※価格は税込み表記です。
JALの客室乗務員には、ふるさとアンバサダーとして全国各地の魅力を発信する活動を行うメンバーがいます。普段は国内・国際線に乗務している上杉さんもそのひとり。そんな彼女の旅を通して、知られざる徳島の魅力を3つのテーマでご紹介します。
旅のテーマ1【自然とアクティビティの旅】
瀬戸内海と太平洋に面し、内陸に山々を有する徳島県は、自然が美しいコントラストを描きます。旅の楽しみにアクティビティを組み込むなら、リゾートへ。海と山が作り出す素晴らしい眺望を独り占めできるようなアクティビティが揃っていました。
アウトドアを極上のステイに組み込んだ、「小松島リゾート snow peak glamping TOKUSHIMA KOMATSUSHIMA」
小松島市にある「snow peak glamping TOKUSHIMA KOMATSUSHIMA」は、高性能なキャンプギアで知られる「スノーピーク」が運営する、グランピングリゾート施設です。コンセプトは、「日常から心と身体を解き放ち、明日に向けての“余白”を作る」というもの。日峰山(ひのみねさん)を背に小松島湾を眼前に望む自然に恵まれた立地を活かし、上質でアクティブなステイを楽しむことができます。
客室やレストラン、各棟をつなぐアプローチなど、パノラミックなオーシャンビューが至るところに広がっていて、足を止めて写真を撮りたくなる魅力があります。
小高い丘の上に立つ施設から、送迎のトゥクトゥクで山を下ると、宿泊者専用のプライベートビーチが広がっています。シーカヤックやSUPなど、アクティビティの選択肢は豊富。なかでも今回はバギーライドをセレクトしました。免許不要で、貸切の砂浜をダイナミックに駆け巡る体験は、非日常的なひとときといえます。
丘の至るところに遊歩道が整備されています。プライベートビーチの反対側の斜面を下ると、オーシャンビューのグランピングスポットが。スノーピークのキャンプギアが揃っていて、ご希望に応じて利用が可能です。
また、桟橋でフィッシングはいかがでしょうか。小松島湾は漁場としても優秀で、さっそくカサゴが釣れました。
お腹が空いたら、客室のバルコニーなどでBBQもできます。先ほど釣ったばかりのカサゴを刺身に仕立ててもらい、山海の美味に彩られたランチタイム。巨大な伊勢海老にアワビ、分厚いTボーンステーキなど、テーブルに載りきらないほど並べられた食材の数々は、豪華絢爛です。
珍しいひと品が、徳島県の郷土料理のそば米汁です。そば米とは、塩ゆでしたそばの実の殻をむき、乾燥させたものです。大根やニンジンをいりこだしと薄口醤油で汁仕立てにし、そば米を入れていただきます。滋味深いお出汁に、香ばしく食感のいいそば米がよく馴染みます。
食後のコーヒータイムは、屋上デッキで。スノーピークのハンドミルで挽いたコーヒー豆を、ドリップしていただくアウトドアスタイルです。フレッシュないちごをその場で潰してジャムを作り、スコーンとアイスクリームにかけていただきました。
アクティビティとグルメを満喫したら、くつろぎのひとときが待っています。オーシャンビューの客室で過ごすもよし、サウナも完備したプライベートスパで過ごすもよし。気分に合わせて利用できる、さまざまなスタイルを提供していることも特色です。
小松島リゾート snow peak glamping TOKUSHIMA KOMATSUSHIMA
住所 | : | 徳島県小松島市中田町東山95-3 |
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電話 | : | 0885-38-6556 |
web | : | https://komatsushima-resort.com |
温泉と海を満喫できるホテル「リビエラししくい」
海に面した徳島でのアクティビティに、マリンスポーツは欠かせません。県内でもっとも南に位置し、太平洋を望む海陽町は、その名の通りの陽光に照らされた海岸線を有し、海にまつわるアクティビティが豊富にあります。目指す拠点となるホテルは「リビエラししくい」です。
ホテルのある道の駅 宍喰温泉へは、“世界初”の乗り物「DMV(デュアル・モード・ビークル)」がおすすめです。道路と線路の両方を自在に走行できるマイクロバス型の車両で、海陽町では日常の足として多くの方々に親しまれています。バスから列車へと“モードチェンジ”する様子は、驚きの体験。移動手段なのに、アクティビティを楽しんでいる気分にさせてくれます。
ホテルは青い海と太陽を独り占めできるようなロケーションに建つ、巨大な洋館といった佇まいです。全室オーシャンビューで、洋室と和室、和洋室から選ぶことができます。
夕食もご堪能いただきたいポイント。宍喰漁港で水揚げされた新鮮な海の幸や徳島のブランド地鶏「阿波尾鶏」が盛り込まれた、彩り豊かな山海のお料理が並びます。
温泉も素晴らしいクオリティです。太平洋の深層1,000mからこんこんと湧き出るナトリウム炭酸水素塩温泉の湯触りは、とろとろ。神経痛や筋肉痛など、14の効能を持つとされる優れた泉質を愉しみながら、雄大な太平洋が一望できます。
リビエラししくい
住所 | : | 徳島県海部郡海陽町宍喰浦字松原226-1 |
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電話 | : | 0884-76-3300 |
web | : | http://hotel-riviera.co.jp |
旅のテーマ2【瀬戸内の潮風香る歴史旅】
徳島はかつて阿波国(あわのくに)と呼ばれ、四国と関西地方をつなぐ玄関口として栄えてきました。村上水軍が拠点を置き、戦国武将の三好長慶(ながよし)が治めた由緒ある土地です。独特の歴史や文化も、旅に豊かな彩りを与えてくれました。
1300年以上の歴史を誇る和紙作りを学び、体験できる「阿波和紙伝統産業会館」
阿波の紙作りの歴史は古く、8世紀の初めごろに遡ります。天日鷲命(あめのひわしのみこと)を祭る忌部(いんべ)族が、現在の徳島県吉野川市に位置する麻植(おえ)の地に根を下ろし、紙作りが始まったのです。
「阿波和紙伝統産業会館」は、今なお手作業で作られる阿波和紙の製造工程を目の前で見ることができる複合施設です。
伝統的な紙漉き体験が可能です。さっそく半紙とはがき作り(体験料1,000円・800円※入館料別途)に挑戦してみましょう。まず、簀桁(すけた)を和紙の原料の入った水にくぐらせて漉きます。何度か行い、繊維が均一になったら、色づけの工程です。さまざまな色を上から掛け、お好みの図柄を描きます。脱水と乾燥を経て完全に乾いたらできあがりです。
ミュージアムショップには色とりどりの商品が並び、2Fのギャラリーでは年間を通してさまざまな展示が催されます。今回の訪問時には、地元小学生による年賀状作品が展示されていました。ティッシュペーパーのような薄さながら強度に優れた特性を持つ阿波和紙には、さまざまな活用方法があるのだとか。最近では、ウクライナからの要請を受け、古文書の補修用の資材として提供。現地でも大きな話題を集めたといいます。
阿波和紙伝統産業会館
住所 | : | 徳島県吉野川市山川町川東141 |
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電話 | : | 0883-42-6120 |
営業時間 | : | 9:00~17:00 |
休館日 | : | 月曜(祝日の場合は火曜) |
入館料 | : | 一般300円/学生200円/小中学生150円(20名以上の団体は2割引) 入館料は2024年4月1日から改訂の予定 |
約200年の歴史を誇る、徳島ならではの伝統の味。「福寿醤油」
鳴門市大麻町(おおあさちょう)には、ひときわ風情が香る一角があります。古い蔵が立ち並び、今も昔ながらの作り方で、徳島ならではのおいしさが作られているのだそうです。そのひとつが、福寿醤油。通常は半年程度の醤油造りの工程を、じっくり1年かけて造る伝統の醤油蔵です。
手仕事の作業を見学することができます(要事前予約)。味噌のように見える樽の中身は、もろみと呼ばれる醤油の前段。これを搾ることで、醤油になります。コポコポと泡立っていることが、発酵が進んでいる証です。
直売所では商品がズラリと並び、濃口醤油だけで約30種類。テイスティングも可能です。好みの味を探せることも、蔵ならではの醍醐味。たとえば再仕込醤油は、醤油を再度醸造するため、風味の強さが格別です。刺身に付けたり、煮物の味を決めたりするときにも重宝します。また、徳島ならではのすだちをふんだんに入れたすだち醤油は、柑橘の風味がしっかりと感じられるおいしい一本です。
人気の福寿醤油とすだち醤油のセットは1,290円。テイスティングと同じラインナップが小さいボトルに入った味比べセットは1,170円です。徳島の味を、ご家庭の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
福寿醤油
住所 | : | 徳島県鳴門市大麻町池谷大石8 |
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電話 | : | 088-689-1008 |
営業時間 | : | 9:00~17:00(見学) |
定休日 | : | 日曜、祝日 |
web | : | https://www.fukujyu1826.com/index.html |
海外からも高い評価を受ける蔵元「本家松浦酒造」
福寿醤油の向かいにあるのが、徳島県最古の酒蔵「本家松浦酒造」です。築200年以上の母屋もあり、こちらも見学が可能です。
お米は徳島県産、とりわけお米の評価が高い県西部の酒米にこだわっているのだとか。直売所の「ナルトタイの店」では、蔵で造るさまざまなお酒を販売しています。バーカウンターで試飲しながら、好みの銘柄を探してみるのも一興です。
なかでもイチ押しと教えていただいたのが、「鳴門鯛 LED(レッド)」という目を引くラベルの一本。徳島県が開発した「LED夢酵母」を使用し、酸味と甘みのバランスが特徴です。フランスで開催された「Kura Master 2023 純米酒部門」でプラチナ賞を受賞したほか、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2023 プレミアム純米部門」で金賞を獲得するなど、国内外からの評価が高いお酒です。
本家松浦酒造 ナルトタイの店
住所 | : | 徳島県鳴門市大麻町池谷柳の本19 |
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電話 | : | 088-689-1110(フリーダイヤル:0120-866-140) |
営業時間 | : | 10:00~18:00 |
定休日 | : | 無休(1/1~1/3のみお休み) |
web | : | https://narutotai.jp |
アートを感じる街歩きができる、「薬王寺」と日和佐の街並み
海を望み、山を貫くように走る国道55号線は、徳島県の大動脈のひとつです。徳島市から太平洋沿いに南下していくと、右手に巨大な寺院が目に入ります。徳島県内最後の札所として知られる厄除け寺「薬王寺」です。
国道を挟んだ向かいには、日和佐の門前の街並みが広がります。薬王寺の参道にあたる桜町通りは、散策にうってつけです。おしゃれなカフェやお土産店が立ち並びますが、見どころのひとつはさまざまなウォールアートです。
たとえば参道の入り口のあたりで訪れる人を出迎えるように描かれた、巨大なウミガメ。通りの先にある大浜海岸が、ウミガメの産卵地であることに由来しています。自然と文化の共存する歴史が、散策を通して垣間見られることでしょう。
薬王寺
住所 | : | 徳島県海部郡美波町奥河内字寺前285-1 |
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電話 | : | 0884-77-0023 |
web | : | https://yakuouji.net |
旅のテーマ3【地元に愛される徳島グルメ旅】
山海の見どころ溢れる徳島県には、山海のおいしさが集います。ここからは、徳島の旅に押さえておきたいグルメの数々をご案内します。伝統的な料理に新たなセンスを盛り込んだおいしさもありました。
採れたての海の幸を豪快にいただく「元祖海賊料理 海賊の家」
海賊料理とは、生きた海老や貝などをそのまま焼いて食べる海鮮焼きのことです。豪快なおいしさを存分に堪能できる「海賊の家」は、珍しい海上の浮き座敷のお店。
おまかせセット(5,500円)では、伊勢海老、サザエ、大アサリ、珍しいヒオウギ貝を生きたまま焼き上げます。大ぶりなアワビ、ヒオウギ貝、サザエのお刺身も付いて、ボリュームたっぷりにしてダイナミックそのもの。強火でサッと焼き上げると、弾力のある身はほのかに甘く、香ばしく焦げた醤油との相性は絶妙です。
貝の刺身はいずれもコリコリとした歯ごたえです。肝の雑味はまるでなく、コクばかりが主張するふくよかなおいしさ。栄養たっぷりな豊かな漁場ならではのうまみの競演といった趣です。
戦国時代の瀬戸内海では、村上水軍(村上海賊)が活躍したことを思い出します。もしかしたら、こんな料理を食べていたのかもしれません。
元祖海賊料理 海賊の家
住所 | : | 徳島県海部郡海陽町宍喰浦古目84-4 |
---|---|---|
電話 | : | 0884-76-2707 |
営業時間 | : | 11:00~20:00(要予約) |
定休日 | : | 不定休 |
一般的なものとは少し違う、半田そうめんが楽しめる「折目邸 遊懐」
半田そうめんは、江戸時代からの歴史を持つ伝統的な手延べそうめんです。徳島県西部に位置するつるぎ町半田地区(旧半田町)で、今なお手作りされています。
徳島伝統の味「半田そうめん」は、一般的なそうめんとは少し違うのだとか。そのことを確かめに、築100年の商家をリノベーションした古民家宿「折目邸 遊懐(ゆかい)」へ。こちらは老舗製麺所「北室白扇(きたむろはくせん)」の2代目が運営しています。施設一階にあるそうめん食堂のほか、伝統的な和室でも食事が可能です。
ほどなく運ばれてきたのが、麺の太さが特徴の半田そうめん(1,000円)。煮くずれしにくいため、多彩なアレンジが楽しめます。コシの強さと風味が特徴で、のせられた具の数々に負けない力強さがあります。
デザートは「にし阿波フルーツのあんみつ」(900円)。果物の名産地として知られるだけに、色とりどりのフルーツがのります。和三盆を使った黒蜜とアイスはコク深く、果物とのコントラストがたまりません。
もちろん宿泊も可能。和モダンに趣を変えた全3室の空間で、思い思いのときを過ごすことができます。
折目邸 遊懐
住所 | : | 徳島県美馬郡つるぎ町貞光字東浦68-1 |
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電話 | : | 0883-68-9780 |
web | : | https://www.orimetei.com |
半田そうめん食堂
電話 | : | 080-6376-7328(食堂直通) |
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営業時間 | : | 11:00~14:00(要予約) |
営業日 | : | 水・土・日曜 |
徳島の2大ブランド食材をラーメンに仕立てた「とりとたい 鳴門店」
“ラーメン屋を思わせないおしゃれなカフェ”がコンセプトの鯛鶏白湯ラーメンのお店です。鳴門海峡で捕れるおいしい鯛と、地鶏の阿波尾鶏は全国的に有名です。このふたつの食材の魅力を掛け合わせ、ラーメンに仕立てたのがコチラです。
おしゃれな店内でいただくのは、看板メニューの「とりとたいラーメン」(900円)。鶏白湯に鳴門鯛のフュメ・ド・ポワソンをブレンドしたスープで、フワフワに泡立てられています。チャーシューもトロリととろけます。濃厚ながらあっさりとした、二律背反の奥深さ。店内自家製のもちもち麺とよく絡みます。
セットできるご飯も豊富なラインナップ。なかでもしらす丼は、ふっくらと茹であがった大ぶりのしらすに、濃厚な卵黄がよく絡み、醤油ベースのタレと混ぜていただけば、またたく間に完食してしまうおいしさです。
とりとたい 鳴門店
住所 | : | 徳島県鳴門市撫養町大桑島濘岩浜48-60 |
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電話 | : | 088-624-8185 |
営業時間 | : | 11:00~15:30、17:00~20:00 |
定休日 | : | 無休 |
デザートとお土産に。ストロベリーロードの「村山いちご園」
徳島自動車道の土成ICからほど近くに、ストロベリーロードと呼ばれるエリアがあります。その名の通り、いちご農家が軒を連ねており、いちご狩りや直売所でフレッシュな風味を楽しむことができます。今回は、早朝に収穫した「さちのか」「紅ほっぺ」を販売している「村山いちご園」へ。直売所は12月から6月上旬までの営業です。
採れたてならではのみずみずしさで、弾けるような食感。口に含めば爽やかで甘みたっぷり。いちご狩りを楽しみつつ、お土産にも。ぜひお立ち寄りいただきたいスポットのひとつといえます。
村山いちご園
住所 | : | 徳島県阿波市土成町宮川内井ノ口148 |
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電話 | : | 090-7627-0539 |
営業期間 | : | 元日を除く12月初旬~6月初旬くらいまで |
営業時間 | : | 早朝からいちごがなくなり次第終了 |
web | : | https://www.awa-kankou.jp/odekake/murayamaichigo/ |
何度訪れても魅了される、徳島の旅
「知られざる」と銘打って旅先をご紹介しましたが、徳島にはこのように多彩な魅力があることがおわかりいただけたことでしょう。春は桜、夏は海と阿波おどり。秋は全国有数の農村舞台が演じられ、冬にはジビエも楽しめるのです。
起伏に富んだ見どころと、四季折々の楽しみ方がある徳島は、訪れるたびに違った顔で訪れる人を迎えてくれるように感じました。初めての方もそうでない方も、次の旅の目的地は徳島になさってはいかがでしょうか。きっとご満足いただけると思います。
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