何度訪れても、新しい魅力に出会える金沢。定番スポットを巡ったことがある人にこそ、次は少し違った楽しみ方をしてみてほしい――。定番スポットを巡っただけで、「金沢は知っている」と思っていませんか。この街には、名所を巡るだけでは気付けない奥深さがあります。女子ひとり旅にもおすすめの、歩いて巡れる2日間のモデルコースへ。グルメや街歩きを楽しみながら、この土地ならではの美意識や伝統、職人の手仕事に触れてきました。そんな"知っているつもりだった金沢"を、もう一歩深く知る旅です。
画像1: “知っているつもりだった金沢”が、もっと好きになる2日間。文化もグルメも楽しむモデルコース

西村 愛

2004年からスタートしたブログ「じぶん日記」管理者。47都道府県を踏破し、地域の文化や歴史が大好きなライター。
島根「地理・地名・地図」の謎(実業之日本社)、わたしのまちが「日本一」事典(PHP研究所)、ねこねこ日本史でわかる都道府県(実業之日本社)を執筆。サントリーグルメガイド公式ブロガー、Retty公式トップユーザー、エキサイト公式プラチナブロガー。

五十間長屋を望む特等席で、九谷焼を楽しむ「豆皿茶屋」

画像1: 五十間長屋を望む特等席で、九谷焼を楽しむ「豆皿茶屋」

まず向かったのは、金沢城二の丸御殿の復元作業が進められる金沢城公園。

今回、金沢城公園に来た目的は、石垣や兼六園ではありません。
お目当ては、公園内“鶴の丸休憩館”にある「豆皿茶屋」。
地域で親しまれるお寿司やお菓子を、九谷焼の豆皿で少しずつ味わえる人気のランチ「殿皿御膳」をいただくため。
色鮮やかな絵付けが特徴の九谷焼は、石川県を代表する伝統工芸。金沢を旅すると、お店や宿、カフェなど、さまざまな場所で自然と目にします。

画像2: 五十間長屋を望む特等席で、九谷焼を楽しむ「豆皿茶屋」

そんな器を、鑑賞するだけでなく実際に使いながら楽しめるのがこのお店。
快適な室内から五十間長屋をパノラマで見ることができる無料休憩所「鶴の丸休憩館」内にあり、モダンな和の空間で心地よい時間を過ごせます。

料理を彩る器は一枚一枚異なる表情を持ち、九谷焼らしい色彩豊かで気品あふれる美しさが印象的です。
金沢でよく食べられる鮭と鯛の「笹寿司」。締めた魚に昆布が添えられていて、北陸らしい味わいです。
“はちまんさん”と呼ばれる、加賀の郷土玩具をモチーフにした「加賀八幡起上もなか」や、ドライフルーツを羊羹に仕立てた「金澤文鳥」といった人気のおみやげも盛り込まれています。

市内の「メープルハウス」のロールケーキも。この時期は旬のいちじくロールが登場し、思いがけないご褒美ランチになりました。

画像3: 五十間長屋を望む特等席で、九谷焼を楽しむ「豆皿茶屋」

石川県内で親しまれる「加賀棒茶」の、香ばしい香りにほっと一息。山中塗の膳が、食事の時間をより豊かなものにしてくれます。

画像4: 五十間長屋を望む特等席で、九谷焼を楽しむ「豆皿茶屋」

窓の外には五十間長屋。
地域の味と美意識に触れながら、「食べる」だけではなく「器も一緒に楽しむ」。
観光地のすぐ近くで、そんなひとときを過ごせるスポットです。

画像5: 五十間長屋を望む特等席で、九谷焼を楽しむ「豆皿茶屋」

豆皿茶屋

住所石川県金沢市丸の内1 鶴の丸休憩館内
営業時間11:00~16:00
定休日なし
WEBhttps://www.instagram.com/mamezarachaya/

歴史ある神社をもっと身近に。かわいさに癒やされる「石浦神社」

画像1: 歴史ある神社をもっと身近に。かわいさに癒やされる「石浦神社」

金沢城公園から歩いて数分。金沢21世紀美術館のすぐ近くまで来ると、立派な石造りの鳥居が見えてきます。
観光の定番エリアにありながら、静寂漂う神社。気軽に立ち寄れる立地でありながら、金沢最古級とも伝わる歴史と由緒がある「石浦神社」です。

画像2: 歴史ある神社をもっと身近に。かわいさに癒やされる「石浦神社」

境内は端正な意匠が美しい拝殿、向かって左には赤い鳥居が並ぶ稲荷神社などがあります。
そんな中でもこの神社を語るうえで欠かせないのが、愛らしいキャラクター「きまちゃん」。お守りや御朱印、おみくじなどにも登場し、厳かな神社をぐっと親しみやすい存在にしています。

お守りやおみくじに描かれるのはカラフルな水玉模様。何事も円満に進むよう願いを込めた「円」を表した縁起のよいデザインです。さらに、神道で「猪の目(いのめ)」と呼ばれるハート形の文様も使われ、かわいらしさの中に古くから伝わる意味が息づいています。

「参拝の作法は難しそう」と感じる人でも、自然と足を踏み入れたくなる雰囲気があり、帰る頃にはどこか心までやわらかくなるような気持ちに。
歴史を守りながら、今の人が親しみやすい形へとアレンジする。その上手さこそ、金沢というまちの魅力なのかもしれません。

石浦神社

住所石川県金沢市本多町3-1-30
WEBhttps://www.ishiura.jp/

“買う”から“知る”へ。加賀麩の「不室屋」と和菓子の「森八」老舗めぐり

土地に受け継がれる食文化を楽しみながら感じる旅。
加賀麩の「不室屋」と、加賀藩御用菓子司「森八」を訪ねました。

まずは近江町市場から目と鼻の先にある「不室屋尾張町本店」へ。

金沢土産の定番として親しまれている、不室屋の「宝の麩」。色とりどりの加賀麩や具材が入り、お湯を注ぐだけで華やかなお吸い物が完成する人気の商品です。
ここでは、お吸い物最中を自分好みに作る体験ができるんです。

画像1: “買う”から“知る”へ。加賀麩の「不室屋」と和菓子の「森八」老舗めぐり

用意された彩り麩(花麩)や具材を自由に選び、最中の中へ詰めていくだけなので、小さな子どもでも楽しめる気軽さも魅力。
不室屋の彩り麩は、やさしい色合いなのに華やか。料理になじむ美しさがあります。

画像2: “買う”から“知る”へ。加賀麩の「不室屋」と和菓子の「森八」老舗めぐり

あおさのり、ゆば、加賀れんこんなどもあって、具材の種類の豊富さと麩のかわいさで思わず目移り。昆布だしだけでなく味噌やコンソメスープにもできて、最中の形も選べます。

最中の中にきれいに詰め込んだら、最中の縁に軽く水分を含ませ、あわせます。
最後はシールを貼って仕上げ。これによりグッと増す完成度!
まるで店頭に並ぶ商品のような仕上がりに出来上がり、大切な人へのお土産にもぴったりです。

画像3: “買う”から“知る”へ。加賀麩の「不室屋」と和菓子の「森八」老舗めぐり

続いては、和菓子の老舗として親しまれている「森八本店」へ。

画像4: “買う”から“知る”へ。加賀麩の「不室屋」と和菓子の「森八」老舗めぐり

日本三大和菓子どころ・金沢の中で最も古い和菓子屋として400年以上の歴史を持つ森八。
こちらでは、代々受け継がれてきた和菓子の“木型”を一般公開しています。
森八本店2階にある「金沢菓子木型美術館」です。

画像5: “買う”から“知る”へ。加賀麩の「不室屋」と和菓子の「森八」老舗めぐり

菓子木型は、自然を表現する和菓子にとって、花や草木の木型は菓子職人の技をさらに引き立てるものとして重要な道具です。
木型職人の繊細な技術と、長年使い込まれてきた木型ならではの味わいを一度に見ることができます。

またお祝いの席のもてなしのため、森八に発注された特別な渋紙や、桃の節句に欠かせない縁起ものである「金花糖」の大きな鯛の型の展示もあります。

2階の喫茶を利用すると、喫茶代金に美術館入館料が含まれているのでお得です。
喫茶「森八茶寮」では、創業400年を記念し考案されたメニュー「伝統」がおすすめ。
人気の和菓子3種が盛り込まれ、抹茶と共に味わえます。
代表的なお菓子「長生殿」、糸で切るのが楽しい「千歳」、また、自然の味わいを感じられる「羊羹」と、満足度高いプレートです。

特に寛永年間(17世紀)より愛され続ける「長生殿」は、きめ細かな口どけで、舌にのせた瞬間にすっと溶けていきます。時代や用途によって使い分けられた木型を思い出しながら味わうと、そのひと口にも歴史の重みが伝わります。

窓の外の緑が心地よく、ゆったりと過ごしたくなるカフェでした。

画像6: “買う”から“知る”へ。加賀麩の「不室屋」と和菓子の「森八」老舗めぐり

加賀麩と和菓子。どちらも体験を通して触れたことで、金沢の伝統がぐっと身近に感じられた1日でした。翌日も、気軽に触れられる体験を通して、暮らしの中に受け継がれる魅力を巡ります。

不室屋 尾張町本店

住所石川県金沢市尾張町2-2-18
営業時間9:30~17:30
定休日なし
〔お吸い物最中 手づくり体験〕
午前の部…9:30~11:30(受け付け締切10:30)
午後の部…14:00~16:00(受け付け締切15:00)
予約不要
WEBhttps://www.fumuroya.co.jp/

森八本店

住所石川県金沢市大手町10-15
営業時間9:00~18:00(茶寮・美術館は17:00まで)
定休日年中無休、1月1日・2日のみ休業
WEBhttps://www.morihachi.co.jp/

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