何度も沖縄を訪れ、主要な観光スポットはほとんど行ってしまったという沖縄上級者の方々へ。次の沖縄旅では、沖縄の歴史や文化を肌で感じることができるディープスポットへ足を運んでみてはいかがでしょうか? ノスタルジックな雰囲気の市場や飲み屋街、一度は途絶えかけた「ぶくぶく茶」など、有名観光地から半歩踏み込むだけで出会える沖縄スポットを楽しんでみてください。

ノスタルジックな雰囲気に魅了される飲み屋街「栄町市場」

国際的なリゾート都市として海外からも人気のディスティネーション、沖縄。国際通りを歩けば、ホテル、レストラン、カフェ、屋台村、沖縄土産が揃うショップなどが立ち並び、観光客が滞在中困ることはありません。ですが、観光客向けの顔ではなく、素の沖縄の顔を覗いてみたいと思ったことはありませんか?

画像: ノスタルジックな雰囲気に魅了される飲み屋街「栄町市場」

そのようなときに訪れたいのが、ゆいレールの安里駅を降りてすぐの「栄町市場」。国際通りから徒歩でも10分ほどでアクセスできる、ローカル感あふれるスポットです。

栄町市場のある場所は、ひめゆり学徒隊で知られる沖縄県立第一高等女学校の跡地ですが、現在はノスタルジックな昭和の面影を残す市場として、地元の人々が集まる場となっています。歴史を刻む古い施設が姿を消す中、迷路のように入り組んだこの一角は、戦後復興時に市民の食を支えた姿を今に残しています。

日中には地元の人々が“ゆんたく(沖縄方言で「おしゃべり」を指す)”を楽しむ姿も見られますが、夜になるとまた別の顔が。精肉店や青果店、お惣菜店などは店じまいをし、栄町市場は、市場から赤ちょうちんが灯る飲み屋街へと姿を変えます。夜が深まるにつれてどこからともなく人が集まり、知らない人同士が仲良く肩を並べて飲み明かす夜の街へと変貌するのです。

細い通りに飲み屋が雑然と軒を連ねる様子は、映像などで見た戦後復興期の日本や、活気ある東南アジアの街角のような独特の光景。沖縄に数多くあるラグジュアリーリゾートとはまた違ったタイプの“非日常”を楽しむことのできるスポットです。

栄町市場

住所沖縄県那覇市安里388

こんもり泡が特徴。一度は途絶えかけた幻の「ぶくぶく茶」

飲み屋街でオリオンビールもいいですが、ディープすぎる雰囲気にハードルの高さを感じた人には、散策スポットとして人気の「壺屋やちむん通り」がおすすめです。壺屋やちむん通りは、石畳の道の左右に陶器店や工芸店、カフェなどが並び、昔の沖縄の雰囲気が楽しめるエリア。ここで体験できるのが、沖縄の伝統的なお茶「ぶくぶく茶」です。

画像: こんもり泡が特徴。一度は途絶えかけた幻の「ぶくぶく茶」

ぶくぶく茶は、戦前に那覇で飲まれていた“振り茶”の仲間。振り茶というのは、自家製の番茶を手製の茶筅(ちゃせん)で泡立てるお茶のこと。

ぶくぶく茶には一度途絶えかけた歴史があります。第二次世界大戦で茶道具が焼失し、ぶくぶく茶自体が消滅の危機にありましたが、幸い東京に難を逃れた茶道具があったために、幻となってしまう一歩手前のところで復興することができたそうです。現在では、沖縄の伝統文化として提供するホテルやカフェもちらほら。

ぶくぶく茶の主役は、さんぴん茶や玄米茶を泡立てて作るふわふわの白い泡。どうしてお茶がこんなに泡立つのか不思議に思うかもしれませんが、琉球石灰岩の成分が含まれた沖縄の硬水だからこそ、しっかりとした泡が立つのだとか。

この琉球王朝時代から親しまれてきたぶくぶく茶を琉球菓子と一緒に気軽に味わえるのが、壺屋やちむん通りにある「うちなー茶屋&ギャラリー ぶくぶく」です。鼻の頭に真っ白な泡をつけながら笑いあって飲むぶくぶく茶は、ほっこりと幸せな気分にさせてくれること間違いなし。また、ホットコーヒーはお客さんが自分で選んだやちむん(沖縄の陶器)カップで提供され、沖縄らしさに直に触れることのできるお店です。

店内にはカフェスペースのほかにギャラリーもあり、やちむんをはじめ、琉球ガラスや紅型(びんがた)の取り扱いも。カフェと一緒に気軽に見られて、気に入った商品は購入もできるのでおすすめです。

うちなー茶屋ぶくぶく

住所沖縄県那覇市壺屋1-22-35
電話098-943-4811
営業時間10:00~19:00(L.O.18:00)
定休⽇火曜
webhttps://bukubuku.jp/

もっとディープなコザエリアへ

那覇のディープスポットに魅了されたなら、少し足を延ばして那覇から車で30分ほどのコザを訪れてみてください。コザはかつて本島中部にあった、日本で唯一のカタカナ表記の市です。1974年に美里村と合併して沖縄市となったためコザ市の名前は消滅しましたが、嘉手納基地と隣接するコザは、今もアメリカ文化と沖縄文化がチャンプルーした(混ざった)独特の雰囲気を色濃く残す、沖縄きってのディープなエリアです。

まるで海外に来たかのような「コザゲート通り」

現在コザの名は、コザ十字路から胡屋地区、中の町地区まで広がる文化圏の愛称として使われています。コザゲート通りは、嘉手納基地のゲートから伸びる、基地の門前町のような通り。米軍向けのお店や海外経営者のお店が並び、色とりどりの看板や英語表記、日本にはないセンスに、海外に来たような錯覚すら覚えるかもしれません。

コザは観光客向けに作られた町ではなく、1960年代〜80年代にかけて県内随一の繁華街として賑わいました。歴史とともに歩んできた町独特の魅力が感じられます。北谷のオシャレな美浜アメリカンビレッジの後にコザを訪れると、そのギャップがおもしろく、一層楽しめることでしょう。

コザゲート通り

住所沖縄県沖縄市中央

ユニークな部屋にワクワクが止まらない「トリップショットホテルズ・コザ」

かつては米兵で盛り上がる歓楽街であったコザの中央パークアベニューは、戦後の賑わいの面影をどことなく残す商店街。日本各地の商店街にもどことなく通じる、時の移ろいを思わせるわびさびを感じますが、若い人が新たにショップをオープンさせるなどの動きも見られ、今後注目したいエリアです。

画像: ユニークな部屋にワクワクが止まらない「トリップショットホテルズ・コザ」

そんなエリアにあるのが、沖縄市のテレビ番組『コザの裏側』制作チームが手がけた宿泊施設「トリップショットホテルズ・コザ」。中央パークアベニューにかつてあった店舗をリノベーションした、10の個性的な客室が魅力のホテルです。

その中の一室、元美容室をリノベーションし、70年代のロックスターが利用する客室をイメージしてデザインされた「ロックサイド」は、ヴィンテージ家具や猫足バスタブ、深紅のカーテンなど、細部にまでこだわった91平米の広々とした部屋。ほかでは味わえない独特な空間での時間は、強烈な思い出として記憶に残ることでしょう。

フィリピンキャバレーだった場所をリノベーションした「セントラル」も面白い客室。存在感のあるカウンターや特徴ある壁など70年代を感じさせるデザインは、古い映画に出てきそうな魅力が漂います。

ほかにも、アーチ窓が印象的な元喫茶店、ノワールな空気を醸し出す元スナックなど、ユニークな部屋がラインナップ。SNSでシェアしたら注目を集めそうです。予約の際には、お好みに合った部屋を探してみてください。

トリップショットホテルズ・コザ

住所沖縄県沖縄市中央2-6-47
電話070-5489-3969
webhttps://koza.tripshot-hotels.com/

コザの名物グルメを米軍公認店で堪能。「チャーリー多幸寿(タコス)」

コザでぜひ楽しんでほしいのが名物のタコス。トリップショットホテルズ・コザがある中央パークアベニューには、沖縄初のタコス専門店、「チャーリー多幸寿 本店」があります。

チャーリー多幸寿はまだ沖縄がアメリカ統治下だった頃に、米軍公認の飲食店「Aサインレストラン」として創業。当時は一般的なアメリカンレストランでしたが、タコスが評判となりタコス専門店へ転向したという歴史を持ちます。

レトロ感のあるオキナワアメリカンな店内の壁は、有名人のサインや写真、ペーパーナプキンに書かれたお客さんからのメッセージなどで埋め尽くされていて、チャーリー多幸寿が多くの人に愛され続けていることがわかります。

チャーリー多幸寿のタコスの皮は、もっちりとしたソフトシェル。具材はビーフ、チキン、ツナから選べ、3種味わえる3Pセットが人気です。特に、島唐辛子が入った特製サルサソースは癖になる味。タコライス(チャーリーライス)も味わってみたいなら、タコスとタコライスがセットになったチャーリーセットという選択肢も。

チャーリー多幸寿(タコス)本店

住所沖縄県沖縄市中央4-11-5
電話098-937-4627
営業時間平日 11:00~19:30、土・日・祝日 11:00〜21:00
定休⽇木曜(祝日は営業)
*新型コロナウイルス感染拡大等により、現在は18:45までの営業となっています。詳しくはお店にお問い合わせください

次回の沖縄旅行は、半歩深いスポット探しを

何度も沖縄を訪れているなら、観光地から半歩踏み込むだけで出会える、ディープな沖縄を体験できる場所へ足を運んでみませんか? 観光地化されていない場所の裏路地、お店など、新しい発見は旅時間を豊かにしてくれます。沖縄の文化や歴史などに楽しく触れることによって、いっそう沖縄が魅力的に思えてくることでしょう。ぜひ本記事を次の沖縄旅の参考にしてください。

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