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西村 愛
2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎 (実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典 (PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。 サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。
茶園が広がる小野エリアのもう一つのスポット「アクトビレッジおの」で様々なアクティビティを楽しみます。旅先で大自然を満喫したい人におすすめです。小野湖を中心に色んな体験を楽しみ、汗だくで遊びました。その後、次世代を担う若手農業者にお話を伺い、都会にはない癒しとつかの間の休息を楽しみつつ、宇部の旅を締めくくります。
一日中楽しめる!豊かな緑を眺めながらのカヌー体験、初めてのデイキャンプ。
「アクトビレッジおの」まではバスで向かいます。但しこの路線のバスはほとんど本数がなく、朝早くから夕方近くまでしっかり遊ぶ計画を立てました。
アクトビレッジおのは、ダム湖である小野湖の脇に立つ環境教育と交流の拠点施設。湖を利用した様々なアクティビティが楽しめます。代表格はボートやカヌー。湖面が穏やかなので初心者向きです。乗り方なども教えてもらえる(要予約)ので安心です。
また、デイキャンプや日帰りバーベキューなどの気軽なアウトドア体験も。レンタル製品も充実、さらに施設の水回りもきれいなので家族で楽しめます。
小野湖は山口産のお茶栽培にも一役買っています。近くには前述の「藤河内茶園」があり、山間部を開いて作られた茶畑には、一日の寒暖の差により小野湖から立ち上る朝霧がかかります。霧が発生することによりお茶の生育に良い影響をもたらし、美味しいお茶ができるというわけです。

小野エリアにある大きなダム湖「小野湖」は宇部市民の水がめとしてだけではなく、工業地帯にとっても貴重な水源となっています。

この日は朝から良いお天気。「アクトビレッジおの」は最寄りの花香バス停から徒歩10分です。

近くには、この地域の古くからのお茶づくりの歴史を示す石碑があります。「七福茶園」は藤河内茶園よりも歴史が古く、小さい面積ではあるものの現在もお茶づくりが行われています。

小野はやっぱりお茶!製茶業の山口茶業さん(店舗もお茶色!)には食欲全開でソフトクリーム目当てに伺ったのですが、ラッキーなことに製茶の現場にも出会えました。茶葉の良い香りが外まで漂う中、小野茶を使ったソフトクリームを。小野茶の苦みが個性となり、すごく美味しかったです。

アクトビレッジおのではたくさんの体験メニューが用意されています。多目的ホールには環境・自然に関する展示が行われていました。

カヌーやボートが収められた艇庫。更衣室なども設置されていて子供たちの体験学習にも使われます。

小野湖を利用したボート大会なども開催されており、「小野湖ボートクラブ」さんの体験ボート教室も開催されます。練習熱心な会員さんも練習にいらしてました。

穏やかな湖面の小野湖。体験学習に来ていた子供たちと一緒に準備をして、いざ私も乗り込みます。

猛暑日だったこの日、カヌーで湖面に滑り出ると心地よい風が当たり気持ちがいいです。非日常感に満ちて、ストレスを忘れます。

子供たちもあっという間に習得したようで、のんびりとオールを漕ぐ姿が見えました。

他にも室内、屋外ともに充実の施設があります。体験工房では製茶体験をさせてもらいました。調理室で茶葉を蒸す、揉むなどの作業を行うことが出来ます。

茶葉は加工して初めて口にできる作物。製造工程を勉強するとお茶への関心がぐっと沸きますね。

茶葉は「一枝三葉(いっしさんよう、1つの枝から3枚の葉)」を摘みます。茶摘み体験も七福茶園で可能です。
第三次キャンプブームとも言われる昨今、スタイリッシュなキャンプが流行を見せています。まずは一度体験してみて本格的に着手したいという人もいるのではないでしょうか。

デイキャンプする場所も確保されていて、湖畔の自然を感じながら目一杯アウトドアを楽しむことが出来ます。炊飯棟にはピザ窯もありました。

普通のお食事を…という方はレストラン「釜飯の郷」へどうぞ。炊き立ての釜飯が食べられます。

色んな体験をさせてもらったアクトビレッジおの。こんなにアクティビティに参加するのは、私も初体験の新しい旅のカタチでした。自然にどっぷりと浸かることで気持ちをゆるゆる緩ませて、心を開放させた一日でした。
Uターンの若い農家が作る宝石のようなミニトマト「まこっこ農園」。
アクトビレッジおのと同じく小野地区にある「まこっこ農園」。この日は朝から気温が上がり相当暑かったのですが、さらに蒸し暑いビニールハウスの中で仕事に精を出すご夫婦が。今回ご縁があって、宇部で農業を盛上げるお二人に、お話を聞くことができました。
「まこっこ農園」は宇部市出身でUターンした才木祥子さんと、一緒に宇部市へ移住したご主人・誠さんが開いた農園です。関東の大学で農業を専門に学んだ誠さん。就職先は農業系の出版社で、そこで祥子さんと出会いました。
その後二人で宇部へ移り住み新規就農。6棟のハウスと50アールの畑で野菜を作っています。農業を経営として正面から捉え、生産性や収益性などをしっかりと管理し、継続性を高めたやり方を実践なさっていました。また、若い農家で結成した「情熱農家プロジェクトtoppin(とっぴん・方言で「すぐに・早く」などの意)」ブランドの共同代表を務めるなど、若手農家の中心的役割も担っているとのことです。
ハウスの中はカラフルなトマトが鈴なりです。これらを樹上完熟の状態で販売するなどしているそう。
周辺では蛍もたくさん棲息するきれいな水が流れるエリア。自然と向き合う生活を真剣に、そして楽しみながら送られているご夫婦の、笑顔がとても印象的でした。
今回の旅は「宇部市」という限定的な地域を深く探る旅となりました。
工業都市という側面を持ちながらも溢れんばかりの自然とアートが存在。時代を重ねながら街が作られていることを実感しましたし、宇部という街が持つ魅力は、お互いを補完し合いながら支え合って生まれていることがわかりました。
また、宇部を愛する人たちにたくさん出会えて宇部の住みよさを教えてもらい、いつもとは少し違った視点の旅になりました。

小野地区で就農した才木誠さん、祥子さんを訪問。「まこっこ農園」はこの時期トマトの最盛期でした。

まこっこ農園を経営する才木さんご夫婦はUターンとIターンカップルなんです。3人のお子さんと共にのどかな小野で就農しました。トマト栽培だけでなくかぼちゃ、白ネギなどを育てているということです。

6棟のビニールハウスの中はカラフルな5色のトマトが植えられています。

花盛りのハウスもありました。カラフルなトマトでも基本的にお花の色は黄色いのだそう。

トマトの花。花の数ほど実がつきます。

グリーントマト。完熟しても緑です!私にはどうやってもどれが完熟しているかわからない(笑)

「情熱農家プロジェクトtoppin」は才木さんご夫婦も参加する若い農業家で作るブランド。「とっぴん」は山口で「すぐに、早く」を表す方言で、新鮮な野菜を届けたいという気持ちが込められています。

無理はしないけれど、様々な挑戦を厭わない。パワーを秘める若い農家に期待が高まります。笑顔が素敵なご夫婦でした。
湖と緑の中に佇む一軒家。雑貨とカフェの「tumugu」。
アクトビレッジおのの入口に位置する「tumugu」。シックな色合いでさりげないので、気づかないで通り過ぎる人もいるかもしれません。
こちらのオーナーは宇部市在住の安田真弓さん。Tumuguという空間は自分自身と語る安田さんは、モノやコトにとらわれず、自分の変化とともにこのtumuguと接してきたそうです。
各地でセレクトした自分好みの服、帽子、器、暮らしにまつわるものを、店内奥で販売しています。そして料理教室を定期的に開催、この日のカフェメニューもドリンク、アイスクリームともに手作りでした。
すっきりとした店内ですが、湖の水面から吹く風が気持ちよく、手が届くところに輝くような緑があるというロケーション。“豊かな暮らし”とは、たくさんのものを手に入れることじゃなくて「選ぶこと」。そんなことを感じさせてくれた安田さんは「選びのプロ」で、そういうところがみんなの憧れになっている方なのだと感じました。

アクトビレッジおので立ち寄ったセンス溢れるカフェ「tumugu」。

オーナーの安田真弓さんは感性の人。ある日夢の中に出てきたカフェをそのまま形にしたのがこの場所なのだそう。

生姜、ドライフルーツ、ナッツを使ったアイスクリーム。料理教室も主宰する安田さんの手作り。

カフェの奥には、自分が良いと思うものだけを集めたという商品が置かれたスペース。

アパレルと暮らしのものがこの空間にピッタリとしっくりと収められています。

「自分のスタイルの変化によって『tumugu』も変えていきたい、明日の自分はわからないから。」このカフェは安田さんの分身みたいな場所なんですね。

ずーっとここでゆっくりしていたいくらい、居心地の良い場所でした。不定期にオープンしているのでお店のサイトやインスタグラムをチェックしてみてください。
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