【JAL機内エンタメの舞台裏 vol.1】「劇場公開前の映画まで飛行機で楽しめてしまう。機内エンタメサービスの仕組み」の記事はこちら
世界に先駆けて導入した“機内マンガ”は、ひとりの男性担当者がセレクト!
「2013年の春から、当時世界初の試みとしてマンガが個人用モニタで読める『SKY MANGA』というサービスを自社でシステム開発してスタートしました。現在は約40タイトル、各作品の1〜3巻を目処に集めていて、電子書籍全て合わせると100冊分ほど読めます」(濱田 卓・機内エンターテインメント部 コミック担当)
濱田は、「JALグループ社員約3万3000人のなかで、おそらく唯一マンガを読む仕事をしている」といいます。つまり何を乗せるかのセレクトは彼ひとりの仕事。もともとマンガ好きの濱田にとっては、この配属は願ったり叶ったりだったとか。
「お客様の世代に応じて気になっている作品や、昔読んだであろう人気作品など、男性から女性、幅広い世代に向けたラインナップを心がけています。たとえばサラリーマン世代には共感できる『課長島耕作』や、最近完結した『闇金ウシジマくん』、ドラマにもなった『東京タラレバ娘』まで、多彩なジャンルが揃っています。国際線では、こうした作品を年に4回ほど入れ替えています」(濱田)
世代や国境を超えたニーズを捉えて、「これぞ!」という作品をチョイス
「現在のラインナップ(2019年7月)のなかで、個人的には『いつかティファニーで朝食を』『よろしくメカドック』がイチ押しです。ほかにも、“これはぜひおススメしたい”という作品も入れています。個人的に思い入れが強いのは、実は私アイドルが好きでして、何度も出版社にお願いして実現した『推しが武道館いってくれたら死ぬ』というアイドルが関連する作品です。本屋さんには足繁く通い、話題の作品は必ず購入するようにしています。あとはお客様からのお声から掲載できるようになったケースもありますので、リクエストもぜひお待ちしています!」(濱田)
また最近は海外からのお客さまも増えているので、中国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語の作品も搭載。多言語化にも力を入れています。
「クールジャパンの裾野を広げるためにも、『日本航空だから日本のマンガが読める』ということを意識しています」(濱田)
現在マンガが読めるのは国際線に限られますが、9月に就航予定する新型機・エアバスA350であれば、国内線でもマンガも読めるようになるほか、新しい試みを予定しています。
「マンガのみならず、雑誌も読めるようにします。『東京カレンダー』『ELLE』『ゴルフダイジェスト』『フォトテクニックデジタル』『MEN’S EX』といった一般誌のほか、就航地のタウン情報誌も搭載します。またお子様向けに絵本も用意します」(濱田)
国内線なら、無料Wi-Fiで映像プログラムも!
ますますサービスが充実している機内エンターテインメント。しかし、個人用モニタが全席標準装備のA350はまだしも、従来の国内線にはモニタがないため、必然的にオーディオに限定される……というイメージを持つ方も多いはず。でも、実はスマホやタブレットに専用アプリ「JALアプリ」または「JAL Flight Navi」をインストールすれば、JALの国内線であっても無料の機内Wi-Fiでインターネット接続をして、豊富な映像プログラムをご覧いただけるのです。
「現状、70チャンネルほど見られます。地上波各局のバラエティ番組やスポーツ番組のほか、ドラマや子供向けのアニメなどもあります。また、地方自治体が作っている各地の魅力を紹介した映像作品もあります」(齊木 繁・同部 映像コンテンツ担当)
これらのプログラムはテレビ局などから直接買い付けています。たとえば『世界の果てまでイッテQ!』や『カンブリア宮殿』、ドラマなら『リーガルV』『ビーチボーイズ』などといった作品があります。
番組は半年前から買い付け!今後はアニメに注力
「複数の担当が、編成会議で候補の作品を持ち寄って決めています。作品によっては半年前にオーダーをしないといけないケースもあるなど、上映月には、どういった作品なら楽しんでいただけるかを予想して選定しています。たとえば、千鳥さんがMCを務める『相席食堂』は朝日放送テレビで大阪エリアを中心に放送されている番組なのですが、別の有名バラエティ番組に取り上げられたタイミングと重なったこともあり、とても多くのお客さまに楽しんでいただくことができました」(齊木)
また、現在はアニメも積極的に編成に取り入れています。
「『笑ゥせぇるすまん』(『ギミア・ぶれいく』内での放映版)『名探偵コナン』などがあります」(齊木)
映画に音楽、テレビに雑誌にコミックと、実は機内エンターテインメントの選択肢はどんどん増えています。目移りしてしまうほどの豊富さに、機内でヒマを持てあますこともなくなりそう。窓の外の景色もいいですが、せっかくのまとまった時間、いつもは接することのないコンテンツに触れてみるのも、飛行機の新たな楽しみ方といえるかもしれません。
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A350導入の裏話や機内食のメニュー開発など、JALの仕事の舞台裏を紹介します。
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