今回の旅の目的地は、東京の中でも豊かな自然が広がる奥多摩町。古民家を活用した「きよかわゲスト」にもともと住み着いていた、まるさん・たまさんと、「よりみち茶屋 とおまわり」のアイドル猫店長ことウズラさんに会いに行きました。猫に旅案内をしてもらえるような記事をごゆるりとお楽しみください。
今回の旅人:石原さくらさん
猫写真家で愛玩動物飼養管理士。雑誌での写真連載や、写真教室を定期的に開催する。デボンレックスという猫種のブリーダーや猫カフェの運営における知識と経験を生かしてキャット・ファーストな撮影を心がける。世界中の愛猫家とのつながりを通して、猫を愛するすべての人に猫と人とのより良いあり方を提案することをライフワークとしている。
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築110年の古民家をリノベーションした「きよかわゲストハウス」の2匹の先住猫
最初に訪ねたのは、築110年の古民家をリノベーションした「きよかわゲストハウス」。奥多摩駅から徒歩3分の駅近なのに絶景ロケーションである。
オーナーの西田和哉さんは、旅をする人やその土地の人々が出会い、交流する場であるゲストハウス好きが高じて、サラリーマンの仕事を辞めて自身でもゲストハウスを営むことに挑戦。各所で物件探しをした末に奥多摩の地と古民家に出合い、惚れ込んでこの場所での開業を決めたそう。
そしてたまたま、こちらの建物には2匹の猫が先住していたという。
到着すると早々にリビングでそのお姿を発見。
マスク&タキシードな毛柄がクールなまるちゃん。推定13歳くらいなのではないかと言われている、艶やかな毛並みで年齢不詳な女の子だ。
宿泊客も地元の人も、猫たちも一緒に集うリビングルーム
ゲストハウスでは空間を他の宿泊客とシェアするのが基本。
きよかわゲストハウスでは、リビングにバーを併設しており、夜は宿泊客のみならず地元の方々が集う場となっている。
まるちゃんはリビングがお気に入りのようだが、日中はお昼寝。時折、食事をするために2階に行ったり、廊下に出たりするために自分で戸を開ける。そして、「決して開けた戸を閉めてくれることはないんです(笑)」と西田さん。
もう一匹のたまちゃんは自由気ままな風来坊男子のようで、自分の好きな場所へ出かけていることが多く、大抵は敷地のどこかに潜んでいるようだが、このように時々現れてはお尻を向けてきた。
近くのレストランへ行ったり、キッチンで自炊したり、近所で食料を調達したり、夕食はそれぞれのお客さんが好きなように済ませてきた様子。19時ごろになると、リビングルームに宿泊客の方々が集い、賑わい始める。
周囲も暗くなってきて、たまちゃんのおめめはランラン。人々の話に耳を傾けているかのように傍に佇んでいる姿がなんとも愛らしい。
リビングルームの賑わいとともに「きよかわゲストハウス」の夜は更けていき、1階からほのかに聞こえてくる人の話し声がする安心感の中、いつのまにか眠りに落ちてしまったのだった。
お見送りをされた後、奥多摩の地域猫にも遭遇
朝になると、まるちゃんは2階の廊下に佇んで、起きてくるお客さんに朝の挨拶をしているみたい。朝のストレッチをしてまるちゃんの一日も始まるようだ。
奥多摩の豊かな自然とともに、おおらかに開かれたあたたかな場所「きよかわゲストハウス」のまるちゃんとたまちゃんに出会えた興奮冷めやらぬ朝だが、次の目的地へ向かうため、お別れの時間。名残惜しさを感じていたら、まるちゃんがお見送りしてくれた。か、かわいい。
ゲストハウスを出ると、地域猫さんがひょっこり。まるちゃん、たまちゃんと似ているけど、みんなちょっとずつお顔の柄が違っていた。
きよかわゲストハウス
住所 | : | 東京都西多摩郡奥多摩町氷川186 |
---|---|---|
アクセス | : | 羽田空港から京急空港線で品川駅(約21分)→品川駅から山手線で新宿駅(約19分)→新宿駅から中央線青梅特快で青梅駅(約59分)→青梅駅から青梅線で奥多摩駅(約36分)→徒歩できよかわゲストハウス(3分) |
電話 | : | 0428-85-9782 |
web | : | https://kiyokawa.okutama.town/ |
この記事に登場する猫たち
きよかわゲストハウスの先住猫たち。
・まる(推定13歳)
マスク&タキシード&ハイソックス柄の女の子
・たま(推定12歳)
自由気ままな風来坊男子
湖畔のカフェに住まう、オッドアイのアイドル猫
奥多摩駅からバスに乗って30分、ここは“奥奥多摩”とも言おうか。道中いくつものトンネルを抜けて行った。
地図を見るともうちょっとで山梨県との県境。東京最西端の静かな湖畔沿いの小留浦(ことずら)というバス停を降りると、まずは風景の美しさに目を奪われる。振り返ると「よりみち茶屋 とおまわり」の看板。
湖畔のカフェにアイドル猫様がいるという情報を聞きつけてやってきた。
奥多摩の奥に位置していますが、晴天の週末は大混雑することが多いそう。
こちらが、人店長の小熊裕美子さんに抱かれた、猫店長のウズラちゃん。
なんとも神々しいオッドアイの白猫さんである。
ある日、小熊さんのお知り合いの獣医さんから「将来絶対に看板猫になる逸材猫がいるのでぜひその子を迎えてくれないか」と相談を受けたのが、小熊さんとウズラちゃんの出会いのきっかけ。
その獣医さんを介し、保護猫ボランティアさんから譲り受けたそう。
ウズラちゃんはなるべくしてお店のアイドルになった猫さんなのだ。
猫の形にくり抜かれた「キーマカレートースト」、ここでしか買えないウズラちゃんグッズも
ウズラちゃんは普段は店長室で過ごしていて、お食事の後などにお店のスタッフに一声かければ店長室への入室ができる。
店長室にはウズラさんのお気に入りアイテムが並んでいる。
大抵がお店のお客さんやウズラちゃんのファンの方から送られてきたものなのだそう。
なんて人気者なのでしょう……でも確かにこんな瞳で見つめられては、贈り物をしてしまう皆さんのお気持ちがわかる!
ウズラちゃんは遊び好きで、ささっと高いところに登って目を輝かせたり、猫神社に入って御神体っぽくなったりして、なんとも愛らしいアイドル様の振る舞いを見せてくれた。
ウズラちゃんとひとしきり遊んでいたら、ちょうどお昼時になったのでランチタイムに。
隣のお客さんが注文しているデザートもとってもかわいくていいなぁーと思っていたら、私が注文した「キーマカレートースト」もこのかわいらしさ。
ウズラちゃんのみならずお料理のかわいさにもテンションがあがってしまうのだった。
食事をしていると店長室の方から、ウズラちゃんの声が。
ウズラちゃんは寂しがりやで、一人になるとこうして誰かを呼ぶんですよと小熊さん。
いつもしっかりカメラ目線を決めてくれる天性のアイドル、ウズラちゃん。チャームポイント満載で誰もがメロメロになってしまうのも納得。
ちなみにお店には、ここでしか買えないウズラちゃんグッズもあり、奥多摩まで来たからには、こちらにも足をのばさないとなんだか損した気分になってしまうというわけだ。
古民家で暮らす猫たちにはしごして会えてしまう、奥多摩エリアの魅力にまた一つ気づいたのだった。
よりみち茶屋 とおまわり
住所 | : | 東京都西多摩郡奥多摩町留浦324-2 |
---|---|---|
アクセス | : | 羽田空港から京急空港線で品川駅(約21分)→品川駅から山手線で新宿駅(約19分)→新宿駅から中央線青梅特快で青梅駅(約59分)→青梅駅から青梅線で奥多摩駅(約36分)→奥多摩駅から西東京バスで小留浦→バス停の目の前がよりみち茶屋 とおまわり |
電話 | : | 050-5436-7013 |
web | : | https://toomawari.tokyo/ |
この記事に登場する猫たち
よりみち茶屋 とおまわりのアイドル猫。
・ウズラ(5歳)
元保護猫、現猫店長。
ともに古民家を活用した「きよかわゲストハウス」「よりみち茶屋 とおまわり」で、のびのびと暮らす看板猫たち。人で賑わっている場所も楽しいけれど、少し喧騒から離れた場所で癒されたくなったなら、足をのばして奥多摩を訪れてみませんか。木々や湖といった自然に囲まれながら、気持ち良さそうに過ごす猫たちの姿を見れば、気づいたときには心も体もすっかりリフレッシュしていることでしょう。
満12歳以上25歳以下限定!
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