穏やかで濃いブルーの海が美しい瀬戸内海に面する岡山県倉敷市は、古くから海運業や製塩業、繊維業で栄えてきた町です。そんな倉敷は、国産ジーンズ発祥の地としても知られています。丈夫な質感はもちろん、普段使いをしながら一緒に育てていくことができるデニムは、「何本も集めている」「お気に入りの1本がある」という方も多いのでは? 倉敷を舞台に、デニムにどっぷり浸かる1泊2日の旅をご提案します。

倉敷デニムの魅力を探求する旅へ

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旅のスタートは、岡山桃太郎空港から。空港でJR倉敷駅行きのバスに乗り、約35分で倉敷に到着! まずはここから南東方向に、徒歩約15分の場所に位置する倉敷美観地区に向かいます。

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そもそも「倉敷デニム」とは、井原市と倉敷市児島地区周辺で作られている「岡山デニム」の一種。紡績から加工までのほとんどすべての工程を県内の工場で完結させており、この生産体制だからこそ、職人による染めや織物の技術を惜しみなく注ぎ込んだ高品質な逸品が県内に集結しているのかもしれません。

倉敷でデニムに囲まれる1泊2日

薄い青、濃い青、黒っぽい色…さまざまな色や質感、また何度も身に着け洗濯することで色落ちした風合いなど、楽しみ方は無限大。そんなデニムへの思いを胸に、1泊2日の旅をはじめましょう。

1日目

画像: 1日目

1日目は、倉敷市の中心部を散策。観光名所でもある「倉敷美観地区」を街歩きしながら「倉敷デニムストリート」を目指します。倉敷川沿いには白壁の蔵屋敷、なまこ壁、柳並木など、どこを見ても趣ある景観。思わずカメラのシャッターをたくさん切ってしまいます。他にも岡山の旬のフルーツを使ったパフェが食べられるお店や、マスキングテープの専門店、倉敷帆布を扱っているお店など、たくさんのお店が並んでいます。

「倉敷デニムストリート」をくまなく散策

画像1: 「倉敷デニムストリート」をくまなく散策

ゆったりと倉敷美観地区のお店をめぐりながら、「倉敷デニムストリート」に到着。

「倉敷デニムストリート」は、その名の通り倉敷で作られるデニムの魅力がたっぷり詰まった施設で、倉敷の児島地区が国産ジーンズ発祥の地であることにちなんで2014年に作られた複合施設です。大きく分けると「メンズ館」「レディース&キッズ館」「雑貨館」「フードコーナー」の4エリアがあり、あちこちにデニムモチーフのフォトスポットが点在しています。

画像2: 「倉敷デニムストリート」をくまなく散策
画像3: 「倉敷デニムストリート」をくまなく散策

さっそく「DENIM STREET」と書かれたデニム色のドアと一緒に記念撮影。ジーンズやデニム素材のジャケットを着て撮影すれば、一層映えること間違いなしです。通りそのものもレトロなので、今日のデニムファッションコーデを撮ってみるのも楽しいでしょう。

ここでしか買えないデニムブランド「和蔵」で逸品探し

画像1: ここでしか買えないデニムブランド「和蔵」で逸品探し
画像2: ここでしか買えないデニムブランド「和蔵」で逸品探し

レディース&キッズ館では、絶対にチェックしておきたいブランド「和蔵」でジャケットを手に取ります。ストレッチ素材で作られているので、腕を大きく動かしても窮屈な感じがしないのは不思議! 店員さんに相談しながら自分に合うジャケットの形や色をじっくりと選ぶことができます。

画像3: ここでしか買えないデニムブランド「和蔵」で逸品探し
画像4: ここでしか買えないデニムブランド「和蔵」で逸品探し

「パンツはメンズライクな、だぼっとしたシルエットのものを選びたい!」と思い、メンズ館へ移動。メンズ館でも「和蔵」の充実したラインナップが迎えてくれます。「和蔵」の製品は、ジーンズでは珍しい白色の糸で縫製しており、倉敷美観地区の白壁がモチーフとなっているそう。ウエスト付近の裏生地やバックポケットのステッチも、なまこ壁をモチーフとしたデザインになっていて、とってもキュートです。近くに置いてあるパンツ型のストラップにも「和蔵」の特徴である白いステッチが。こちらは手軽なお土産にもぴったりです。

デニム色のグルメでお腹を満たす

画像1: デニム色のグルメでお腹を満たす

デニム選びに没頭していると、小腹が減ってきました。「倉敷デニムストリート」の中にあるテイクアウトコーナーでデニムグルメを注文します。テイクアウトコーナーも鮮やかなブルー。なんと、ここで注文するフード・ドリンク・スイーツはすべて鮮やかなデニム色をしています。

画像: 左から「デニムまん」「デニム桃スカッシュ」「デニムソフト」

左から「デニムまん」「デニム桃スカッシュ」「デニムソフト」

手にしたときは一瞬どきっとする「デニムまん」は、クチナシの種をアルコールで抽出することで皮を青く仕上げています。青い見た目ですが、食べてみると本格的な味わいに驚きます。「デニム桃スカッシュ」は、桃のシャーベットがぷかぷかと浮いていて、可愛いらしい一品。「デニムソフト」の味は、ラムネとブルーベリーのミックスです。

画像2: デニム色のグルメでお腹を満たす

せっかくなのでデニムまんを片手に「倉敷デニムストリート」のオリジナルキャラクター「デニムベア」と記念撮影を。お腹にある「D」の文字がチャームポイントです。

デニムのバッグとデニムベアのキーホルダーをお土産に

画像1: デニムのバッグとデニムベアのキーホルダーをお土産に
画像2: デニムのバッグとデニムベアのキーホルダーをお土産に

デニム色のグルメでお腹を満たした後は、お土産を選ぶため「雑貨館」へ。こちらでは海外から輸入したデニムの小物やバッグを中心に、手に取りやすい価格帯で商品をそろえています。お土産として、コスメやお財布を収納して持ち運ぶのにぴったりなデニムのバッグを購入!

画像3: デニムのバッグとデニムベアのキーホルダーをお土産に

店内にはデニムベアのキーホルダーもありました。一つ一つ表情が異なるので、自分好みのベアをじっくりと選んでみてください。

倉敷デニムストリート

住所岡山県倉敷市中央1-10-11
電話086-435-9135
営業時間9:30~17:30(季節により変動あり)
定休日なし
web倉敷デニムストリート(岡山観光WEB内)

2日目

画像: 2日目

2日目は、児島へと足をのばします。

「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験

JR児島駅から徒歩15分ほどの場所にある「児島ジーンズストリート」を散策しながら、インディゴ染め体験ができる「BIG JOHN児島本店」を目指します。

画像1: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験

ジーンズの聖地として、レトロな雰囲気のある味野商店街の活性化事業とともに2010年から始まった「児島ジーンズストリート」。現在は約40店舗の地元ジーンズ専門店が並び、世界に誇る「ジャパンデニム」のオリジナリティ溢れるジーンズに出合うことができます。またフォトスポットもあり、特に「ポケットパーク」にある大きなウォールアートは撮影マスト!

画像2: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験

撮影を楽しみながら、赤いテントが目印の「BIG JOHN児島本店」に到着です。ここには本格的な高級デニム製品から手に取りやすい価格帯の雑貨まで幅広く取りそろえており、デニムにまつわるワークショップも体験できます。

画像3: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験

児島デニムの製作過程でも非常に重要となるインディゴ染めの工程。インディゴ染料は色落ちの過程も美しいのだと聞いて、さっそく白いTシャツを使いインディゴ染めを体験することに。

画像4: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験

まずはBIG JOHNオリジナルのエプロンを着用し、ボールや輪ゴムを使って下準備をします。洗濯のりが付いたままだと十分に染まらない可能性があるので、あらかじめ軽く水洗いしておくこともポイント。完成予想図を頭に思い描きながら自由に作っていきます。

画像5: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験
画像6: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験

下準備ができたら、いよいよ染める工程へ。染めたい部分を、ゆっくりと染料の中に浸け、引きあげます。はじめは緑色を帯びていたインディゴ染料が空気に触れることで美しい藍色に。あとは水とバケツを使い、水が透明になるまで洗うだけ。広げたら完成です。

画像7: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験

輪ゴムでくくった部分が模様となり、味わい深いオリジナルTシャツができました。完成したTシャツは、脱水機などで水分を落とした後、当日持ち帰ることもできますし、乾燥させたものを後日送ってもらうことも可能です。

画像8: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験
画像9: 「児島ジーンズストリート」でインディゴ染め体験

インディゴ染め体験のほか、ストラップやペンケースなどを作る体験もあります。創作意欲が高まるスポットです。

BIG JOHN児島本店

住所岡山県倉敷市児島味野2-2-43
電話086-473-1231
営業時間10:00~18:00
定休日年末年始
Instagram@bigjohnshop

「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを

画像1: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを
画像2: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを

インディゴ染め体験を楽しんだ後は、「児島ジーンズストリート」から20分ほど離れた場所にある「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」へ。2003年の開館以来、年間約5万人もの観光客が訪れる、児島の人気スポットのひとつです。工場の外から窓ごしに日本最古のジーンズ工場を見学することもできます。

画像3: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを
画像4: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを

ここでは、ボタンやリベット(ポケットの縁についている金属製のパーツ)を選んで、自分だけのジーンズ作り体験ができます。今回は気軽に体験したい人向けの「OMIYAGE JEANS」のレギュラーストレートを選びました。丈の調整をしてもらい、たくさんある中から選んだ革ラベルをスタッフの方に付けてもらっている間に、ボタンとリベットを選びます。

画像5: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを
画像6: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを

ボタンもリベットも多種多様。サンプル用のジーンズの上に置いて完成をイメージしながら選んでいきます。ベティスミスのキャラクター「ベティちゃん」が描かれたボタンもあります。

画像7: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを

ボタンとリベットを選んだら、次はいよいよそれらを付ける体験へ。専用の機械の前に座り、ペダルの踏み方や付ける順番などの説明を受けます。

画像8: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを
画像9: 「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」で世界にひとつだけのデニムを

正面からと横から、位置を慎重に確認しながらペダルを踏みこみます。最後は力を込めてぐっと一押しすることが上手に付けるコツ。お気に入りの1本の完成です!

「ジーンズ作り体験以外」にも、「デニムキーホルダー作り体験」や「デニムポーチカスタム体験」など、気軽にリベット打ちが体験できるメニューもあります。

ベティスミス ジーンズ作り体験工場

住所岡山県倉敷市児島下の町5-2-70ベティスミス内
電話086-473-4460
営業時間3月~11月 9:00~18:00、12月~2月 9:30~17:00 ※平日の12:00~13:00は休み
定休日年末年始
webベティスミス ジーンズ作り体験

「BS Cafe&Gallery」でデニムとともに思い出を振り返る

画像1: 「BS Cafe&Gallery」でデニムとともに思い出を振り返る
画像2: 「BS Cafe&Gallery」でデニムとともに思い出を振り返る

デニム作り体験を終えて、ホッと一息。帰路につく前に敷地内のカフェで旅の思い出を振り返ります。コーヒーと一緒に注文したのは、「米粉のジーンズ型クッキー」。青はバタフライピーによるもので、ほんのり甘くコーヒーにぴったりです。

画像3: 「BS Cafe&Gallery」でデニムとともに思い出を振り返る

店内には児島に関する雑貨も販売しており、店オリジナルのポストカードがイチ押しとのこと。旅の思い出に1枚、購入します。

BS Cafe&Gallery

住所岡山県倉敷市児島下の町2-12-40
営業時間11:00~18:00(平日は14:00~18:00)
定休日月・火曜
Instagram@bs_cafe.and.gallery
画像4: 「BS Cafe&Gallery」でデニムとともに思い出を振り返る

最後に、併設のジーンズミュージアムで児島デニムの歴史や変遷を学んで1泊2日の旅を締めくくります。帰りはJR倉敷駅を経由し、バスで岡山桃太郎空港まで戻りました。

倉敷美観地区や児島には、国産ジーンズの良さを堪能できる施設やお店がたくさん。デニム好きやおしゃれが好きな方は、たまらなく濃厚な時間を過ごせるはず。あなたも1泊2日でデニムにどっぷり浸かる旅に出かけてみませんか。

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