リモートワークの導入や副業の容認など、都市部の企業を中心に“働き方改革”がますます進んでいます。働き方の自由度が増すことで注目されているのが「2地域居住」。都市に住む人が地方にも住居を構えて、2つの地域で生活するそのスタイルは、都会だけでなく自然溢れる環境での暮らしも手に入れたいと考える層から支持を得ています。

とはいえ、生活を大きく変える決断には不安がつきもの。まずは気軽に現地を訪れたり、経験者の話を聞いたりして、イメージを具体化するのが一番です。今、自治体では2地域居住体験を通じて、地域の魅力や暮らしのリアリティを感じることができる機会を提供しています。

OnTrip JALでは、そんな各地の「2地域居住」の魅力を取材。さまざまなエリアの情報を、連載記事で紹介しています。

2地域居住についてもっと知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
https://ontrip.jal.co.jp/_tags/2地域居住

画像1: 旅が暮らしに変わる。JALおすすめ2地域居住【大分県・玖珠町】

今回ご紹介するのは、大分県の西部に位置する玖珠町(くすまち)。町を象徴する伐株山(きりかぶさん)や万年山(はねやま)などのメサ台地(浸食によって形成された、急な崖に囲まれたテーブル状の台地)のふもとには筑後川へと続く玖珠川が流れ、豊かな水でおいしいお米が育ち、地下から湧き出す天然温泉が人々を癒します。福岡市や熊本市、大分市などの周辺の都市部までも車で2時間圏内と、アクセスのよい「ちょうどいい田舎」まちです。

そんな玖珠町での暮らしを、「JALふるさとアンバサダー」の花島さんがナビゲートします。

玖珠町の原風景を見る
豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム

田園風景に佇む三角屋根の木造駅舎。ここは、玖珠町の中心駅であるJR豊後森駅です。大分空港からは、バスと特急列車を乗り継いで2時間ほど。久留米と大分を結ぶ久大本線の主要駅のひとつで、九州各地を巡る「クルーズトレインななつ星in九州」など多くの観光列車を見ることができる駅としても知られています。

画像1: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム
画像2: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム
画像3: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム

朝霧のかかる山を背景にノスタルジックな雰囲気の残る駅のすぐ側では、約50年前まで現役で稼働していた蒸気機関車と機関庫にも出合えます。引き寄せられるよう近づくと想像以上に大きい!

画像4: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム
画像5: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム

旧豊後森機関庫は1934(昭和9)年、久大本線の全線開通に合わせて完成した蒸気機関車の機関庫です。当時最高の技術を結集して造られた大規模な扇形機関庫は、久大本線の中継地として重要な役割を担い、玖珠町を鉄道のまちとして大きく繁栄させました。

1970(昭和45)年のディーゼル化に伴い、その役目を終えた機関庫は今、九州で現存する唯一の扇形機関庫として、国の登録有形文化財に指定されています。

画像6: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム
画像7: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム

風や鳥のさえずり、踏切の音しか聞こえないはずなのに、どこからか蒸気の音や人々の声が聞こえてきそうな不思議な空間にうっとり。豊後森駅と機関庫の間にある「豊後森機関庫ミュージアム」に行けば、当時の活気がより鮮明に感じ取れます。

「豊後森機関庫ミュージアム」には、当時を再現した機関庫周辺のジオラマや写真、かつて使われていた石炭のほか、九州の鉄道の歴史を記した貴重な資料が多く展示されています。

画像8: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム

案内人は館長の河野さん。機関庫が稼働していた当時、ここは遊び場だったと話してくれました。機関庫に帰ってくる父を大勢の家族が待っていたこと、機関庫のすぐ横の小屋には銭湯や床屋、商店があって、ひとつのまちのように人々が行き交っていたことをジオラマや写真を見ながら、ゆっくり解説してくれます。

河野さんに話を聞いた後に豊後森駅や機関庫を見ると、当時の活気あるまち並みが思い起こされて玖珠町の原風景が見えてくるはずです。

画像9: 玖珠町の原風景を見る 豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム
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豊後森機関庫公園/豊後森機関庫ミュージアム

2地域間の移動が実質無料!
玖珠町での暮らしを考える

玖珠町を少し知ったところで、2地域居住者の暮らしをサポートしている玖珠町役場の梅木隆寿さんと麻生将司さんにお話しを伺いました。

画像1: 2地域間の移動が実質無料! 玖珠町での暮らしを考える

2025年1月から2地域居住者の受け入れをプレスタートしたばかりの玖珠町。その背景には地方ならではの人口減少がありました。玖珠町では移住者支援の取り組みを令和元年からはじめています。しかしながら、玖珠町のみならず生活の基盤を大きく変えること自体、ハードルが高いという印象をなかなか拭えないのが実情です。

画像2: 2地域間の移動が実質無料! 玖珠町での暮らしを考える
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せめて一人でも多くの人に玖珠町を知ってもらい、長期滞在をサポートすることで玖珠町を好きになってもらいたい。ひいては移住につながるきっかけづくりができないかと、再スタートを切りました。

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2地域居住の希望者はまず、役場で町の紹介や暮らしの拠点となるお試し暮らし住宅の案内を受けます。玖珠町への移住を検討している方向けの、住宅です。

説明後は、役場の方がじっくりと町中をエスコート。スーパーや銀行など生活に必要な施設のほか、天気がよければ町を一望できる伐株山にも同行してくれるのだとか。「普段から運動が趣味だからランニングコースを知りたい」なんてリクエストも大歓迎。暮らしのスタイルに合わせた提案をしてくれます。

画像5: 2地域間の移動が実質無料! 玖珠町での暮らしを考える
画像6: 2地域間の移動が実質無料! 玖珠町での暮らしを考える

もちろん、お試し暮らし住宅にも訪問。役場から車で3分ほどの場所にある3LKの戸建て住宅は、単身にはもちろん子育て世代にも十分すぎる広さです。最低限、生活に必要な家電やインターネット環境も整備され、快適な環境に1日あたり1,000円(水道光熱費込み)で滞在できます。

玖珠町は大分県信用組合やJALグループとの連携により、2地域間の移動や移住検討をサポートする取り組みにも力を入れ始めました。

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これにより、玖珠町への2地域居住者にはマイレージが付与され、2地域間の移動が容易になるというわけです。玖珠町へアクセスするための空港は、大分か福岡かを選択できるので移動ついでに旅をしながらの暮らしも叶います。

1カ月単位で、最長6カ月滞在できるので、月の半分は都市で仕事をして、月の半分は玖珠町で暮らしながらリモートで仕事をこなすなんて生活も無理なく実現可能です。

JALマイレージを活用した「2地域居住生活」について詳細はこちら
https://press.jal.co.jp/ja/release/202410/008384.html

画像8: 2地域間の移動が実質無料! 玖珠町での暮らしを考える

玖珠町で生まれ、今もこの町で暮らす梅木さんと麻生さん。お二人から見る魅力について聞いてみました。

梅木さん「なんと言っても自然の豊かさではないでしょうか。どこに行っても伐株山が見えると、『あぁ、帰ってきた』という気持ちになるんです。自然が豊かだと、暮らしも豊かだと感じています。また、玖珠町は不登校の子どもたちのための公立小中一貫校やICT教育の整備など教育面にも力を入れています。私も家に帰れば父親ですが子育て世帯の方にとっては、自然とともに家族でのびのびと暮らせる場所です」

麻生さん「都市部からのアクセスの良さとお米が自慢のまちです。絶妙な田舎感なので、買い物や病院など日常生活で困ることはありません。また玖珠米は『クルーズトレインななつ星in九州』にも採用されていて味は折り紙付きです。実は2025年の秋にも新たなブランド米をリリース予定です。玖珠に来たらぜひご賞味ください」

玖珠町の食を味わう
道の駅 童話の里くす

ランチは、観光客はもちろん地元の人が多く訪れるという「道の駅 童話の里くす」へ向かいました。玖珠町は、「日本のアンデルセン」と呼ばれた児童文学者・久留島武彦ゆかりの地でもあり、現代でも童話の里のまちづくりが行われています。町を巡っているとその面影があちらこちらにあって、ここもそのひとつ。桃太郎御一行が迎えてくれます。

画像1: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす
画像2: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす

「道の駅 童話の里くす」は、玖珠ICの正面にあり、産地直送の野菜やしいたけの直売のほか、豊後牛などの特産品が集まる道の駅です。レストランや焼き立てパンコーナーもあり、平日でも地元の方々で賑わっていました。

画像3: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす
画像4: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす

道の駅の裏手に、陸上自衛隊玖珠駐屯地が位置することから自衛隊員の人の姿もちらほら。一際目立つ自衛隊グッズコーナーの横で、こぞってみんなが買っていたのが「かいぞくかりんとう」。この道の駅の一番人気の商品だそうです。

画像5: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす
画像6: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす

かりんとうに並ぶ駅長のおすすめは焼き立てのメロンパン。1人10個までと購入制限がかかるほどの人気で、この日も棚に並んですぐに品薄になっていました。ほかにも童話にちなんだ「鬼の金棒」というシュガーパンなど滞在中のお供におすすめの商品がたくさんあります。

画像7: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす
画像8: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす

レストランでは、大分の定番ご当地グルメであるとり天定食と豊後牛カレーを注文。どちらも玖珠で獲れたお米がメインでボリュームも満点です。お土産に焼き立てパンや新鮮な食材を買って帰れるので、生活の拠点としても大活躍の予感がします。運が良ければ、全国でも珍しい“公道での自衛隊の戦車走行”に出合えるかもしれません。

画像9: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす
画像10: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす
画像11: 玖珠町の食を味わう 道の駅 童話の里くす

道の駅 童話の里くす

住所大分県玖珠郡玖珠町帆足2121
電話0973-72-5535
web道の駅 童話の里くす 公式サイト

山と暮らす玖珠町
伐株山/展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE

お腹を満たして最後に向かったのは、玖珠町のシンボルとして親しまれている伐株山です。伐株山はその名の通り、切り株のようなシルエットで童話の世界に出てきそうな山で、その昔、玖珠には天にも届く楠の大樹が生えていたという伝説にも登場します。

画像1: 山と暮らす玖珠町 伐株山/展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE

草原が広がる山頂には町から車で気軽に登れて、天気が良い日はパラグライダーでの空中散歩も体験できます。休日は玖珠町を一望しながらブランコに乗れる「ハイジのブランコ」が大人気。物語の主人公になった気分で有意義な時間を過ごせます。

画像2: 山と暮らす玖珠町 伐株山/展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE
画像3: 山と暮らす玖珠町 伐株山/展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE

もっと近くで山頂からの大パノラマを見るなら、「展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE」がおすすめ。ここは「クルーズトレインななつ星in九州」のデザイナーで知られる水戸岡鋭治氏デザインの休憩スポット。靴を脱いで一息つける場所で絶景を見渡せます。

画像4: 山と暮らす玖珠町 伐株山/展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE
画像5: 山と暮らす玖珠町 伐株山/展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE

軽食の持ち込みが可能で、眺望も最高な穴場スポット。特に平日はゆったりとしているので、贅沢な時間を過ごせます。東西に走る列車や旧豊後森機関庫、道の駅の桃太郎、見渡す限りのこの町がいつか第二のふるさとになる。そう思うと、なんだか一層特別な場所に思えてきます。

画像6: 山と暮らす玖珠町 伐株山/展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE

伐株山/展望休憩舎 KIRIKABU HOUSE

住所大分県玖珠郡玖珠町山田
電話0973-72-7153(玖珠町商工観光政策課)
web伐株山(玖珠町観光協会サイト内)

玖珠町は、自然に囲まれた場所で深呼吸のできる町です。それはまるで森の切り株に腰をかけた時のような安堵感。ノスタルジックな風景や豊かな大分の食に囲まれると絵本が大好きだった頃の童心の自分に戻れる気がして、つい「もう少し」と長居したくなる。気付いたらこの町が好きになっていて、暮らしたいと思う。そんな玖珠町を訪れてみませんか。

大分県 玖珠町

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画像6: 旅が暮らしに変わる。JALおすすめ2地域居住【大分県・玖珠町】

旅が暮らしに変わる -2地域居住の魅力-

平日は都市部で仕事をし、週末は地方で豊かな自然に触れながら静かに暮らす。そんな魅力あふれる2地域居住を通じて、地域の魅力をお伝えします。

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