冬の台湾観光の目玉として毎年大きな注目を集めるのが、「平渓天燈節(へいけいてんとうせつ)」と「台湾ランタンフェスティバル」の2大ランタン祭りです。無数のランタンが夜空を舞い、街中が穏やかな光に包まれるその幻想的な景色は写真で見たことがある方も多いでしょう。
台湾は日本からアクセスしやすく、1泊2日でもランタン祭りを楽しめてしまう近さが魅力。見どころや会場へのアクセス、ランタンに関する知識など、ランタン祭りに参加するならば知っておきたい情報をまとめて紹介します。

【なぜ台湾でランタン祭りが行われるのか?】台湾におけるランタンの深い意味

中華圏である台湾では、春節(旧暦元日)から数えて15日目にあたる「元宵節(げんしょうせつ)」に提灯を灯すという風習があります。これには吉祥や邪気払いの意味があり、その文化は台湾の人々に受け継がれてきました。

無数のランタンが夜空に浮かび上がるランタン飛ばしは、「天燈」と呼ばれる紙製のランタンに無病息災などの祈りを書き込み、火種を用いて熱気球と同じ原理で空に飛ばす儀式。一つ一つのランタンにそれぞれの想いや願いを込め、空高くへと放つのです。

もとは戦の際に通信手段として使用されていたランタンが、後に節句の祈祷儀式として使用されるようになったと言われています。

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【台湾の2大ランタン祭りとは】「平渓天燈節」と「台湾ランタンフェスティバル」

大規模なランタン祭りとして毎年多くの人が参加しているのが、「平渓天燈節(へいけいてんとうせつ))と「台湾ランタンフェスティバル」。どちらも旧正月15日の元宵節シーズン(2月頃)に行われ、無料で参加することができます。

「平渓天燈節」は、台湾の北側に位置する新北市東北部の平渓で行われる天燈上げ(ランタン飛ばし)イベント。無数のランタンが夜空を彩る幻想的な光景が最大の魅力です。

画像1: 【台湾の2大ランタン祭りとは】「平渓天燈節」と「台湾ランタンフェスティバル」

「台湾ランタンフェスティバル」は、世界中から多くの観光客が訪れる台湾最大規模の光の祭典で、その年のテーマを象った巨大なランタンをはじめ、何千個という色鮮やかなランタンが会場に飾られます。毎年開催場所は異なりますが、2025年は台湾桃園国際空港のある桃園市で開かれます。

画像2: 【台湾の2大ランタン祭りとは】「平渓天燈節」と「台湾ランタンフェスティバル」
画像3: 【台湾の2大ランタン祭りとは】「平渓天燈節」と「台湾ランタンフェスティバル」

【ランタン祭りへのアクセス】どちらの祭りに参加するにも、まず台北へ

「平渓天燈節」も「台湾ランタンフェスティバル」も、日本からの直行便が多い台北を拠点にすると良いでしょう。

台北は、日本からとてもアクセスしやすい都市。飛行機なら羽田空港から台北の空港まで約4時間、関西空港からは約3時間、福岡空港からならば約2.5時間で移動することができます。

台北を訪れるためには台湾桃園国際空港と松山空港、どちらかの空港を利用します。日本からの直行便の発着が多い台湾桃園空港から台北市内までは少し距離がありますが、地下鉄(桃園メトロ空港線)や路線バス、タクシーを使えば1時間以内に台北市中心部にたどり着くことができます。

画像: 台北市のほぼ中心にある台北駅

台北市のほぼ中心にある台北駅

【平渓天燈節】大規模なランタン飛ばしが行われるランタン祭り(十分)

夜空を彩る「ランタン飛ばし」はまさに絶景

画像1: 夜空を彩る「ランタン飛ばし」はまさに絶景

「平渓天燈節」の見どころは、なんと言っても夜空に放たれた無数のランタン。
願いを込めた幾つものランタンが風に乗り天に昇っていくその光景は、言葉を失うほど美しく、一生に一度は見ておきたい感動の絶景です。

この「ランタン飛ばし」は、無料で参加することができます。
参加するためには、朝10時から会場で配布される整理券が必要です。多くの人が整理券を求めて朝から並ぶため、必ず参加したいのであれば、余裕を持って早めの時間に会場を訪れましょう。(定員に達した時点で受け付けは終了します)

平渓天燈節でのランタン飛ばしは、なかなか味わうことができない貴重な体験です。ぜひ参加してみてください。

画像2: 夜空を彩る「ランタン飛ばし」はまさに絶景

近くで見られるだけで満足という方は、夕方までに会場入りすれば存分に楽しめます。

「平渓天燈節」の開催地、十分へのアクセス方法

平渓天燈節が行われるのは新北市平渓の十分(じゅうふん)という山に囲まれた小さな街。台北から十分へは、鉄道を乗り継いで行くのが一般的で、「台北駅」から台湾鉄道(TRA)に乗って「瑞芳駅」まで行き、そこから平渓線に乗り換えて「十分駅」を目指します。台北からの所要時間は1.5時間程度ですが、平渓線は1時間に1本程度と本数が少ないので注意が必要です。

天燈節当日は台北MRTの「動物園駅」から会場まで1時間程度で行けるシャトルバスも出ているので、鉄道の乗り換えに不安がある方はそちらを利用するのがおすすめ。台北駅からタクシーで直接現地に向かうこともできます。ただし、バス、タクシーは山道を走るため激しく揺れることも。乗り物酔いする方は薬を持参しておくといいでしょう。

日本からの移動時間を含めても数時間でたどり着くので、到着当日に現地へ移動する1泊2日の旅も可能です。

平渓天燈節

会場新北市平溪区十分
入場無料

イベント期間外にランタン飛ばしを体験したいなら十分へ

祭りにあわせて台湾に行くことができなくても、平渓天燈節の開催地「十分」駅や、同じ路線の「平渓」駅の近くではいつでもランタン飛ばし体験をすることができます。

街にはランタン飛ばしを扱うお店が複数あり、基本的にどの店も同等の内容なので、好きな雰囲気の店を選ぶといいでしょう。

ランタンの色は、赤:健康・安全祈願、黄:金運、青:仕事運、紫:勉強運・合格祈願、オレンジ:愛情運・結婚運、白:運気アップ、と願い事によって選ぶことができます。

画像: イベント期間外でも体験できる、十分のランタン飛ばし

イベント期間外でも体験できる、十分のランタン飛ばし

十分の街は線路ギリギリのところにたくさんの商店が並んでおり、線路の上などでランタンを飛ばします。

線路沿いには他にも土産店や屋台などがそろい、街の北側には「十分瀑布」という滝で知られる有名な観光スポットもあるので、祭りシーズン以外でも楽しめそうです。

【2025台湾ランタンフェスティバル】世界中から観光客が集まる光の祭典(桃園)

画像: 屛東市で行われた2019年の台湾ランタンフェスティバル

屛東市で行われた2019年の台湾ランタンフェスティバル

「台湾ランタンフェスティバル」は、1990年から毎年、元宵節の前後の期間に開催されている、台湾最大規模の光の祭典。その色鮮やかな世界をひと目見ようと、世界中から多くの人が集まります。

このランタンフェスティバルは毎年台湾内の選定地で行われており、2025年は2月12日(水)~2月23日(日)に、桃園市で行われる予定です。

画像: 2019年のフェスティバル会場

2019年のフェスティバル会場

画像: 2019年のメインランタンは「巨鮪来福」という巨大マグロ

2019年のメインランタンは「巨鮪来福」という巨大マグロ

台湾ランタンフェスティバルの最大の見どころは、「主燈」と呼ばれる巨大なランタンです。過去には、酉にちなんだ「鳳凰」(2017年)や、戌をモチーフにした「原住民の子供と台湾犬」(2018年)といった、その年の干支にあわせた作品が登場したことも。バリエーション豊かなメインランタンが来訪者を楽しませてくれます。

ほかにも、会場を埋め尽くすように飾られた数千個にもなる大小さまざまなランタンとイルミネーションが色鮮やかな光で街を彩り、開催期間中は各会場でさまざまなイベントが楽しめるほか、巨大な夜市のようにたくさんの屋台も出店しています。何を見るか決めずに会場を訪れるだけでも台湾の魅力を満喫できるでしょう。

近年では日本からもランタンが出展されていたり、日本のチームによる「よさこい」が披露されたりと、日本と台湾の交流も積極的に行われています。

画像: 2025年はどんなランタンたちが街を彩るのか。いまからそんな期待が膨らみます。

2025年はどんなランタンたちが街を彩るのか。いまからそんな期待が膨らみます。

台湾ランタンフェスティバルは規模が大きく、会場が幾つかに分かれています。

2025年にメインランタンとなる予定なのは、桃園市内の「高鐵桃園駅」周辺です。台北へのアクセスも良好なので、祭りと一緒に観光も楽しむのがおすすめです。

台湾ランタンフェスティバル

開催日2025年2月12日(水)~2月23日(日)
場所桃園市
入場無料
メインランタン会場高鐵桃園駅周辺

感動に出会える場所。それが台湾のランタン祭り

ご紹介した「平渓天燈節」と「台湾ランタンフェスティバル」は、毎年世界中からたくさんの観光客が訪れる、台湾を代表するイベントです。感動の景色を目にするだけではなく、実際に自分でランタン飛ばしを体験できるのも魅力。

冬はぜひ2つのランタン祭りに参加して、台湾の魅力を満喫してください。

画像提供:台湾観光局

初回投稿日:2019年1月17日
※2024年12月17日に一部内容を更新いたしました

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