時間に余裕のある長期休み。いつもと同じ景色から少し離れて、心をリセットしてみませんか? 移動そのものを楽しめる「ローカル線の旅」は、時間にゆとりのある学生にぴったり。中でも、冬の「JR五能線」は格別です。秋田から青森にかけて日本海沿いを走るこの路線では、日本海の荒波や雪に包まれた小さな集落を、列車の窓越しにじっくりと眺めることができます。静かに流れる時間と、旅情たっぷりの風景に、きっと心が癒やされるはずです。
この記事では、冬の絶景とレトロな空気感にどっぷりと浸った五能線2泊3日のひとり旅をレポート。実際に体験したからこそ分かった冬の旅の魅力や、おすすめの過ごし方をご紹介します。この冬は、自分のペースで、少しだけ日常を離れる旅に出かけてみませんか?

※2026年1月時点での情報です。鉄道ダイヤ情報や運行状況は最新情報をご確認ください。
※価格は税込み表記です。

日本海沿いを走る人気ローカル線「五能線」

JR五能線は、秋田県の「東能代駅」から青森県の「川部駅」までをつなぐ、全長約147kmのローカル線。中でも印象的なのが、海沿いを走る長い区間です。春夏の晴れた日は青い日本海やりんご畑や岩木山がよく見えると人気を集めています。

画像: 画像提供:JR東日本秋田支社

画像提供:JR東日本秋田支社

冬の季節には、ダイナミックな冬の日本海と雪景色がすぐそこに広がり、思わず息をのんでしまうような景色が車窓いっぱいに広がります。列車が進むにつれて、世界自然遺産・白神山地の深い森が見えてきたり、雪に覆われた静かな集落がぽつぽつと現れたり…。その風景には、どこか懐かしく、ふと心が和らぐような不思議な魅力があります。途中にある駅舎も、昭和の名残を感じさせる素朴な佇まいが多く、気になる駅でふらっと降りて、周辺をのんびり歩いてみたくなるかもしれません。

画像: 日本海沿いを走る人気ローカル線「五能線」

そして、五能線を旅するなら一度は乗ってみたいのが、観光列車「リゾートしらかみ」。大きな窓から広がる絶景を眺めながらのんびりと過ごす時間は、まさに非日常そのもの! 絶景ポイントで速度を落としてくれることもあり、カメラを構える手にも自然と力が入ります。

展望スペースで海を眺めたり、運が良ければ津軽三味線の生演奏を聞けたり…。普通の移動とはまったく違う、五感で味わう「旅のひととき」があります。

※天候等によって遅れや運休が発生する可能性があります。必ず最新の運行情報をご確認ください。
※「リゾートしらかみ」は全車指定席のため予約が必要です。
※「リゾートしらかみ」の運転日や車内イベントなどの情報は公式サイトなどで事前にご確認ください。

五能線で巡る2泊3日モデルコースマップ

【1日目】荒々しい冬の日本海の絶景を味わう

五能線の旅1日目は、秋田県からスタート! 秋田空港からリムジンバスとJR奥羽本線を乗り継ぎ、五能線の始発駅「東能代(ひがしのしろ)駅」から五能線を北上するルートです。この日の主役はなんといっても冬の日本海の迫力と、ご当地ならではの海鮮グルメ。海を眺めてのんびりローカル線に揺られたり、途中下車しながら港の食堂で新鮮な魚介を楽しんだり、移動そのものが思い出になるコースです。

【東能代駅】11:00 JR五能線に乗車!車窓から冬の日本海を撮影

画像1: 【東能代駅】11:00 JR五能線に乗車!車窓から冬の日本海を撮影
画像2: 【東能代駅】11:00 JR五能線に乗車!車窓から冬の日本海を撮影

「秋田駅」からJR奥羽本線を乗り継いで「東能代駅」に向かい、ここからいよいよ五能線の旅がスタートします。ホームには「起点駅」の看板が掲げられており、ここから物語が始まるようなワクワク感がぐっと高まります。

画像3: 【東能代駅】11:00 JR五能線に乗車!車窓から冬の日本海を撮影

実は、取材日は「一年で最も寒い」と言われるほどの雪の日。ホームに吹きつける雪から逃げ込むように車内へ入ると、ふわっとした暖かさに包まれて思わずひと息。外とは対照的なぬくもりに、旅気分も一気に加速します。

走り出してしばらくは雪景色が続きますが、視界がふっと開ける瞬間が訪れます。岩館駅〜大間越駅の区間に差しかかると、目の前に広がるのは迫力満点の日本海!

冬の荒波と白い雪、重なる灰色の空がつくるダイナミックな景観は、思わず「うわ〜!」と声が出てしまうほど。まさに五能線ならではの景色が堪能できます。

【深浦駅】13:00 口の中でとろけるような絶品サーモン丼ランチ

画像1: 【深浦駅】13:00 口の中でとろけるような絶品サーモン丼ランチ

五能線に揺られながら海沿いの景色を堪能しつつ、ぜひ立ち寄ってほしいのが「深浦駅」。ここで途中下車して、徒歩3分の場所にある食堂「セイリング」へ向かいます。

画像2: 【深浦駅】13:00 口の中でとろけるような絶品サーモン丼ランチ

深浦といえば“マグロの町”として知られていますが、実は一年を通して味わえる「日本海深浦サーモン」もご当地グルメとして大人気なんです。今回はサーモンを堪能できる「日本海深浦サーモン御膳」を注文しました。

白神山地のふもと、澄んだ淡水と冷たい海水の両方でじっくり育てられる「日本海深浦サーモン」。淡水で約1年半、さらに海水で半年という手間ひまをかけた育成方法のおかげで、ひと口食べた瞬間に脂のりととろける食感に思わずうなってしまいました。おかずに、郷土料理のすしこ(もち米を主原料に、赤じそやきゅうりなどの野菜を混ぜた甘酸っぱい漬物)やマグロ皮のポン酢和えなど、土地の味わいを感じられる小鉢がずらりと並び、大満足の御膳。ひと品ごとに地域の味が感じられて、まるで旅の続きを食卓で楽しんでいるかのような気分になれました。

画像3: 【深浦駅】13:00 口の中でとろけるような絶品サーモン丼ランチ

40年以上にわたって地元で親しまれてきた「セイリング」は、もともとは喫茶店としてスタートしたお店。店主の「もっと若い人や地元の人が気軽に集まれる場所をつくりたい」という想いから、約5年前に今の食堂スタイルへとリニューアルしました。温かい人柄がにじむ空間には、地元客はもちろん、五能線旅の途中に立ち寄る全国の旅行者も集まってくるのだとか。

画像: 左から、「ふかうら雪人参ビーフシチュー」1,188円、「ふかうら雪人参ミネストローネ」972円

左から、「ふかうら雪人参ビーフシチュー」1,188円、「ふかうら雪人参ミネストローネ」972円

店内では、深浦名物の「深浦にんじん」を使ったビーフシチューやミネストローネのお土産も購入できます。

ちなみに深浦マグロの旬はGW明けとのこと。それより前の季節でも、絶品サーモンには出合えるのが嬉しいところです。

セイリング

住所青森県西津軽郡深浦町深浦苗代沢78-34
電話0173-74-3068
営業時間12:00〜17:00
定休日日曜
webセイリング 公式サイト

【艫作駅】15:00 「黄金崎不老ふ死温泉」露天風呂で海に沈む夕日を体感

絶品ランチを堪能したあとは、再び五能線に揺られ、来た方向に戻ります。次に降り立つのは、小さな無人駅「艫作(へなし)駅」です。

画像1: 【艫作駅】15:00 「黄金崎不老ふ死温泉」露天風呂で海に沈む夕日を体感

駅名にちなみ、舟がそのまま屋根になったユニークなデザインで、つい正面だけでなく裏側まで眺めたくなる可愛らしさ。海風にさらされた木の質感も相まって、ローカル線の旅情をぐっと高めてくれます。

画像: 駅の屋根部分が舟の形になっている

駅の屋根部分が舟の形になっている

この日は、そんな艫作駅から徒歩で向かえる「黄金崎不老ふ死温泉」に宿泊予定。あえて歩くのは、道中にひっそり佇む「五能線全通記念碑」に立ち寄るためです。

画像2: 【艫作駅】15:00 「黄金崎不老ふ死温泉」露天風呂で海に沈む夕日を体感

「五能線全通記念碑」が艫作駅にあるのは、ここが最後の工区だったから。 五能線は、1908年(明治41年)の着工から全線開通まで、険しい海岸線や大凶作の影響で28年もの歳月を要しました。1936年(昭和11年)、南北から伸びた線路がここ艫作でつながり、「五所川原線」と「能代線」の頭文字を取って「五能線」と命名。歴史を知ってから見ると、とても感慨深いですよね。

記念碑を後にし、雪がちらちらと舞う道を歩いていくと、目の前に「黄金崎不老ふ死温泉」の看板が見えてきました! 寒さの中を歩いてきたぶん、期待もひとしおです。

画像: 到着時は吹雪が!

到着時は吹雪が!

ここは白神山地のふもと、日本海に沈む夕日を一望できることで知られる絶景の地・黄金崎に建つ一軒宿。館内のどこにいても海と夕景を満喫できるのが魅力です。

訪れたこの日はちょうど「津軽ふかうらバイキングまぐろ祭り」が開催中で、タイミングの良さに思わずガッツポーズ。大きなマグロが豪快にさばかれていく解体ショーは、迫力も臨場感も抜群で、つい見入ってしまいました。

※毎年11月下旬~12月中旬ごろ開催予定

バイキングには新鮮な海の幸を使った料理がずらりと並び、どれを食べようか迷うほど。地元ならではの味付けや、普段はなかなか出合えないような料理にも出合えて、最後はお腹も心も大満足でした。

そして最大のお楽しみが、名物の「ひょうたん型露天風呂」。日没の少し前に入るのが正解です。海とほぼ同じ高さにある湯船から、沈みゆく夕日を眺めながら波の音と潮風に包まれる時間は、言葉にできないほどの贅沢。照明がないため、日没までの限定営業というワイルドさもまた魅力です。

画像1: 画像提供:黄金崎不老不死温泉

画像提供:黄金崎不老不死温泉

画像2: 画像提供:黄金崎不老不死温泉

画像提供:黄金崎不老不死温泉

ひょうたん型の露天風呂は混浴ですが、湯浴み着のレンタルや女性専用の露天風呂もあるので女性も安心して楽しめます。鉄を多く含む泉質は、保温効果や殺菌効果など嬉しい効能も豊富。大浴場も同じ温泉を引いているので、露天風呂が閉まる日没後も、ゆっくりお湯に浸かって旅の疲れを癒やしましょう。

黄金崎不老ふ死温泉

住所青森県西津軽郡深浦町大字舮作字下清滝15
電話0173-74-3500
チェックイン/チェックアウト14:00/10:00
web黄金崎不老ふ死温泉 公式サイト
※露天風呂は安全のため日没をもって終了となるので、早めのチェックインがおすすめです。
※露天風呂は悪天候の場合中止となる可能性があります。
※露天風呂は撮影禁止です。

【2日目】青森の歴史と文化と絶景を楽しむ

旅の2日目は、五能線の人気観光列車「リゾートしらかみ」に乗って、ゆったりと青森県内を巡ります。大きな車窓から見えるのは、荒々しい日本海や、雪化粧をまとった山々、そして時折現れる小さなレトロ駅。どの景色も思わずカメラを構えたくなるような魅力があります。

【ウェスパ椿山駅】10:30 リゾートしらかみに乗車!

不老ふ死温泉で朝風呂まで満喫したら、いよいよ2日目がスタート。チェックアウト後は、宿から最寄りの「ウェスパ椿山駅」まで送迎してもらえるので、雪道でも安心です。

ここから五能線の観光列車「リゾートしらかみ」に乗り込み、冬の日本海を眺めながら青森県内を移動します。

「リゾートしらかみ」には、3つの編成があります。日本海と水平線、そして十二湖をイメージした「青池」、白神山地の原生林を思わせるインクグリーンとウッディな内装が魅力の「橅(ぶな)」、そして五能線の夕日とこの地に生息する鳥のクマゲラをイメージした黄橙色が目印の「くまげら」。

この日は、その中でも存在感たっぷりの「くまげら」編成に乗車しました。なお、展望室やイベントスペース、ボックス席がある「橅」編成は、友人同士の旅にもぴったりです。

画像: 【ウェスパ椿山駅】10:30 リゾートしらかみに乗車!

列車がゆっくりと走り出すと、窓の外には荒々しい冬の日本海が広がり、思わずその景色に見入ってしまいます。やがて千畳敷駅の近くに差しかかると、目に飛び込んでくるのが「氷のカーテン」。岩肌をつたう水が、海から吹きつける冷たい風にさらされて凍りつき、無数の氷柱が垂れ下がっているその様子は、まるで自然が編んだ巨大なレースのよう。

画像: 氷のカーテン(画像提供:JR東日本秋田支社)

氷のカーテン(画像提供:JR東日本秋田支社)

画像: 千畳敷駅(画像提供:JR東日本秋田支社)

千畳敷駅(画像提供:JR東日本秋田支社)

便によっては徐行しながら通過し、千畳敷駅に約15分停車して見学できることもあるので、事前にダイヤを確認しておくのがおすすめです。

画像: 地元の方が特産品を販売する「ふれあい販売」

地元の方が特産品を販売する「ふれあい販売」

画像: 津軽三味線の生演奏

津軽三味線の生演奏

また「リゾートしらかみ」は、編成や号車によって展望室や売店があり、モバイルオーダーに対応している場合も。日によっては、地元の方が特産品を販売する「ふれあい販売」や、伝統芸能「金多豆蔵人形芝居」、津軽弁の「語りべ」、そして「津軽三味線の生演奏」など、車内イベントが行われることもあります。今回乗車した便では、りんごどら焼きの販売に加え、なんと津軽三味線の生演奏も。窓いっぱいに広がる海を眺めながら聴く音色は、ご褒美時間でした。

【木造駅】12:00 巨大な土偶⁉ インパクト抜群の駅舎で記念撮影

「リゾートしらかみ」の車内イベントや日本海の景色を満喫したら、途中下車して次の駅へ。降り立ったのは「木造(きづくり)駅」。

画像1: 【木造駅】12:00 巨大な土偶⁉ インパクト抜群の駅舎で記念撮影

駅前に立つだけで目を奪われるのが、亀ヶ岡石器時代遺跡の出土品「遮光器土偶」をモチーフにした駅舎です。愛称は“しゃこちゃん”。どーんと迫る顔つきに思わず笑ってしまい、写真を撮る手が止まりません。

実はこの駅、文学好きにも刺さる場所。木造駅開通から20年ほど経った頃、小説『津軽』の取材旅の途中だった太宰治がホームに降り立ったといわれています。太宰の父とも縁がある土地だそうで、駅の空気まで少し特別に感じられます。

画像2: 【木造駅】12:00 巨大な土偶⁉ インパクト抜群の駅舎で記念撮影
画像: 木造駅観光案内所売店では土偶をモチーフにしたお土産が販売されている

木造駅観光案内所売店では土偶をモチーフにしたお土産が販売されている

【木造駅】12:30 創業100年!駅前の食堂で担々麺ランチ

記念撮影のあとは、駅前の「神武食堂」で腹ごしらえを。2011年公開の映画『津軽百年食堂』のモデルにもなった老舗で、2024年には創業100周年を迎えたというから驚きです。

画像: 【木造駅】12:30 創業100年!駅前の食堂で担々麺ランチ

店先ののれんに躍る「スーパーラブ」の文字は、100周年を記念してつくられたものだそう。インパクト、強すぎる!

名物は担々麺。1992年、4代目の神祥仁さんが東京から戻り、店を継いだタイミングで生まれた一杯です。それから幾度となく改良を重ね、いまの味にたどり着いたのだそう。

鶏ガラベースのスープに、芝麻醤のまろやかなコクがふわっと広がり、後から辣油の辛さと花椒のビリッとした刺激が追いかけてくる、絶妙なバランス。食べ進めるほどクセになる味で、気がつけばスープまで飲み干していました。

画像: 芸能人のサインも多数飾られている

芸能人のサインも多数飾られている

次の旅でもまた立ち寄りたくなる、そんな温かさのある駅前食堂です。

神武食堂

住所青森県つがる市木造宮崎1-10
電話0173-42-3421
営業時間11:00~19:00
定休日火曜

【陸奥鶴田駅】15:00 幻想的な「鶴の舞橋」の雪景色を堪能

再び五能線に揺られて、次に向かったのは「陸奥鶴田駅」。ここからタクシーで10分ほど走ると、静かな湖畔に架かる「鶴の舞橋」が見えてきました。

この橋は、1994年に完成した日本一長い木造の三連太鼓橋。全長300m、ゆるやかなアーチが描くシルエットがとても美しくて、遠くからでも自然と視線を引き寄せられます。雪景色の中にすっと溶け込むような佇まいは、どこか神聖な雰囲気さえ感じさせてくれました。

画像: 晴れた日の「鶴の舞橋」

晴れた日の「鶴の舞橋」

天気が良ければ、湖の向こうに岩木山が姿を現します。その大きくて堂々とした姿に、思わず「まるで富士山のよう…」と息のむはず。それもそのはず、じつは岩木山は「津軽富士」とも呼ばれる青森県の最高峰なのです。雄大な岩木山を背景に、夜明けや夕焼けの湖面など季節や時間帯によって異なる絶景が見られます。

なお、取材時は期間限定の工事で橋が全面通行止めでしたが、見学自体は可能。遠目に眺める景観はほとんど変わりません。工事がないタイミングなら橋を実際に渡れるので、訪れる前に最新状況をチェックしておくのがおすすめです。

鶴の舞橋

住所青森県北津軽郡鶴田町廻堰大沢81-150
webメデタイ・ツルタ(青森県鶴田町観光情報サイト)
※2026/3/31まで工事中。橋を渡れる日は「メデタイ・ツルタ」でご確認ください。

【弘前駅】18:00 築100年超!登録有形文化財のスターバックスでひと息

画像1: 【弘前駅】18:00 築100年超!登録有形文化財のスターバックスでひと息

再び五能線に乗り、終点の「弘前駅」で列車を降りたあとは、徒歩またはバスで弘前公園方面へと向かいます。列車の旅の疲れを癒やしに、ちょっとひと息。弘前城公園の目の前にある「スターバックス コーヒー 弘前公園前店」は、そんな時にふらりと立ち寄りたくなる場所です。

目を引くのは、歴史を感じる木造の建物。もともとは1917年(大正6年)に建てられた陸軍師団長の官舎で、今では登録有形文化財に指定されています。重厚さの中にどこか温かみのある和洋折衷のデザインは、外観を眺めているだけでも心が落ち着きますが、一歩中に入ると、その静かな空気感に包まれて、時間がゆっくり流れているような気分に。

窓辺の席でカップを持つと、雪がまだうっすらと残る庭園の風景が、まるで一枚の絵のように感じられました。不思議と心が落ち着いて、時間を忘れてしまいそうになります。

画像2: 【弘前駅】18:00 築100年超!登録有形文化財のスターバックスでひと息

お店は21時まで営業しているので、弘前公園のライトアップの前後に立ち寄るのにもぴったり。冷えた体を温めながら、旅の途中にほっとひと息つく、そんな心地よい時間が過ごせます。

スターバックスコーヒー 弘前公園前店

住所青森県弘前市上白銀町1-1
電話0172-39-4051
営業時間7:00~21:00
定休日不定休
webスターバックスコーヒー 公式サイト

【弘前駅】19:00 旅のハイライト!弘前公園「冬に咲くさくらライトアップ」

コーヒーでひと息ついたら、そのまま弘前公園へ。春は桜の名所として知られる弘前公園ですが、冬は桜の枝に積もった雪が淡いピンクに照らされる「冬に咲くさくらライトアップ」が楽しめます。

画像: 【弘前駅】19:00 旅のハイライト!弘前公園「冬に咲くさくらライトアップ」

弘前公園は「日本三大夜桜の一つ」ともいわれ、春には国内外から多くの人が訪れる人気スポット。りんごの木の剪定技術を生かした桜の手入れでも知られ、花の季節には、手まりのようにふっくら咲く姿が見事です。そんな桜のオフシーズンの顔を見られるのが、このライトアップの面白さ。

見に行くなら、日没から30分後が狙い目。16:45〜17:00頃からスタンバイしておくと、空の色が落ちる瞬間とライトアップの輝きが重なっていちばんドラマチックです。

この日は弘前駅近くに宿泊。駅周辺はビジネスホテルも多く、移動の拠点にしやすいので、夜のライトアップも安心して楽しめます。

冬に咲くさくらライトアップ

場所弘前市役所本庁舎前を中心とした弘前公園外濠、約500m
開催期間2025年12月1日(月)~2026年2月28日(土)の毎日
点灯時間日没~21:30 ※おすすめは日の入り約30分後から
web冬に咲くさくらライトアップ 公式サイト
※点灯時間・実施期間は年によって変わるため、当日は公式情報を確認して向かいましょう。

【3日目】弘前でレトロを堪能する洋風建築巡り

旅も3日目に突入。この日は、弘前の街をのんびりと歩いて「レトロ」を堪能します。五能線で出合った、あの荒々しくて壮大な冬の海とは打って変わって、今日は穏やかで、どこか可愛らしい景色が広がります。

【弘前駅】11:00 フォトジェニックな洋館を見学しながら街歩き

弘前の街に点在するレトロな洋館を巡る散策からスタート。時が止まったかのような建物たちを、カメラ片手にのんびり歩いて巡ります。

最初は、白とミントグリーンの色合いが爽やかな「旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)」へ。ルネサンス風の重厚な外観もさることながら、屋根の上にそっと建つ装飾塔が可愛らしく、思わず見上げてしまいます。

旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)

住所青森県弘前市元長町26
電話0172-82-1642(弘前市教育委員会 文化財課)
営業時間9:30~16:30
定休日火曜、年末年始
料金高校生以上200円、小・中学生100円

次に訪れた「旧弘前市立図書館」は、八角形の双塔が特徴的。和洋折衷のデザインに、当時の建築家たちの遊び心が感じられます。館内は当時の様子が復元されており、一瞬で明治時代へタイムスリップ。当時の人々の読書時間に思いを馳せてしまいました。

旧弘前市立図書館

住所青森県弘前市下白銀町2-1
電話0172-82-1642(弘前市教育委員会 文化財課)
営業時間9:00~17:00
定休日年末年始
料金無料

隣接する「旧東奥義塾外人教師館」は、外国人宣教師が生活する住居として1900年(明治33年)に建てられた洋館。アンティーク家具が並ぶメルヘンチックな館内を無料で見学でき、どこか映画のワンシーンのような気分に浸れます。

旧東奥義塾外人教師館

住所青森県弘前市下白銀町2-1
電話0172-37-5501(弘前市立観光館)
営業時間9:00~18:00
(喫茶室は10:00~18:00、ラストオーダー17:30 ※冬期は要問い合わせ)
定休日年末年始(ただし臨時休館の場合あり)
料金無料

どの建物も外観だけでなく、中に入って感じる空気感まで魅力的。外観の写真だけで終わらせず、ぜひ足を踏み入れて楽しんでみてください。

【弘前駅】13:00 「大正浪漫喫茶室」でりんご入りカレーとアップルパイを堪能

画像1: 画像提供:弘前観光コンベンション協会

画像提供:弘前観光コンベンション協会

レトロ建築巡りの締めは、レトロ建築の中でランチを味わいましょう。藤田記念庭園内の「大正浪漫喫茶室」は、1921年(大正10年)に建築された、赤いとんがり屋根が目を引く洋館。岩木山を借景にした高台の庭園を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせます。

画像2: 画像提供:弘前観光コンベンション協会

画像提供:弘前観光コンベンション協会

おすすめは、大広間とサンルームを利用した窓際席。やわらかな光が差し込む空間で、当時の面影を感じるひとときが味わえます。

ランチには、ほんのり甘酸っぱい弘前産のりんごがアクセントになった「りんご入りビーフカレー」を。とろけるような旨みの中に、りんごの爽やかさがふわっと広がります。

画像: 「アップルパイ」660円 ※種類によって価格は異なる

「アップルパイ」660円 ※種類によって価格は異なる

そしてデザートには、お待ちかねのアップルパイを。店内には常時6種類以上が並び、それぞれ形も味も個性たっぷり。レジ横にあるラックに並ぶアップルパイを見て、お土産も買っていこうかな…と悩む時間さえ楽しくなってしまいます。

画像: 【弘前駅】13:00 「大正浪漫喫茶室」でりんご入りカレーとアップルパイを堪能

レトロな内装を背景に、カレーとアップルパイを並べて一枚パシャリ。味わうだけでなく、その一瞬までもが旅の素敵な思い出になってくれるはず。旅の締めくくりに、心地よい余韻を残してくれる一軒です。

冬の日本海の力強さと、弘前のレトロな街並み。対照的な二つの景色を巡る2泊3日の旅は、ここでひと区切りです。自分のペースで歩き、美しい風景に触れたこの3日間で、心もすっかりリセットされていることでしょう。

藤田記念庭園「大正浪漫喫茶室」

住所青森県弘前市上白銀町8-1
電話0172-37-5690
営業時間9:30~16:30
定休日なし
web大正浪漫喫茶室 公式サイト(弘前観光コンベンション協会)
Instagram@taishoroman__

【上級者向けオプション】津軽鉄道「ストーブ列車」で雪国レトロを体験

もし、もう少しだけこの雪国の旅情に浸っていたいなら、こんな「寄り道」はいかがですか? 旅の日程に余裕がある方にぜひおすすめしたいのが、さらなるレトロ体験ができる津軽鉄道の「ストーブ列車」です。

五能線の「五所川原駅」から乗り換えて向かうその列車は、石炭だるまストーブが車内に鎮座する、まさに昭和の風情そのもの。窓の外に広がる雪景色をぼんやり眺めながら、だるまストーブで焼いたスルメの香ばしい香りが漂ってくると、まるで時間までゆっくりと流れていくような気がします。

画像: 画像提供:津軽鉄道

画像提供:津軽鉄道

津軽鉄道は1930年(昭和5年)に津軽五所川原〜金木間が開業し、同年11月に全線開業。さらにその冬12月からストーブ列車の運転が始まったという、筋金入りの冬の名物です。

車内の主役は、もちろんだるまストーブ。じんわり暖かい空気に包まれながら、社内販売員さんからスルメやストーブ酒を買って楽しめるのも醍醐味です。スルメはお願いすると、目の前のストーブで香ばしく焼いてくれて、食べやすく裂いて袋に戻してくれるという至れり尽くせり。

窓の外は白い世界、車内はほかほか。旅慣れた人ほどグッとくる、そんな通好みのオプションとして、旅のプランに加えてみてはいかがでしょうか。

画像: 【上級者向けオプション】津軽鉄道「ストーブ列車」で雪国レトロを体験

津軽鉄道「ストーブ列車」

場所津軽鉄道全線(「津軽五所川原駅」~「津軽中里駅」)
電話0173-34-2148(津軽鉄道株式会社)
開催期間12月1日から翌年3月31日まで
web津軽鉄道株式会社 公式サイト

あえて冬に行きたい。絶景とレトロで「映え」を満喫する五能線旅

冬の五能線旅は、寒ささえもご褒美になる特別な時間。白く染まる海岸線、雪に包まれた駅舎。「絶景」と「レトロ」が重なる瞬間は、写真にも記憶にもくっきり残ります。

移動を楽しみながら、途中下車でグルメや温泉、街歩きも欲張れるのがローカル線の醍醐味。運行日や時刻表は事前にチェックして、冬だけの“映え”を探しに出かけてみてください。

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