新千歳空港から車で約1時間半の場所にあり、北海道・中西部の日本海に面した石狩市。江戸時代から続くニシン漁や沿岸漁業、農業が盛んで、石狩川や黄金山がある自然豊かなまちです。そして地名の通り、北海道の郷土料理・石狩鍋発祥の場所であり、古くからある風景や食文化を感じられる地域でもあります。
そんな石狩市で、JALふるさと応援隊の大橋さんが食文化と歴史を探訪。「石狩市の魅力を体感し、皆さんにご紹介できるのが楽しみです!」という意気込みと共に、石狩旅のスタートです。
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温かくて、なつかしい。北海道・石狩に残る風景と食に触れるノスタルジック旅

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※撮影時のみマスクを外しております
※価格は税込み表記です

厚田区のお母さんが伝授する「ニシン漬け」づくりに挑戦

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まずは昔からニシン漁が栄えている石狩市・厚田区で、ニシン漬けづくりを体験します。「ニシン漬け」とは北海道の郷土料理のひとつで、ニシン漁の盛んなまちが、寒い冬を越すための食料の保存方法として定着した漬物のことをいいます。厚田区で飲食店を営んでいる厚田区のお母さんこと、立浪先生にニシン漬けのレシピを教えてもらいます。

「本来は20日間ほど漬け込むところを4〜5日で仕上がる『サラダ風ニシン漬け』を作ります。各家庭で作られているニシン漬けは、家庭の数だけ味が違いますよ」と立浪さん。

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石狩市特産品の「札幌大球」という1個あたり平均10kgもある、大きいキャベツと干した大根、米のとぎ汁で戻した身欠きニシンをそれぞれ切っていきます。

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にんじん・しょうが・鷹の爪・麹・ごはん・塩など全ての材料を大きなボールに入れて、均等に発酵させるため、よく混ぜ合わせます。

画像4: 厚田区のお母さんが伝授する「ニシン漬け」づくりに挑戦
画像5: 厚田区のお母さんが伝授する「ニシン漬け」づくりに挑戦

袋に詰めてしっかり空気を抜くと完成です。「はじめてニシン漬けを作りましたが、意外と簡単であっという間に完成しました。自分で作ったからこそ『おいしくできたかな?』と、わくわくします」と大橋さん。和やかな雰囲気のなか、厚田のお母さんに冬の石狩の寒さに負けない発酵食を教えてもらい、心温まる時間となりました。

チョウザメの剥製やクジラの化石、独自の展示物も。「いしかり砂丘の風資料館」

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続いてやってきたのは、「いしかり砂丘の風資料館」。館内へ入ると、入り口のすぐそばに、迫力満点のチョウザメ(剥製)が展示されています。かつて石狩川には2種類のチョウザメが生息していたそうで、江戸時代から「鮭漁の神様」として祀られていたのです。現在では数年おきに魚網にかかる程度で、川でチョウザメの姿は全く見られなくなったので、こちらの展示物は非常に貴重な資料です。

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画像3: チョウザメの剥製やクジラの化石、独自の展示物も。「いしかり砂丘の風資料館」

店内中央に展示されている大きな化石は、すべて石狩市で掘り出されたクジラの化石です。じつは約1万年前から5,000年前の石狩市は海の底だったために、現在でも低地部の地下からクジラの化石が掘り出されることがあるのだそう。

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資料館では、春・秋・冬と浜辺で漂着物を観察・採集し、それが何か・どこからやってきたのかをみんなで考える野外講座を開催。漂着物が何かわからないときには、質問の紙を貼り、それを見た人が漂着物の回答を書いて解決する、という独自の取り組みを行なっています。

資料館2階は、5,000年前から300年前にかけての遺跡「石狩紅葉山49号」をテーマに、4,000年前の縄文時代に使われていた鮭漁の漁具などを中心に展示。石狩の自然と歴史について知るにはうってつけの場所です。

いしかり砂丘の風資料館

住所北海道石狩市弁天町30-4
電話0133-62-3711
営業時間9:30~17:00
休館日毎週火曜(火曜が祝日の場合は開館し、その翌日を休館)、年末年始
webhttps://www.city.ishikari.hokkaido.jp/museum/

石狩鍋を食べるなら、歴史感じる「金大亭」へ

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北海道の有名郷土料理である石狩鍋。その発祥のお店といわれている「金大亭」にやってきました。創業明治13年、その当時のままの趣ある店構えです。

画像2: 石狩鍋を食べるなら、歴史感じる「金大亭」へ
画像3: 石狩鍋を食べるなら、歴史感じる「金大亭」へ

店内に入ると昔の風情が感じられ、まるで明治時代へタイムトリップしたかのような気分に。「元祖石狩鍋をはじめ、鮭・鱒料理が絶品」と本州から訪れる人も多いのだとか。

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ここでは、コース料理「花」(3,000円)を。メニューは、焼鮭・いくら・焼き白子・るいべ・氷頭のなます・メフンの塩辛・石狩鍋の7品です。

画像5: 石狩鍋を食べるなら、歴史感じる「金大亭」へ

お目当ての石狩鍋が運ばれてきました。ぐつぐつと熱々のお鍋の中には、石狩産の鮭と石狩近郊で採れた野菜、豆腐、いくらなど具材が満載です。

画像6: 石狩鍋を食べるなら、歴史感じる「金大亭」へ

スープを口に運ぶと、まろやかで奥深く、優しい味わい。大橋さんも「上品な味噌の香りが、ふわっと通り抜けます」とにっこり。ホクホクとした鮭や、甘みが感じられる野菜。どれもおいしくて箸が止まりません。

画像7: 石狩鍋を食べるなら、歴史感じる「金大亭」へ

金大亭の魅力のひとつは、鮭のあらゆる部位を残すことなく、おいしく調理されていること。鮭の頭を使った氷頭のなますやメフン(中骨沿いにある腎臓・血合い)の塩辛などは、生臭さなどなくまろやかな味わい。日本全国から足繁く通う人がいるのも納得です。石狩鍋をはじめとするおいしい鮭料理で、体はポカポカに温まりました。

金大亭

住所北海道石狩市新町1番地
電話0133-62-3011
営業時間11:00〜21:00
※前日までの予約が必須
定休日不定休

海の安全を守る、現存する北海道最古の「石狩灯台」

画像1: 海の安全を守る、現存する北海道最古の「石狩灯台」

遮るものがない景色の中に立つのは、石狩市の海の安全を見守る「石狩灯台」。「石狩灯台」は明治25年1月1日に点灯してから100年以上にわたり活躍している、現存する北海道最古の灯台です。ほかの地域にも灯台はありますが、灯台ごとに光る間隔が異なるのだそう。そのため、点滅する光の時間を計算すると、自分の船が海上のどこを航行しているのかがわかるのだとか。

画像2: 海の安全を守る、現存する北海道最古の「石狩灯台」

普段は立ち入ることのできない灯台内部ですが、特別に見学させていただくことができました。「灯台の中が見学できるのは、とても貴重な体験です!」とテンション高めの大橋さん。

※2023年につきましては「石狩灯台内部見学ツアー」を開催予定。詳細は(一社)石狩観光協会ホームページ等をご確認ください。

画像3: 海の安全を守る、現存する北海道最古の「石狩灯台」

石狩灯台見学のあとは、すぐ横にある「はまなすの丘公園」を散策します。海へ続く長い木の遊歩道を歩くと、爽やかな風が吹き抜けます。

約46haある公園には、はまなすの丘公園の由来にもなったハマナスをはじめ、ハマボウフウ・イソスミレなど180種類もの植物が自生。そのうち約15.6haは石狩市海浜植物保護地区に指定されています。季節によって異なる風景を見ることができるでしょう。

石狩灯台

住所北海道石狩市浜町29

はまなすの丘公園

住所北海道石狩市浜町28番地外
電話0133-62-4611(石狩観光協会)

ロケ地にも使われた「マウニの丘」で美しい景色とおいしいコーヒーを堪能

画像1: ロケ地にも使われた「マウニの丘」で美しい景色とおいしいコーヒーを堪能

はまなすの丘公園から車で約2分、「マウニの丘」へやってきました。有名映画のロケ地として使われたこともあるカフェです。

画像2: ロケ地にも使われた「マウニの丘」で美しい景色とおいしいコーヒーを堪能

店内は広々としていて、木の温かみが感じられる落ち着く雰囲気。大きな窓からは日本海や石狩川、天気が良い日には遠くの積丹半島までといろいろな景色が楽しめます。

画像3: ロケ地にも使われた「マウニの丘」で美しい景色とおいしいコーヒーを堪能

オーナーが一杯ずつ丁寧にドリップした「ホットコーヒー」(480円)をいただきます。

画像4: ロケ地にも使われた「マウニの丘」で美しい景色とおいしいコーヒーを堪能

ほどよい苦味と雑味のないクリアな味わいのコーヒーを片手に、美しい景色を眺めながらのコーヒーブレイク。外を散歩したあとなので、コーヒーの温かさが身に沁みます。時間を忘れてしまうほど、ゆっくりと過ごせました。

画像5: ロケ地にも使われた「マウニの丘」で美しい景色とおいしいコーヒーを堪能

「マウニの丘」1階には「MAUNI GARDEN GUEST HOUSE(マウニガーデンゲストハウス)」があります。

画像6: ロケ地にも使われた「マウニの丘」で美しい景色とおいしいコーヒーを堪能

石狩鍋の老舗店「石狩鍋 あいはら」を改装した室内は、とても広々と快適な空間。最大滞在人数は6名で、家族や友人同士の利用が多いそうです。

画像7: ロケ地にも使われた「マウニの丘」で美しい景色とおいしいコーヒーを堪能

映画のワンシーンにも使われそうなくらい、テーブルやイス、小物などひとつひとつがおしゃれで、オーナーのこだわりを感じます。名店の歴史を感じつつもモダンな設えで、特別な宿泊体験ができるでしょう。

マウニの丘

住所北海道石狩市弁天町番外地
電話0133-62-3955
営業時間土曜・日曜 11:00〜17:00
定休日月曜〜金曜

MAUNI GARDEN GUEST HOUSE(マウニガーデンゲストハウス)

住所北海道石狩市弁天町番外地
電話0133-62-3955

道の駅石狩「あいろーど厚田」で絶景を眺める

画像1: 道の駅石狩「あいろーど厚田」で絶景を眺める

最後にやってきたのは、国道231号線(通称:オロロンライン)沿いにある、道の駅石狩「あいろーど厚田」です。

画像2: 道の駅石狩「あいろーど厚田」で絶景を眺める

E-FATバイク(電動自転車)をレンタルし、道の駅周辺を散策。太いタイヤを履いているため、凸凹した道でもスイスイ進み、脚力のない方でも楽しめます(E-FATバイクレンタル料金3,000円・税込)。旅先で自然を感じられるアクティビティを体験してみたいという人にはピッタリです。

画像3: 道の駅石狩「あいろーど厚田」で絶景を眺める

道の駅石狩「あいろーど厚田」の裏側にある丘の頂上へ到着。ここは、愛を誓いプロポーズするのにふさわしいとされる観光スポットとして、平成18年7月に北海道ではじめて選出された「恋人の聖地/厚田展望台」です。

毎年9月の第1土曜日は「あいろーど厚田恋人の日」としてライトアップされ、幻想的な演出が行われます。

画像4: 道の駅石狩「あいろーど厚田」で絶景を眺める
画像5: 道の駅石狩「あいろーど厚田」で絶景を眺める

「誓いの鐘」のベルや恋人たちが固く結ばれることを願い、記念日や名前を記入したハート型のプレートや南京錠を取りつけるためのフェンスがあります(ハート型のプレートは道の駅ショップで販売していますが、南京錠の販売はしておりません)。

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展望台の屋上へ行くと、目の前にはどこまでも続く日本海と雲の隙間からさし込む美しい夕日が広がります。恋人の聖地である厚田展望台だからこその素晴らしい景色が楽しめました。

画像7: 道の駅石狩「あいろーど厚田」で絶景を眺める

道の駅へ戻り、2階にある歴史・自然資料室「自然・歴史コーナー」へ。大阪と北海道を往来した商船・北前船と厚田のニシン漁をテーマにした展示物は、ニシン漁から北前船に運ばれるまでの、人々の暮らしを再現しています。ニシン漁での網元・実業家として活躍した厚田出身の佐藤松太郎氏の功績を讃えるコーナーもあり、ニシン漁をはじめ厚田のさまざまな歴史が学ぶことができます。

画像8: 道の駅石狩「あいろーど厚田」で絶景を眺める
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そして、1階にあるi-STORE(地場産品販売コーナー)ではお土産探しを。ほとんどの商品が石狩市の特産品のため、ここでしか買えない商品を求めて遠方から買いに来る人も多いようです。

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中でも人気商品は、「厚田もなか」(130円)と「手造り厚田とうふ」(210円)。厚田ならではの魚、ハタハタとシャコの形を模した斬新な厚田もなかは、サクッとした生地の中に、小豆の黒餡白餡(シャコもなか)と白いんげん豆の白餡(ハタハタもなか)が入っており、おやつにピッタリ。手造り厚田とうふは、大豆の香りと味わいが濃厚で弾力があり、何もかけずにそのまま食べても絶品。また、熱を加えると柔らかい食感になるため、お鍋や湯豆腐などいろいろな料理との相性がよさそうです。

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最後は、道の駅展望コーナーから夕日鑑賞です。雲と雲の間にふんわり浮かび、海岸線に沈んでいく夕日は幻想的。周りには遮るものがなく、ダイナミックな夕日を堪能できるこの場所は、絶好の夕日スポットです。石狩旅の締めくくりにふさわしい、特別な時間でした。

道の駅石狩「あいろーど厚田」

住所北海道石狩市厚田区厚田98番地2
電話0133-78-2300
営業時間10:00~16:00(飲食テナントは10:30~16:00)
※時期により変動あり
※2階飲食テナントおよび道の駅別館ANNEXは、11/1~3/31まで冬季休業
定休日年末年始

ニシン漬けづくりやファットバイク、恋人の聖地、歴史、お土産探しなど、石狩市について素敵な体験や学びがあった、大満足の旅。

旅を終えた大橋さんは「石狩市は日本らしさが残る、魅力あるまちです。季節が変わるころ、今とは違った景色やお料理を楽しみに、もう一度訪れたいです!」と石狩市で感じた魅力を語ってくれました。

古き良き雰囲気が残り、食も人も温かい石狩市。次の旅では、懐かしさを感じるこの場所へ足を運んでみませんか。

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