九份は、台北から約30kmのところにある、海と山に囲まれた小さな町。夕暮れどきになると提灯の明かりがともり、まるで映画の世界に迷い込んだかのような風景が広がります。おすすめは、午前中の早い時間帯に到着して九份老街(ラオジエ)でローカルグルメを堪能し、午後は茶藝館で絶景を眺めながらのんびりくつろぐプラン。夜は港町・基隆(キールン)の夜市で食べ歩きをしてから台北へ戻ります。九份には複数の民宿があるので一泊するのもおすすめです。

※1元=約4.9円(公開時点)

台湾の人気観光スポット・九份

画像: iStock/ErmakovaElena

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「九份(ジョウフェン)」は、台湾の中でも人気の観光スポット。一度は訪れてみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

1890年代に金脈が掘り当てられて栄え、1989年に制作された台湾映画『悲情城市』の舞台になったことで観光スポットに。実は、九份という名前は、かつて金鉱で栄える前は樟脳(しょうのう)を作っており、樟脳のかまどを9人でわけたことから付けられています。

現在、台湾映画『悲情城市』のロケ地である「豎崎路(シュウチールウ)」は、フォトスポットとして多くの人で賑わっています。

画像: iStock/FotoGraphik

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雨の多いエリア。歩きやすい靴と雨具の準備を忘れずに

九份は雨が多く、気候が変動しやすいエリアなので、雨具をお忘れなく。混雑する夕方は、傘を広げると危ないため、レインコートがあると安心です。また、石畳や石段が多いのも特徴。履き慣れた歩きやすい靴で行くことをおすすめします。

台湾・九份への5つの行き方

九份へは複数のアクセス方法があります。旅程に合わせて、自分に合った移動方法を見つけましょう。

①直行の快速バス

地下鉄(MRT)忠孝復興(ヂョンシャオフーシン)駅の近くにあるバス停「捷運忠孝復興站(ジエユンヂョンシャオフーシンヂャン)」から基隆客運バス金瓜石(ジーロンクーユンバスジングアシー)方面行きの快速バス1062に乗ります。所要時間は約1時間~1時間30分(料金:101元)です。

またはMRT龍山寺駅の近くにあるバス停「捷運西門站(ジエユンシーメンヂャン)」から臺北客運バス金瓜石(タイベイクーユンバスジングアシー)方面行きの快速バス965に乗って約40分~1時間(料金:90元)、バス停「九份老街」で下車する方法も。

道の途中はカーブが多いため、酔いやすい人は薬を飲んでおくと安心です。

画像: 九份老街から台北・基隆方面へ戻るバス停

九份老街から台北・基隆方面へ戻るバス停

また、いずれも悠遊カード(ヨウヨウカー)の利用が可能です。悠遊カードについては、以下の記事で解説しています。

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②電車+バス(またはタクシー)

画像: 瑞芳駅ロータリーにあるバス停までの地図

瑞芳駅ロータリーにあるバス停までの地図

台北駅から台湾鉄道(台鐵)に乗って約35分~1時間(料金:25~38元)で着く「瑞芳(ルェイファン)」駅で下車。駅舎を背にして左方向へ約300mの場所にあるバス停「瑞芳火車站(區民廣場)ルェイファンフオチョーヂャン(チュウミングアンチャン)」から基隆客運バス金瓜石方面行きの1062に乗って約12分(料金:25元)、もしくは臺北客運バス金瓜石方面行き965・788などに乗って約15分(料金:15元)、バス停「九份老街」で下車します。いずれも悠遊カードの利用が可能です。

画像: 瑞芳駅構内にあるツーリストサービスセンター。各種パンフレットをもらえる

瑞芳駅構内にあるツーリストサービスセンター。各種パンフレットをもらえる

瑞芳駅からタクシーを利用する場合は、九份老街まで約12分(料金:固定で220元)です。

③タクシー

台北から九份老街まで1台あたり約1時間(料金:約1,500元)。渋滞などの運行状況によって料金は変動するので、先に運転手と交渉しておくと安心です。午前中に九份近隣などを回って午後から九份へ向かう場合は、1日チャーターもおすすめです。

④オプショナルツアーへの参加

旅行会社が提携しているオプショナルツアーでは、九份と十分散策がセットになったものも。日本語ガイドが付くことが多いので、歴史や小ネタも学べます。

食べ歩きやハシゴがおすすめ!九份のグルメスポット8選

九份にはグルメからスイーツまで、地元の味を堪能できるお店が並んでいます。厳選したおすすめスポットをご紹介します。

①【グルメ】金枝紅糟肉圓 總店(ジンヂーホンザオロウユエン ゾンディエン)

画像: 肉圓60元、5種類の団子が入ったスープ五味綜合丸湯(ウーウェイゾンフーワンタン)70元

肉圓60元、5種類の団子が入ったスープ五味綜合丸湯(ウーウェイゾンフーワンタン)70元

画像1: ①【グルメ】金枝紅糟肉圓 總店(ジンヂーホンザオロウユエン ゾンディエン)

肉圓(ロウユエン)とは、豚肉の餡をプニプニの皮で包んだもの。ここの肉圓は、紅麹の酒粕を使った調味料(紅糟)で味付けした豚バラ肉とタケノコを米粉で作った皮に包んでいます。餡がぎっしり詰まっていて、タレは、醤油、ニンニク、スイートチリソース。独特な風味と食感は、日本ではなかなか味わえない一品です。

画像2: ①【グルメ】金枝紅糟肉圓 總店(ジンヂーホンザオロウユエン ゾンディエン)

金枝紅糟肉圓 總店

住所新北市瑞芳區基山街112號
電話+886-2-2496-0240
Facebook金枝紅糟肉圓總店

②【グルメ】九戸茶語(ジョウフーチャーユィー)

画像: 新鮮水果茶220元

新鮮水果茶220元

画像: 排骨飯350元

排骨飯350元

季節のフルーツをたっぷり入れたフルーツティー(新鮮水果茶)がイチ押しで、この日のフルーツは、リンゴやパッションフルーツなど。料理はセットメニューがおすすめ。排骨飯(パイグーファン)は副菜やドリンクが付いてくるおトクなメニューになっています。テラス席は遮るものがなく絶景です!

画像: ②【グルメ】九戸茶語(ジョウフーチャーユィー)

九戸茶語

住所新北市瑞芳區輕便路300號
電話+886-2-2406-3388
Facebook九戸茶語

③【グルメ】海悅樓景觀茶坊(ハイユエロウジングワンチャーファン)

画像: 白斬雞(小)320元、海老と玉子の炒め物300元ほか

白斬雞(小)320元、海老と玉子の炒め物300元ほか

家族代々、九份で暮らしているオーナーの一族が住居として使っていた建物を改装し、台湾料理レストラン&喫茶スペースにしたお店。すぐ近くにはかつての映画館「昇平戲院(シェンピンシーユエン)」もあります。ここで食べたいメニューは、新鮮な茹で鶏を醤油ベースのタレで食べるシンプルな白斬雞(バイヂャンジー)。ドリンクメニューも豊富で、ローズティーや東方美人茶がおすすめです。

海悅樓景觀茶坊

住所新北市瑞芳區豎崎路31號
電話+886-2-2496-7733
Facebook海悅樓

④【スイーツ】頼阿婆芋圓(ライアーボウユィーユエン)

画像: 芋圓50元

芋圓50元

九份名物の芋圓(ユィーユエン)は、タロイモから作るモチモチの団子のこと。ここは1970年の創業当時から手作りにこだわり、団子はすべて店頭で作っています。サツマイモ、ゴマ、緑茶風味などの芋圓に、緑豆と小豆がかかっており、ホット・アイスを選べます。

画像: ④【スイーツ】頼阿婆芋圓(ライアーボウユィーユエン)

頼阿婆芋圓

住所新北市瑞芳區基山街143號
電話+886-2-2497-5245

⑤【スイーツ】九份阿珠雪在燒(ジョウフェンアーヂュウシュエザイシャオ)

画像: 雪在燒50元

雪在燒50元

画像1: ⑤【スイーツ】九份阿珠雪在燒(ジョウフェンアーヂュウシュエザイシャオ)

少し塩味のある皮で、ピーナッツ粉、自家製のアイスクリーム2種、パクチーを巻いたスイーツ。アイスクリームは日替わりで、この日はピーナッツ、タロイモ、パイナップルでした。ピーナッツ粉は、ピーナッツと麦芽糖を2時間かけて炒めて固めたものを、包む直前に削って使うというこだわり。パクチーがいらない人は「我不要香菜(ウォブーヤオシャンツァイ)」と伝えましょう。

画像2: ⑤【スイーツ】九份阿珠雪在燒(ジョウフェンアーヂュウシュエザイシャオ)

九份阿珠雪在燒

住所新北市瑞芳區基山街20號
電話+886-2-2497-5258
Facebook九份阿珠雪在燒

⑥【茶藝館】阿妹茶樓(アーメイチャーロウ)

お茶の香りを楽しむ聞香杯が付く

画像: 左上から時計回りに緑豆糕90元、杏仁豆腐90元、ジャスミン茶葉の餡を包んだ揚げパイ90元

左上から時計回りに緑豆糕90元、杏仁豆腐90元、ジャスミン茶葉の餡を包んだ揚げパイ90元

数多くの赤提灯をともす九份のランドマーク。もとは鍛冶屋でした。本格的な茶藝セットで、スタッフが日本語で淹れ方を解説してくれます。阿里山烏龍茶とお茶請けが付くおトクなセット(1人300元)や、花のような香りが特徴の清香烏龍(700元・別途お湯代100元)などの単品メニューもあります。

画像: 人気のテラス席

人気のテラス席

画像: ⑥【茶藝館】阿妹茶樓(アーメイチャーロウ)

阿妹茶樓

住所新北市瑞芳區市下巷20號
電話+886-2-2496-0833
web阿妹茶樓 公式サイト (外国語サイト)

⑦【茶藝館】九份茶坊(ジョウフェンチャーファン)

画像: 梨山烏龍37g1,200元、凍頂茶梅(S)80元

梨山烏龍37g1,200元、凍頂茶梅(S)80元

画像: 自製烏龍起司蛋糕150元、台湾文旦の花とキンモクセイ入りダークチョコレート120元

自製烏龍起司蛋糕150元、台湾文旦の花とキンモクセイ入りダークチョコレート120元

芸術家・洪志勝さんが営む茶藝館。敷地内に、茶室、茶器の販売スペース、ギャラリー、陶芸工房があります。茶葉は37gで600~1,800元程度。茶室は3時間制で利用料は1人120元です。梨山烏龍(リサンウーロン)は、上品でさわやかな余韻が続く高山茶で、烏龍茶葉を使った自家製のチーズケーキと茶梅は必食です。

画像: 1杯目は淹れ方を教えてくれる

1杯目は淹れ方を教えてくれる

画像: 骨董品やアート作品が並ぶ

骨董品やアート作品が並ぶ

九份茶坊

住所新北市瑞芳區基山街142號
電話+886-2-2496-9056
web九份茶坊 公式サイト

⑧【カフェ】HIMA CAFE|暇 珈琲(ヒマ カフェ)

画像: カフェラテ160元、キャラメルプリン160元ほか

カフェラテ160元、キャラメルプリン160元ほか

2024年3月にオープン。2階席にある床から天井までのはき出し窓が特徴で、まるで宙に浮いているよう。バリスタのオーナーが淹れてくれるコーヒーが絶品で、手作りスイーツもおすすめです。不定期営業なので、訪問前にInstagramをチェックして向かいましょう。

画像1: ⑧【カフェ】HIMA CAFE|暇 珈琲(ヒマ カフェ)
画像2: ⑧【カフェ】HIMA CAFE|暇 珈琲(ヒマ カフェ)

HIMA CAFE|暇 珈琲

住所新北市瑞芳區豎崎路18號
電話+886-958-246-988
Instagram@hima.cafe_
※予約不可

周辺も観光しよう! 九份周辺のおすすめスポット4選

せっかくなので、九份の周辺も巡ってみませんか。おすすめスポットを、アクセス方法とあわせてご紹介します。

①十分(シーフェン)

画像: ランタン上げ1色200元~ iStock/PRImageFactory

ランタン上げ1色200元~
iStock/PRImageFactory

画像: 新北市平溪天燈節 iStock/RichieChan

新北市平溪天燈節
iStock/RichieChan

十分では一年を通してランタン上げ体験を楽しめます。ランタンは願いによって色が異なり、健康祈願は赤、金運は黄、仕事は青、良縁はピンクなどさまざまです。旧正月の元宵節(旧暦の1月15日)には新北市平溪天燈節(シンベイシーピンシーティエンドンジエ)が開催されて幻想的に。「十分瀑布(シーフェンプウブウ)」も必見です!

九份から十分へのアクセス

バス停「九份老街」から1062・965・788バスに乗って約15分(料金:15元~)、「瑞芳火車站(區民廣場)」で下車し、台湾鉄道「瑞芳」駅から1時間に1本の平溪線(ピンシーシエン)に乗って約27~32分(料金:19元)、「十分」駅で下車。

②猴硐(ホウトン)

画像: iStock/undefined

iStock/undefined

町のあちらこちらで猫が暮らしており、通称「猫村」と呼ばれています(猫への餌やりは禁止されています)。猫モチーフのオブジェやカフェ、雑貨店などもあり、猫ラバーにはたまりません!

画像: 猴硐煤礦博物園區 iStock/Sanga Park

猴硐煤礦博物園區
iStock/Sanga Park

駅前には炭鉱の歴史を展示する「猴硐煤礦博物園區(ホウトンメイクアンボーウーユエンチュウ)」もあります。

九份から猴硐へのアクセス

バス停「九份老街」から1062・965・788バスに乗って約15分(料金:15元~)、「瑞芳火車站(區民廣場)」で下車し、台湾鉄道「瑞芳」駅から平溪線に乗って約6分(料金:15元)、「猴硐」駅で下車。

③新北市立黃金博物館(シンベイシーリーホワンジンボーウーグワン)

画像: ③新北市立黃金博物館(シンベイシーリーホワンジンボーウーグワン)
画像: 黃金神社跡地

黃金神社跡地

日本統治時代に金と銅の産地として栄えた金瓜石。敷地内には広々とした博物館があり、展示室と体験コーナーを通して、地域の歴史や文化などを紹介しています。そのほかレストランやミュージアムショップもあり、周辺には神社跡などがあります。

九份から黃金博物館へのアクセス

バス停「九份老街」から金瓜石方面行きのバス788・1062・965に乗って約10分(料金:15元~)、「金瓜石(黃金博物館)」で下車。

新北市立黃金博物館

住所新北市瑞芳區金光路8號
電話+886-2-2496-2800
web新北市立黃金博物館 公式サイト(外国語サイト)

④基隆廟口夜市(ジーロンミャオコウイエスー)

画像: 廟の前で展開されているグルメ屋台

廟の前で展開されているグルメ屋台

画像: 天婦羅40元

天婦羅40元

港町・基隆にある魚介系グルメが充実した夜市。台湾版さつま揚げ「天婦羅(ティエンフウルオ)」、ニンニクが効いたシンプルな麺「大麵炒(ダーミェンチャオ)」は必食です。

九份から基隆へのアクセス

「九份老街」バス停から基隆客運バス基隆方面行き788に乗って約1時間(料金:30元)、「義二路口(イーアルルウコウ)」で下車し、そこから徒歩約7分。

九份は、短期間の旅行でも十分に楽しめるおすすめエリア。時間帯や天候で全く違う表情を見せてくれるので、行くたびに新しい出合いがあります。近隣の観光スポットと組み合わせて台湾へショートトリップに出かけませんか?

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