日本航空〔東北支社〕 出口
みなさま、こんにちは!早速ですが、秋田県美郷町(みさとちょう)をご存知ですか?
雄大な奥羽山脈の裾野に広がる美郷町は、秋田県南東部の横手盆地に位置し、全国名水百選に選ばれた湧水(ゆうすい)、多くの高山植物が見られる真昼岳、美郷町オリジナル品種のホワイトラベンダー「美郷雪華」が咲き誇るラベンダー園など、町名のとおり、美しく豊かな自然に恵まれたエリアです。美郷町と日本航空は、2013年4月に自治体としては全国初となる連携協力協定を締結し、両者でさまざまな事業を展開し、今年で10周年を迎えます。夏はラベンダーまつりや湧水めぐりといった観光コンテンツ、登山や森林トレッキング、カヌー・カヤックといったさまざまなアウトドア・アクティビティに富んでいるのに対し、冬の観光はちょっぴり寂しいのが東京から出向してきた私も感じています。
そこで、日本航空と一緒に「冬キャンプ」と題し、冬のアウトドア・アクティビティの可能性を模索、次年度以降、「雪国の冬ならではの生活・文化・遊びを感じる」という観光モデルルートへの組み込みの実現に向けてモニターツアーを行いましたので、今回はその内容をご紹介します。
毎年6月中旬~7月上旬には2ヘクタールの広大な敷地に約2万株のラベンダーが咲き誇ります。ココでしか見れない白いラベンダー「美郷雪華」は美郷町オリジナル品種で、白と紫のコントラストは必見です。
【お問い合わせ先】
美郷町は四季の移ろいをあらゆる感覚で感じられます。
夏は色鮮やかな緑が広がるのに対し、冬になると一変、町中が真っ白で静寂に包まれた雪景色となります。夏だけでなく冬にも観光客に来ていただき楽しんでもらう、そのために日本航空という外部からの意見を聴取、ハード面・ソフト面の磨き上げにつなげていくというのが今回のモニターツアーのミッションです。
今回のモニターツアーは2023年2月11日(土)~12日(日)の1泊2日で行われました。参加したのはモニターツアーで募集したJALグループのスタッフ16名です。
1日目は毎年継続している町内の高齢者宅を中心とした雪おろしボランティア。今回は3班に分かれて、3軒のお宅を訪問しました。雪国ではいわゆる「雪かき」なんてあまいものではありません!「雪寄せ」「雪投げ」といって、町中あちらこちらで除雪しています。雪国の生活を体験する、その中で町民との交流を図るこの活動は今後も継続していきたいものです。
家の半分を覆う雪をシャベルで崩す一幕。作業後はお宅のばっちゃ(お婆ちゃん)と談笑して交流を図りました。
1泊目は千畑温泉サン・アールに宿泊しました。町内には3ヵ所の温泉施設がありますが、その中でも千畑温泉サン・アールは、一面ガラス張りの内風呂や露天風呂から眺められる四季折々の景色が人気です。また泉質もナトリウム硫酸塩泉で、動脈硬化症や切り傷、やけど、慢性皮膚炎などに効果が期待されお肌すべすべになると評判です。またお食事も秋田の食材を丸ごと利用した「秋田ごっつぉ御膳」をはじめ、宿泊のお客さまに大変ご好評をいただいています。
【お問い合わせ先】千畑温泉サン・アール
住所 | : | 秋田県美郷町金沢東根字仏沢210-1 |
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アクセス | : | 秋田空港から車で約1時間30分 |
Tel | : | 0187-84-3983 |
営業時間 | : | 温泉 8:00~21:00 大広間 9:00~16:00 |
休館日 | : | 毎月第3火曜日 |
2日目はいよいよ冬のアウトドア・アクティビティの体験です。今回は地元ネイチャーガイド育成事業でも講師を務めていただいている一般社団法人白神コミュニケーションズ様にガイドをお願いしました。
「スノーシュートレッキング&雪上ランチ」体験
まずは、スノーシュートレッキングの体験。スノーシューは「西洋式」のかんじきを思い浮かべると分かりやすのですが、最近ではアウトドア・アクティビティとしても注目されつつあります。今回のフィールドは千畑温泉サン・アールから近い仏沢溜池周辺の散策です。このあたりは、冬は雪に覆われるためスノーシューがなければ踏み入れられない場所。水源の森「七滝山」をバックに、美郷町のキレイな水はこの雪の恵みから生まれているのだなと感じます。
歩き始めた最初の感想「心地よい、楽しい、気持ちいい!!」。静寂の中、ふかふかの新雪の上をさくさくと踏みしめる音がBGMとなり、靴では入っていけない場所に自分が一歩目を踏み出す、そこに見える景色や発見は体験しないと分かりません。また、澄み切った空気の中、大自然と一体になる感覚はスキー場とは全く異なります。「動物の姿や足跡」「木の枝に積もった雪が落ちてくる瞬間」「雪がダイヤモンドダストのようにキラキラする景色」すべてが新たな発見です。スノーシューも単に歩くだけであれば苦行ですが、こういった五感を大切にしながらの体験とセットだと、それだけですばらしいアウトドア・アクティビティになりますね。
今回、スノーシュー初体験の参加者も多く、トレッキングだけでなく新雪へのダイブやソリやビニール袋を使って坂道を滑るケツジョリでアクティブに楽しみました。
ランチは雪上でのダイニング。机と椅子は雪を掘って自分で作る、青空雪上レストランの完成です!の予定でしたが、あいにくの雨天により急遽施設内となりました。残念!
ただし、メニューは比内地鶏でとった出汁にご飯を軽く潰して丸めた「だまこ」が入った秋田県の郷土料理であるだまこ鍋を中心に、秋田県内の食材を利用した料理が豊富で大満足でした。
「今しかできない」「ここでしかできない」自然の中で体験するその一瞬を丸ごと旅のお土産として持って帰りたい、そんな想いになりました。
モニターツアー終了後、参加者と話しましたが、総じて、スノーシュー、またこの仏沢溜池周辺はアウトドア・アクティビティとして十分な可能性があると感じました。
「非日常の世界を体験する」
まさに旅行する観光客が求めているのはこの点だと思います。
そのためにはフィールドとなるハード面やご案内するためのソフト面での整備が必要になります。美郷町では「美郷町ネイチャーガイド」として、地元ネイチャーガイドを育成、訪れる観光客に対し「安全で、楽しく、分かりやすく」をキーワードにガイド活動を展開しています。今後はスノーシューガイドの育成にも取り組んでいく予定で、こういったガイドを活用するのも旅行をより充実したものにするための一つかもしれません。
「美郷町ネイチャーガイド」は所定の講習会と試験を経て認定された地元中心の観光ガイドです。「登山」「まち歩きと湧水」「森林」「星空」ガイドを認定、今後は新たなフィールドとして「カヌー」「スノーシュー」を追加予定です。パンフレットやインターネットでは検索できない、地元ならではの情報と交流により、より充実した旅行になります。
いかがでしたでしょうか?
今回ご案内したのは新たなチャレンジとなる冬のアウトドア・アクティビティ体験で、春~夏はラベンダー園や清水めぐり、登山・トレッキングといった、さらに充実した旅行が美郷町では楽しめます。
町名のとおり「うつくしい さとの まち」、水や大自然をはじめとした観光資源に加え、住んでいる町民の方々のやさしさに触れあってみてはいかがでしょうか?実際に2年間住んでみた私が太鼓判を押します!
「まんず美郷さ来てたんせ!」(ぜひ、秋田県美郷町にお越しください!)
美郷町に来たら絶対飲んで欲しいのが「ニテコサイダー」です。全国名水百選「六郷湧水群」の一つ「ニテコ清水」の地下水を使って作られたサイダーです。100年以上の歴史を持つ地域に根付いた自慢の名産品です。
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