「JAL FLIGHT FUN !」は、JALの国内線の機内時間をもっとお楽しみいただくためのアプリ。以前は「JAL機内Wi-Fi」をご愛顧いただいておりましたが、2019年11月に装いも新たに生まれ変わりました。
国内線フライトの限られた時間がより充実したものとなるよう“パートナー”という役割が与えられたアプリは、現在も新機能の追加を続けています。
機内Wi-Fi接続アシスタントが、エンターテインメント専用に進化
矢吹「もともと機内専用アプリは、Wi-Fi接続のためのものでした。JAL国内線で機内Wi-Fiを導入した当時は、手順が複雑だったため、アプリは接続補助のための手段と位置づけていたのです。ただ、その課題が解消されたため、お客さまに機内の時間をより楽しんでいただくものにしようと、新たに作り直しました」
こう振り返るのが、JALのアプリ全体の開発統括を行う、JALブランドコミュニケーション Web事業本部のシステムエンジニア・矢吹康平です。現在、JAL国内線の機内Wi-Fi利用手順は、機内Wi-Fiに接続したあと指定のURLにメールアドレスを入力するだけの簡単なプロセスになりました。そのため、「JAL機内Wi-Fi」アプリはその役割を終えましたが、せっかくなのでアプリを活用してお客さまのフライト時間を充実させるお手伝いができないかと模索したことから、開発チームが発足。現在、開発チームのリーダーを務める小野伸悟が語ります。
小野「エンターテインメントを盛り込もうという判断のなか、フォトフレームや3D機能など、いろいろなアイデアを出し、実現可能なコンセプトに集約していきました。親しみやすいアプリにするため、monopoさんというグラフィックに定評のある開発会社にデザインやコンセプトの具体化をお願いし、開発自体はJALが行うことになりました」
リリースから新機能が続々追加されています
まずチームは「TODOFUKEN STAMP(都道府県スタンプ)」機能の開発に着手。国内線に乗務する客室乗務員は「お客さまとの繋がりをこれまで以上に大切にしたい」という想いから、自身にゆかりがあり、最も親しみを感じる都道府県の「JAL TODOFUKEN SEAL」をお配りしていました。このシールは全国の都道府県、各地を代表する名勝などを描いたシールです。これをデジタル化する試みです(※)。
※2023年3月31日現在、スタンプの新規配布はサービス休止中
続いて、「CAMERA」「MAP」が2021年の8月に加わりました。アプリ開発の企画担当を務める日本航空のWeb販売部企画グループの阿部紗由美が振り返ります。
阿部「もともと『機内Wi-Fi』には、ご搭乗の便名やフライト情報が載った写真を撮影し、SNSに投稿できる『スカイカメラ』という機能があり、ご好評をいただいていました。これをさらに強化しようと考えたのが、monopoさんによるオシャレなJALオリジナルカメラフレームで撮影ができる、CAMERA機能です」
阿部「『MAP』機能はご搭乗の現在地などが表示されるだけでなく、日本各地のランドマークを運航乗務員がご紹介していたり、日本各地の空港やお土産を確認できたりと情報満載のフライトマップです」
また注目なのが、「富士山どっち」という機能。これは2019年11月に加わった機能で、ご搭乗の便名を入力すると、機体の左右どちらから富士山をご覧いただけるかがわかるというものです。
阿部「以前私は、グランドスタッフとして空港でお客さまのご案内をしていました。チェックインされるお客さまから、富士山が機体のどちら側に見えるのかお尋ねいただくことが多くあり、当時JALアプリに搭載されていた『富士山どっち』機能をご案内すると喜んでいただけました。その後、一度JALアプリからは機能が削除されましたが、お客さまからのご要望にお応えし、2019年に、国内線のフライトをもっと楽しくさせるということで相性ピッタリな『JAL FLIGHT FUN !』アプリで機能を復活させました。『CAMERA』機能で富士山と一緒の撮影をされたいときなどにもぜひご活用いただければと思います」
アプリでもJALらしい上質なサービスを表現。今後も進化を続けます
フォトフレームのみならず、「JAL FLIGHT FUN !」は今後も改良と新機能の搭載を続けていく予定です。
矢吹「私は予約などの実用系のアプリを担当してきましたが、エンターテインメントならではの開発視点がとても刺激になりました。そんななかでも、チームは“JALらしさ”を大事にしています。デザインの見やすさや機能もそうですし、お客さまがJALに期待する世界観を壊さないことが大切です」
丁寧でわかりやすく、最上のサービスをご提供したいというJALの理念を、アプリのなかでも表現したいと考えています。
阿部「展望はいろいろあります。現在は国内線のみですが、国際線での展開や、違うコラボフレームや新たな機能開発も検討しています。ぜひ楽しみにしていてください」
小野「(開発担当として)まずはリリースできることが大事だと考えています。決められたスケジュールを守って開発を進めることが、お客さまにとってのメリットにつながると考えています」
国内線では、長くても3時間ほどのフライトです。機内誌や軽食のほか、機体によっては機内エンターテインメントもご用意していますが、よろしければ機内アプリもぜひご利用ください。限られた旅のひとときをより充実したものにできるよう、開発チームは日々工夫を重ねています。
JAL FLIGHT FUN !
A350導入の裏話や機内食のメニュー開発など、JALの仕事の舞台裏を紹介します。
※2023年10月17日に一部内容を更新いたしました
掲載の内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。