2024年に就航予定のJAL新機材・エアバス「A350-1000」は、まず長距離の羽田‐ニューヨーク路線からデビューします。真新しい機体には、世界最高峰を目指した最新の客室仕様が備わります。そこでご提供するサービスもまた、新たに生まれ変わりました。開発担当者が心血を注いで刷新したJAL国際線の新サービスをご案内します。

JALの国際線新機材、エアバスA350-1000には、まったく新しい客室仕様が与えられました。生まれ変わったのは、シートやインテリアだけではありません。機内食や機内エンターテインメント、機用品などの機内サービス全般もリニューアルしたのです。

画像: JAL国際線新機材 A350-1000の機内食、機用品、寝具…最高を目指した新サービスの数々

開発にあたっては3つのテーマが掲げられました。お一人おひとりに合ったサービスを提供する「空のコンシェルジュサービス」、思いと効果をわかりやすく伝える「お客さまと共に創るサステナブルな体験」、テクノロジーで新しく多様な選択肢を提示する「最上のやすらぎとくつろぎ」。これらの要素は、機内サービスの随所に盛り込まれています。

機内食のラインナップを拡充し、お客さまの選択肢の幅が広がります

吉田「なかでも機内食は、『空のコンシェルジュサービス』『お客さまと共に創るサステナブルな体験』を踏まえて開発を進めてきました。お食事や飲み物のラインナップを拡充し、お客さまのお好みや過ごし方に合わせて選択できるサービスを順次開始します」

画像: 機内食のラインナップを拡充し、お客さまの選択肢の幅が広がります

こう語るのが、商品・サービス開発部の吉田佳織です。本記事では、拡充されるサービスの一部をご紹介いたします。

ヴィーガン・ベジタリアンメニューに加え、機内すべてのお食事にひと工夫

画像1: ヴィーガン・ベジタリアンメニューに加え、機内すべてのお食事にひと工夫

吉田「外国からのお客さまがますます増えていくなか、日本発のファーストクラスとビジネスクラスでは、ヴィーガンメニューやベジタリアンメニューを刷新。『No Code』でオーナーシェフを務め、ヴィーガン料理に造詣が深い米澤文雄氏が監修します。普段、通常のお食事をお召し上がりになるお客さまにも、スパイスの魅力溢れる、高品質でヘルシーなヴィーガン・ベジタリアンメニューをお試しいただきたいです。

画像2: ヴィーガン・ベジタリアンメニューに加え、機内すべてのお食事にひと工夫
画像3: ヴィーガン・ベジタリアンメニューに加え、機内すべてのお食事にひと工夫

プレミアムエコノミー、エコノミークラスのお食事では、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」上位入賞シェフとのコラボレーションを継続します。また環境に配慮された「未来の食材50」を積極的に取り入れつつ栄養素にも着目。おいしいだけでなく、栄養素や食べ合わせなども工夫したWell-beingな機内食をお楽しみください。

また、プレミアムエコノミー・エコノミークラスで有料機内食のサービスも始まります。大切な方との旅の思い出や、自分へのご褒美など、機内で少しリッチなお食事の時間をお過ごしになってはいかがでしょうか。

加えて、機内食のみならず、ビジネスクラスでご利用いただける機内のバーカウンターもリニューアル。

「現在もご好評いただいておりますセルフバーコーナーですが、お飲み物を更に最適な温度でお召し上がりいただけるようChiled Space(冷蔵庫)を設置します」と続けるのが、同部の鈴木満美子です。

画像4: ヴィーガン・ベジタリアンメニューに加え、機内すべてのお食事にひと工夫

鈴木「バーカウンターは、お客さまが機内でより自由にお過ごしいただけるひとつの要素であると思います。見た目にも美しく、またお手に取りやすくディスプレイされたカウンターにお立ち寄りいただき、ドリンク等と共に客室乗務員との会話もお楽しみください」

全席4Kを実現。生まれ変わった機内エンターテインメント

そして、機内食サービスをご注文いただける全席4Kの高精細な機内モニター(機内エンターテインメント)もリニューアルを遂げます。

画像1: 全席4Kを実現。生まれ変わった機内エンターテインメント

賀來「今回導入するのは、次世代機内エンターテインメントシステムというまったく新しいシステムです。これまでの機内モニターは映画や音楽を再生するためのものでしたが、これはお客さまが機内で過ごす時間に寄り添うためのデジタルツールです。また地上のシステムとデータ連携したり、新コンテンツを次々に導入したりできるのです」

画像2: 全席4Kを実現。生まれ変わった機内エンターテインメント

こう語るのが、同部の賀來萌葉です。機内エンターテインメントは、一度導入すると最低10年は同じシステムを使い続けることになり、従来のモデル末期には操作やインターフェースのデザインに古めかしさを感じるケースもありました。しかし新システムではアップデートを重ねることで、お客さまのご要望に合ったメディア環境をご提供できるのです。

賀來「お楽しみいただけるコンテンツも拡張します。JALの国際線では初となるライブTVでは、リアルタイムでテレビチャンネルをご覧いただけるほか、機外カメラや文字ニュース、さらに電子書籍を増量し、雑誌や外国語のコンテンツも取りそろえます。お子さま向けには、恐竜が表示されるかわいいキッズマップ機能などもあります」

画像3: 全席4Kを実現。生まれ変わった機内エンターテインメント

「空のコンシェルジュサービス」の一環として、機内サービスをタイムライン表示するほか、JALからのオススメ、お客さまの視聴履歴、関連作品といったコンテンツのレコメンド機能も充実。スマホのJALアプリから、機内で視聴したいコンテンツをご搭乗前にブックマークしておくことも可能です(2024年春~)。さらに、乗り継ぎの情報や、お誕生日のお客さまにはバースデーメッセージを表示します。

また、多様なお客さまに分かりやすくご利用いただけるよう、対応言語数を15言語に拡大。画面拡大・色補正など、多様な視覚サポート機能も開発しました。

音質にもこだわりましたが、お手持ちのBluetoothイヤホンなどもご利用いただけます

賀來「エコノミークラスからファーストクラスまで、4Kディスプレイを導入しました。ファースト・ビジネスクラスでは、シートからモニターまで距離があるため、別途コントロール用にタッチパネル付きのハンドセットをご用意。AC電源やUSB Type-A/C充電にも対応します。さらに音の選択肢にもこだわり、ファースト・ビジネスクラスでは世界初、ヘッドレストに高品質なヨーロッパ製のスピーカーを導入。従来のヘッドセットも、より品質の高いものをご用意します。また、全クラスでBluetoothオーディオに対応します。有線用のヘッドホンジャックも備え、お客さまご自身が使い慣れたイヤホンやヘッドホンをご利用いただけます」

画像1: 音質にもこだわりましたが、お手持ちのBluetoothイヤホンなどもご利用いただけます
画像2: 音質にもこだわりましたが、お手持ちのBluetoothイヤホンなどもご利用いただけます

現在、開発チームは騒音環境下でのヘッドレストスピーカーの音響チューニングを進めています。

賀來「分かりやすいデザインとJALらしいブランド感を反映しながら、お客さま視点で嬉しい工夫を最大限詰め込み、今できるベストなものをご用意したと自負しています。パナソニック アビオニクスコーポレーション(米国)と共にシステムを開発しているのですが、ハードとソフトの両面でこれだけの機能を盛り込んだ開発は初めてだとおっしゃっていました。そして機能もさることながら、サービスを支える運用も大事です。運用フローも設計し、常にお客さまに寄り添った快適な環境をご提供していきます」

睡眠環境の向上。寝具の仕様の見直しとビジネスクラスへのリラクシングウェアの初導入

お食事と機内エンターテインメントをご堪能いただいたら、これまで以上にくつろいでお休みいただけることも、今回のリニューアルの特徴です。機用品を担当した商品・サービス企画本部の岡澤賢哉は、睡眠環境の向上に自信を覗かせます。

画像1: 睡眠環境の向上。寝具の仕様の見直しとビジネスクラスへのリラクシングウェアの初導入

岡澤「ファーストクラスではシートが広くなり、ベッドポジションにしたときにも、広くお使いいただけるようになります。これに合わせて、ご好評いただいてきたエアウィーヴマットレスをベッドサイズに合わせてリニューアルしました。これまで通り、客室乗務員が、お客さまのご希望に合わせてベッドメイクを施します。一方ビジネスクラスでは、エアウィーヴマットレスに加えて新たな選択肢をご用意しました。シート自体に体圧分散構造のクッションを採用しており、新たに導入する吸湿速乾性に優れたベッドパッドを広げていただければ、より快適にお休みいただけることと思います」

画像2: 睡眠環境の向上。寝具の仕様の見直しとビジネスクラスへのリラクシングウェアの初導入

ファーストクラスでは、以前よりオーガニックコットン100%のリラクシングウェアをS/M/Lの3サイズご用意し、お客さまのご希望されるサイズをご提供してきました。一方ビジネスクラスでは、これまでは脱がれた衣服を収納する場所がなかったため、リラクシングウェアの提供は行わず、カーディガンの貸出サービスのみ行っていました。A350-1000では各シートに扉の付いたワードローブが備わることになり、この課題が解決、リラクシングウェアの貸し出しサービスを開始することとしました。

岡澤「ビジネスクラスは座席数が多く、お客さまに合わせてサイズを変えてご提供することが困難であるため、ワンサイズでの対応を前提とする必要がありました。また、座席でお着替えになるお客さまがいらっしゃることを想定し、衣服の上から着用した後に着ていた衣服をお脱ぎいただくことができるよう、プルオーバー型のローブスタイルの仕様とすることにしました。素材にも拘り、老舗タオルメーカーのUCHINO(内野株式会社)が商標と特許を有する『エアリータッチ』という素材を採用しました。パイルを極限まで短く織り上げた超極薄のタオル素材で、薄く軽くやわらかく、保湿性と吸水性、通気性にも優れているのが特徴、まるで空気を纏っているような着心地です。もちろん、これまでご好評だったカーディガンも、引き続きお声がけいただければ、お貸し出しが可能です」

またプレミアムエコノミークラスでは、植物由来の素材を使用した、柔らかく、ハリのある新感触のクッションを採用します。

「ヘラルボニー」との共創、サステナブルの取り組みを深化させたアメニティキット

岡澤「『異彩を、放て。』をミッションに掲げる福祉実験カンパニー『ヘラルボニー』の契約作家のアートをポーチのデザインに採用したアメニティキットをご用意します。ファーストクラスではZERO HALLIBURTONの外装に、契約作家のアートを内張りに施した世界で唯一無二のコラボレーションが実現したポーチを、ビジネスクラスでは作家6人の個性が輝く6種のポーチをランダムにご提供します」

画像1: 「ヘラルボニー」との共創、サステナブルの取り組みを深化させたアメニティキット

岡澤「ポーチの中のアイテムも見直しました。ファーストクラスでは、株式会社夢職人のご協力の下、同社の『水で磨く歯ブラシ”MISOKA”』を石化由来プラスチックを使わないJALオリジナル仕様にて導入します。繰り返しの使用に耐えられますので、ぜひお持ち帰りになって使っていただきたいです。ビジネスクラスでは、スマホやタブレットの充電に使えるケーブル(USB Type-CとLightning対応)のほか、タブレットの横置きにも対応できるスマホスタンドを採用しました」

画像2: 「ヘラルボニー」との共創、サステナブルの取り組みを深化させたアメニティキット

岡澤「また、ファーストクラスでは、ポーチを包む袋に再生PET100%の素材を採用、ヘアブラシは麦わらと再生プラスチックの混合素材を使用、ビジネスクラスではポーチを包む袋を廃止して紙帯を採用、歯ブラシに含まれる石油由来素材を53%削減(植物由来素材35%+スリム化18%)、スマホスタンドは炭酸カルシウムを51%含有する素材を使用、そして両クラス共に、各アイテムを包む袋は石油由来のプラスチックから紙素材に変更するなど、サステナブルに拘ったアメニティキットが完成しました」

A350-1000のサービスは、JALが磨いてきた価値の到達点です

国際線のサービスは、多岐にわたります。お好みの機内食を召し上がっていただきながら、封切り直後の映画や豊富なジャンルの音楽に浸っていただくことも。空いたお時間をビジネスにご活用いただけるほか、読書もお楽しみいただけます。お休みの際には、背もたれを倒しておくつろぎいただけるのです。

画像: A350-1000のサービスは、JALが磨いてきた価値の到達点です

多彩な時間を過ごせる国際線の長時間のフライトを、ただの移動ととらえていただくのは、もったいないことです。趣向を凝らしたサービスの数々は、フライトを豊かな時間にしていただくためのお手伝い。JALはそのように定義し、サービスを磨いてきました。そのひとつの到達点が、A350-1000の新仕様なのです。

※2023年11月22日に一部内容を更新いたしました

JALの舞台裏

A350導入の裏話や機内食のメニュー開発など、JALの仕事の舞台裏を紹介します。

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