広島県廿日市(はつかいち)市に、世界遺産・嚴島神社があることはあまりにも有名です。そのことから、瀬戸内海に面した“海の街”という印象があるかもしれません。しかし、市内全域の8割以上を森林が占めるほど山の恵みも豊富。このような自然環境の両立は、古くから人々の暮らしやものづくりの感性を育んできました。たとえばウイスキーブランドの「桜尾」と「戸河内」。JALの機内販売にこのたび登場する2本の特別なウイスキーをきっかけに、蒸留所のストーリーを辿り、周辺のクラフトにまつわるスポットを巡る旅に出かけましょう。

※価格は税込み表記です。

自然資源に彩られ、歴史も豊かな廿日市

画像: 一般社団法人広島県観光連盟

一般社団法人広島県観光連盟

瀬戸内の穏やかな海原が眼前に広がります。振り返れば、中国山地の深い緑がにじり寄ってくるかのよう。海と山の恵みの交差こそ、廿日市市の原風景。交通の要衝として歴史的にも繁栄してきました。土地が持つこうした特性が、酒造や木工、焼き物、菓子といった多彩なクラフト文化の礎となったのです。

画像: 自然資源に彩られ、歴史も豊かな廿日市

瀬戸内を見渡す海辺に構えるのが、「サクラオブルワリーアンドディスティラリー」(以下、サクラオB&D)です。前身の中国醸造は大正期にスタートし、地元に根ざす総合酒造メーカーへと成長しました。2018年の創業100周年を前に“次の100年”を見据え、2017年に洋酒づくりへ本格的に乗り出します。まず広島県産ボタニカルを使ったクラフトジンが話題となり、その勢いのままシングルモルトウイスキーの挑戦が始まりました。

込められたのは広島らしさ。桜尾ウイスキーの唯一無二

画像1: 込められたのは広島らしさ。桜尾ウイスキーの唯一無二

実は1980年代後半までウイスキーをつくっていたものの、需要減で一度製造を休止した過去があります。再開にあたっては、海外の蒸留所の協力を得て技術や経営のノウハウを徹底的に学び直したといいます。学びの中で確信したのが「熟成環境こそが味わいを左右する要素である」ということ。そしてその考えは、広島の風土を活かして“食の楽しさ”を伝えるという理念にも合致していました。こうして、「広島らしさを感じるウイスキーをつくろう」という方針が固まったのです。

製造責任者には清酒づくりなどに携わってきた経験を持つ山本泰平氏を抜擢。ウイスキー製造は初挑戦ながら、「会社の転換点に立ち会う責任感」を胸に挑んだと振り返ります。ドイツ・ホルスタイン社製のハイブリッドスチルを特注導入し、モルトウイスキーとジンの双方に対応できる設備を整えた点も特徴的です。

画像2: 込められたのは広島らしさ。桜尾ウイスキーの唯一無二

熟成は、海風が届く「桜尾貯蔵庫」と、冷涼な鉄道トンネルを再利用した「戸河内貯蔵庫」の2拠点で行われます。桜尾貯蔵庫では潮の香りをまとうような芳醇さと、年較差の大きさによる進みの速い熟成が、戸河内貯蔵庫では森の香りを吸い込むような爽やかさと軽快な飲み口が生まれるといいます。こうして異なる環境で育った原酒の特徴を明確に分けることで、「桜尾」と「戸河内」という2つの銘柄に違った個性が与えられたのです。

JAL限定ボトルは“あえてひと味違う”オリジナリティ。蒸留所の見学ツアーも

画像1: JAL限定ボトルは“あえてひと味違う”オリジナリティ。蒸留所の見学ツアーも

「桜尾」はシェリー樽やバーボン樽で熟成します。対して「戸河内」はノンピート原酒(麦芽を乾燥させる際に、ピートという泥炭を焚かずにつくっている原酒)をメインにトンネルで貯蔵するスタイルが基本です。JALの機内販売限定のボトルでは、あえて定石から離れた仕込みを採用。「桜尾」にはノンピート原酒を希少なアモンティリャード樽で4年熟成(2020年冬蒸留)し、穏やかな口当たりと柑橘・ハチミツ・干しブドウを思わせる奥行きある甘さを表現しました。

画像2: JAL限定ボトルは“あえてひと味違う”オリジナリティ。蒸留所の見学ツアーも

一方の「戸河内」は、2019年冬蒸留のミディアムピート原酒をバーボン樽で6年熟成し、バナナのようなフルーティーさに軽やかなスモークが重なる複雑さを生み出しています。
どちらも担当者自身が「思い入れの深い樽」と語る、JALだけの特別な2本です。

画像3: JAL限定ボトルは“あえてひと味違う”オリジナリティ。蒸留所の見学ツアーも

また、蒸留所では、こんな手仕事を間近で見学できる有料ツアー(90 分/定員10 名/2,000 円)も実施しています。モルト・グレーンウイスキーやジンの製造ラインを巡った後、熟成庫を見学。最後はウイスキーとジンなどの3種のテイスティングも可能な充実した内容です。

機内販売の限定ボトルを手に入れて、あるいは桜尾蒸留所を訪れてウイスキーの試飲をすることをおすすめします。ひとしずく口に含めば、芳醇な香りとともに、こだわりの詰まったクラフトマンシップを感じられることでしょう。

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サクラオブルワリーアンドディスティラリー

住所広島県廿日市市桜尾1-12-1
電話0829-32-2111
営業時間10:00〜17:00(ビジターセンター)
定休日毎月第2日曜
※臨時休業・お盆・年末年始の営業については公式Webサイトをご確認ください
webサクラオブルワリーアンドディスティラリー 公式サイト

廿日市で“クラフト”に触れる、5カ所の寄り道

桜尾蒸留所のみならず、廿日市にはクラフトマンシップが根付いています。訪れる際には、これらのスポットにぜひ立ち寄りたいものです。

名門の手仕事を体験できる、「宮島御砂焼窯元 山根対厳堂」

画像: 名門の手仕事を体験できる、「宮島御砂焼窯元 山根対厳堂」

嚴島神社本殿下の砂を用いた“宮島御砂焼(宮島焼)”の名門。宮島でお焚き上げされた折鶴の灰を釉薬に用いた“折鶴型の香炉”でも知られており、平和への願いが込められたその作品は、外交の贈答品としても選ばれています。

工房併設のギャラリーでは絵付け体験(30〜60 分)も可能。旅の思い出づくりに体験してみてはいかがでしょうか。

宮島御砂焼 対厳堂

住所広島県廿日市市宮島口 1-3-39
電話0829-56-0027
営業時間10:30〜17:30(絵付け受付〜15:00)
定休日水曜
web対厳堂 公式サイト

焼きたてのもみじ饅頭が楽しめる「やまだ屋 宮島本店」

画像1: 焼きたてのもみじ饅頭が楽しめる「やまだ屋 宮島本店」

昭和7年(1932年)創業の老舗和菓子店の名物は、全国的にも有名なもみじ饅頭。生地を流し、餡を包み、焼き型でもみじの葉を形づくる工程を自ら体験できます。

画像2: 焼きたてのもみじ饅頭が楽しめる「やまだ屋 宮島本店」

香ばしい焼きたてを頬張る瞬間は、まさに格別です。季節の餡や焼印など、組み合わせも自在。旅の思い出に甘いひとときを添えてみませんか。

やまだ屋 宮島本店

住所広島県廿日市市宮島町 835-1
電話0829-44-0511
営業時間9:00〜18:00
定休日なし
webやまだ屋 公式サイト

瀬戸内ならではの生ビールが楽しめる「MIYAJIMA BREWERY」

宮島表参道商店街の奥、海を望む醸造所では、クラフトビールが楽しめます。

牡蠣殻や瀬戸内レモンを使った限定ビールなど、常時5〜6種類が味わえます。出来たてを片手に海辺へ出れば、大鳥居と穏やかな瀬戸内の水平線が目前に。旅行の合間にのどを潤すもよし、お土産として食卓で楽しむのもいいでしょう。

MIYAJIMA BREWERY

住所広島県廿日市市宮島町 459-2
電話0829-40-2607
営業時間10:30〜17:00(1F ビアスタンド)
定休日なし
web宮島ブルワリー 公式サイト

料理と空間、手仕事の魅力が息づく「宮島レ・クロ」

画像1: 料理と空間、手仕事の魅力が息づく「宮島レ・クロ」

築100年以上の木造邸宅を改装したレストランで、世界的にも知られる広島の家具ブランド「マルニ木工」の創業家で使われていた調度品が並びます。

画像2: 料理と空間、手仕事の魅力が息づく「宮島レ・クロ」

瀬戸内の旬をフレンチの技法により繊細な一皿に仕立てるのが、国内外の名門で研鑽を重ねた黒越勇シェフ。料理を引き立てる美しい空間は、梁や庭園を望む大窓が木工の温もりと四季の景を演出します。料理と空間の二重奏が奏でる“クラフトの深み”に身を委ねてみませんか。

宮島レ・クロ

住所広島県廿日市市宮島町 527-1
電話0829-30-7196
営業時間11:30〜15:00(L.O.14:00)/17:00〜20:00 (L.O.19:00)
定休日不定休/年末年始休あり
web宮島レ・クロ 公式サイト

地産のレモンと希少な砂糖で仕上げる「瀬戸内クラフトレモネード 宮島口本店」

宮島発着のフェリー乗り場とJR宮島口駅の間に位置するこちらのお店。

画像: 地産のレモンと希少な砂糖で仕上げる「瀬戸内クラフトレモネード 宮島口本店」

大崎上島産レモンを皮ごと1週間熟成し、阿波和三盆など砂糖5種のみで仕上げる“食べるレモネード”の専門店です。ハイボールに数滴垂らすと〈桜尾〉原酒の甘みが引き立ち、爽快なアフターノートがすがすがしい余韻を残します。軽量な瓶入りで、旅のお土産にもぴったりです。

瀬戸内クラフトレモネード 宮島口本店

住所広島県廿日市市宮島口 1-6-7
営業時間10:00〜17:00
定休日火・水曜、不定休(公式 NEWS/Instagramで告知)
web瀬戸内クラフトレモネード 公式サイト
Instagram@setouchi_craftlemonade

旅の思い出に人の想いを添える、廿日市のクラフト・トリップ

海と山が至近距離で交わり、陶芸・菓子・ビール・木工・柑橘加工と多彩な手仕事が点在する廿日市には、豊かな旅路が待っています。つくり手の想いや心意気がたっぷりと詰まったクラフトプロダクトやグルメは、桜尾のウイスキーが奏でるふくよかな余韻のように、旅の思い出に豊かな香りを添えてくれるはずです。

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