一年を通して温暖な気候に恵まれた宮崎県・宮崎市。体はもちろんのこと、心をあたためてくれる一期一会の出会いがそこにはあります。人との出会いや“神話のふるさと”で受け継がれた伝統文化など、多くの魅力が息づく“ほっとする場所”。そんな宮崎市にやって来たのは、「JALふるさとアンバサダーGLOBAL」の二人。「JALふるさとアンバサダーGLOBAL」とは、JAL国際線で勤務する外国人の客室乗務員が、日本のさまざまな観光スポットを体験し、外国人ならではの視点で日本の魅力を発信する新たな取り組みです。今回は台湾出身のジェイドさん(写真左)と、タイ出身のマックスさん(写真右)が旅しました。
画像1: 宮崎市で人と伝統文化に触れる。心と体が“ほっ”とする旅

※撮影時のみマスクを外しています。

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宮崎市で人と伝統文化に触れる。心と体が“ほっ”とする旅

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宮崎市田野町で“人”にふれる旅

日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦

画像1: 日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦

宮崎ブーゲンビリア空港から、車で約25分。宮崎市田野町にたどり着くと、青空の下、竹で組まれた大根やぐらがいくつも立っています。マックスさんとジェイドさんは、その大きさにびっくり。

画像2: 日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦
画像3: 日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦

宮崎県は、日本一の漬物用干し大根の生産地。中でも田野地区は干し大根の生産が盛んで、毎年12月から2月は、高さ6メートル、長ければ150メートルにも及ぶ大きな大根やぐらをあちこちで見ることができます。2021年2月、田野・清武地域の伝統的な農業システムは農林水産省の日本農業遺産に認定されました。

画像4: 日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦
画像5: 日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦

緑の葉が生い茂る大根畑に行くと「土がふかふかですね」とジェイドさん。地元で農業法人設立を目指している窪田祐一さんと娘のあおちゃんに教えてもらいながら大根掘りに挑戦しました。

画像6: 日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦

すぽっと気持ちよく抜けてマックスさんもニッコリ。

大根やぐらでは、大根生産者の野田悦男さん・律子さんご夫婦と農家の皆さんが、大根干しの真っ最中でした。悦男さんがトラックの上に山積みされている2本1組に束ねた大根を竿に引っ掛けて、やぐらの上にいる律子さんにひょいっと渡し、律子さんが受け取ってやぐらに掛けます。

「やってみませんか?」と、野田さんご夫婦に誘われ、マックスさんとジェイドさんも大根干しに挑戦しました。

画像7: 日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦

「竿に大根を引っ掛けると、ずっしり重いんですね」とマックスさん。「2キロくらいありますよ」と悦男さんが笑います。

画像8: 日本農業遺産のシンボル「大根やぐら」で大根干しに挑戦

ジェイドさんは「おいしいお漬物を作るのに、こんなに大変な作業をされているんですね」と驚きの表情を見せました。

母娘が営む農家カフェで、目にも体にも優しいおいしさを

画像1: 母娘が営む農家カフェで、目にも体にも優しいおいしさを

自然豊かな田野町産の有機野菜を使った料理を楽しみたいなら、母娘で営む農家カフェ「Sachi café(サチカフェ)」へ。娘の長﨑海咲さんが自家菜園で丹精込めて育てた有機野菜を、母親の中武幸代さんが料理し、野菜たっぷりのランチやスムージーとして提供しています。

この日のプレートランチは、赤芽芋のカダイフ揚げやサツマイモのおやき、赤だいこんの炊き込みご飯など、採れたての野菜を使ったものばかり。

画像2: 母娘が営む農家カフェで、目にも体にも優しいおいしさを

カラフルな野菜料理の数々に、マックスさんは「見た目も華やかで楽しいです!」とのコメント。

画像3: 母娘が営む農家カフェで、目にも体にも優しいおいしさを

ジェイドさんは「台湾では、野菜は火を通して食べることが多いのですが、愛情いっぱいに育てた生野菜は、素材そのもののおいしさが感じられます」と笑顔を見せました。

Sachi café(サチカフェ)

住所宮崎県宮崎市田野町あけぼの4-54
電話070-4495-4662
営業時間ランチ 11:00~15:00(L.O.14:30)
カフェ 14:00~17:00(L.O.16:30)
定休日月~水曜
webhttps://sachi-cafe.net/

日本一に輝いた焼き芋専門店。手をかけた蜜たっぷりの焼き芋を堪能

画像1: 日本一に輝いた焼き芋専門店。手をかけた蜜たっぷりの焼き芋を堪能

自然豊かな田野町は、サツマイモの生産も盛んです。この地で焼き芋専門のサツマイモを育て、新感覚の極密熟成焼き芋を提供しているのが、「sweet&healthy SAZANKA」です。

画像2: 日本一に輝いた焼き芋専門店。手をかけた蜜たっぷりの焼き芋を堪能

ねっとりとした食感が特徴の「SAZANKA」の焼き芋は、サツマイモの表面に蜜がたっぷりあふれ、糖度はなんと50度以上。そのおいしさとヘルシーさはお墨付きで、2023年1月に行われた「日本さつまいもサミット2022-23・べにはるか部門」で、見事日本一の「さつまいも・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。

土づくり、栽培方法、収穫後の処理や焼き方など、すべての工程で緻密な研究を重ね、独自の方法で作られる「SAZANKA」の焼き芋。

「手をかけることでサツマイモのおいしさを引き出すのですね」と、丁寧な仕事を目の当たりにして感動した様子のマックスさん。

画像3: 日本一に輝いた焼き芋専門店。手をかけた蜜たっぷりの焼き芋を堪能

「熟成紫蜜いもの塩ケンピ」を試食したジェイドさんは「カリッとした食感がよく、サツマイモの甘さとお塩のバランスが絶妙でたまりません」と食べる手が止まりませんでした。サツマイモのほっとする味わいに癒されたようでした。

sweet&healthy SAZANKA

住所宮崎県宮崎市田野町乙4398-2
電話0985-72-3225
webhttps://sazanka-oimo.jp/

やぐらの下で、ティータイム。「ななっちゃ会」で農家の皆さんと和やかなひととき

画像1: やぐらの下で、ティータイム。「ななっちゃ会」で農家の皆さんと和やかなひととき

田野町では午前10時と午後3時に、有線放送で時報の音楽が流れます。これは農作業の手を止めて、休憩をとる「ななっちゃ会」始まりの合図です。農家の皆さんは、大根やぐらの下に集まり、漬物、手作りのお菓子など思い思いの食べものや飲み物を持ち寄って、おしゃべりに花を咲かせます。

画像2: やぐらの下で、ティータイム。「ななっちゃ会」で農家の皆さんと和やかなひととき

「手作りの“ガネ揚げ”をどうぞ」と勧められたマックスさんとジェイドさん。“ガネ揚げ”とは、県南地域に伝わる郷土料理で、サツマイモに衣をつけて揚げたもの。家庭によって味が違うそうです。

「甘くてほくほくしておいしいですね」とマックスさんとジェイドさん。野田さんは「そんなとき、田野の人たちは“うんめえも、うんめえ”って言うんだよ」と笑います。干し大根のカーテン越しに差し込む柔らかな光を受けながら、和やかな時間は過ぎていきます。

老舗の焼酎蔵で、蔵人の想いに触れる

画像1: 老舗の焼酎蔵で、蔵人の想いに触れる

渡邊酒造場は、大正3年に創業した老舗の焼酎蔵です。町の南側に位置する標高1,118メートルの鰐塚山(わにつかやま)の伏流水を仕込み水とし、芋焼酎や麦焼酎が醸されています。

画像2: 老舗の焼酎蔵で、蔵人の想いに触れる

原材料となるサツマイモは、蔵人みずから土づくりを行い、丹精込めて育てたもの。田野町の自然風土と造り手の熱意によって育まれた地焼酎は、素材の味が感じられ、華やかで余韻のある味わいです。

画像3: 老舗の焼酎蔵で、蔵人の想いに触れる
画像4: 老舗の焼酎蔵で、蔵人の想いに触れる

4代目社長の渡邊幸一朗さんに焼酎蔵を案内してもらいました。しーんと静まり返った酒蔵では、麦焼酎の仕込樽がぷつぷつという音を響かせていて、ゆっくりと一次発酵が進んでいることがわかります。「夜中もつきっきりで、2~3時間おきに櫂で樽をかき混ぜます」。そう話す渡邊さんに、二人は驚くように顔を見合わせます。

マックスさんとジェイドさんも焼酎樽をかき混ぜる体験をさせてもらいました。

「樽の表面は麦が覆っていて硬いですが、奥まで櫂を入れると、スムーズにかき混ぜることができますね」とマックスさん。「酒は生き物。焼酎の声に耳を傾けながら、心を込めてかき混ぜています」と渡邊さんは力強くお話しされていました。

渡邊酒造場

住所宮崎県宮崎市田野町甲2032−1
電話0985-86-0014
営業時間8:00~17:00
定休日不定休
webhttp://www.asahi-mannen.com/index.html
※酒蔵見学は要予約(問/宮崎市観光協会)

田野のおいしいものがいっぱい。地元愛たっぷりのジオラマ展示も

画像1: 田野のおいしいものがいっぱい。地元愛たっぷりのジオラマ展示も

地元産のサツマイモを使った焼き芋ソフトクリームや、田野町ならではの特産品を購入したいなら「道の駅田野」へ。

画像2: 田野のおいしいものがいっぱい。地元愛たっぷりのジオラマ展示も

中でも、一番人気は、12月から2月までの期間限定販売の干し大根を使った漬物です。大根を丸々1本漬けたものや、薄くスライスしたものなど、いろんな種類の商品が並んでいます。

店の奥には、大根やぐらのジオラマが。大根を運ぶ軽トラックや、やぐらの下に置いてあるだるまストーブなども忠実に再現してある精巧な作りに、マックスさんとジェイドさんは「さっき見たやぐらがそのまま小さくなっていて、驚きました!」と興味津々です。

ジオラマの作者で「道の駅田野」駅長代理の永島健司さんは「田野町の魅力を多くの人に知ってもらいたくて作りました」と話し、地元への深い愛情が伝わってきました。

道の駅 田野

住所宮崎県宮崎市田野町甲7885-164
電話0985-86-2960
営業時間9:00~17:00
定休日1月1~3日
webhttp://michikusa-bussan.jp/?mode=f3

地元の人たちと団欒。宮崎地鶏に舌鼓

画像1: 地元の人たちと団欒。宮崎地鶏に舌鼓

大根やぐら体験やななっちゃ会で、大根生産者の野田悦男さん・律子さんご夫婦とすっかり打ち解けたマックスさんとジェイドさん。ご夫婦の友人で宮崎市田野総合支所に勤める黒岩嗣実さんも加わり、5人で夕食を楽しみました。

場所は、田野町で人気の居酒屋「夕月」です。地元の食材を使った手作り料理が自慢で、野菜は大将の緒方英明さんが自家菜園で手塩にかけて育てています。黒岩嗣実さんは「この店の『鶏もも焼き』と『テバカラ』は、“てげ、うめっちゃが”(とってもおいしいよ)」と教えてくれました。

「鶏もも焼き」は、宮崎県産地鶏の炭火焼です。自家製柚子こしょうを付けて食べると、ピリッと辛く、こりこりとした食感。マックスさんは「地鶏の旨みが口の中に広がりますね」。

画像2: 地元の人たちと団欒。宮崎地鶏に舌鼓

「テバカラ」は、日向鶏を秘伝のたれに数日漬け込み、カラリと揚げたもの。「外はパリッとして、肉汁があふれます」とジェイドさん。

画像3: 地元の人たちと団欒。宮崎地鶏に舌鼓

「私が漬けたハリハリ漬けも食べてみて」と律子さんがすすめてくれました。マックスさんとジェイドさんは、やぐらで干した大根の漬物に初挑戦。生で食べると辛みが強い田野町の大根ですが、漬物にすると不思議と甘みを感じます。「大根の風味とパリパリとした食感がたまりませんね」と、ついつい何度も手を伸ばしてしまう二人でした。

画像4: 地元の人たちと団欒。宮崎地鶏に舌鼓

豊かな自然に恵まれた田野町。降り注ぐ柔らかな日差しは、豊かな農産物だけでなく、人々の温かい心もはぐくむのでしょう。

夕月

住所宮崎県宮崎市田野町乙9343-3
電話0985-86-3407
営業時間17:30~20:00
定休日不定休
webhttps://www.instagram.com/yuuzuki.tanomachi/

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