1987年に世界遺産(自然遺産)に登録。1994年にはオーストラリアの先住民アボリジニの文化遺産としての価値を併せ持つ複合遺産となった「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」の魅力をご紹介します。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園(エアーズロック)
登録年:1987年、1994年
世界遺産の種類:複合遺産
登録基準:
●ある文化(または複数の文化)を特徴づけるような人類の伝統的集落や土地・海洋利用、あるいは人類と環境の相互作用を示す優れた例であること。特に抗しきれない歴史の流れによってその存続が危うくなっている場合。
●顕著で普遍的な価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または明白な関連があること(ただし、この基準はほかの基準とあわせて用いられることが望ましい)。
●類例を見ない自然美および美的要素をもつ優れた自然現象、あるいは地域を含むこと。
●生命進化の記録、地形形成において進行しつつある重要な地学的過程、あるいは重要な地質学的、自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要な段階を代表とする顕著な例であること。

アクセス/シドニー国際空港から国内線で約3時間30分、もしくはケアンズ国際空港から国内線で約2時間30分のエアーズロック空港へ。エアーズロック空港から約25km、車で約25分

ウルル-カタ・ジュタ国立公園で 世界で2番目に大きな1枚岩 ウルル(エアーズロック)に出合う

オーストラリアのほぼ中央、ノーザンテリトリーの南部に位置する「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」。砂漠地帯に屹立する周囲約9.4m、高さ約340mの巨大な一枚岩「ウルル(エアーズロック)」や大小36個もの奇岩が連なる「カタ・ジュタ」などの見どころが点在するこの国立公園は、1987年には自然遺産として世界遺産に登録。その後1994年には、オーストラリアの先住民アボリジニの歴史や伝統が息づく文化遺産としての価値も認められ、複合遺産に登録されています。

訪れた誰もが目を奪われるほど、圧倒的な迫力を持つ「ウルル」は、約6億年前の巨大山脈が浸食され、その後の地殻変動やさらなる浸食などによって巨大な一枚岩が突出したと考えられています。鉄分を豊富に含んだ砂岩で形成されたこの一枚岩は、鉄分が酸化した赤色の岩肌が印象的。アボリジニの人々の創世神話に深い関わりを持つ場所で、古くから聖地として大切に守られています。この「ウルル」は、かつてイギリス人探検家が名付けた「エアーズロック」の名でもよく知られていますが、現在ではアボリジニの文化に敬意を表し、アボリジニによる呼び名「ウルル」が一般的。「世界の中心」を意味する「ウルル」という呼び名は、ここがアボリジニにとっていかに大切な場所かを物語っています。

ちなみに「ウルル」は、しばしば“世界一巨大な一枚岩”と称されることがありますが、実際に世界で一番巨大なのは、オーストラリアの西オーストラリア州に位置する「マウント・オーガスタス」。実に「ウルル」の約2.5倍の大きさがあるというから驚きです。ただし、そうは言っても「ウルル」のスケール感も圧倒的で、一周約9.4kmの「ウルル」をぐるりと一周するのに必要な時間は、徒歩で約3時間30分~約4時間。「ウルル」周辺にはいくつもの美しいトレイルが整備されているので、ぜひそのスケール感を全身で体感してください。

ウルルが赤く染まるひととき。 朝焼けと夕暮れの時間帯の 神秘的な光景に感動!

光の当たり方によって“七色に変化する”とも言われる「ウルル」。その美しい姿を眺めるなら、やはり巨大な岩肌がひときわ真っ赤に染まる夕暮れ時がイチオシです。「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」観光の拠点となる「エアーズロック・リゾート」からは、サンセット観賞ツアーなどが多数催行されているので、ぜひ参加してみてください。

また、神々しい朝日が「ウルル」を照らし出すサンライズ観賞ツアーも人気のアクティビティ。時間に余裕があれば、サンセットとサンライズの両方を見比べてみてはいかがでしょうか。刻々と移り変わる風景の色合いと、唯一無二の存在感を持つ「ウルル」が織りなす風景は、きっと一生モノの思い出になるはずです。

「ウルル」観光の拠点となる「エアーズロック・リゾート」でのんびりとしたひとときを過ごすのも「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」の旅の喜びのひとつ。国立公園に隣接するリゾートは、「ウルル」から約20km、「カタ・ジュタ」から約50km、「エアーズロック空港」から約6kmという抜群のロケーション。砂漠のなかに広がるリゾートは、まるでオアシスのような雰囲気。徒歩で1周できるほどのサイズ感ながら、お洒落な高級リゾートホテルやレストラン、ショッピングゾーンなどが充実しており、優雅な時間を楽しめます。

神秘的な巨岩群 カタ・ジュタの 美しき渓谷を歩く

「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」を訪れたら、アボリジニの言葉で「多くの頭」の意味を持つ「カタ・ジュタ」へも足をのばしてください。「マウント・オルガ」の名でも親しまれる「カタ・ジュタ」は、「ウルル」と同じくアボリジニの聖地として知られる場所。約3500ヘクタールもの広大な大地に大小36もの巨大な岩山が点在。複雑な地形が描き出す大地の芸術を楽しめる場所なのです。なかでもおすすめなのが、「カタ・ジュタ」にある「風の谷」や「ウォルパ渓谷」をめぐるトレッキングツアー。雄大な巨岩群はもちろん、厳しい環境のなかでたくましく生きる動物や植物、展望台から眺める圧倒的な大地の大きさなどを体感できるはず。また、これらのトレッキングと「ウルル」のサンセットを組み合わせたツアーなども催行されているので、ぜひチェックしてみてください。

「ウルル」と「カタ・ジュタ」。ふたつの素晴らしい名所を有する世界遺産「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」には、ここでしか味わえない旅の感動が待っています。

画像: 神秘的な巨岩群 カタ・ジュタの 美しき渓谷を歩く
画像9: ウルル-カタ・ジュタ国立公園

旅ライター/吉原徹

1年を通じて観光を楽しめる「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」ですが、12月~2月頃は日中の最高気温が40℃を超えることもあるので、陽射し対策やこまめな水分補給は必須!また、6月~8月の朝晩はぐっと冷え込むこともあるので、防寒対策にも気を配りましょう。「ウルル」や「カタ・ジュタ」の周辺でトレッキングや散策を楽しむなら、歩き慣れたウォーキングシューズやトレッキングシューズも必須!

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