過去や未来ではなく“今この瞬間”に意識を集中させ、あるがままに自分の感情や感覚を捉える心の状態、マインドフルネス。心がととのいストレスが軽減したり、集中力が高まり仕事のパフォーマンスが向上したりと、あらゆるメリットをもたらすといわれています。その手法としては瞑想がよく用いられますが、なかには「旅」をマインドフルネスのひとつと考えている方々も。

本記事ではその代表として、旅好きでありマインドフルネスと関わりの深いお仕事をしているヨガインストラクター・松本莉緒さんと、ワインディレクター・田邉公一さんに、それぞれが考えるマインドフルネスな旅と、旅先での過ごし方を教えてもらいました。

【松本莉緒】ヨガを通して自分の心とより深く繋がる

画像1: 【松本莉緒】ヨガを通して自分の心とより深く繋がる

11歳で芸能界デビューを果たし、女優として数々の話題作に出演してきた松本さんは、2014年にヨガの国際ライセンスを取得。ヨガインストラクターとしての活動をスタートしました。

ヨガは動く瞑想ともいわれ、雑念を払い今に集中して行うことから、マインドフルネスと近しい関係にあります。松本さんにとってヨガは、「自分自身と繋がることのできる手段」だといいます。

松本さん「忙しい日々のなかで疲れてくると、自分が本当はどうしたいのかわからなくなり、心のコントロールができなくなることもありますよね。ヨガは、自分の心とじっくり向き合うことができるので、自分の軸を取り戻す手段のひとつとして、とても効果的だと感じています」

画像2: 【松本莉緒】ヨガを通して自分の心とより深く繋がる

元々旅が好きだったという松本さん。ヨガに出会ってからは、ヨガの本場バリのイベントに日本代表講師として招かれたり、自身でヨガツアーを企画したりと、仕事で精力的に国内外へと出向くようになりました。しかし、プライベートの旅行でもヨガの存在は大きいとのこと。

松本さん「私の旅の目的は、ヨガをより深く追求し、自身のスタイルを構築すること。新しい世界に触れ、しっかりと自分自身と向き合うためにも、ひとり旅で1週間は滞在するようにしています。それまではひとりで旅するなんて考えられなかったのですが、誰かに委ねる人生を送らないと決めてからは、ひとりでどんな場所でも行けるようになりました」

日常的に行うヨガと、旅先で行うヨガはまた少し違うそう。

松本さん「文化や自然など環境が異なる旅先でヨガを行うと、最初は体がその土地にまだ順応していないためか、体や心が『あれ?』と違和感を覚えてしまうこともあるんです。それでも、食事をして睡眠をして、自分のペースを取り戻しながら3日くらい過ごすと、徐々に体が調和されていき、深く呼吸ができるようになります。呼吸がととのってくると思考も研ぎ澄まされていき、そのときに自分に必要なものが自然と何なのかわかってくるんです」

自分のペースで心の赴くままに行動することで頭の中もクリアに

画像: 自分のペースで心の赴くままに行動することで頭の中もクリアに

旅先でヨガをしている以外の時間は、どのように過ごしているのでしょうか?

松本さん「疲れた足を休めにマッサージに行ったり、オーガニックなごはんを楽しんだり、スーパーへ調味料や食材を見に行ったり、ときには繁華街でお酒を飲んだりして、自分自身が心地よいと思える過ごし方をするようにしています。その土地で暮らしている方と同じように過ごすことが楽しいんです。気がついたら観光地にも行かず、お土産すら買っていなかったということも多いです(笑)」

一見、マインドフルネスとは関係のなさそうな行動ですが、松本さんにとってはこれも大切な自身のマインドフルネスの方法。

松本さん「旅先では『今、これをやってみたい』と感じた、自分の心の声に正直に行動するようにしています。誰にも振り回されない自分のペースで、心が満たされるまで、目の前の物事に集中する。これだけでも、頭がどんどんクリアになっていきます。そのおかげで大切なことにハッと気づけることも多く、旅は心を整理できる大切な時間なんです」

ひとり旅では、つい時間があるとスマホを触ってしまいがちですが、松本さんはスマホも極力手に取らず、SNSなどの情報もシャットアウトするそう。スマホを手にすることもなく、目の前の夕日がゆっくりと沈みゆく姿を眺めている時間が、なによりも贅沢だといいます。

新たなインスピレーションを手に帰国

画像: 新たなインスピレーションを手に帰国

また、ヨガスタジオに置くインテリアグッズやヨガアイテムを旅先で購入することもあるそうですが、集中力が高まっているためか、買い物の失敗も少ないそう。

松本さん「あとは物だけでなく、ふと入ったお店で流れている音楽が心地よいと感じたら、その場で曲名を教えてもらって即ダウンロード。その国の雰囲気を持ち帰って、帰国後にひとりで浸ったり、ヨガの生徒さんと共有したりして楽しんでいます」

ただ旅先でリフレッシュをするだけでなく、自分の心が良いと感じたものやヨガのスタイルはしっかりと吸収して持ち帰る松本さん。マインドフルネスな旅をきっかけに、自身のスタイルをアップデートし続けている姿が印象的です。

松本莉緒(まつもと・りお)

1982年生まれ。女優・ヨガインストラクター。女優として「ガラスの仮面」や「モテキ」など数多くのドラマや映画、CMに出演。2014年からヨガ講師としての活動をスタート。数々のヨガイベントに出演し、現在はヨガインストラクター事務所「Peaceberg Style」の代表として、インストラクターの教育なども行っている。
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【田邉公一】その土地の食やワインを五感すべてで味わう

画像: 【田邉公一】その土地の食やワインを五感すべてで味わう

ワインディレクターとして、飲食店で提供するお酒のセレクトや監修、セミナー講師など、幅広くワインに関わる活動を行っている田邉さん。田邉さんいわく、ワインディレクターの仕事はマインドフルネスそのものであるとのこと。

田邉さん「五感をフルに使って、目の前の食事を集中して味わうことでも、マインドフルネスと同じ効果が得られるといわれているんです。ワインのテイスティングも、香りや見た目、舌触りなど、とにかく五感を研ぎ澄ませ、すべての意識を目の前のワインへと集中させて、味や香りを感じ取ります。つまりこの行為は、マインドフルネスそのものなんです」

旅先の空気を体全体で感じ取ることで、より深く記憶に残る

画像: 旅先の空気を体全体で感じ取ることで、より深く記憶に残る

そんな田邉さん、仕事とプライベートを兼ね、ギリシャやオーストラリアなどワインの産地を中心に各地を旅してきたといいます。マインドフルネスな旅で意識していることとは?

田邉さん「どこの国でもワインの産地へと赴き、その土地の料理と一緒にワインをいただくようにしています。ブドウ畑の土を触ったり、土地の空気の香りを感じたりと、ワインが生まれてくる過程一つひとつを、目だけではなく体全体を使って感じ取っていきます。そうすると、ただ無意識で各地を巡っているときと比べ、より深く記憶に残るのを強く実感できるんです。また、旅先での食事は、できるだけゆっくりと時間をかけて、料理とワインを五感すべてで楽しむようにしています」

確かに、旅先でその土地のものを食べる際、いつもよりじっくりと味わったことで、その食材が持つ香りや風味などを、いつも以上に強く感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

毎日の食事は、つい考えごとをしながら済ませたり、慌ただしく短時間で済ませたりしがちですが、せめて旅先だけでも、一口ずつじっくり食事に向き合うことで、より一層リラックスした状態で料理本来のおいしさを堪能できそうです。

旅先と関係のない本は持っていかないのがルール

画像1: 旅先と関係のない本は持っていかないのがルール

田邉さんが旅先でマインドフルネスの状態になるために、もうひとつ実践しているルールがあるそう。「今の場所にいること、今体験していることは、私の人生において最初で最後だ」と心の中で唱えることで、雑念が消え、より今に集中できるといいます。また、昔から読書好きであらゆるジャンルの本を毎日2冊持って出かけるのがルーティーンだそうですが、旅先ではお休みするとのこと。

田邉さん「そのときの旅に関係のある本しか持っていきません。それがワインの本だとしても、異なる産地のワインが紹介されているものは、それも雑念のひとつになってしまうのでNG。SNSも発信ベースへと切り替え、情報を受信することは意識的にしないようにしています」

画像2: 旅先と関係のない本は持っていかないのがルール

旅先でマインドフルネスな状態で過ごすことで、なにかご自身に変化はあったのでしょうか。

田邉さん「旅が終わったあと、大きな枠で物事を捉えられるようになったり、自分自身を客観視できるようになったりと、必ず良い影響をもたらしてくれています」

今後は、これまで以上に日本国内のワイナリーや酒蔵、蒸溜所を巡りたいと語る田邉さん。「その土地の文化に触れ、まだ見ぬ日本の美しさを五感で体感する旅をしてみたいです」と話してくれました。

田邉公一(たなべ・こういち)

ワインディレクター。一流のソムリエを輩出してきた「ルイーズ・ポメリー ソムリエコンクール」で2007年に優勝。現在はレストランやワイン関連会社のワインセレクション、ドリンクアドバイザー、ワインスクールの講師、各種飲料のイベント監修など、幅広く活動中。
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今回お話を伺ったおふたりともが、旅先でマインドフルネスを実践したことで「凝り固まった考えから解き放たれ、新しい考え方ができるようになった」と語ってくれました。忙しい日常から離れられる旅先は、マインドフルネスを実践し、いまの自分自身と向き合える良い機会になるのではないでしょうか。新しい旅のカタチのひとつとして、マインドフルネス旅にも注目してみてください。

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