『GQ JAPAN』とWOWOWがコラボレーションし、2018年11月より配信されているリリー・フランキーさん主演のドキュメンタリー番組『PILGRIMS 行きたかったあの場所へ リリー・フランキー、スペイサイド編』。
リリーさんがスコットランドのウイスキー蒸留所や麦畑などを訪ねるドキュメンタリー本編はもちろん注目ですが、現地での買い物や滞在先のホテルでウイスキーについて語るシーンにも聞き逃がせない名言が満載。ウイスキーとスコットランドの魅力が詰まったドキュメンタリーの見どころを紹介します。
文:タナカヒロシ 編集:佐々木鋼平(CINRA. inc,)

本場のウイスキーと蒸溜所を求めて、5泊7日、スコットランドの旅へ

「ウイスキーは男のロマン」――誰が言いはじめた言葉か知らないが、リリー・フランキーさんがスコットランドの蒸留所を旅する動画を見て、そんなことを言いたくなる気持ちが理解できた。

画像: リリー・フランキー (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

リリー・フランキー (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

その動画とは、GQ JAPANのウェブサイトで公開されている『PILGRIMS 行きたかったあの場所へ』。WOWOWとの共同制作によるドキュメンタリーで、PILGRIMSは「巡礼者」を意味する。

画像: 300エーカーの大麦畑を視察するリリーさん。この畑で1年に約60万本のウイスキーをつくることができる

300エーカーの大麦畑を視察するリリーさん。この畑で1年に約60万本のウイスキーをつくることができる

画像: 蒸留所内を見学するリリーさん (C) 2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

蒸留所内を見学するリリーさん (C) 2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

リリーさんは4年前にもWOWOWの番組『聖地巡礼 リリー・フランキーの洋酒紀行』で、スコットランドのアイラ島を訪れているが、今回訪れたスペイサイドはスコットランドのモルトウイスキー蒸留所の約半数が密集するエリア。いわばスコッチウイスキーの総本山だ。

画像: 640本以上のウイスキーを揃えるショップ「ザ ウイスキー キャッスル」(C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

640本以上のウイスキーを揃えるショップ「ザ ウイスキー キャッスル」(C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

画像: 「ザ ウイスキー キャッスル」にて、すでに閉鎖してしまった蒸留所の稀少なボトルを見るリリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

「ザ ウイスキー キャッスル」にて、すでに閉鎖してしまった蒸留所の稀少なボトルを見るリリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

『GQ JAPAN』での配信版動画は全12話で構成され、各エピソードは3分前後。ショートフィルムフォームらしいストーリー展開で、非常に短い動画となっているが、序盤から名言を連発するリリーさんの話術にグイグイと引き込まれる。

第1話では、50年熟成された希少なモートラックを口にして、「ナイス熟女の味ですよ」と発したかと思えば、「このウイスキーが見てきた風景が見えますもんね」と、その熟女の解説を始める。

画像: ナイスな熟女 | Ep1 PILGRIMS 行きたかったあの場所へ リリー・フランキー、スペイサイド編 | GQ JAPAN youtu.be

ナイスな熟女 | Ep1 PILGRIMS 行きたかったあの場所へ リリー・フランキー、スペイサイド編 | GQ JAPAN

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「商業高校から東京に来て、いいとこに嫁いだ」

「遊んでたらこの味にはなりません」

「どんだけ良いところに嫁いでも、実家のソウルを忘れてない」

ウイスキーをたった一口飲んだだけで、次から次へと浮かび上がる人物像。一体どんな味がするのか、これを見て自分も飲んでみたいと思わない人はいないだろう。

画像: 50年熟成された希少なモートラックを口にしたあとのリリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

50年熟成された希少なモートラックを口にしたあとのリリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

スコットランドの大自然と蒸溜所のコラボレーションを体感する

第2話でも、グレンリベット蒸留所の水源となっているリベット川を訪れ、「蒸留所は好きな子の実家に行く感じがする」「水源を見ると実家の親御さんに挨拶している感じ」と表現。その言葉のセンスに脱帽させられる。

画像: 1824年創業のグレンリベット蒸留所は、初めて政府公認となった蒸留所。その名はゲール語で「静かな谷」を意味する (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

1824年創業のグレンリベット蒸留所は、初めて政府公認となった蒸留所。その名はゲール語で「静かな谷」を意味する (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

画像: グレンリベット蒸留所の水源であるリベット川を訪れるリリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

グレンリベット蒸留所の水源であるリベット川を訪れるリリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

リリーさんは作家としても『東京タワー』をはじめ、数々の作品を残しているが、その言語感覚はウイスキーを飲むことで養われた部分もあるのではないだろうか。そんなことさえ考えてしまうほどに、ウイスキーを前にしたときのリリーさんは饒舌だ。

画像: 24年間シェリー樽の中で熟成されていたウイスキーが、ボトルに注がれる (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

24年間シェリー樽の中で熟成されていたウイスキーが、ボトルに注がれる (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

番組では3つの蒸留所を訪れる。2014年に設立されたばかりの「バリンダルロッホ」(第6話)、大量生産のなかでもアナログな要素を大切にする「グレンフィディック」(第10話)、そしてシングルモルトのロールスロイスと言われる「マッカラン」(第12話)。

画像: 2014年に設立されたばかりのバリンダルロッホ蒸留所は、量より質にこだわる小さな蒸留所 (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

2014年に設立されたばかりのバリンダルロッホ蒸留所は、量より質にこだわる小さな蒸留所 (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

画像: バリンダルロッホ蒸留所にて、発酵させた液体を蒸留させるポットスチル (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

バリンダルロッホ蒸留所にて、発酵させた液体を蒸留させるポットスチル (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

画像: アナログな要素を大切にするグレンフィディック蒸留所 (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

アナログな要素を大切にするグレンフィディック蒸留所 (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

特に蒸留所だけでなく、数メートルの高さまで無数のボトルが展示されているマッカランは、リリーさんが「完全に近代美術館」と唸るほど壮観な映像が楽しめる。

画像: シングルモルトのロールスロイスと言われるマッカラン蒸留所内 (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

シングルモルトのロールスロイスと言われるマッカラン蒸留所内 (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

画像: マッカラン蒸留所で過去につくられたウイスキーのボトルが数メートルの高さまで展示されている (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

マッカラン蒸留所で過去につくられたウイスキーのボトルが数メートルの高さまで展示されている (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

旅先の買い物での独特の高揚感を味わわせてくれる名シーンも

そうした蒸留所ごとの違いも見どころだが、もうひとつ「男のロマン」を感じさせるのが、現地でリリーさんが買い物をするシーンだ。

第3話では、チャールズ王子がカミラ夫人と再婚した際につくられた記念ボトルを見つけて衝動買い。子どものようにはしゃぐ姿は、なんだかこちらまで顔がほころんでしまう。

画像: チャールズ王子がカミラ夫人と再婚した際につくられた記念ボトルを見つけて衝動買いするリリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

チャールズ王子がカミラ夫人と再婚した際につくられた記念ボトルを見つけて衝動買いするリリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

第8話では、1895年に創業した老舗ボトラーのゴードン&マクファイルを訪れ、試飲を勧められた「特別なウイスキー」が、リリーさんの生まれと同じ1963年11月にボトリングされたものだと判明。運命に導かれるように2500ポンド(約35万円)のボトルを購入する。

画像: リリーさんの誕生年月である1963年11月にボトリングされた1963年のグレンフィディック (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

リリーさんの誕生年月である1963年11月にボトリングされた1963年のグレンフィディック (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

画像: 同じ誕生年月の特別なボトルを2,500ポンド(約35万円)で購入 (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.…

同じ誕生年月の特別なボトルを2,500ポンド(約35万円)で購入 (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.…

「俺が買わなきゃ誰が買う」「こんなの銀座のクラブでバカ騒ぎしてる金額で買える」と興奮冷めやらぬ様子で話すリリーさんの姿は、まるで自分に言い訳をしているようで、男なら誰しも似たような経験をしたことがあるのではないだろうか。

とても他人事とは思えなかったと同時に、見ているこちらにまで、買い物で奮発したときの独特の高揚感を味わわせてくれるシーンだった。

画像: ドライバー宅でジョニーウォーカーのスペシャルエディションをいただく。「スコットランドに来て一番美味しいお酒」と、リリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

ドライバー宅でジョニーウォーカーのスペシャルエディションをいただく。「スコットランドに来て一番美味しいお酒」と、リリーさん (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

このほかにもウイスキーを愛する取材同行ドライバーの自宅を訪れる第5話、同じ原酒を違う樽で57年間寝かせたという2種類のウイスキーを飲み比べる第7話などは、人間味あふれるエピソードが奥深く、ウイスキーの持つ不思議な魅力を感じさせてくれる。

画像: ゴードン&マクファイル社にて、同じ原酒を違う樽で57年間寝かせたという2種類のウイスキーを飲み比べる (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

ゴードン&マクファイル社にて、同じ原酒を違う樽で57年間寝かせたという2種類のウイスキーを飲み比べる (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

リリーさんは第10話で、ウイスキーとワインの違いについて持論を語っているが、そのなかでも印象的だったのが「男は人に惚れる習性がある」という言葉。

それを踏まえて全12話を振り返ると、「気持ち」がキーワードになるエピソードが多いことに気づかされる。それこそが男を動かす最大の理由であることは、男なら胸に手を当ててみればわかるだろう。

ウイスキーが「男のロマン」であると言われる所以は、そこにヒントがあるのかもしれない。

画像: ゴードン&マクファイル社にて、スペシャルなボトルをテイスティング (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

ゴードン&マクファイル社にて、スペシャルなボトルをテイスティング (C)2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.

画像: 『PILGRIMS 行きたかったあの場所へ リリー・フランキー、スペイサイド編』イメージカット (C) 2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.。

『PILGRIMS 行きたかったあの場所へ リリー・フランキー、スペイサイド編』イメージカット (C) 2018, Condé Nast Japan & WOWOW Inc.。

インフォメーション

『PILGRIMS』by 『GQ JAPAN』 & WOWOW スペシャル
『ウイスキーの本場スペイサイドの蒸留所を訪ねるスコットランド7日間』
お申し込みはこちら

番組概要

『PILGRIMS 行きたかったあの場所へ リリー・フランキー、スペイサイド編』
Produced by 『GQ JAPAN』 & WOWOW

製作・著作:Condé Nast Japan & 株式会社WOWOW
https://gqjapan.jp/series/gq-pilgrims-movie

『GQ JAPAN』公式ウェブサイト
https://gqjapan.jp/video/life/PILGRIMS

『GQ JAPAN』公式まとめページ
https://gqjapan.jp/culture/movie/pilgrims

『GQ JAPAN』公式YouTube
http://youtube.com/GQJAPAN

WOWOW 番組公式ウェブサイト
http://wowow.bs/pilgrims

タナカヒロシ

1980年生まれの松坂世代。横浜市出身。いまはなき音楽フリーマガジン「BG MAGAZINE」で、立ち上げから数年間、編集・ライターをしたのち、2008年10月からフリーランスに。主に音楽を中心としたエンタメ系の記事、およびクレジットカードなど決済サービスに関する記事を執筆。K-POPにハマったことをきっかけに、2011年以降は頻繁に韓国旅行をしていたが、最近は「どこかにマイル」を使った弾丸国内旅行が趣味。

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