アンバーとも呼ばれる「琥珀」は、太古の松や杉などの天然樹脂が化石化した有機物。古いものであれば6000万年前の樹脂が結晶化してできた琥珀も発見されており、自然が生み出す神秘的な石です。
産地でいうとバルト海沿岸の琥珀が有名ですが、日本でも古くから岩手県久慈市で産出されており、お土産としても人気を集めています。

本記事では、そんな琥珀の意味や効果、種類などについてご紹介。岩手を旅した際には、この記事を参考に琥珀を探してみてはいかがでしょうか。

琥珀(アンバー)の意味と石言葉とは?

提供:日本パワーストーン協会

琥珀には、以下の3つの石言葉があります。それぞれの意味について詳しく解説していきます。

〈琥珀の石言葉〉

  • 抱擁
  • 長寿
  • 繁栄

抱擁

「抱擁」という石言葉は、古くから薬として利用されるほどヒーリング力が高く、日頃のストレスや緊張から解放してくれるという琥珀の効果と関連します。

琥珀を持つことで、その石が経てきた悠久の時に包まれるような大きな優しさ、暖かさを感じることができるでしょう。これがまさに「抱擁」という石言葉につながります。

ネガティブな思想や出来事に対しての浄化率が高いので、持ち主を心身から美しい自然体へと導いてくれるはずです。

長寿

長い年月をかけて樹木や太陽のパワーを取り込みながら形づくられた琥珀には、「長寿」の意味も込められています。

ポジティブな波動を発するこの石は、持ち主をプラスのエネルギーで満たす観点から、生命力を支えるともいわれます。加えて、木々が二酸化炭素を吸って酸素を吐き出すのと同じように、樹脂でできた琥珀にも、心身のエネルギーを穏やかに循環させる特徴があります。

古代ペルシャでは、不死身のパワーをチャージできるお守りとして、国王が琥珀を身につけていたという逸話も。体の不調や疲労感を労るパワーストーンとしてもおすすめです。

繁栄

琥珀には、「繁栄」の意味もあるとされています。

琥珀は大地や太陽などの壮大なパワーをもち、持ち主の気持ちや体力を活性化。すこやかな明るいパワーで満たし、成功へと導く手助けをしてくれるでしょう。

対人関係に悩んでいるときや、仕事において迷いがあるとき、琥珀を身につけると解決のきっかけとなり、より良い将来へとつながるかもしれません。

琥珀(アンバー)が持つ効果 3選

画像: iStock/ K-Angle
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はちみつのような透明感のある黄金色が魅力的な琥珀。どこか懐かしさを感じる温かみがあり、「太陽のしずく」と呼ばれるほどの華やかな見た目の通り、明るくすこやかなエネルギーをもつ石です。

そんな琥珀はパワーストーンとしても知られ、以下のような効果を持っているとされています。それぞれ見ていきましょう。

〈琥珀のもつ意味や効果〉

  • 持ち主を癒す
  • ポジティブさを取り戻す
  • 財運を安定させる

持ち主を癒す

琥珀は、古くから心身を浄化し癒しへと繋げる効果をもつと考えられ、「ヒーリングストーン」として重用されてきました。
心身に不要なエネルギーを体の外へ排出し、新鮮で明るい力を積極的に取り込みながら、持ち主を癒す効果が期待できます。

その理由は、琥珀が木の樹脂で長い年月をかけてできた結晶であるため。エネルギーの塊である琥珀を持つことで、「自然や大地の生命力を、持ち主へ吹き込み、癒しのエネルギーで心を満たす」といわれているのです。

ポジティブさを取り戻す

琥珀は「ポジティブな波動を発する石」ともいわれています。そのため、持ち主のポジティブさを取り戻すお守りとして活用されてきました。

例えば、日々の出来事で落ち込むことがあったとき、琥珀の明るい波動を浴びると精神的に安定してくるといわれています。また、チャンスをうまく掴めないと感じるときにも、持ち主の行動力をポジティブに変化させてくれるでしょう。

財運を安定させる

琥珀は、美しい黄金色を金運と関連付け、商売繁盛という意味で多くの起業家、商売人に愛されています。
また、琥珀を擦ると静電気を帯びることから良い気を引きつけるとされ、仕事運、人気運が良くなるともいわれています。

財運を安定させたいときや、新しい仕事に挑戦するとき、きっと心強いサポート役となってくれるでしょう。

琥珀(アンバー)はどうやってできるの?

画像: iStock/Andres Victorero
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琥珀は太古の松や杉など松柏類の天然樹脂が結晶となった「樹脂の化石」です。

樹木の樹皮は外部からのダメージを受けると、自然治癒力によって傷を塞ごうと樹脂が出ます。この樹脂が風に舞い、植物の花びらや木の破片、雨の雫などを道連れにし、地上にしたたり落ちて固まることで琥珀は完成するのです。

琥珀は樹脂の化石であり、厳密には鉱物・鉱石ではないため叩くと簡単に砕けて、火に炙ると燃えてしまう性質も。しかしこの儚さも、ひとつの魅力であるといわれています。

琥珀(アンバー)の産地

画像: iStock/pkazmierczak
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琥珀は、国内外問わず産出されるという特徴があります。琥珀の産地を国内外に分けてご紹介していきます。

海外の産地

海外の産地として有名なのは、ヨーロッパ大陸とスカンジナビア半島に囲まれたバルト海沿岸でしょう。具体的な国はこちら。

  • フィンランド
  • ロシア
  • ラトビア
  • ポーランド
  • ドイツ
  • デンマーク
  • スウェーデン
  • エストニア
  • リトアニア

バルト海沿岸で採掘される琥珀は「バルティックアンバー」とされ、世界中の愛好家に支持されています。

また、バルト海と地中海東部ヨーロッパを結ぶ交易路は「アンバー(琥珀)ロード」と呼ばれています。バルト海沿岸で採掘できる琥珀はアンバーロードを通過して、中部・東部ヨーロッパへ運ばれます。

ヨーロッパのパワーストーンについてはこちら

日本の産地

日本国内では琥珀の産地として、岩手県久慈市が有名です。久慈市は岩手県の南部藩に位置する点から、日本では昔、琥珀を「ナンブ」と呼んでいたほど。

久慈市では、なんと旧石器時代に既に琥珀が採掘されており、世界最古級の琥珀製品も見つかっています。室町時代に産業化され、江戸時代には江戸や京都に輸出。南部藩の貴重な財源となっていきました。

現在でも久慈市の琥珀は、主にアクセサリーなど装飾品として多くの人に愛されています。

琥珀(アンバー)にはどんな色や種類がある?

画像: iStock/Tetiana Rozvodovska
iStock/Tetiana Rozvodovska

琥珀には、ポピュラーな黄褐色以外にも、さまざまなカラーがあります。

一般的に琥珀の色の変化は、加熱によるもの。ここでは、以下6つの色の琥珀の特徴をご紹介します。

  • イエローアンバー
  • チェリーアンバー
  • レッドアンバー
  • グリーンアンバー
  • ブルーアンバー
  • ロイヤルアンバー

イエローアンバー

イエローアンバーは、一般的に琥珀として認知度の高いカラーでしょう。まるではちみつのような透き通った色味が特徴です。

イエローアンバーは、思考を柔軟にするとされ、持ち主から不幸を遠ざけるといわれています。

また、同じイエローでもカラーの濃さによって価値が異なる点も特徴。具体的には、ブランデーのコニャックのような褐色のコニャックアンバーが最も高価です。次はブラウンアンバーが高価となり、最後にイエローアンバーの順番となります。

チェリーアンバー

チェリーアンバーはイエローアンバーより赤みを帯びた、濃い茶色の琥珀を指します。

ただ、チェリーアンバーと次でご紹介するレッドアンバーに明確な違いはなく、人によって判断が異なることも。

赤の度合いが高いほど価値は高くなりますが、チェリーアンバーは加熱や加圧による発色のケースも多いとされています。

レッドアンバー

レッドアンバーは、赤褐色を帯びた琥珀です。天然のレッドアンバーはかなり希少で、鉱物関係者でも見たことがない人は多いといわれています。

そのため市場に並ぶ琥珀は、加工されているケースがほとんどで、天然のレッドアンバーが市場に出回ることはほぼありません。

ちなみに天然ではないレッドアンバーは、加熱や加圧に加えて着色処理が施されており、鮮やかな見た目が特徴的です。

グリーンアンバー

グリーンアンバーは樹脂に含まれる成分が紫外線で反射し、グリーンの反射光が見える琥珀のこと。

淡色のピュアグリーンアンバーや、レッドに1度染めた後に穴をあけてグリーンの風合いを演出したグリーンアンバーもあります。

天然のグリーンアンバーもある一方で、加熱・加圧処理されたものが多く流通しています。とくに、グリーンが鮮やかでデザイン性に優れている場合、人工的なグリーンアンバーである可能性は高いでしょう。

ブルーアンバー

グリーンアンバーと同じく、樹脂の成分が紫外線によって蛍光した際に、青色の光に見える琥珀をブルーアンバーと呼びます。

普段はイエローアンバーのように見えるものの、角度によって色味が異なり、太陽の下では薄い青みを帯びた光を放ちます。

ブルーアンバーはとくにドミニカ産のものが有名。ただし、高価なドミニカアンバーのなかには、偽物も多いため注意が必要です。

ロイヤルアンバー

ロイヤルアンバーとは、乳白色のマーブル模様が特徴の琥珀。琥珀全体のわずか0.1%程度の希少な色で、非常に価値の高い石です。

マーブル模様は、樹液が発生する過程で気泡が入り、その泡が固まってできたとされています。

ロイヤルアンバーの魅力は、時間が経つにつれて表面が乳白色からバター色へと変色する点でしょう。アンティーク感も感じる、気品ある柔らかな色味を楽しめます。

琥珀(アンバー)とコパルの違い、見分け方

琥珀と宝石のコパル(和名)は同じ琥珀で、2つの違いは「化石の古さ」にあります。

そもそもコパルとは、各種の原植物からなる天然樹脂を指しており、琥珀の一種です。

2つを見分ける場合、数千万年単位の区切りで樹液が固まったかで違いを判別していきます。具体的には、一定基準より新しいものはコパル、それより古いものは琥珀です。

品質的にも変わらず、一般的にも精度を高めた鑑定は行っていないため、コパルと琥珀は分別がつきにくい宝石とされています。

琥珀(アンバー)に関するよくある質問

画像: iStock/Cirilopoeta
iStock/Cirilopoeta

琥珀について解説してきましたが、ここからは琥珀に関してよくある質問や疑問についてお答えしていきます。

虫入りの琥珀があるのはなぜ?

琥珀ができる過程で、樹液の匂いに誘われて来た虫が樹脂に足を取られ、そのまま閉じ込められることで虫入りの琥珀となります。

寄ってくるのは、ハエや蚊、アリなどの昆虫類のほか、トカゲやカエルなどの爬虫類などさまざま。鳥や小動物なども樹液に誘われますが、樹液に残されるのは羽や毛だけの場合が多いようです。

虫入り琥珀は、何も入っていないノーマルな琥珀に比べると価値が高く、高値で扱われる傾向にあります。

琥珀は静電気を帯電している?

電気の元となる電子は「エレクトロン」と呼ばれますが、この呼び方のルーツは琥珀にあります。

というのも、電気などがまだ発明されていなかった古代ギリシャ時代、琥珀を布でこするとホコリなどの物質が引き寄せられ吸いついたことを、古代ギリシャの賢人が「エレクトロン」と呼んだというエピソードがあるのです。

このことからもわかるように、琥珀は静電気を帯電させる性質をもちます。そして、静電気という現象が発見されたのも琥珀がきっかけとされており、電気にまつわる歴史において、琥珀と静電気の話は欠かせないものとなっています。

まとめ:琥珀(アンバー)は壮大なロマンを閉じ込めた太古の賜物

琥珀は、長い年月をかけて樹脂が結晶化したという非常に神秘的な石。古代のロマンを閉じ込めた太古の腸物といえるでしょう。

バルト海沿岸周辺や岩手県周辺を旅行する際は、ぜひ現地で手に取ってみてください。その土地の自然の産物であり歴史を感じるお土産として、旅の思い出になることでしょう。

※パワーストーンが持つ効果の感じ方には、人によって個人差がありますことをご了承ください。

監修:日本パワーストーン協会

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