革新的なアイデアが生み出した近代建築の傑作
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オーストラリア南東部に位置し、同国で最大の人口を有する世界都市・シドニー。そのシンボルとして愛されるのが、2007年に世界文化遺産に登録された「シドニー・オペラハウス(以下:オペラハウス)」です。
シドニー港のベネロング・ポイントに建つこの建造物は、白い貝殻や帆船の帆を思わせる独特の形状が特徴で、シドニー屈指の撮影スポットとして人気。オペラハウス内部には、オペラ劇場のほかコンサートホールやドラマシアター、スタジオシアターなどが備えられており、シドニーにおける文化・芸術の中心地となっています。
シドニー・オペラハウスの特徴
世界に数ある世界遺産のなかでも、オペラハウスは少しユニークな個性を持つ存在です。
たとえば、世界遺産として認められた理由もそのひとつ。現在、世界遺産には10の登録基準が設けられていますが、実際に世界遺産に登録される物件は、そのうち複数の基準を満たしたものが大多数。しかし、オペラハウスは「人類の創造的才能を表す傑作である」というひとつの基準だけで登録が認められています。
また、1973年に竣工した比較的新しい建物であることもユニークなポイントです。一度見たら忘れられない建造物としての美しさが、“異例”ともいえる世界遺産への登録を後押ししたことは想像に難くありません。
![画像: シドニー・オペラハウスの特徴](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2019/10/29/3588080993700dabe35e557744f62e238addcf1d_xlarge.jpg)
建物の建造に14年もの歳月を要したことも、オペラハウスの特徴です。デンマークの建築家ヨーン・ウツソンの基本設計により1959年に着工されたものの、そのあまりの独創的な屋根部分の形状によって工事は難航。総工費は当初の予定の何倍にも膨れ上がり、1965年に政権政党が交代した際には、予算面の承認が降りず工事がストップ。ウツソン氏がプロジェクトから撤退するなど、予期せぬ事態に陥りました。その後、何人かの建築家が協業する形で、1973年に完成にこぎつけたのです。
このように、複雑なバックグラウンドを持つオペラハウスですが、現在は「20世紀建築の最高傑作」と称されるほどの評価を得ています。シドニーを訪れたら、ぜひその美しさを確かめてみてください。
朝・昼・夜。変化する美しい景観を楽しむ
![画像1: 朝・昼・夜。変化する美しい景観を楽しむ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2019/10/29/0b25cf5c583983987adfa427050ab298dc124430_xlarge.jpg)
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オペラハウスの美しさをより深く楽しむためにも、場所や時間を変えながら、さまざまな表情を眺めるのがおすすめです。
たとえばオペラハウスのある岬から入り江を回り込んだ東側に位置する「ミセス・マッコーリーズ・ポイント」は、オペラハウスとシドニー・ハーバー・ブリッジを一望するビュースポット。世界遺産の奥に全長約1,149mの大きな橋が架かる風景は、「これぞシドニー!」と言いたくなるような美しさです。
![画像3: 朝・昼・夜。変化する美しい景観を楽しむ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2019/10/29/eabe1da8f1eb21987be7b7fcfdaa752c57019121_xlarge.jpg)
また、オペラハウスの対岸に広がる「キリビリ」地区は、オペラハウスを正面から眺められるポイント。写真などでよく見る横向きのオペラハウスとはちょっと違った風景を楽しめます。
![画像4: 朝・昼・夜。変化する美しい景観を楽しむ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2019/10/29/663ec9f59029643d7e3faa2c8a6480a5c655e756_xlarge.jpg)
もちろんオペラハウスのあるシドニーの風景は、眺める時間によっても表情を変えてくれます。やわらかな陽光に照らされる朝、オペラハウスの特徴的なデザインが際立つ昼、ドラマティックな夕暮れ時、そして、ライトアップが美しい夜……。
オペラハウスを中心としたシドニーの風景はとてもフォトジェニックなので、カメラ片手にお気に入りのビュースポットを探して歩くのもおすすめです!
オペラハウスの魅力を体感するなら内部へ
![画像1: オペラハウスの魅力を体感するなら内部へ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2019/10/29/ab69bd8b0cf5c91dc6288ff84b62bca65b3c63bd_xlarge.jpg)
オペラハウスの美しい外観を楽しんだ後は、ぜひその内部へ。
シドニーの文化発信地であるオペラハウスでは、年間1,500もの公演が行われています。オペラやバレエ、クラシックコンサートからキッズ向けのショーまで、その内容は実に多彩なので、きっとお気に入りの公演が見つかるはずです。
また、オペラハウスの建築をより深く知りたい方は、内部見学ツアーに参加するのがおすすめ。ガイドとともに館内をめぐるツアーでは、オペラハウスにまつわるユニークな歴史や物語を知ることができます。約30分間の日本語ツアーもありますので、英語が苦手な方でも安心です(催行状況については公式サイトでご確認ください)。
さらに、オペラハウスには、海を望むテラス席でオーストラリア料理やシーフードを楽しめる「オペラ・バー」やフォーマルな雰囲気の美しいダイニング「ベネロング」などのレストランも。おいしい食事とともに世界遺産の空間に浸れるというのも、オペラハウスならではの楽しみ方です。
![画像2: オペラハウスの魅力を体感するなら内部へ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2022/06/08/c256dcd8d969a18c1b6b9b5acc6510244df457e7_xlarge.jpg)
シドニー・オペラハウス
住所 | : | Bennelong Point, Sydney NSW 2000 |
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アクセス | : | シドニー国際空港から約14.9km(車で約18分) |
世界遺産登録年 | : | 2007年 |
世界遺産の種類 | : | 文化遺産 |
登録基準 | : | 人類の創造的才能を表す傑作である |
![画像: シドニー・オペラハウスの魅力とは。世界遺産に登録された理由や特徴を解説](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783489/rc/2019/11/28/190749ee8da3b830cf9e5365d64f6a15dbaefb17.jpg)
ひとことコメント
訪れる時間や場所によってさまざまな表情を見せてくれるオペラハウスですが、海の上から眺める世界遺産の佇まいも見事!“世界で最も美しい湾”とも称されるシドニー湾では、さまざまなクルーズアクティビティが行われているのでぜひ参加してみてください!
※2022年6月8日に一部内容を更新いたしました
掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。