東京から約2,000km、沖縄本島の南西約400kmに連なる八重山諸島のひとつ、石垣島。ここは亜熱帯の緑に覆われた山々と、川平湾や白保海岸に代表される世界屈指の瑚礁の海に囲まれた風光明媚な島です。
今回、『あたらしい沖縄旅行』などの著書で知られる、沖縄在住のライター・セソコマサユキさんが石垣島を案内。数々の離島を訪ねてきたセソコさんが感じる、石垣島の魅力とは?お土産探しにぴったりのエリアやおすすめの絶景スポット・グルメもあわせて紹介します。
写真・文:セソコマサユキ

石垣島の中心部は意外に都会的

「石垣島」というと、みなさんはどんなイメージを持つのだろうか。「南の島」「リゾート」「青い海」など、自然豊かな南国の景色を思い浮かべる人も多いかもしれない。でも、ぼくの持つイメージは、それとは少し違う。

日本最南西端の島々が集まる八重山諸島への玄関口であり、島の中心地は開発が進み、ショップやホテルも多いので利便性も高い。ぼくにとって石垣島は、「離島」の言葉が持つ素朴なイメージよりも、もう少し「都会的」なのだ。また、石垣島の人と話をしていると、「離島」に住んでいる認識がないことに気づく。石垣港離島ターミナルから出かけた先の島々こそが、彼らにとっての離島なのだ。その感覚は、外からやって来たぼくらからするとちょっと面白かった。

画像1: 機内から眺める石垣島

機内から眺める石垣島

画像2: 機内から眺める石垣島

機内から眺める石垣島

「平久保崎灯台」で石垣島の絶景を堪能する

「離島」の楽しみのひとつといえば、都会では見られないような「絶景」を見ること。石垣島でぼくが好きなのは「平久保崎灯台」だ。新石垣空港から車で北上することおよそ40分。島の北端に平久保崎はある。車を停めて小高い丘を登っていくんだけど、風が強いので足元をしっかりと見つめて登ってほしい。丘の頂上に登り、振り返ると、パノラマに広がる東シナ海を眺めることができる。ここの景色は本当に雄大で、何度見ても感動もの。それに、「灯台」ってなんだかとてもフォトジェニック。海を背景に何枚でも写真を撮ってしまうのだ。

画像: 平久保崎灯台

平久保崎灯台

平久保崎灯台

住所沖縄県石垣市平久保
webhttp://www.ishigaki-navi.net/si_hirakubozaki.html

夜の「川平湾」で満点の星空を望む

また、離島の絶景のひとつに「星空」がある。満天の星空といえば、波照間島が特に有名だけど、石垣島も捨てがたい。市街地から車ですぐ行ける「石垣島天文台」や「バンナ公園」などでもきれいに見られるけど、島の北部へ来ると街の灯りもグッと減るので、どこででも満点の星空を眺めることができる。空を埋めるまばゆいばかりにきらめく宝石のような星たちに、きっと心を奪われるはずだ。

そうそう、石垣島の人気スポットといえば、島の北西部にある「川平湾」。世界有数の透明度を誇る海が、青から緑へと美しいグラデーションを見せるのだ。観光客で賑わう人気の景勝地として有名で、ベストシーズン(8月〜10月)ともなると、かなりの人出になるんだけど、それだけ人が集まるのは、やっぱりこの場所の風景が美しいからだと思う。また、ここは星空もきれいに見ることができるため、日が落ちてからも楽しめるスポットとしても覚えておこう。

画像: 川平湾

川平湾

川平湾

住所沖縄県石垣市川平1054
webhttp://www.ishigaki-navi.net/si_kabirawan.html

「ピナコラーダ」・「武田珈琲」の島ならではのグルメ

川平湾まで来たら、ぜひ足を伸ばしてほしいのが、集落の路地の一角に佇む小さなパン屋「ピナコラーダ」。メロンパンからバゲット、シンプルな食パンなど何種類ものパンが並び、選ぶのが楽しくなる。このあいだ訪ねたときにいただいたのはソーセージパン。おしいかったなぁ。そこから西に車で20分ほど向かった場所にある崎枝地区には「武田珈琲」という、木の栽培から手がける珈琲豆の専門店があって、石垣島産100%の味わい深い珈琲を飲むことができる。離島にいて、この島ならではのおいしいパンやコーヒーがいただけるなんて幸せだなと思う。最近は珈琲が好きな人も多いから、珈琲豆はお土産にももってこいだ。

画像: ピナコラーダの店内

ピナコラーダの店内

画像: 武田珈琲

武田珈琲

ピナコラーダ

営業時間9:00~18:00
定休日月曜、火曜
住所沖縄県石垣市川平836-4
webhttp://pclkabira.exblog.jp/

石垣港離島ターミナルで旅を味わう

観光名所でもなんでもないんだけど、石垣島で好きな場所はどこかと聞かれたら、いくつかの候補と一緒に「石垣港離島ターミナル」を挙げたい。特に何かがあるわけではないんだけど、旅人たちが離島旅への期待を胸にフェリーを待っているこの空間の雰囲気が、なんとも旅情を感じさせて好きなのだ。聞くともなしにその雑踏のザワザワとした音のなかに身を浸し、行き来する人やフェリーを眺めていたりする。

画像: 石垣港離島ターミナル(船着場)

石垣港離島ターミナル(船着場)

画像: 石垣港離島ターミナル内

石垣港離島ターミナル内

石垣港離島ターミナル

住所沖縄県石垣市美崎町1

「サザンゲートブリッジ」で夕日を眺める

また、石垣島を旅するときには、ほかの離島も巡ることになるから、たいてい離島ターミナルの周辺に宿を取ることになる。そこでおすすめなのが、ターミナルからほど近い絶景スポット「サザンゲートブリッジ」。夕日もきれいに見られるし、橋を渡った先には公園もある。釣りを楽しむ親子を眺めながら、気ままに猫たちと一緒にのんびりと夕暮れ時を過ごすと、なんだか島の日常のなかに自分が溶け込めたような気がして、少し嬉しくなるのだ。

画像: サザンゲートブリッジ

サザンゲートブリッジ

画像: サザンゲート公園

サザンゲート公園

日本最南端のアーケード「ユーグレナモール」でお土産を探す

画像: 石垣島の市街地

石垣島の市街地

石垣島の市街地は、コンビニエンスストアはもちろん、ホテルやショップなどが立ち並び、生活機能がかなり充実しているのが、ほかの離島との大きな違いだ。大型のスーパーや家電量販店もあって、かなり利便性が高い。

また、お土産探しには日本最南端のアーケード「ユーグレナモール」周辺がおすすめ。石垣市公設市場を始め、さまざまな土産物店がある。ほかにも、島内外のつくり手による暮らしの雑貨を扱う「石垣ペンギン」、収穫、発酵、染料づくり、染めから製品開発までを一貫して手づくりで行なっている「shimaai」、やちむんや民芸品が揃う「やちむん館」などなど。徒歩圏内にいくつもの個性的なお店があるので、1日中じっくり買い物を楽しむのも良い。

自然も豊かでありながら、市街地ではショッピングも十分に楽しめて、離島巡りの拠点にもなる石垣島。どんな風に過ごすかは自由。自分らしい楽しみ方を、見つけてもらえたら嬉しい。

セソコマサユキ

沖縄在住の編集者、ライター。雑誌編集を経て、手紙社で紙媒体の編集、イベントの企画・運営などを手がけたのち、2012年、独立を機に沖縄に移住。さまざまな媒体での編集、ライティング、撮影を通して独自の目線で沖縄の魅力を発信している。観光情報サイト「沖縄CLIP」編集長。著書に『あたらしい沖縄旅行』『あたらしい離島旅行』『あたらしい北海道旅行』(すべてWAVE出版刊)、『あたらしい移住のカタチ』(マイナビ出版)、企画・制作に『みんなの沖縄』(主婦の友社)がある。新著「石垣 宮古 ストーリーのある島旅案内」(JTBパブリッシング)が3月16日発売予定。
http://masayukisesoko.com

JALで行く沖縄・離島旅行

※2019年8月9日に一部内容を更新しました。

掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

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