いつの間にか、旅行のたびに同じアイテムを探していたり、ついテーマを決めて集めていたり。旅好きなら、気づかないうちに始めている人も多いはず。旅の余韻を日常に持ち帰りながら、次の旅を思い描く時間も楽しめる「旅コレクション」。始め方のアイデアや、楽しみを広げるヒントをご紹介します。
旅をもっと楽しむ習慣「旅コレクション」

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マグネットやポストカードなど、旅先で出合ったものを少しずつ集めていく楽しみ“旅コレクション”。特別なルールはなく、「これを集めたい」と決めるだけで、旅先での行動や視点が少し変わってきます。
次の旅では何を探そうか、と考える時間も旅の一部。街歩きの途中で立ち寄る店が増えたり、これまで素通りしていた場所に目が向いたりと、旅の過ごし方にも自然と広がりが生まれます。
集めたアイテムが増えていくほど、訪れた土地や時間が点ではなく線でつながっていくのも魅力のひとつ。気負わず、自分のペースで続けられるのが、旅コレクションのいいところです。
旅コレクションを長く楽しむための3つのポイント
いざ始めようと思っても、「何をコレクションすればいいの?」と迷う方のために、長く楽しく続けられるコレクションアイテムを選ぶための3つのポイントをご紹介します。ただ、旅コレクションは“自分が好きなもの”を集めるのが一番なので、ルールを決めすぎずにゆるく楽しむのがおすすめです。
① 持ち運びやすく、しまいやすいものを選ぶ

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旅先で手に入れたものは、まず自宅まで持ち帰ることが前提になります。移動中に負担にならず、帰宅後も気軽に保管できるものを選ぶと、集めるハードルがぐっと下がります。
例えば、ポストカードやステッカーのように軽くてかさばらないアイテムは、いくつ増えても困りにくく、旅先でも気軽に集めやすい存在です。また、壊れやすかったり、使い切ったりしてしまう消耗品より、手元に残り続けるものを選ぶのも、長く楽しむためのコツです。
② どの旅先でも出合いやすいものを選ぶ

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コレクションは、続けられてこそ楽しさが広がります。国内・海外を問わず、どんな旅先でも見つけやすいアイテムを選んでおくと、旅のスタイルが変わっても同じテーマで集め続けることができます。
例えばマグネットのように、お土産の定番で、世界中で出合えるものなら、「見つかるかな?」と気にしすぎることなく、旅そのものを楽しめるはずです。
③ 集めたあとの楽しみ方を想像できるものを選ぶ

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旅コレクションは、集めて終わりではありません。部屋に飾ったり、日常の中で使ったり、ノートやファイルにまとめたりと、手元に残したあとも楽しめるものを選ぶことで、旅の記憶はより長く続いていきます。
スタンプやチケットのように記録として残せるものは、振り返ったときに「いつ、どこへ行ったのか」が自然と思い出せる、自分だけの旅の記録にもなってくれます。
【タイプ別】旅コレクションのアイデア20選
コレクションのアイデアは無限大ですが、ここでは旅のスタイルに合わせて始めやすい20のアイデアを3つのタイプに分けてご紹介します。気になるものから、無理なく取り入れてみませんか?
〈タイプ01.〉 モノを決めて集めるコレクション

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まずは、集めるアイテムを一つ決める定番スタイル。どの旅先でも同じ目線で探せるため、旅コレクション初心者にもおすすめです。
| ポストカード | 自分用お土産の大定番。どこに行っても手に入りやすく、かさばらないためコレクションのしやすさは抜群。切手を貼って自分宛に送れば、帰国後の楽しみにも。 |
|---|---|
| マグネット | 旅行土産の定番アイテム。国や地域ごとの個性がデザインに表れやすく、冷蔵庫やマグネットボードに貼るだけで旅先を思い出せる。国名入りを選べば、購入地がひと目でわかる。 |
| ステッカー | 小さくて軽く、気軽に集めやすいアイテム。PCやスーツケース、ノートなどに貼れば、日常の中で「見せる」旅コレクションとして楽しめる。 |
| 切手 | 小さくてかさばらず、デザイン性の高いものが多いのが魅力。国ごとの文化やモチーフが凝縮されており、ファイルにまとめて眺めるのも楽しいコレクション。 |
| バッジ | かさばらず、デザインの幅も広いお土産。バッグや帽子につければ、旅の思い出をさりげなく身につけられる。国や都市名入りを選ぶと、コレクション感も出やすい。 |
| コースター | 外食した際に手に入れやすく、その土地の日常が感じられる。軽く持ち帰りやすいのもポイント。店名やデザインから、訪れた場所の雰囲気を思い出せる。 |
| ビールの王冠 | 国や銘柄ごとにデザインが異なるのが魅力。小さくてかさばらず、数が増えても保管しやすい。並べると旅先の食文化やローカル感が伝わるコレクションに。 |
| 小皿 | 食器類は敬遠しがちだが、小皿なら比較的持ち帰りやすく、日常使いもしやすい。食卓に並ぶたびに旅を思い出し、数が増えても扱いやすい。 |
| ハンカチ | 軽くて持ち帰りやすく、実用性も高い優秀なお土産。柄や刺繍に土地柄が出やすく、性別や季節を問わず使えるのも魅力。 |
| キーホルダー | 種類が豊富で、旅先ごとの個性が出やすい定番アイテム。鍵やバッグにつけて持ち歩けるため、日常の中で旅を感じやすいコレクション。 |
| 現地のお金 | 紙幣やコインにその国らしさが凝縮されたアイテム。使わずに保管するだけでも旅の記念になり、並べるとデザインや価値観の違いが見えてくる。 |
| お守り | 旅先での思い出とともに、願いも持ち帰れるアイテム。小さくて持ち帰りやすく、旅の記念としても残しやすいのが魅力。 |
〈タイプ02.〉 テーマを決めて集めるコレクション

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モチーフやルールを決めて集めるスタイルは、旅先での「探す楽しさ」をより深めてくれます。同じテーマで集めることで、国や地域の特徴を感じやすく、コレクションに自分らしさが出やすいのも特徴です。
| 特定の動物モチーフのもの | ネコやクマなど、定番の動物を一つ決めて集める方法。国や地域によって表情やデザインが大きく異なり、見比べるのが楽しいテーマ。民芸品から雑貨まで幅広く見つかる。 |
|---|---|
| 特定の色のもの | 「青」「赤」など色を決めるだけで、集めたときに統一感のあるコレクションに。写真映えもしやすいテーマ。 |
| 特定の柄のもの | 見つけやすい花柄やチェック柄、土地柄が出やすい民族柄など、その国や地域の文化・歴史を感じられる。地域性が色濃く表れる。 |
| ご当地キャラクター | 「ゆるキャラ」などテーマを決めると、その土地ならではの個性やユーモアが詰まったキャラクターアイテムが集まる。旅先の雰囲気を思い出しやすいのもポイント。 |
〈タイプ03.〉 旅の記録そのものを集めるコレクション
モノを買うだけでなく、旅の体験をそのまま残すスタイル。あとから振り返ったとき、そのときの空気や出来事まで思い出せます。

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| テーマ写真 | 標識やポスト、マンホール、スーパーなど、特定のテーマを決めて写真に収めるだけでコレクションに。食品などの消耗品でも、パッケージを写真に収めれば記録に残せる。撮り続けることで、その土地の日常や雰囲気が自然と記録に残る。 |
|---|---|
| チケット /入場券 | 訪れた場所や旅の流れがひと目でわかる記録。ノートやスクラップブックにまとめると、旅程を振り返りやすくなる。 |
| レシート | 食事や買い物の記録として、旅のリアルな記憶を残せるアイテム。海外のレシートは文字や通貨だけでも特別感がある。 |
| パンフレット /観光マップ | ルートや感想を書き込めば、自分だけの旅ノートに。あとから見返す楽しみも広がり、資料性の高いコレクション。 |
コレクションを「見せる・活かす」アイデア
旅コレクションは、集めて終わりではありません。部屋に飾ったり、日常の中で使ったりすることで、旅の思い出はもっと身近なものになります。しまい込まずに「見せる・活かす」ひと工夫で、旅の余韻を日常の中でも楽しめます。
部屋に飾って、旅の記憶をインテリアに

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マグネットやポストカード、写真などは、飾り方次第で立派なインテリアになります。冷蔵庫や壁面、コルクボードなどを使って並べてみるのがおすすめ。集めてきたアイテムを眺める時間そのものが、次の旅を考えるきっかけにもなります。
ファイルやノートで「振り返る楽しみ」をつくる

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切手や現地のお金、チケット、レシート、パンフレットなどは、専用のファイルやスクラップブックにまとめるのがおすすめです。日付や場所、ひとことメモを書き添えておけば、あとから見返したときに、その旅の出来事や気持ちまで自然と思い出せます。旅の記録を整理する時間も、旅の一部として楽しんでみてください。
日常使いして、ふとした瞬間に旅を思い出す

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小皿やスプーン、ハンカチ、キーホルダーなどは、日常で使うことでこそ魅力が活きるアイテム。ステッカーをPCやノートに貼ったり、小皿をアクセサリートレイとして使ったりすると、何気ない日常の中でふと旅を思い出す瞬間が生まれます。特別な時間だけでなく、暮らしの延長線上で旅を感じられるのも、旅コレクションの楽しさです。
無理せず、自分のペースで
きれいに飾ることや、完璧に整理することが目的ではありません。「今は箱にまとめておくだけ」「気が向いたときに並べ替える」など、自分に合った形で続けることがいちばん大切。旅コレクションは、あなたの旅と日常をゆるやかにつなぐ存在です。
編集部メンバーが実際に集めている旅コレクション
旅コレクションは、人それぞれ個性が出ます。ここでは、OnTrip JAL編集部のメンバーが実際に旅先で集めているコレクションをご紹介します。「こんな集め方もあるんだ」と、次の旅のヒントにしてみてください。
ネコモチーフグッズ

編集部K「ネコを飼っているので、旅先でもついついネコグッズを集めてしまいます。国内であればカプセルトイも見つけると回していて、小さいフィギュアのネコが日々増加中です(笑)」

インドネシア・バリ島で見つけたカレンダーの置物。色の使い方やネコの表情が日本であまり見ないのがお気に入り。

旅行中に観戦したロサンゼルス・ドジャースのミニヘルメットは球場グルメで、アイスクリームが入っていたもの。ジャストサイズだったので被せて飾ってます!
アクセサリー

編集部H「旅先では、アクセサリーを探すのが楽しみです。アクセサリーショップや教会、お土産物屋などで、その土地の工芸や文化に触れられる一点に出合えます。帰ってからは、日々のコーディネートに合わせて使い分け。色や質感、首元の開きや袖のバランスで選ぶ時間が、朝のちょっとした楽しみになっています」

ユーロ圏の旅で集めた1ユーロ硬貨。国ごとに裏面の絵柄が違うのですが、ユーロ圏内ではどの絵柄も流通しているので、狙っているものに出合うのに苦労しました。旅行中はおつりをもらうたびにチェックし、ようやく見つけた一枚を日本の工房でネックレスに仕立ててもらいました。

パリで出合ったYSLのネックレス。ヴィンテージの洋服に使われていたボタンを選び取り、アクセサリーへと生まれ変わらせる作り手の手法に惹かれて迎え入れました。
てぬぐい

編集部A「国内旅行に行ったときに、思わず手に取ってしまうのがてぬぐい。登山に行った際によく見つけるほか、道の駅や水族館などでも手に入るんです。ご当地モチーフがデザインされていてかわいい!」

屋久島に行った際に見つけた刺繍てぬぐい。ゆるいヤクザルやヤクシカに一目惚れしました。

新潟の水族館・マリンピア日本海に行ったときに見つけたもの。アザラシの総柄がお気に入り。
マグネット

編集部M「定番マグネットを国内・海外問わず集めています。よくある長方形の薄いマグネットだけじゃなくて、陶器でできていたり、形がおもしろいものも集めてバラエティ豊かなコレクションにしています!一つの旅先でも、気に入ったものがあれば2個3個買ってます(笑)」

ビール瓶型のマグネット。ミニチュアフィギュアみたいでお気に入りです。

写真と一緒に飾っていることもあります。これはエジプト旅行ゾーン。写真とマグネットで組み合わせてレイアウトするのが楽しい。
クマモチーフグッズ

編集部N「なんとなく昔からクマが好きで、クマモチーフのグッズを集めています!特に置物が多くて、普段は家中のいろんなところにインテリアとして置いています。旅先のインテリアショップや工芸店でよく見つけています」

木彫りのクマをリメイクしている作品。ポップな色合いとなんとも言えない顔がツボです。

張り子のキーホルダー。民芸品らしさと今っぽさが絶妙で即決しました。
バッグ

編集部S「旅先では、バッグやポーチに自然と目がいきます。ミュージアムのショップやお土産物屋、デパートなど、見つけたら素材やサイズ、色合いをつい確かめてしまうんです。デザインが素敵な紙袋に出合うと、丁寧にたたんで持ち帰ることも。帰ってからは気分で使い分けるのが楽しみで、“今日はどれにしよう”と選ぶ時間も旅の続きのように感じています」

一番印象に残っている、ベトナムのカバン屋さんのバッグ。色や形のバリエーションが豊富で、ゆっくり時間をかけて選んだこと自体が、旅を豊かにしてくれた思い出です。

左からタイ、ベトナム、マカオで購入。ベトナムの無印は日本にはないアイテムもありました。
ショットグラス

編集部B「海外旅行に行った際に集めているショットグラス。素材やデザインが場所によって全然違うので、その土地の個性を感じられて、並べて置いているだけで思い出を振り返れます!」
コレクションは「次の旅へのパスポート」
旅コレクションは、単なるお土産集めではありません。旅先での時間や出合いを、自分なりの形で日常に残しておくための習慣です。コレクションを眺めるたびに、次の旅へのワクワク感が湧き上がってくるかもしれません。
本記事を参考に、自分だけの旅コレクションを始めてみませんか。日常と旅をつなぐそのコレクションは、きっと次の旅へのパスポートになってくれるはずです。
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