2021年7月23日から8月8日までの17日間、日本にたくさんの感動を届けてくれた東京2020オリンピック競技大会。実は出場選手の中には、JALで働くアスリートたちがいます。日本勢49年ぶりの決勝進出を果たした陸上競技 男子走高跳の戸邉直人(とべなおと)選手、日本勢57年ぶりの決勝進出を果たした陸上競技 女子やり投の北口榛花(きたぐちはるか)選手、そして、フェンシング 男子エペ団体で日本初となる金メダルを獲得した加納虹輝(かのうこうき)選手の3人です。
画像: ※撮影時のみマスクを外しています

※撮影時のみマスクを外しています

現役アスリートとして第一線で活躍しているかたわら、JAL社員としても働いているアスリート社員は5人いますが、どのような毎日を過ごしているのでしょうか。今回は特別に3人に集まってもらい、アスリートとJAL社員という2つの側面について話を聞きました。

画像1: 実はJALでこんな仕事をしています! 東京2020オリンピック競技大会に出場したアスリート社員にインタビュー

戸邉直人(とべなおと) 2019年4月1日入社

2019年2月2日に行われたドイツでの大会で、13年ぶりに日本記録を塗り替え、現在、男子走高跳日本記録(2m35cm)を保持。また大学院では走高跳を研究し博士号を取得。選手としてだけでなく研究者としての顔もあわせ持つ異色のジャンパー。

プロフィール
競技種目:陸上競技・走高跳
生年月日:1992年3月31日
出身地:千葉県
主な実績:
世界選手権(2015年・2019年出場)
IAAFインドアミーティング(2019年優勝)※日本記録樹立
アジア選手権(2018年・2019年3位)
セイコーゴールデングランプリ(2018年・2019年優勝、2020年3位)
日本選手権(2011年・2015年・2019年・2021年優勝)

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北口榛花(きたぐちはるか) 2020年4月1日入社

2019年5月6日に日本記録を樹立し、同年10月27日には自身の持つ日本記録を塗り替え、現在、女子やり投日本記録(66m00cm)を保持。フィールドを日本から世界に広げ、日本の王者として成長し続ける選手。

プロフィール
競技種目:陸上競技・やり投
生年月日:1998年3月16日
出身地:北海道
主な実績:
世界ユース選手権(2015年優勝)
世界選手権(2019年出場)
セイコーゴールデングランプリ(2019年2位、2020年優勝)
日本選手権(2019年・2021年優勝、2020年2位)
全日本実業団選手権(2020年優勝)

画像3: 実はJALでこんな仕事をしています! 東京2020オリンピック競技大会に出場したアスリート社員にインタビュー

加納虹輝(かのうこうき) 2020年4月1日入社

2019年2月9日にバンクーバーで行われた国際大会において、個人戦で初優勝。同年3月24日にブエノスアイレスで行われた国際大会では、団体戦でも初優勝を果たす。フェンシング界における日本代表ホープ選手の一人。

プロフィール
競技種目:フェンシング・エペ
生年月日:1997年12月19日
出身地:愛知県
主な実績:
ワールドカップ 個人/銅メダル(2017年)、金メダル(2019年)
        団体/金メダル(2019年)
アジア選手権 個人/銅メダル(2018年)
       団体/金メダル(2018年)
日本選手権 個人/銅メダル(2020年)

三者三様の「個性」とオフシーズンの「息抜き法」

――3人に集まっていただきましたが、普段からアスリート社員同士で交流はありますか?

戸邉「練習はそれぞれ違う場所で行っているので、イベントなどで集まった際に話すことが多いですね」

――3人で話しているときの雰囲気が、とても和やかに感じるのですが。お互いの印象はいかがでしょう?

画像1: 三者三様の「個性」とオフシーズンの「息抜き法」

戸邉「北口は明るいムードメーカーですね」

加納「しゃべり方とかがほわほわした感じなので、天然っぽい印象があります」

北口「『天然だよね』ってよく言われるんですが、自覚はないです(笑)。練習が忙しかったり試合が多かったりしてみんなに会う機会が少ないので、会えたときにはいろんなことを話せたらいいなと思って、たくさん話しかけちゃいます。もともとおしゃべりなので(笑)」

戸邉「加納くんは冷静沈着なイメージ。イベントで登壇して話したりするときも、自分のペースで冷静にしゃべるんですよね。陸上と違って、フェンシングは対人競技だからなのかな」

北口「戸邉さんが言う通り、瞬時にその場の状況を分析して行動している感じがします」

画像2: 三者三様の「個性」とオフシーズンの「息抜き法」

加納「それじゃロボットじゃん(笑)。それっぽいことを言ってるだけで、全然分析してないんですけどね。ただ、焦ったりすることはあまりないかもしれません。戸邉さんは第一印象がしっかり者という感じだったんですが、実は面白いことをよく言う人です」

北口「そうそう、ちょいちょい面白いことを言ってくれるので、すごく楽しいんです。あと、物知りな人で、話していても知識が豊富なので勉強になります」

戸邉「つまらないやつだと思われてなくて、良かったです(笑)」

――3人それぞれに違う個性があって面白いですね。種目も異なりますが、年間のスケジュールはどのようになっているのですか? アスリートと社員の活動はいずれも大変かと思いますが……。

加納「フェンシングは11月から7月にかけてがシーズンなのですが、9月に全日本選手権があるので、実質的にオフシーズンはないようなスケジュールです。練習の合間を縫って、アスリート社員としての仕事も行っています」

画像3: 三者三様の「個性」とオフシーズンの「息抜き法」

北口「陸上は、戸邉さんの走高跳のように室内シーズンがある種目と、私のやり投のように屋外シーズンだけの種目で試合の時期が異なります。やり投の場合は、4月から長くても11月まで。オフシーズンの間は冬季練習という形で基礎を作るトレーニングを行いながら、JALでの仕事をしています。今年はオリンピックでケガをしたので、早めにシーズンを終えて休みを取っていて、10月末から冬季練習を始める予定です」

戸邉「北口が話してくれたように、走高跳は室内シーズンがあります。屋外シーズンは4月から9月くらい、室内シーズンは1月半ばから3月の初めまでですね。オフシーズンにトレーニングしたり、JALでの仕事をしたりといった形です」

――なるほど、皆さんお忙しいですね。そんななかでどう息抜きをしているんですか?

加納「趣味らしい趣味はないんですが、YouTubeはよく見ますね。動物が好きで、最近はコツメカワウソの動画にハマっています(笑)。コツメカワウソってすごく賢くて、タオルで自分の体を拭くんですよ。1匹100万円くらいするので、さすがに飼えないですけど」

北口「そこまで考えたんだ(笑)。私は甘いものが好きで、おいしいお店に食べに行くのが息抜きだったんですが、今はコロナ禍で出歩けないので、おうち時間を楽しむために漫画の『ONE PIECE』を買いました。最近の楽しみは、新刊を読むことです」

画像4: 三者三様の「個性」とオフシーズンの「息抜き法」

戸邉「僕も漫画を読んだりYouTubeを見たりするんですが、大学院時代からのクセでついやってしまうのは論文探しです。読み方がわかると、結構面白いんですよ。自分の競技と関係のないトレーニングに関する論文を読むと、意外な発見があったりするので、いろいろ読んじゃうんですよね」

――研究者でもある戸邉さんならではの息抜きですね! 皆さんの個性的な一面を知ることができました、ありがとうございます。

「仲間からの応援の言葉」がモチベーションになる

――皆さん、東京2020オリンピックでは大活躍でしたが、JALや周りの方たちからはどのようなサポートがありましたか?

画像1: 「仲間からの応援の言葉」がモチベーションになる

北口「JAL社員からの応援が励みになりましたね。大学生の頃から1人で練習することが多いのですが、自由に取り組める反面、誰かが応援してくれているという実感を得ることがあまりなかったんです。2020年に入社してからは、日本選手権やオリンピックを終えた後の社内での報告会で応援の言葉をもらい、応援してくださる方がいる実感が湧きましたし、オリンピックでも力になりました」

加納「僕も入社してから、応援してくださる方々のパワーをより強く感じるようになりました。あと、学生時代はフェンシング以外のアスリートとの交流がなかったので、戸邉さん、北口さんをはじめ、チームJALの山本凌雅さん(陸上競技 三段跳)、土井杏南さん(陸上競技 短距離走)とほかの競技の選手と交流が持てたこともプラスに働いたと思います。何気ない会話だけでも発見がありますし、刺激にもなりますね」

戸邉「2人が話してくれたように、JAL社内からの応援は大きな力になっています。特に昨年から今年にかけてのコロナ禍で、航空業界は直接的に影響を受けました。そんな苦しい状況のなかでも、JAL社員のみんなが前向きに応援してくださったことがうれしかったですし、モチベーションになりました。仲間のサポートは偉大ですね」

――温かいサポートがあったのですね。オリンピックを終えてから、JALの社員と交流する機会はありましたか?

画像2: 「仲間からの応援の言葉」がモチベーションになる
画像: ※報告会はオンラインを通じて行われました

※報告会はオンラインを通じて行われました

戸邉「社内向けの報告会で、交流できました。また、出社した際にたまたまエレベーターに乗り合わせた方や、廊下ですれ違った方が『オリンピック見てたよ』と声をかけてくださって、ありがたかったですね」

北口「数えきれないほどの方から『おめでとう』『かっこよかったよ』と、声をかけていただいたんです。自分では納得のいく結果ではなかったのですが、社員の皆さんのおかげで『いい結果だった』と思ってもいいのかなって、プラスの気持ちになれました」

社内外にスポーツの楽しさを届ける活動が自身の成長にもつながる

――先ほどのお話の中で「JALの仕事」とお聞きしましたが、アスリート社員としてどのような業務を担当しているのでしょう?

画像1: 社内外にスポーツの楽しさを届ける活動が自身の成長にもつながる
画像2: 社内外にスポーツの楽しさを届ける活動が自身の成長にもつながる

戸邉「アスリート社員で行っている取り組みの1つに、『JAL社員の健康増進のためのWellness活動』があります。JALでは『本気の!ラジオ体操』を各部門において本格的に行っていて、そこで流すレクチャー動画を撮影しました」

北口「レクチャー動画なので、全員で体を動かす向きや足を開くタイミングなどを揃えないといけなくて、撮影は大変でしたね(苦笑)。何度も失敗しながら、なんとか撮影したものを流してもらっています」

戸邉「僕が一番ミスの数が多かったですね(苦笑)。何十テイクも撮りました」

画像: アスリート社員と本気の!ラジオ体操 youtu.be

アスリート社員と本気の!ラジオ体操

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北口「ほかにも、東京2020オリンピックに向けたカウントダウン企画として、社員向けのイントラネットに1日1本エクササイズ動画をアップするという取り組みも行いました。撮影はそれぞれ練習場所などで行ったのですが、アスリートのトレーニング風景はあまり見えない部分だと思うので、社員の方々にも新鮮に映ったようです」

加納「僕も普段行っているトレーニングやストレッチを見せることはなかなかないので、新しい経験になりました。自分がやってきたことが皆さんの健康につながるという点で、アスリートとしても社員としても貢献できたのではないかと思っています」

戸邉「多くの方から『動画見たよ』と言っていただけるので、慣れないながらも撮影して良かったなと思いますね」

画像: フェンシング 男子エペ 加納虹輝さん カウントダウンエクササイズ youtu.be

フェンシング 男子エペ 加納虹輝さん カウントダウンエクササイズ

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画像: 陸上競技 女子やり投 北口榛花さん カウントダウンエクササイズ youtu.be

陸上競技 女子やり投 北口榛花さん カウントダウンエクササイズ

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画像: 陸上競技 男子走高跳 戸邉直人さん カウントダウンエクササイズ youtu.be

陸上競技 男子走高跳 戸邉直人さん カウントダウンエクササイズ

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加納「その他には、社外に向けて、子ども・学生向けのクリニックも行っています。各競技団体と連携した活動で、競技の普及やスキルの強化、現役アスリートとの交流を目的にした取り組みです。小学生から大学生までが対象で、フェンシングにおいてはエペの基本戦術やナショナルチームの練習内容の紹介などを行いました」

画像3: 社内外にスポーツの楽しさを届ける活動が自身の成長にもつながる

――加納さんが実際に子どもたちにお話しされたのですか?

加納「はい。ただ、子どもたちがわかりやすいように伝えることが難しくて……。初めてのときは苦戦しましたね。1年前に教えた参加者に再会したときに、『エペについてより理解できた』『練習方法のバリエーションが増えた』と言ってもらえて、純粋にうれしかったです。今はそこまで緊張せずに伝えられていると思います」

――なるほど。アスリート社員として“人に伝える”活動を行っているのですね。そんななかで、気づきや学びはありますか?

画像4: 社内外にスポーツの楽しさを届ける活動が自身の成長にもつながる

戸邉「基本的にアスリートは競技場に閉じこもり、ひたすら自分自身と向き合う作業が多いので、アスリート社員として人とコミュニケーションを図る機会は貴重なんですよね。違う価値観に触れることで違う視点で物事を考えられるようになりますし、人間としても競技者としても深みが出てくるのではないかと感じています」

画像5: 社内外にスポーツの楽しさを届ける活動が自身の成長にもつながる

加納「自分が競技や練習について理解していないと、人には伝えられないと思っています。そして、人に伝えることで、自分が理解できていなかった部分に気づくこともあるので、自分を成長させるためにも大切な機会になっていますね」

画像6: 社内外にスポーツの楽しさを届ける活動が自身の成長にもつながる

北口「私はもともと人に説明したり、インタビューで話したりすることが得意ではないので、アスリート社員の活動を通じて伝わる話し方を学んでいる最中です。自分自身のことも競技のこともうまく説明できるように、成長していけたらと思っています!」

世界のトップを目指しながら、競技の魅力やスポーツの楽しさを伝えてくれているアスリート社員たち。これからの活躍に期待しながら、今後開催されるイベントもチェックしてみてください!

JALは東京2020オリンピック競技大会のオフィシャルエアラインパートナーです。

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