秋田空港からレンタカーで約1時間。横手盆地の中央部にある美郷町は、奥羽山脈に寄り添うように位置しています。そこは水に恵まれ、美しい景色に溢れ、訪れる人を優しく迎えてくれる素朴な土地。ふらりと訪れた、文字通りの“美しい郷”には、旅の魅力が詰まっていました。

※価格は税込み表記です。

画像1: 秋田県・美郷町でのどかな非日常を。気ままに巡る、水と自然と里の旅

湧水がこんこんと溢れ、山々を望む自然豊かな美郷町には、青々とした空が広がっています。ふと脳裏に浮かぶのが、「行雲流水(こううんりゅうすい)」という禅にまつわる古い言葉です。行き交う雲のように、流れる水のように、自然のままに行動するという趣旨ですが、旅にも沿うすてきな指針といえそうです。気の向くままに訪れる旅路。のどかな美郷町にはさまざまな発見と出会いがあるのですから。

画像2: 秋田県・美郷町でのどかな非日常を。気ままに巡る、水と自然と里の旅

旅をするのはJALふるさと応援隊の加賀谷さん。美郷町を旅するのは初めての経験です。

「真昼山登山道」で、美しい景色と大自然に触れるトレッキング

画像1: 「真昼山登山道」で、美しい景色と大自然に触れるトレッキング

奥羽山脈の一部にかかる美郷町で、自然を身近に感じる体験を求めるなら、山に足を向けることをおすすめします。県立自然公園に指定されている真昼山地は、トレッキングに格好の場所です。今回は峰越登山口からトレッキングに挑戦。峰越口までは車で向かうことができます。スタート地点がすでに山岳の稜線上にあり、終始美しい景色を眺めながら歩けることも、ビギナーにはうれしいポイントです。

画像2: 「真昼山登山道」で、美しい景色と大自然に触れるトレッキング

案内してくれたのは、美郷町ネイチャーガイドの鶴岡由紀子さん。美郷町の山を知り尽くしたスペシャリストは、木や花にも精通しています。訪れたこの時期には、ウラジロヨウラクやマルバシモツケが花を咲かせていました。

画像3: 「真昼山登山道」で、美しい景色と大自然に触れるトレッキング

ブナの実は殻を割ると中から三角形の実が出てきますが、ウイスキーによく合うおつまみになるのだとか。

画像4: 「真昼山登山道」で、美しい景色と大自然に触れるトレッキング

そんな山の豆知識は、加賀谷さんにとってどれも初耳のものばかり。山の起伏も、ちょっとしたエンターテインメントです。歩くこと2時間ほどで、今回の目標である音動岳に辿り着きました。眼前に広がる美しい緑と、爽やかに吹き抜ける風。すがすがしい達成感が、トレッキングの醍醐味のひとつです。

画像5: 「真昼山登山道」で、美しい景色と大自然に触れるトレッキング

帰り道にもうひとつハイライト。北ノ股岳の頂上に立ち寄りました。小さな達成感を道中さまざまなポイントで味わうことができ、往復で約4km、半日ほどのトレッキングは、あっという間に感じられました。

真昼山登山道(峰越登山口)

住所秋田県仙北郡美郷町浪花字中川原

香り豊かなサウナを楽しめる、「六郷温泉あったか山」

画像1: 香り豊かなサウナを楽しめる、「六郷温泉あったか山」

疲れた体を癒やすのに温泉を選べることは、美郷町を旅する魅力のひとつといえます。訪れたのは、「六郷温泉あったか山」です。温泉やテントサウナのほか、愛犬と一緒に泊まれるコテージを有する複合施設です。

画像2: 香り豊かなサウナを楽しめる、「六郷温泉あったか山」
画像3: 香り豊かなサウナを楽しめる、「六郷温泉あったか山」
画像4: 香り豊かなサウナを楽しめる、「六郷温泉あったか山」

芝生に囲まれた東屋に常設されているのがテントサウナです。サウナのなかでは香りの良いラベンダーウォーターを用いたロウリュが楽しめます。たっぷりと汗をかいたら、山の風が気持ちいい屋外でプールにざぶん。ちなみに冬場であれば、あたり一面に降り積もった雪上にダイブすることもできるとか。

リクライニングシートでゆったりと時間を過ごし、心と身体がととのうひとときを過ごせます。

画像5: 香り豊かなサウナを楽しめる、「六郷温泉あったか山」

「ヤマノサウナと呼ばれているのですね。ロウリュの香りがすばらしくて、ひと味違うサウナを楽しめます」と加賀谷さん。

画像6: 香り豊かなサウナを楽しめる、「六郷温泉あったか山」

サウナのあとは、コテージでバーベキュータイム。秋田の食材をたっぷりと堪能できました。

六郷温泉あったか山

住所秋田県仙北郡美郷町六郷東根字下馬転120
温泉営業時間6:00~22:00(4月~11月)
7:00~22:00(12月~3月)
温泉休館日
第2、第4水曜
ヤマノサウナ営業時間7:00〜、9:00〜、11:00〜、13:00〜、15:00〜、17:00〜、19:00〜の1枠90分制
ヤマノサウナ定休日水曜、木曜
web六郷温泉あったか山 公式サイトヤマノサウナ 公式サイト

初夏爛漫。東北最大級のラベンダー園

画像1: 初夏爛漫。東北最大級のラベンダー園

翌朝。山の中では小鳥のさえずりばかりが響きます。日常の喧噪から離れて、自然と一体になったような豊かな気分の中、訪れたのは一面のラベンダー畑です。

画像2: 初夏爛漫。東北最大級のラベンダー園

美郷町には、東北最大級の規模を誇るラベンダー園があります。毎年6月上旬から下旬にかけて約2万株のラベンダーが咲き誇り、訪れる人を爽やかな香りで包んでいます。

画像3: 初夏爛漫。東北最大級のラベンダー園

この時期は「美郷町ラベンダーまつり」が開かれ、キッチンカーや屋台が出店します。なかでも注目が、ラベンダーにちなんだスイーツやドリンクです。ラベンダーアイス(350円)は美郷町ラベンダー園で採取されたラベンダーを使用。淡いラベンダー色のニテコラベンダーサイダー(300円)も。いずれもオリジナリティを感じる逸品です。

画像4: 初夏爛漫。東北最大級のラベンダー園

また、ここではラベンダーの摘み取り体験もできます。1回300円で、筒に入る分だけ摘み取ることができます。加賀谷さんもご満悦。

画像5: 初夏爛漫。東北最大級のラベンダー園

散策を楽しみながら、ぜひご覧いただきたいのが、美郷町オリジナル品種である、ホワイトラベンダー「美郷雪華(みさとせっか)」。園内で発見され、平成25年に品種登録されたものです。紫と白のコントラストを楽しめるのは、ここ、美郷町ラベンダー園だけ。花の香りに包まれたイベントは、初夏の美郷町の風物詩です。

美郷町ラベンダー園

住所秋田県仙北郡美郷町千屋字大台野1-4
電話0187-85-3131(大台野広場管理棟。冬期閉鎖)

「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

町内には114カ所の湧水があり、その多くが六郷地区というエリアにあります。

画像1: 「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

これらは「六郷湧水群」と呼ばれ、街歩きにもうってつけです。美郷町ネイチャーガイドの案内で、レンタサイクルを借りてみました。町と包括連携協定を結ぶ「モンベル」の最新eバイクです。

画像2: 「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

拠点となるのが、水をイメージした観光拠点施設「名水市場湧太郎」。会議や集会、さまざまなイベントに利用できる町民御用達の複合施設ですが、道の駅のような機能も持っています。食事のほかお土産も購入可能と、旅人にも優しいわけです。

さて、それぞれの湧水は、徒歩で数分の場所に散らばっていますが、それぞれに個性があります。

画像3: 「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

まず訪れたのが、「ハタチや清水」。なんと酒屋さんのなかにある湧水です。ここでは商品であるお酒や飲み物を冷やしている様子が見られます。冷たく変わらない湧水は、夏場には涼をもたらし、そして今も地元の生活に根付いていることがわかります。

画像4: 「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

そして町を代表する湧水が「御台所清水」。秋田藩主の佐竹義隆公が炊事や茶の湯に使ったとされる由緒ある湧水では、オプショナルツアーとして事前予約するとこんなくつろぎのひとときを体験できます。

※オプショナルツアー、予約方法などは以下まで

美郷町観光情報センター

住所秋田県仙北郡美郷町金沢字下舘123
電話0182-37-3980
営業時間9:00~17:00
web美郷町観光情報センター 公式サイト
画像5: 「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

湧水で冷やした地元の野菜を特製ディップでいただきます。明治35年から作られている地サイダー「ニテコサイダー」(280円~)を一緒に。

画像6: 「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

個性豊かな湧水のなかでも、足湯ならぬ足清水を楽しめるのが、久米清水です。水温は12度ほどで、真夏の暑い時期には、足もとから縮み上がるほど気持ちよく冷えます。汗ばむ季節にはぜひお試しください。

画像7: 「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

湧水散策のゴールに設定したのは、無料の休憩処「清水(しず)の学習・案内所 水の休み場」です。名水で喉を潤し、水にまつわる美郷町の文化を学べます。

画像8: 「六郷湧水群」を巡る、水の良さを満喫する街歩き

映像や展示のほか、2階は色鮮やかな空間になっています。付箋に願いごとや“水に流したいこと”を書き、壁に貼るという趣向です。年に一度の「六郷のカマクラ」行事でこれらを焚き上げ、想いを天に届けます。加賀谷さん、ここでちょっとした願いごとをしたためました。どうか叶いますように。

名水市場湧太郎

住所秋田県仙北郡美郷町六郷字馬町83
電話0187-84-0020
開館時間9:00~18:00
web美郷町名水市場湧太郎 公式サイト

御台所清水

住所秋田県仙北郡美郷町六郷字宝門清水3-8

ハタチや酒店

住所秋田県仙北郡美郷町六郷字本道町52-1

久米清水

住所秋田県仙北郡美郷町六郷字本道町49-3

清水の学習・案内所 水の休み場

住所秋田県仙北郡美郷町六郷字本道町22-4
電話0182-37-3980(美郷町観光情報センター)
営業時間8:00~17:00(12~3月は閉館)

のどごし絶品。湧水仕立ての流しそうめん

画像1: のどごし絶品。湧水仕立ての流しそうめん

水の良さは、舌と喉で感じることもできます。「六郷湧水群」のひとつ「二テコ清水」に隣接しているグルメスポット「ニテコ名水庵」があります。蔵を改装したカフェがあるほか、先述のニテコサイダーも併設施設で作られています。

画像2: のどごし絶品。湧水仕立ての流しそうめん

4月末から9月末ごろまでの期間限定で、流しそうめん(1,000円/1人前)を提供しています。各テーブルに流しそうめん台がセットされており、ランプが付くとそうめんが流れてくる仕組み。流れる水も調理も、すべて清らかな地下水が使われています。水源地ならではのぜいたくな水の使い方です。冷水でキリッとしめてあるそうめんはコシがあり、「スルリと滑らかなのどごしでいくらでも入りそう」と加賀谷さん。

ニテコ名水庵

住所秋田県仙北郡美郷町六郷字大町59
電話0187-84-0062
営業時間11:00~17:00
定休日木曜
webニテコ名水庵 公式サイト

美郷町の魅力を持ち帰る、道の駅でのお土産選び

画像1: 美郷町の魅力を持ち帰る、道の駅でのお土産選び

旅の最後に、「道の駅美郷」に足を運びました。観光の拠点として、またたくさんのお土産が購入できるため、美郷町を旅するならぜひ立ち寄りたい場所です。

画像2: 美郷町の魅力を持ち帰る、道の駅でのお土産選び

木造の施設内には農産物や加工品のお土産がずらりと並んでいます。なかでもおすすめをお店の方にチョイスしてもらいました。

画像3: 美郷町の魅力を持ち帰る、道の駅でのお土産選び

(左から)明治7年創業の老舗・栗林酒造店が造る人気の日本酒「春霞」のなかでも、地元の酒米「美郷錦」を使った純米大吟醸「春霞 美郷酒米研究会」(1,870円)、ニテコサイダー5種類の味を、シュワシュワのソーダ飴に仕立てた「ニテコ玉キャンディ」(594円)、美郷町で見つかったホワイトラベンダー「美郷雪華」の爽やかで優しく可憐な甘さの香りを抽出した「美郷雪華ルームフレグランス」(2,480円~)、地元産黒毛和牛や特産のしいたけをふんだんに使った混ぜご飯「美郷まんま」(892円)。いずれもオリジナリティ溢れるものばかりです。

画像4: 美郷町の魅力を持ち帰る、道の駅でのお土産選び

また施設内には、町内の見どころを一覧できる「美郷町まちナビカード掲示板」もあります。行き先を決めない旅なら、まず道の駅美郷内にある美郷町観光情報センターに立ち寄って、気分と相談しながら訪れる場所を決めるのも一興といえそうです。

道の駅美郷

住所秋田県仙北郡美郷町金沢字下舘124
電話0182-37-3000
営業時間9:00~18:00(11~3月は~17:00)、レストラン 11:00~14:00
web道の駅美郷 公式サイト

美郷町観光情報センター

住所秋田県仙北郡美郷町金沢字下舘123
電話0182-37-3980
営業時間9:00~17:00
web美郷町観光情報センター 公式サイト

水にまつわる感動と、自然の彩りに溢れた、美郷町の旅に出かけてみませんか

画像: 水にまつわる感動と、自然の彩りに溢れた、美郷町の旅に出かけてみませんか

流れる水は四季を通して土地を潤し、住む人の日常を支えています。かたや旅人にとっては、非日常のひとときをもたらしてくれるものです。美郷町を巡る気ままな旅は、水にまつわる感動と、自然がもたらす彩りに溢れていました。

ラベンダーの香り、トレッキングルートを吹き抜ける風、こんこんと湧き出る湧水の水音。美郷町の旅の思い出が脳裏に蘇ると、「次はどこへ、どの季節に訪れようか」と、雫の落ちた水面のように、早くも気持ちがゆらめくようです。

本記事でご紹介した、「ネイチャーガイド」「ヤマノサウナ」「レンタサイクル」「流しそうめん体験」の予約・手配等については、以下のWebサイトからも詳細をご確認いただけます。ぜひご覧ください。

秋田県美郷町で、遊ぶ
https://asobu.akita-misato.com

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