奄美の特徴といえば、どこまでも深い緑色の森、不思議な形をした植物や見たこともない生き物、海に沈み行く真っ赤な夕日、シマに暮らす人々の独特な文化や祭り。日本にいるとは思えないような異世界・異次元を感じることができるのが魅力です。

この記事では、そんな奄美の大自然を身体いっぱいに感じられるアクティビティを紹介します。今の状況が落ち着いて、刺激的な旅をしたいと思ったら、海を越えて奄美へ行ってみてはいかがでしょうか。

文:福永栄子

“ネリヤカナヤ”の島「奄美」

画像: “ネリヤカナヤ”の島「奄美」

「奄美」という言葉が、どこのことを指しているかご存じでしょうか。奄美とは、ひとつの島のことではなく、九州本土から南西に約400キロメートルの洋上、九州本土と沖縄県との間に連なる島々の総称なのです。奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島などの島が属しています。貴重な生態系も残り、国立公園にも指定されています。

奄美の島々は、古くは「ネリヤカナヤ」と呼ばれていました。「ネリヤカナヤ」とは、奄美の言葉で「海のかなたの楽園」という意味です。その言葉のとおり、奄美ではいたるところで、第六感で感じるような神秘的な風景に出会えます。

太古の森、金作原を散策する

画像1: 太古の森、金作原を散策する

「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる奄美には、島全域に、ほの暗く深い森が広がっています。そこには、日本本土やユーラシア大陸の大部分ではすでに絶滅した生物が残っていたり、長い時間をかけて独特な形に進化した固有種がいたりと、独自の生態系が育まれています。

そんな奄美大島の独特な風景を楽しむのにおすすめなのが、「金作原」の散策です。金作原は、奄美の中心地、名瀬市街地から車で30分ほどの場所にあります。樹高15メートルにもなるヒカゲヘゴや樹齢100年を超える巨木など、亜熱帯の木々が生い茂り、まるで熱帯雨林のジャングルのような景色が広がっています。

画像2: 太古の森、金作原を散策する

さまざまな映画のロケ地にもなっている金作原は、今にも恐竜が現れそうな雰囲気。森はオオタニワタリやカゴメランなどの希少植物や、アマミノクロウサギ、ルリカケス、蝶、カエルなど奄美大島固有の希少な生き物たちの宝庫です。目を凝らして、生き物たちを観察してみてください。

金作原の散策には認定ガイドの同行が必要です。奄美大島では、ユネスコ世界自然遺産登録に向けた取り組みとして「認定エコツアーガイド」の制度を設けています。希少な動植物の保護に加えて、安全に散策するためにも認定エコツアーガイドの案内に従って散策を楽しみましょう。
認定ガイドのツアーでは植物や生き物について詳しく説明してくれるので、奄美の自然のことを深く知ることができます。服装についても事前に教えてくれるので、気軽に参加してみてください。

金作原散策
時間9:00~12:00 / 13:30~16:30
料金(1人)大人…4,000円
小人…3,200円
催行人数2人~※相乗りがあれば1人も可
開催時期通年
観光ネットワーク奄美
住所鹿児島県奄美市名瀬幸町19-5
電話0997-54-4991
webhttp://www.amami.com/

マングローブのトンネルをカヌーで進む

画像1: マングローブのトンネルをカヌーで進む

奄美大島には、全国的にも珍しいマングローブの森があります。太平洋に面した住用湾の河口、海水と淡水が混じり合った汽水域には、雄大なマングローブ原生林が広がっています。国立公園特別保護区にもなっているマングローブ原生林は、「生命のゆりかご」ともいわれており、多種多様な生き物たちが暮らしています。

画像2: マングローブのトンネルをカヌーで進む

その貴重な自然や生き物を間近に見られるのが「マングローブカヌーツアー」。マングローブ原生林は特別保護区のため、動力船での航行が禁止されていますが、カヌーでならそのすぐそばまで近づくことができるのです。

まずは、受付を道の駅住用内にあるマングローブ館で済ませましょう。マングローブ館から発着所までは、徒歩で5分ほど。乗船前にライフジャケットを着用し、インストラクターの説明に従ってカヌーの漕ぎ方を練習します。パドルを持って右、左と振り方を習ったら、次は方向転換の練習。頭で考えるよりも身体で慣れるのが一番です。

漕ぎ方がわかったら、カヌーに乗ってマングローブの森へ出発。インストラクターも一緒なので安心です。潮の干満によってマングローブは表情を変え、カヌーから観察できるものも違ってきます。

画像3: マングローブのトンネルをカヌーで進む

満潮時にはマングローブの水路が水で満ちて、トンネルのような光景が広がります。無数の木々が生い茂るマングローブのトンネルをカヌーで進めば、アドベンチャー気分が味わえるはず。
干潮時は大きく潮が引き、さまざまな形のマングローブの根やカニなどの生き物を見ることができるので、満潮時と干潮時の違いを楽しみましょう。

水に浮かんで前に進むカヌー体験は力も要らないので、初心者や子ども、年配の方まで楽しめます。カヌーも一人乗りと二人乗りのものがあるので、親子やカップルでの参加もおすすめ。ライフジャケット、サンダルも用意されており、手ぶらで参加可能です。

マングローブカヌーツアー
ツアー時間10:00~11:00/11:30~12:30/13:00~13:30/14:30~15:30/16:00~17:00
料金(1人)大人…2,000円(ガイド料・損害保険込)
小中学生…1,800円(ガイド料・損害保険込)
幼児…無料
催行人数1名~
開催時期通年
道の駅 奄美大島住用 マングローブパーク黒潮の森
住所鹿児島県奄美市住用町石原478
電話0997-56-3355
営業時間9:30~18:00
設備カヌー発着所にトイレ・シャワー・ロッカー完備
webhttps://www.mangrovepark.com/

夕日の名所・国直(くになお)海岸でSUPを体験する

画像1: 夕日の名所・国直(くになお)海岸でSUPを体験する

奄美の大海原を満喫したい方は、国直海岸で「SUP(スタンドアップパドルボード)」にチャレンジしてみましょう。奄美大島の西にある国直海岸は白浜が広がる美しい海岸で、波が比較的穏やかなためSUPを楽しむには最適のスポットです。

サーフボードより一回り大きなSUPボードに乗ったら、パドルを漕いで海に繰り出しましょう。最初は膝立ちから始めて、打ち寄せる波に向かって右、左と交互にパドリングで前進します。しばらく進んだら、パドルを置いて一休み。穏やかな波に揺られる感覚を楽しんでください。ボードの上で立ち上がってみれば、大きな海を独り占めした気分になれます。季節や天候によっては波が荒くなることもありますが、そんな時はサーフィンのように波に乗って楽しむ「サーフィンSUP」にもチャレンジしてみましょう。

国直海岸ならではのおすすめが、シュノーケルセットを着用して海の中の景色を眺めるシュノーケルSUPです。水中眼鏡で海中のサンゴ礁や熱帯魚をじっくりと眺めてみましょう。すぐにでも手が届きそうな、透明度の高い奄美の海中ならではの絶景が目の前に広がります。運が良ければウミガメに出会えるかもしれません。

画像2: 夕日の名所・国直(くになお)海岸でSUPを体験する

そして、何といっても国直海岸は夕日が見どころなのです。陸から夕日を眺めるのも良いですが、SUPでは、夕日の色に染まる海との一体感をぜひ味わってください。ロマンティックな奄美の景色は、一生の思い出になるはずです。いろいろなSUPの楽しみ方ができるのが国直海岸の一番の魅力。きっと、何度も訪れたくなることでしょう。

大和村集落まるごと協議会
住所鹿児島県大島郡大和村国直85-1
電話0997-57-2828
営業時間9:00~17:00
SUP体験
ツアー時間(1日4回)10:00~12:00/13:00~15:00/15:00~17:00/17:00~19:00(夏期のみ)
料金(1人)6,800円
催行人数1名~
開催時期通年
準備物水着やラッシュガードなど濡れてもよい服装、日焼け止めグッズ
※SUP・パドル・リーシュコード・マリンブーツ・ライフジャケット、シュノーケルセットは準備されています

ナイトツアーで森の動物たちと出会う

画像1: ナイトツアーで森の動物たちと出会う

希少な動植物の宝庫である奄美の森。その真の姿を体感したいなら、夜の森に出かけましょう。奄美の森の動物たちは夜行性が多いので、夜こそ、彼らに出会う絶好のチャンスなのです。

ナイトツアーでは、人工の光などが全くない亜熱帯原生林の中に、4WDで入っていきます。真っ黒なジャングル、闇が支配する世界のオフロードを奥へ奥へと進んでいくと、奄美の森の昼とは違った表情を見ることができます。

探してみてほしいのは、天然記念物の「アマミノクロウサギ」。もし見つけることができたなら、あなたは本当にラッキーな方です。

画像2: ナイトツアーで森の動物たちと出会う

アマミノクロウサギが巣穴から出てくるのは夜だけ。短い耳と足、全身を包む真っ黒な毛が特徴です。その丸々とした風貌は絵本に登場していそうな愛らしさですが、ウサギの原始的な形態を残しており、「生きた化石」ともいわれる希少な存在なのです。また、天敵がいないので、普通のウサギのようにあまり飛んだり跳ねたりしません。奄美大島の中にも約3000頭しかおらず、絶滅危惧種に指定されています。

絶滅危惧種のアマミノクロウサギだけでなく、アマミイシカワガエルやリュウキュウアカショウビン、リュウキュウコノハヅクなども、夜にこそ観察しやすい生き物です。鳴き声や草むらの音を頼りに、夜のジャングルに棲む動物を探してみましょう。

画像3: ナイトツアーで森の動物たちと出会う

ナイトツアーでは、自力ではなかなか行けないような奄美のジャングルを、ネイチャーガイドがしっかりと案内してくれます。屋根の開いたフルオープンの車でのツアーのため、 基本的に歩かなくても大丈夫。持ち物など準備はいらないので、直前でも予約がとれれば参加できます。

天気が良ければ星空もぜひ観察してください。天の川の星の群れがはっきりと見える日も少なくありません。

ナイトツアー
一般社団法人 奄美群島観光物産協会
住所鹿児島県奄美市名瀬永田町18-6
電話0997-58-4888
営業時間8:30~17:00(土日祝休)
web奄美のアクティビティ情報「あまみシマ博覧会」 
https://www.amami-shimahaku.com/

「ネリヤカナヤ」の名がふさわしい奄美には、手付かずの自然がたくさん残っています。そんな自然とそこに棲む生き物に出会えるのが奄美の最大の魅力です。

奄美の手付かずの自然を思いっきり楽しむなら、これらのアクティビティははずせません。さまざまな体験を通して、身体全体で奄美を感じてみてください。

全体問い合わせ先
一般社団法人 奄美群島観光物産協会
住所鹿児島県奄美市名瀬永田町18-6
電話0997-58-4888
営業時間8:30~17:00(土日祝休)
web奄美のアクティビティ情報「あまみシマ博覧会」 
https://www.amami-shimahaku.com/

写真提供・取材協力:(一社)奄美群島観光物産協会、奄美ツアーズ、(株)アイロード「みちくさ」編集部

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