色とりどりのオーロラが舞う冬のアイスランドへ
北大西洋上に位置し、北海道よりもやや大きなサイズの国土を有するアイスランド。北緯63°~66°付近に位置し、広大な氷河をはじめとする美しい自然が残るこの国は、世界屈指の“絶景大国”です。なかでも夜の時間が長い冬の季節に楽しみたいのが、漆黒の夜空に舞う神秘的なオーロラ。高緯度に位置するアイスランドは、国土全体がオーロラ観測に適した「オーロラベルト」の直下に位置。街灯りの少ない大自然のなかはもちろん、首都のレイキャビクでさえオーロラを楽しむことが可能。真っ黒な夜空に舞うオーロラは、グリーンやブルー、レッドなどさまざまな色彩で旅人を出迎えてくれるはずです。
オーロラが観測しやすいのは、例年9月頃~4月頃までの期間。実はオーロラは一年中発生していますが、白夜に近い夏の間は肉眼で見ることが困難。闇夜の時間が長くなるこのシーズンが、ベストなタイミングなのです。アイスランド旅の玄関口となるレイキャビク周辺で気軽にオーロラを楽しむなら、レイキャビクの北西に位置する行政区・セルチャルナルネスの西端に位置する「グロッタ灯台」などがおすすめ。海に突き出た半島からは、高い確率で夜空に瞬くオーロラを眺められるはずです。
このほか、アイスランド国内には、レイキャビクの北東約110kmに位置する「レイクホルト」から、アイスランド南東部に位置する氷河湖「ヨークルスアゥルロゥン」など、オーロラ観測の名所が数多く点在しています。
寒い時期にこそ楽しみたい美しきブルーの絶景
グリーンやブルー、レッドなど、色とりどりに輝くオーロラですが、アイスランドで出合える色彩は、これだけではありません。例えば冬のアイスランドには、この時期だからこそ楽しみたい美しいブルーがあります。
そのひとつが、レイキャビクの南西約40kmに位置する「ブルーラグーン」。“世界最大の露天風呂”とも称されるこの場所は、地熱発電によってくみ上げた地下熱水を利用する入浴施設。その名のとおり、青みがかった乳白色の湯に満たされた温泉は、アイスランドを代表する絶景&癒しスポットとして愛されています。巨大な露天風呂をはじめ、スパやマッサージ、レストラン施設などもある一大リゾートは、空港からのアクセスも便利なロケーション。一年を通じて楽しめる「ブルーラグーン」ですが、やっぱり寒い時期に楽しむ温泉は格別!冬にこそ訪れておきたい、とっておきのスポットです。
もうひとつ、アイスランドならではのブルーを楽しめるのが、アイスランド東部のヴァトナヨークトル氷河の近くに位置する「氷の洞窟」です。ヴァトナヨークトル氷河はアイスランド最大の氷河として知られる場所で、氷河の最大の厚さは1,000mにも及ぶというから驚きです。「氷の洞窟」は、そんな氷河の一部が溶けて洞窟になった場所。夏場には溶けて崩壊する危険もあるため、冬にのみ訪れることができる秘密のスポット。洞窟の内部に入ると、視界一面を覆う真っ青な氷の世界が広がり、圧巻の美しさです。「氷の洞窟」ができる場所は、年によって異なるので、専門ガイドによるツアーに参加するのが一般的。レイキャビクを拠点にしたツアーも催行されているので、利用してみてはいかがでしょうか。
黄金の滝が待つゴールデンサークルへ
冬のブルーを楽しんだあとは、アイスランドを代表する自然景勝地が点在する「ゴールデンサークル」へ。地球の割れ目と称される“ギャウ”を見られる「シングヴェトリル国立公園」や沸騰した熱湯を約20mの高さにまで吹き上げる「ストロックル間欠泉」など、ダイナミックな自然が広がるこのエリアにも、大自然が織りなす美しい色彩が待っています。
「ゴールデンサークル」で見ておきたいのが、最大幅約70mに及ぶ美しい滝「グトルフォス」。「グトルフォス」とは、アイスランド語で「黄金の滝」の意。その名のとおり、陽の光を受けると金色に輝くこともあるそう。周囲が雪に覆われる冬の時期にも凍結することなく流れ落ちる滝の水は、息を飲むほどのスケール感です。冬の「グトルフォス」がどんな色彩を見せてくれるのか。その答えを求めて「ゴールデンサークル」を訪れてみてはいかがでしょうか。
国土の全域でオーロラを観測できるアイスランドには、さまざまな色彩を持った絶景が点在しています。もちろん絶景探訪の帰り道で、夜空にオーロラが浮かぶなんてことも!冬だからこそ出合える美しき瞬間が、アイスランドにはあります。
ひとことコメント
北極圏付近に位置するアイスランドですが、実はメキシコ暖流や火山活動による地熱の影響で、アラスカやカナダといった他のオーロラ観測エリアに比べると比較的温暖!しっかりと防寒対策を行えば、快適にオーロラを眺められることも大きな魅力です。
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