JALふるさと応援隊〔長崎県〕 森
JALふるさと応援隊〔長崎県〕 斎藤
皆さまこんにちは!
日本航空客室乗務員 JALふるさと応援隊の森、斎藤です。
皆さんは「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を巡る、「世界遺産巡礼の道」をご存知ですか?
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、17世紀から19世紀のキリスト教禁教政策の下で信仰を守り続けた潜伏キリシタンの文化遺産です。1550年にキリスト教が平戸に伝来し、2018年には12の構成資産が世界文化遺産に登録されました。この巡礼路は、これらの資産や関連遺産を結び、5エリア・全35区間にわたります。
私たちJALふるさと応援隊は2021年から巡礼の旅をしており、第4弾目となる今回は、ついに巡礼路のスタート地点であるエリアⅠ「密かな聖地を巡る旅」(平戸市)を巡ります。長崎県平戸市の歴史と自然を楽しみながら先人たちの足跡をたどる旅をご紹介します!
旅の始まり:長崎空港から平戸市へ
2024年9月2日、私たちJALふるさと応援隊は、長崎空港に到着しました。ここから始まるのは、平戸市の「密かな聖地を巡る道」をテーマにした旅です。平戸市は長崎県の北西部に位置し、歴史と自然が調和する美しい場所です。今回の旅程は、平戸市の魅力を余すところなく紹介するために、さまざまなスポットを訪れることになっています。
旬鮮館での昼食
まずは長崎空港から車で約2時間のドライブを経て、平戸市に到着しました。お腹が空いた私たちは、地元で評判の「旬鮮館」に行ってみることに。平戸港に近く、店内は活気に溢れています。お昼ごはんに選んだのは「刺身盛り定食」と「海鮮丼」。刺身定食に付いているご飯は「あごめし」という飛魚の炊き込みご飯に変更してみました。これが大正解、あごめしもお刺身も絶品、お魚がプリプリで新鮮そのもの、旅の疲れを一気に癒してくれました。ご馳走様でした。
平戸交流広場と商店街
おいしい昼食の後はいよいよ世界遺産巡礼の道を巡っていきます。ここからは一般財団法人平戸市振興公社平戸市生月町博物館・島の館 施設長の松本貴浩さんに平戸交流広場から商店街を案内していただきます。笑顔がすてきな松本さん、よろしくお願いいたします!
世界遺産巡礼の道のスタート地点となっている平戸港交流広場、こちらが平戸へのポルトガル船最初の入港場所であろうといわれており、キリスト教が日本に伝来した歴史的な場所です。平戸は、16世紀にイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルが訪れたことで、キリスト教の布教が始まった地です。広場を歩きながら、当時に思いを馳せると共に歴史の深さに身の引き締まる思いでした。特に広場にある記念碑のポルトガル船の像は、ここからキリスト教、外交貿易が始まったことを物語っており感慨深いものがありました。
商店街へ向かう道中に国指定重要文化財であるアーチ型の石造橋「幸橋」(さいわいばし)が見えてきました。当地に橋が架かる以前は、城下とお城の往来は船か陸地を大きく迂回するしかなく、たいへん不便であったといわれています。そのため1669年、松浦家により木製の橋が架けられ、人々の移動がかなり楽になったことでついた名前が幸橋と言われています。
しかし経年の使用により崩壊したため強固な橋が望まれ、地元の石工たちによって石造の単アーチ橋が完成しました。この架橋の技術は豊前という名の大工が、和蘭商館建造に携わって覚え、その技術を地元の石工に伝授したものと伝えられています。そのため別名オランダ橋とも呼ばれています。
商店街ではイギリス商館跡やウィリアムアダムス終焉の地、按針の館を訪れました。これらのスポットは、平戸の歴史と国際交流の重要性を感じることができる場所です。訪れる際には、それぞれの場所で提供される情報や展示を通じて、平戸の豊かな歴史を学んでみてください。
当時に思いを馳せながらイギリス商館跡地や幸橋を巡ったあとは、地元のお店「蔦屋」でお土産を購入することもできました。蔦屋は、文亀2年(1502年)に創業した歴史ある和菓子店です。なかには南蛮貿易により伝えられた菓子や歴史を感じることのできる銘菓もあり、ここでも平戸の歴史の深さを感じることが出来ました。特に、地元の食材を使った加工品や工芸品は、どれも魅力的で、ついつい買いすぎてしまいました。
〔お問い合わせ先〕平戸蔦屋
住所 | : | 長崎県平戸市木引田町431 |
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電話 | : | 0950-23-8000 |
営業時間 | : | 9:00~18:30 |
定休日 | : | 年中無休 |
web | : | 平戸蔦屋 公式サイト |
川内峠からの絶景
次に訪れたのは、川内峠です。インフォメーションセンター手前の駐車場から歩いて向かいました。汗だくで峠を登るとそこは青い空、青い海、美しい島々が私たちを待ち受けており、素晴らしい眺望と吹き抜ける風に心が癒されました。川内峠からは、生月島、中江ノ島、黒島、九十九島、玄界灘が一望できる絶景が広がっています。絶好のフォトスポットですので、こちらで今回のツアーメンバーと一緒に恒例の記念写真を撮影しました。
私たちは日中でしたが、夕暮れ時の景色は息をのむほど美しいとのこと、たくさんの人に川内峠の自然の偉大さを感じてほしいです。
春日集落「かたりな」
川内峠を後にし、次に向かったのは春日集落の「かたりな」です。2018年4月1日にオープンした春日集落の空き家を改装して作られた集落案内所で母屋と隠居部屋に分かれていて、母屋は案内所、売店、資料コーナーがあり、麻製のひもを束ねた信仰具「オテンペンシャ」やお札(レプリカ)と呼ばれる祭具などの展示があります。
隠居部屋には、春日集落の住民の方が語り部として常駐しており、こちらに訪れる人たちのために、毎日新鮮な野菜や果物、手作りの漬物、お茶菓子を地元の人が交代で用意されています。美しい棚田を観ながら地元の方から春日集落の歴史や文化について貴重なお話しを聞くことが出来、温かい人々との交流は、旅の中でも特に心に残るひと時でした。こちらでも集合写真を1枚。
生月町博物館・島の館
続いて訪れたのは「生月町博物館・島の館」です。平戸地方では1550年(天文19)ザビエル神父の布教を機にキリシタンの教えが広まりますが、江戸時代には長い禁教の時代を迎えます。しかし生月島では、キリシタンの組の信仰が密かに継承され、現在もかくれキリシタン信仰として守り続けられています。また生月島では、1725年(享保10)に捕鯨業が始まり、江戸時代後期には日本最大の鯨組へ発展します。島の館ではかくれキリシタン信仰について貴重な信仰資料や行事の映像で紹介し、また江戸時代の捕鯨の様子を当時の捕鯨道具・資料や大迫力のジオラマ(模型)で分かりやすく紹介しています。他にも海や大地の暮らし(民俗)や近海で捕獲された魚の剥製標本などの展示で、生月島の特徴ある歴史や文化、自然を紹介していて訪れる人々にとって多くの魅力があります。歴史や文化に興味がある方、自然を愛する方、そして体験型の展示を楽しみたい方にとって、訪れてみる価値のある場所です。
田平天主堂
世界遺産巡礼の道の順路からは外れ、世界遺産構成資産外ではありますが、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に深いかかわりのある教会「田平天主堂」にも訪れました。大正4年から3年の歳月をかけて、信者達の手によって建設されたロマネスク様式の荘厳な赤レンガづくりの教会で国指定重要文化財になっています。瀬戸山天主堂とも呼ばれており、教会堂棟梁・鉄川与助の代表作です。色鮮やかなステンドグラスは、絵画を思わせる美しさで一層目はミラノで、二層目はドイツで制作されており1枚1枚は非常に高価であるとのこと。教会の傍らには歴代の信者が眠る墓地があり、辺り一帯の風景は日本を遠く離れた異国の地を感じさせられます。
〔お問い合わせ先〕田平天主堂
住所 | : | 長崎県平戸市田平町小手田免19 |
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ミサ・行事 | : | 日曜日 8:30~10:30 ※教会行事など上記以外の見学受入不可日時は以下サイトよりご確認ください 「教会見学不可日時のお知らせ」 |
見学について | : | 事前連絡必要(2日前まで) |
教会見学 | : | 「事前連絡はコチラから」 |
上の木寺染物店での型染め体験
今回の旅の途中では型染めの体験も楽しませてもらいました。お世話になったお店は「上の木寺染物店」です。このお店は長い歴史を持つ伝統的な染物技術を継承していて職人が手作業で丁寧に染め上げる作品は、一つ一つが独自の美しさを持ち、伝統技術の高さを感じることができます。この伝統的な型染めの技法を職人の山本さんのご指導のもと、自分だけのオリジナル作品を魂込めて作っていきたいと思います。私たちは型紙の配置や色使いなど山本さんと相談しながら染めていきました。型紙や色は無数にあり、それを決めていく時間は迷いながらも、時間を忘れてとても楽しいひと時でした。気づいたら1時間半も経過していましたが、その成果もあり個性が出たステキなバックが出来上がりました。型染めの工程は非常に繊細で、集中力が求められますが、その分完成した作品には特別な愛着が湧きました。
ぜひ皆さんも体験してみてください!
〔お問い合わせ先〕上の木寺染物店
住所 | : | 長崎県平戸市紺屋町371 |
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電話 | : | 0950-23-2698 |
営業時間 | : | 10:00~15:00 |
定休日 | : | 不定休 |
: | @uenokiderasomemonoten |
国際観光ホテル旗松亭に宿泊
一日の旅程を終え、私たちは国際観光ホテル旗松亭に宿泊しました。ホテルからは、平戸大橋越しに平戸城と教会が立ち並ぶという他の土地ではあまり見ることの出来ない、美しい夜景とおいしい夕食を楽しむことができ、温泉にも入り、旅の疲れを癒すことができました。ホテルのスタッフも非常に親切で快適に過ごすことができました。
〔お問い合わせ先〕国際観光ホテル旗松亭
住所 | : | 長崎県平戸市大久保町2520 |
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電話 | : | 0950-22-3191 |
web | : | 平戸温泉 国際観光ホテル旗松亭(公式サイト) |
JALパックツアーページ | : | 行こう!九州へ JAL公式サイト |
旅を振り返って
平戸市の「密かな聖地を巡る道」をテーマにした今回の旅は、歴史と自然、そして地元の人々との交流を通じて、非常に充実したものとなりました。平戸市は、訪れるたびに新たな発見があり、その魅力は尽きることがありません。特に、かくれキリシタンの歴史は非常に興味深く、平戸市が持つ独自の文化を感じることができました。平戸市が管理している「平戸学」や、公式ポータルサイト「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を見て学ぶことで、巡礼の道を巡る旅がさらに深く楽しむことができます。
皆さまもぜひ、平戸市を訪れて、その素晴らしさを体感してみてください。
平戸市の魅力を多くの方々に伝えるため、これからもJALふるさと応援隊として活動を続けてまいります。次回の旅もどうぞお楽しみに!
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の公式サイト
巡礼の道について
「長崎と天草地方のキリスト教関連歴史文化遺産群サイト〔おらしょこころ旅〕」
平戸の歴史文化が学べる「平戸学」
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