レトロで美しい古都・台南
台湾島の西南部に位置し、新幹線を使えば台北から1時間40分ほどでアクセスできる台南市。この街は、個性的な都市が各地に点在する台湾のなかでも、とりわけ古い歴史を誇ることで知られています。17世紀のオランダ統治時代以降、長らく台湾の政治や文化の中心地として機能したこの古都は、日本における京都のような存在。情緒溢れる街並みの中、独自の文化や伝統が息づく台南は、この街を訪れる旅人たちを今なお魅了し続けています。
安平地区で台南の美しい街並みを味わう
そんな台南の魅力を楽しむなら、まずは歴史的な見どころを尋ねて歩く散策がおすすめ。たとえば、台南の鉄道駅からタクシーで20分ほどの「安平」地区は、台南のなかで最もノスタルジックな歴史情緒が楽しめるエリアのひとつ。ここには、台湾最古の城として知られ、国の一級古蹟にも指定される「安平古堡」があります。
1624年に創建された「安平古堡」は、オランダによる植民地支配の拠点として築かれた城で、「奧倫治城(オラニエ城)」や「熱蘭遮城(ゼーランディア城)」の名で知られてきました。その後、オランダ統治から台湾を解放した国民的英雄・鄭成功の王城としても機能したこの場所には、創建4世紀近くが経った今も赤レンガ造りの城壁をはじめとする一部が残されており、台湾の歴史の変遷を現在に伝えています。このほか、「安平」には、イギリス人貿易商の洋館「德記洋行」やガジュマルの木が縦横無尽に絡まりついた古い倉庫「安平樹屋」などの見どころも。レトロな街並みのなかに、老舗の小吃(軽食)やみやげ店などが軒を連ねるストリート「延平老街」をのんびり散策するのもおすすめです。
このほかにも、台南市には歴史的な見どころがたくさん! たとえば、「赤崁楼(プロヴェンティア城)」は、オランダ人によって1652年に建設された城で、「安平古堡」とともに一級古蹟に指定される名所。また、中西区の「孔子廟」は、17世紀半ばに建造された台湾最古の孔子廟として知られています。さらに、石畳の道に築200年以上の古民家などが建ち並ぶ「神農老街」は、古い建物を利用したギャラリーやカフェなども点在するも“旬”のエリア。
台南市は“台湾の始まりの地”ともいえる場所。それだけに、市内各所に訪れるべき歴史名所が点在。さまざまな角度から、歴史情緒を楽しむことができるのです。
台南は美食の町。編集部おすすめのグルメを紹介
※写真はイメージです。
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世界中のどの国を訪れても、歴史や伝統が積み重なった街には、とびきりの食文化が花開いているもの。もちろん、台湾を代表する古都・台南もその例外ではありません。ここは、多彩なグルメが楽しめる台湾のなかでも“美食の都”として名高い場所なのです。
“美食の都”台南で生まれ、その後台湾全土に広がっていったグルメはたくさんあります。その代表格が、清朝時代に生まれたとされる名物グルメ「担仔麺(タンツーメン)」。台南駅から徒歩20分ほど、歴史的名所「赤崁楼」のすぐ近くに店を構える「度小月担仔麺」は、創業100年以上を数える老舗で「担仔麺」といえばココ!というほどの有名店。現在は台北などにも店舗がありますが、台南を訪れたらぜひ本店の味わいを楽しんでください。もちろん同店のほかにも、美味しい「担仔麺」を味わえる店はたくさん!お気に入りの一杯を探して、食べ比べをしてみるのもおすすめです。
また、スイーツを味わうならぜひ「豆花」を!台湾の伝統スイーツとしてしられる「豆花(トウファ)」ですが、「安平」地区にある「同記安平豆花」は、名店として台湾全土に名を轟かせる存在。豆乳を使ったヘルシーな一品は、つるりとした舌ざわりとさっぱりとした甘さが印象的。ノスタルジックな安平散策の合間に、味わいたいスイーツです。
さらに台南には、カラッと揚げた食パンの中にシチューが詰まった名物グルメ「棺材板(グヮンツァイバン)」や台南小吃の代表格とも言われる「エビ巻き」、淡泊な白身魚「サバヒー」を使った料理、濃厚なマンゴーを使った「マンゴーかき氷」など、数々の名物グルメがあります。
台南には台南最大の夜市である「花園夜市」をはじめ、「武聖夜市」や「大東夜市」など数々の夜市があり、多彩なご当地グルメを味わえる露店が数多く出店。好奇心の赴くまま美食めぐりを楽しんでみるのもおすすめです! ちなみに、「花園夜市」は、木曜・土曜・日曜の開催。台南の夜市は曜日によって開催場所が違うので事前に要チェックです!
ひとことコメント
台南へのアクセスは、台北から新幹線でわずか1時間40分程度! 日帰りトリップも十分に楽しめるので、気軽に足をのばしてみるのもおすすめです。ただし、この街ならではの歴史情緒とグルメをたっぷりと味わうなら、やっぱり1泊か2泊の旅をチョイスしてください。
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※2019年9月27日に一部内容を更新しました。
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