | なし |
| web | : | 留萌おみやげ処 お勝手屋 萌 公式サイト |
留萌の海で楽しむSUP体験! 海と一体になる爽快感を

留萌の雄大なオロロンラインから、日本海の美しい景色を眺めながら車移動すること10分。続いては、その海の上を楽しむアクティビティです。浜中海浜公園でSUP(スタンドアップパドルボード)に挑戦しました。
※SUPは6〜9月に体験可能です。

ひとりなのにSUP? と感じるかもしれませんが、全く気にすることはありません。経験豊富なインストラクターのサポートをひとり占めした気分で楽しめばOK。事前に丁寧なレクチャーがあったので、未経験の斉藤さんも安心です。

最初はドキドキでしたが、声がけをしてくれるおかげもあって、安心してボードに乗ることができました。

不安定なボードの上で少しずつバランスを取り、パドルを漕いでみると、スイスイと水面を滑り出す感覚がたまりません。目線の先には、どこまでも広がる青い空と海。そして振り返れば、雄大なオロロンラインの海岸線が広がっています。

慣れてくると、少しずつスピードを上げたり、ターンに挑戦したりと、遊びの幅が広がっていきます。「最初は難しいと感じるターンも、慣れれば簡単だよ」というインストラクターの声に後押しされ、思い切ってパドルを操作。ボードが思い通りに進んでいく達成感は、格別です。

さぁ、次はSUPボードの上に立ちます。不安定なボードの上で、ゆっくりと腰を上げ、立ち上がってみると…意外とすんなり立ててしまったことに驚きです。

パドルを漕ぎ出すと、立っているからこそ味わえる爽快感。座って漕いでいたときとは一味違う、風を全身で受け止める感覚が心地よさに変わります。
SUPは、体幹を使いながらも全身で風や波を感じられる、まさに水と一体になれるアクティビティ。海の真ん中でひとり立っていると、改めて世界の広さや自然の美しさが感じられました。

留萌の海を安全に楽しく体験できたのは、インストラクターの丁寧なレクチャーがあったからです。SUPは気軽に楽しめる一方で、安全への配慮が非常に重要になります。インストラクターからは、特に以下の2点について、必ず守ってほしいというお話がありました。
・ライフジャケットは必ず着用する
・風の状況に注意する
特に風が強い日は、ボードが流され、戻れなくなる事故が実際に発生しているとのこと。安全にSUPを楽しむためにも、必ずスクールで適切なレクチャーを受け、ルールを守って楽しみましょう。
留萌市のアウトドア情報はこちら
| web | : | アウトドア×るもい 公式サイト |
|---|---|---|
| : | @rumoi.outdoor.life |
留萌の夜の歩き方!「ひとり呑み手帖」に込められた熱い想い
たくさん遊び倒したけど、まだまだ留萌を楽しみたい。そんな時、アドバイスをもらうのにぴったりの人がいます。道の駅で見かけたチョークアートを覚えているでしょうか。留萌愛を感じる、あちらの作品を手がけた方に会いに来ました。

「留萌の夜を楽しんでほしい」という強い想いから生まれた手帖「ひとり呑み手帖」。その生みの親である、元・地域おこし協力隊の佐伯結さんです。
ひとり呑み手帖は、自慢の料理を堪能できる「料理に舌鼓編」と、お酒がメインの「ディープな夜編」の二部構成。旅のスタイルに合わせて、紙でもウェブでも、ぴったりの夜の過ごし方を見つけられます。

東京での仕事を経て留萌に戻った佐伯さん。「地元が苦手だった」という過去を持ちながらも、地域創生という仕事に惹かれてUターンを決意。帰郷後に、飲み屋で地元の人々と交流する中で、夜にこそ留萌の魅力があると気づいたと言います。
誰かとコミュニケーションを取るもよし、ただお店の雰囲気を楽しむもよし。「ひとり呑みは、ひとりだけどひとりではない」という安心感が、自分らしくいさせてくれたのだそう。

そうして、「ひとりでもゆっくり時間を楽しめる場所を見つけてほしい」という想いを込めて作られたこの手帖には、佐伯さんが実際に足を運び、対話した観光協会の会員店舗が掲載されています。
「掲載店舗以外にも、まだまだおすすめの飲食店はたくさんある」と言い切る佐伯さん。この手帖をきっかけに、観光客が自分だけのお気に入りのお店を留萌で見つけてくれたら嬉しいと笑顔で語ってくれました。
ひとり呑み手帖
| web版 | : | るもい ひとり呑み手帖 |
|---|
居心地の良い隠れ家バー「ビリケン」で旅の締めくくり

ひとり呑み手帖を参考に、留萌の夜の繁華街へやってきました。

夕暮れの街をのんびり歩いてたどり着いたのは、ひっそりとした佇まいのバー「BILLIKEN」です。一見すると常連客が集いそうな雰囲気ですが、ひとり呑み手帖の後押しがあったので扉を開ける勇気が出ます。

店内に入ると、落ち着いた空間が広がっていました。カウンター席に座り、マスターに迎えられると、その優しい笑顔に緊張が解けていきます。

マスターの山口大樹さんは、静岡での修業を経て、2026年で開業20周年を迎える大ベテラン。お店の最大のこだわりは、「お客さまとの距離感」だと言います。

「お客さまの正面に立たず、圧迫感を与えないように気をつけています」という言葉通り、絶妙な距離感で接客してくれるため、初めてでも肩肘張らずにリラックスして過ごせます。

メニューは特になく、その日の気分や好みを伝えると、400〜500種類ものカクテルの中から、その人に合った一杯を作ってくれます。

「スッキリとした味わいのドリンクが飲みたい」と相談してオーダーしたのは、鮮やかな赤色に輝くカクテル、「アメリカーノ」(700円)。マスターの流れるような手さばきを見ているだけでも、自然と楽しい気分になります。

アメリカーノは、まず、ワインにハーブを漬け込んだリキュール「スイートベルモット」がベース。そこに、かつては胃薬としても使われていたというイタリアのリキュール「カンパリ」が重なります。さらに、100%のレモン果汁が加わることで、爽やかな酸味がプラス。

口に含むと、ほんのりとした甘さの奥から、心地よい苦みとキリッとした酸味がじわじわと広がります。アルコール度数は6度と控えめなので、昼間からでも気軽に楽しめるのが嬉しいポイント。喉を通った後は、驚くほどスッキリとしていて、今日の気分にぴったりです。

さらに、途中でフレッシュなライムを搾れば、爽快な酸味が際立ち、また違った表情を見せてくれます。一杯で二度楽しめる、奥深い魅力を持つアメリカーノ。マスターとの会話を楽しみながら、留萌の夜をじっくりと堪能できました。
BILLIKEN
| 住所 | : | 北海道留萌市開運町3-7-2 |
|---|---|---|
| 電話 | : | 0164-42-6642 |
| 営業時間 | : | 19:00〜25:00 |
| 定休日 | : | 日曜 |
| : | @billiken2006 |
思い返せば、それぞれのスポットで心に残るのは、留萌の人たちとの温かい交流。ひとり呑み手帖の佐伯さんの「ひとりだけどひとりではない」という言葉を、体感した旅でした。美食と絶景、人との出会いが織りなす、心も体も満たされる贅沢な時が、留萌にはありました。
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